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ミステリの祭典

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検事の本懐
佐方貞人シリーズ

作家 柚月裕子
出版日2011年11月
平均点6.25点
書評数4人

No.4 6点 測量ボ-イ
(2021/07/20 20:47登録)
本来なら起訴が難しいであろう案件を、主役の検事が独自に真相を
暴く(あるいは起訴に持ち込む)、そんな短編集です。
内容は水準ですが、この骨太な作品を女性の作家が書いた、という
意外性が一番印象に残ります。

採点は5点(基礎点)+1点(この意外性を好感)

No.3 6点 VOLKS
(2018/08/13 08:47登録)
佐方が検事の頃の短編集。
どーゆー生い立ちで、どーゆー人と関わって今の佐方弁護士になったか、が解る一冊。
どの話も熱く心を揺すぶられる半面、佐方は冷静であることが多いが「恩を返す」では、稀にみる一面を垣間見ることが出来て印象に残った。

No.2 7点 ボンボン
(2015/05/23 00:50登録)
面白かった。前作とは比べようもなく格段に巧くなっている。
全編をかけて佐方検事の人生の謎が解かれていく。
ことの本質、隠れた真実を、奇をてらわず実直に見つけ出していくという、かなり地味な味わいが胸にしみわたる。
まず、「検事の本懐」っていう言葉からして、熱いものが込み上げてくるなあ。
第3話「恩を返す」の緊迫のスローモーション場面が印象的だ。
ところで、柚月裕子というきれいなお名前の女性なのに、おじさんへの理解がとてつもなく深いのはなぜだ。

No.1 6点 makomako
(2014/09/13 20:09登録)
 法曹物はどちらかというとあまり好きではないのだが、この連作集は面白く読みました。どの話もかなり興味深い。
 ことに第4話の拳を握るでは特捜班に派遣された佐方が尋問する相手にあらかじめ上から作った書類にハンコを押すように強制することを押し付けられるシチュエーションにはびっくしました。
 検察の特捜班は花形と思いますが、この小説のように取り調べる人の都合など全く無視で自分の作ったシナリオに合わせることのみを考えているとしたら、誤認逮捕なんていくらでも出るのでしょう。本書の最後に元検事から監修をいただいたとあるから、本当にこんな組織なのでしょうか。かなり考えさせられるお話でした。

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