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ミステリの祭典

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yoshiさんの登録情報
平均点:4.55点 書評数:116件

プロフィール| 書評

No.76 5点 RPGスクール
早坂吝
(2015/08/11 02:58登録)
特殊能力バトルに、ミステリー成分を多少加えた感じ。
ミステリーを期待して読んだのでやや不満。
最大の弱点は、人が沢山死ぬものの、「ゲームが終わったら全員生き返る」と明言されているので緊張感がまるでないこと。ゲーム中にもばんばん蘇生するし。
4点くらいかなと思ったが、魔王の正体が面白かったので一点プラス。


No.75 3点 教会堂の殺人〜Game Theory〜
周木律
(2015/08/11 02:47登録)
(ネタバレあり)
とうとうミステリーではなくなかってしまった感あり。
トリックに既視感ありありと叩かれながらも、このシリーズは結構好きだったので残念。
トリックで愕かせて欲しいのに、メインキャラを殺すことで愕かせる方向に行ってしまったようでそれも残念。
それからもう一つ難を言うと、この設定、自分の部屋のバルブを開けても、上の部屋の水や蒸気の絶対的な量を知りえない以上は、相手を確実に助けられるという保証がないので、囚人のジレンマは成り立たず、誰もバルブを開けないと思う。


No.74 8点 赤い右手
ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ
(2015/07/27 02:34登録)
これは面白かった。
読み始めてすぐに、とある人物が怪しいと思い、読むにつれてどんどん怪しくなり、
記述の矛盾をどう解決してくれるのかと思いながら読んでいたら、見事にやられました。
正直、私の大嫌いな多重人格モノだと思っていました。
ギザギザの帽子についてもいまく説明がついていたら10点つけていたのに、
あれは結局ただの(あり得ないほどの)偶然ということなんですかね。


No.73 2点 編集室の床に落ちた顔
キャメロン・マケイブ
(2015/07/23 03:49登録)
問題作、多重解決のはしり、と喧伝されているので読んでみたのですが・・・。

これは本当に多重解決と呼べるのだろうか? という疑問がまずある。
多重解決とは、こういう可能性もある、いやこういう可能性もある、
すると同じ記述でも全然意味が変わって来る! 
という知的スリリングさに醍醐味があると思うのだが、
これはだれが嘘ついてるのかわからないよというものであり、
強いて言えばある体系は自らの正しさを証明できないという、
ゲーデル問題を小説化したものに近い気がする。

そして当然の如く、小説としてはまったく面白くない。
だらだらした会話の連続は、読み通すのにかなりの忍耐力が必要だった。


No.72 4点 人間の顔は食べづらい
白井智之
(2015/03/29 00:46登録)
あらすじに「クローン」という言葉があることから、
当然ある種のトリックが予想され、
実際に読んでみると、舞台設定が既視感ゼロの秀逸なものなのに、
中盤から既視感ありまくりの地味な推理合戦になり、
結局メイントリックは予想の範囲を一歩も出ていなかったという、
評価が難しい作品でした。


No.71 2点 半導体探偵マキナの未定義な冒険
森川智喜
(2015/03/13 00:30登録)
「スノーホワイト」が全然ダメだったので、
口直し(?)のつもりで読んでみたが、
やはり期待は裏切られた。
前半でマキナが謎を解いていくのはマキナの特殊能力のゆえんであり、
そこには全く推理が介入していない。
スノーホワイトの例の鏡もそうだが、どうもこの作者は、
そこらへんで楽をする癖があるようだ。
後半は謎の焦点が変わって、
マキナの兄姉たちの「壊れっぷり」を推理することになる。
ここでようやく「推理」が登場するのだが、
ここにあるのは論理ではなくあてずっぽうに使い。

この人を高く評価する人もあるようだが、どうも実力がわからない。
一度特殊設定・特殊能力なしで書いてもらいたい。


No.70 5点 ずっとあなたが好きでした
歌野晶午
(2015/03/12 16:36登録)
kanamoriさんの
「いくつになっても男は男。どいつもこいつもみな一緒w」
という言葉を帯に使うべきだと思う。


No.69 2点 スノーホワイト 名探偵三途川理と少女の鏡は千の目を持つ
森川智喜
(2015/03/08 21:48登録)
特殊設定を使うのはいいが、それならばその設定に穴はないのか、
作者はちゃんと考えてから書いてもらいたい。

第一部はママエが鏡に、
「真実は何? そしてその真実を、依頼人に不思議がられずに伝える方法を教えて」
と訊けばいいし、
第二部は三途川が鏡に
「誰にも疑われることなくママエを殺す方法を教えろ」
と訊けばいいだけの話だ。鏡の特殊な考え方を思いついた三途川は、
作中では頭がいいことになっているが、実はものすごく頭が悪い。

いずれも鏡に万能性を持たせ過ぎたが故の結果で、
あまりにも穴だらけな論理は語るに値しない。
これが本格ミステリ大賞を獲ったというのは、愕きの一言だ。
大賞受賞作品は全て読んでいるが、これほど怒りを覚えた受賞作は初めてだ。


No.68 6点 退出ゲーム
初野晴
(2015/01/16 13:33登録)
表題作は確かにいいですね。これだけ単体なら8点くらい付けました。
エレファンツブレスは、トラウマで記憶喪失になるというお決まりのパターンが、少々安易に感じられました。そこで全体を平均するとこれくらい。
でも今後もこのシリーズが出たら必ず読むと思います。


No.67 2点 氷菓
米澤穂信
(2014/09/30 19:48登録)
えるのキャラがどうしても受け入れられないのだが、
そこはまあ我慢するとして、
肝心の「氷菓」の謎が、30年も前に榊原郁恵が歌った
『夏のお嬢さん』の歌詞の丸パクリなのには失笑した。


No.66 3点 シューマンの指
奥泉光
(2014/09/22 21:03登録)
「グランドミステリー」や「軍艦橿原殺人事件」など、ミステリーファンならばつい手に取ってしまうタイトルを著して来た著者ですが、実際読んでみると、とてもミステリーとは言えない代物ばかり・・・。
それらと比べると、まだ納得いくオチがつけられているだけマシかも知れませんが、このオチはやはり微妙。


No.65 4点 異次元の館の殺人
芦辺拓
(2014/09/05 12:37登録)
あとがきで作者は、この作品の構想を思いついた時、
「こういうのはまだ誰もやっていないとほくそ笑んだ」と書いている。
構想時にはそうだったのかも知れないが、
正直今やこうしたタイムループもの、パラレルワールドものは、
巷に溢れかえっていて陳腐に思われるくらいである。
多重解決のその一つ一つもあまりパっとしない残念な出来。


No.64 5点 女王国の城
有栖川有栖
(2014/09/02 02:34登録)
ミステリーとしての出来はさておき、やはり長い。長すぎる。
二段組で500ページあるのは(面白ければ)いいんですが、
最初の事件が起こるのが168ページというのは遅すぎる。
事件が起こる前に挫折しそうになりました。
それ以外にも、あと少しで解決編というとこでだらだらと映画の話をしたりするのにイライラさせられました。
無駄な会話を省いてこの半分の長さだったら8点くらいだったかな。


No.63 2点 珈琲店タレーランの事件簿
岡崎琢磨
(2014/04/24 08:26登録)
これはちょっと、生理的に受け付けなかった。日常の謎ものということはわかって読んだのだが、各篇で展開される「謎」があまりにもしょぼする。台詞廻しも不自然だし、謎を解く過程も論理的じゃないし、「その謎とてもよく挽けました」というバリスタの決め台詞も、流行語を作ってやろうというような作者の作為がミエミエで萎える。読了後にアマゾンのレビューを見て、その低評価に深く頷いた。


No.62 4点 バイバイ、エンジェル
笠井潔
(2014/04/17 16:04登録)
現象学的直観で犯人を指摘するというやり方にどうしても疑問を感じてしまう。それただの直観とどう違うんですか?


No.61 1点 推理小説
秦建日子
(2014/03/14 02:20登録)
怒りすら覚える駄作。
冒頭近くで、登場人物の編集者がいまは良いものは売れない、
本の売れ行きは内容の深さに反比例するという一文があるが、
この作品が正にそれ。


No.60 5点 コモリと子守り
歌野晶午
(2014/03/12 22:09登録)
現代的な誘拐ものとして興味深く読めた。
ただトリックは、スマホの最新機能とかに頼っているため、
十年後くらいに読んだら古臭く感じてしまうのではないだろうか


No.59 5点 サクリファイス
近藤史恵
(2013/08/24 03:01登録)
シーマスター氏の意見にほぼ同意。
作者は「まさかこの人がサクリファイスをするとは」という意外性を出したかったのだろうが、あまりにも唐突すぎて受け入れることが困難。


No.58 5点 殺人鬼フジコの衝動
真梨幸子
(2013/02/05 03:16登録)
最初はフジコに同情し、感情移入もできるのだが、やたらと人を殺し始める終盤は、もう勝手にやってろという風に気持ちが醒めてしまう。だから最初の事件の真相(らしきもの)が最後に明らかになっても、もうどうでもいいという心境になる。


No.57 5点 厭魅の如き憑くもの
三津田信三
(2013/01/05 03:13登録)
このシリーズを逆から読んできて、最後にシリーズ第一作に到達した。結論から言うと、シリーズでは一番不満が残った。
まず長すぎる。この三分の二にできるはず。
それから文章が悪い。とにかく読みにくい。
最後に登場人物の名前がみんな似ていて覚えにくい。

以上、「小説」としてみた時の欠点を挙げましたが、
「ミステリー」としての仕掛けはちゃんとしてます。

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