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ミステリの祭典

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ずっとあなたが好きでした

作家 歌野晶午
出版日2014年10月
平均点6.10点
書評数10人

No.10 4点 パメル
(2026/07/06 09:00登録)
恋愛をテーマにした13編からなる短編集。
「ずっとあなたが好きでした」中学生の大和は年齢を偽ってスーパーでアルバイトをしている。そこで知り合った三千穂と親しくなるが売り場の主任が二人の仲を妨害する。
「黄泉路より」事業の失敗と家庭崩壊で人生に絶望した五十嵐は、自殺サイトで知り合った男女と富士の樹海へ向かうが、同行者の智子に恋愛感情を抱く。
「遠い初恋」弓木は転校してきた弥生に憧れを抱く。そして弥生のネックレスが盗まれる事件が起きた。
「別れの刃」板橋継世は演劇サークルの先輩と恋に落ちる。
「ドレスと留袖」永嶌は妻の佐和子をストーカーの魔の手から必死に奮闘する。
「マドンナと王子のキューピッド」主人公のDJはラジオ番組へのネタ投稿を趣味にしている高校生。ある日、学校一イケメンの王子から美少女マドンナとの二人の恋の架け橋役を引き受ける。
「まどろみ」大学四年生の大輔は、就職が決まっていないことを理由に、友里の将来設計から逃げる。
「幻の女」主人公は街で見かけた女性に惹かれ、その後を追い酒場へ入る。やがて女性と言い争いになり、彼女を追跡するうちに見失ってしまう。その後、近くで発生した殺人事件の容疑者として疑われてしまう。
「匿名で恋して」主人公はインターネットの掲示板を通じて、ある女性と知り合い、やがて現実世界で会う約束をする。
「舞姫」十條は恋人のフランソワーズから紹介してもらったレストランで働いていたが、そのレストランで事件が起きる。
11話目の「女!」、12話目の「綿の袋はタイムカプセル」、13話目の「散る花、咲く花」で全貌が明らかになる。
甘酸っぱい恋、泥沼の愛、人生の終わりの恋など、多少ミステリ要素のある恋愛小説が続く。オチが読めてしまったり、「何これ」ぐらいの酷いオチだったりと途中で投げ出したくなった。だがこの作者のことだから、何か特別な仕掛けがあるだろうと読み進めていった。13話あるうち、11話目で「?」となり12話目から「そういうことだったのか」と巧さを感じたが、特別驚いたわけではなく、作者らしいなと思ったぐらいであった。

No.9 7点 zuso
(2026/05/03 20:56登録)
様々な恋愛模様にトリックが仕掛けられた連作集。
連城三紀彦を想起させる雰囲気もあり、ラストで明かされる真相も素晴らしい。ストリーテラーとしての実力と、トリックのセンスが集約された一冊。

No.8 7点 take5
(2025/11/23 11:49登録)
さすがのまとめ方上手、歌野晶午。
13の短編集だが12作目で纏め上げ
ずっと誰かを好きなまま読了です。

個人的に10作目の『舞姫』が好き。
ビルバリンジャーの『赤毛〜』風。

『幻の女』はアイリッシュのまま。
全ての作品が恋愛もの風を装って、
叙述に凝っていたり工夫があります。

600ページをスイスイ読める手軽さ。
お二人書評されていましたが、男の
しょうもなさが軽く描かれています。

No.7 6点 ボナンザ
(2025/04/29 19:28登録)
これは確かに歌野ならではの傑作だと思う。個々の短編はイマイチのものもあるが、それもまた楽し。

No.6 8点 ミステリーオタク
(2020/01/30 20:53登録)
本書を今後読むかもしれない人は、以下読まない方が宜しいかと。

13のストーリーが収録された短編集だが、10作目までは読みながら「とにかく長い」「そんなネタでこんなにダラダラ引っ張るなよ」「こんなんでポケットにも入りにくい分厚い文庫にすんじゃねえ」・・・・・
全て恋愛絡みだが、訓話っぽい御託も入ってたりするし、『正月十一日、鏡殺し』のような血も涙もない残酷さは微塵もなく、「晶ちゃんも歳をとったのかな~」と少し淋しさすら感じてくる。
例外的に第5話「ドレスと留袖」は秀作ミステリーと感じたが、表題作などは最後の一行まで騙された読者がどれほどいるのだろう。
全く意味不明あるいは意図不明の作品もある。

し・か・し、第11話「女!」のラストで「ん!?☆」と来る。
そして最後の2話。本書のタイトルの意味が分かった気にさせられた上で、更に裏切られる。

やはり歌野は晶午であった。(何のこっちゃ)

No.5 4点 虫暮部
(2018/07/30 10:37登録)
 どれもこれも中途半端なところでぶった切ったような結末なのはどういうことか。“大きなパズルのピース” としての役割に傾注し過ぎで、個々の短編としての純粋な満足度がいまひとつ。その割に分厚いので読み進めるのがちょっときつかった。
 私の場合は、「匿名で恋をして」“ロレッタ” の由来が推測出来たので、次の「舞姫」を読んだところで全体の仕掛けがなんとなく見えた。収録順に一考の余地あり?

No.4 5点 makomako
(2018/02/24 20:56登録)
こんな表題で歌野氏の作品なのですから、きっとすごいどんでん返しがあるのだろう、と思って読みました。当然単なる恋愛小説のわけないよね。
それにしても連作というにはあまりにつながりがなさそうなお話が並んでいるので、どうなることかと心配もしました。
最後はやっぱりといった感じでしたね。あんまり驚くことはなかった。
それにしても長いなあ。
好きな話もあるが、はっきり言って興味なさそうな話も結構ある。
連作と信じていなければ途中で放り出していたかも。
私としてはもうちょっと短くしてほしかった。

No.3 5点 yoshi
(2015/03/12 16:36登録)
kanamoriさんの
「いくつになっても男は男。どいつもこいつもみな一緒w」
という言葉を帯に使うべきだと思う。

No.2 7点 まさむね
(2014/12/28 22:37登録)
 恋愛小説短編集。って言いながら歌野氏だからなぁ…と念頭に置きながら読み進めますと,やっぱり表題作や「舞姫」のような捻りの効いた作品もありつつ,あれ?純粋な恋愛小説もあるし,ははぁ,今回はこういった雑多感を楽しむ趣向なのかねぇ…などと結構中だるみを感じた頃に…ねぇ。
 スラスラ読ませつつも結構な分厚さ。ソコも狙いなのでしょうが,なるほどねぇ。ははぁ,なるほどねぇ。

No.1 8点 kanamori
(2014/10/26 18:31登録)
「葉桜~」に比肩し得る、歌野晶午の新たな代表作!--------というような、ミステリ系のブログやその筋の方々のTwitterの感想をよく見かけたので、目いっぱいハードルを上げて読みましたw

流行りの言い回しだと、”恋愛小説集に擬態した〇〇ミステリ”で、600ページに近い分量に13編の様々な形の恋愛話が収められています。すっきりした文章なので、長尺のわりには読みやすく、また一気に読んだほうが良いように思います。
内容は、美少女転校生に初恋する小学5年生、年齢を偽りバイトに励む中学生、ラジオの告白番組を利用しようとする高校生、演劇サークルの先輩女性に惑わされる大学生、パリでヌードダンサーと同棲する新米会社員、ネット掲示版で知り合った女性に恋する中堅会社員、集団自殺寸前にメンバーの女性に惚れる中年男、ビラ配りの仕事中に美魔女に魅せられる落ちぶれた初老の男などなど、主人公の年齢はバラバラですが、やはり何歳になっても男は男、どいつもこいつも皆いっしょですねw
純粋な恋愛小説もありますが、ミステリ趣向やオチが施された作品のなかでは、第1話の表題作と、「舞姫」、そして最終話の「散る花、咲く花」の3編がとくに印象に残りました。

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