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ミステリの祭典

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死神の浮力
「死神の精度」続編

作家 伊坂幸太郎
出版日2013年07月
平均点6.33点
書評数6人

No.6 7点 VOLKS
(2018/07/10 11:23登録)
疲れた(笑)
肩に力が入ったまま読んでいたのか、とにかく疲れた(笑)
それだけ物語に、いや千葉に?、いや山野辺ににも、魅力があったように思う。
山野辺の父親との関係、父子の会話、父から息子への吐露のくだりがとても良かった。
を、踏まえての今の山野辺なんだなー、という設定も丁寧に感じた。

娘を殺された夫婦の心情そのままの復讐劇では重すぎるところ、とにかく的外れな千葉に何度も救われた(笑)

No.5 5点 sophia
(2018/07/03 18:21登録)
結末が読めるんですよねえ。その先に更にサプライズがあると思っていたんですけど特に何もなくて、それで終わり?という感じでした。それも伏線だったのかと思う箇所がある反面、あれは伏線じゃなかったのかと思う箇所もあります。「一週間の生涯なら、百年でもささげるべきである」の下りや、レインコートの男が殺された件です。その辺がどうも荒いんですよね。前作「死神の精度」の方が断然よかったです。麻耶雄嵩の神様シリーズと同じで、短編向きの設定ではないでしょうか。

No.4 6点 E-BANKER
(2017/07/21 22:00登録)
“死神”の千葉を主人公としたシリーズ二作目。
2005年に発表された「死神の精度」は連作短篇だったが、今回は長編での再登板となった。
本作は2013年の発表。

~最愛の娘を殺された山野辺夫妻は、逮捕されながら無罪判決を受けた犯人の本城への復讐を計画していた。そこへ人間の死の可否を判定する“死神”の千葉がやってきた。千葉は夫妻とともに本城を追うことに・・・。展開の読めないエンターテイメントでありながら、死に対峙した人間の弱さと強さを浮き彫りにする傑作長編~

久しぶりの続編で、かなりワクワクしながら読み進めた。
前作(「死神の精度」)はよくできた連作だっただけに、当然に期待は高まることに・・・
その結果は後に置いとくとして、伊坂作品には強烈なインパクトを与える人物(人ではないケースもよくあるが)がたびたび登場する。
「ラッシュライフ」他に登場する黒澤、「陽気なギャング」シリーズの響野や久遠、「グラスホッパー」の鈴木、etc
そして、本シリーズの千葉も負けず劣らずの強烈な個性!
飄々としながらも、人間離れした(死神だから当たり前?)能力を発揮し、人間の常識に囚われない反応を示す・・・
伊坂らしい世界観や台詞まわしに最適なキャラクターだ。

今回のテーマはやはり「死」と「運命」ということなのだろう。
サイコパス・本城とのせめぎあいを通じながら、人間の逃れられない「運命」としての「死」を問いかけてる・・・そんな気はした。
誰にでも「死」は訪れる。それが早いか遅いかの違いだけで、「死」から免れる人間はいない。
「そんなこと当たり前だろ!」ということなのだが、誰もが「運命」を感じ、背負いながら日々を過ごしている・・・。
山野辺夫妻の「その後」の場面を敢えてラストに持ってきたのが、作者らしい実に憎らしい演出。
「死」という厳粛な結果が出たはずなのに、そこには何と言えないほのぼのした空間すら感じてしまう。
それこそが人間の強さということなのだろうと勝手に解釈した。

ただし、期待したとおりだったのかというと、「期待したほどではないかな」というのが正直な感想。
途中かなり冗長な展開が続くし、もう少し「構成の妙」が欲しかったかなと思った次第。
でもまぁ、さすがのエンタメ小説とは言える。続編にも期待。

No.3 5点 まさむね
(2014/01/18 23:44登録)
 「死神の精度」の続編で,死神・千葉が引き続き登場。死神の基本設定は変わらないものの,勧善懲悪の長編モノなので,趣としては前作よりも「マリアビートル」に近い印象(どうしようもない悪人のイメージも含めて)。
 なお,「車の下に爆弾」,「監視カメラによる監視」っていうシチュエーションは「ゴールデンスランバー」を想い起こさせたりも。
 千葉のキャラは好みなのですが,終盤はもう一捻りというか,更なる爽快感が欲しかったような気もします。

No.2 8点 HORNET
(2013/11/11 18:13登録)
(ネタバレというか結果示唆的要素アリ)
 伊坂作品の中でも人に一番勧めたのが「死神の精度」。その続編、しかも長編が出るとは・・・
 人間の死にクールな態度で接する死神・千葉。のはずなのだが、結果的にとっても温かい処置を施しているという前作からのスタイルは健在。「グラスホッパー」「マリアビートル」のように、基本勧善懲悪のスタンスの小気味よさ、痛快さにもその千葉のキャラが大いに寄与している。
 娘を殺した憎き犯人に復讐を企てる夫婦に関与する千葉。人情のかけらもない、サイコパスともいえる犯人の、狡猾で余裕たっぷりの態度にイラつくストレスを、最後に完膚なきまでにすっきりさせてくれる。
 シリーズとして続けてくれることを望む。

No.1 7点 haruka
(2013/08/31 16:02登録)
「死神の精度」の続編だが、こちらは長編。ストーリー展開としては「オーデュボンの祈り」に似た勧善懲悪もの。愛娘を殺された作家の復讐劇を中心に、死神・千葉の仕事ぶりが楽しめる。親子の絆に関わるエピソードが多く、こちらは「重力ピエロ」っぽい。初期の伊坂ファンにはおすすめかも。

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