RPGスクール |
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作家 | 早坂吝 |
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出版日 | 2015年08月 |
平均点 | 5.20点 |
書評数 | 5人 |
No.5 | 7点 | ミステリ初心者 | |
(2020/09/14 20:36登録) ネタバレをしています。 かなり変わった設定のミステリでした。その名の通り、学園RPGアクションゲームのような剣と魔法のミステリ(?)。学園RPGはペルソナぐらいしかやったことありません(しかも2まで)。 文章は非常に読みやすく、漫画を読むかのように進んでいきます。最初にイマワが殺され、それがモンスターの者ではない=誰かが殺した殺人事件の謎が提示されて以来、長いページ学園アクション小説になっています(笑)。しかし、その中で超能力についての説明があったり、魔王が仕掛けたRPGゲームの説明があったり、かつその要素が"誰がイマワを殺したか?"のロジックにかかわっていて、全体として無駄な文が少なかったです。非常に本格度の強い作品だと思います。 以下、不満点。 ・誰がイマワを殺したか?については、校長が殺したというのが読者にたどり着ける唯一の答えだと思います。どんでん返しとしてミラがそれを助けた形ですが、これはさすがに推理不可能だと思われます。すべての伏線が回収されている点は素晴らしいですが、ミラを犯人役としてみた場合は都合のよ良い偶然がありすぎています。さらに、若干の悲しい最後(笑)。 |
No.4 | 6点 | 名探偵ジャパン | |
(2019/10/10 13:57登録) 「俺だって、しち面倒くさい本格ミステリばかりじゃなくて、こんな安易な設定の冒険バトルものを書きたいぜ」という作者の想いが表出した(完全に評者の偏見です)ユルい前半から、ガチガチロジックが支配する後半の「特殊能力ミステリ」に大胆に舵を切ります。やっぱりミステリ作家はミステリを書かないとね。 作中に存在する「特殊能力」についてのルールは全て、ミステリ編が始まるまでに提示されていて、本格として申し分なく、特に「死体移動のトリック」は既存のパターンに新しい要素を加えた独自のもので、これはなかなか面白かったです。 発刊から四年も経過していますが、未だ(2019年10月現在)文庫化していないというのは、人気がなかったのでしょうか? ライトノベルレーベルで出していたら、もっと読者に恵まれていたと思います。 |
No.3 | 4点 | 虫暮部 | |
(2019/04/02 11:25登録) こういう軽めの作風でも上手下手というのは確かにあって、本書はあまり流れが頭に入って来なかった。それともRPGをやったことがないので反応すべきネタを素通りしちゃったのだろうか。とはいえ結末でいきなりミステリ化して繰り出されるロジックは悪くない。あのひとが殺されるのは結構意外な展開だから粗筋でバラさないほうがいいなぁ。ところで制服のまま空中浮遊させたら下から丸見えですよん。 |
No.2 | 4点 | kanamori | |
(2015/09/06 18:56登録) ”俺”こと剣先が通う高校に超能力体験学習のためにやってきた女性超能力者イマワが、足跡のない運動場で死体となって発見される。すると学校が外部と遮断され、スピーカーから"魔王"と名乗る声がバトルゲームの開始を宣言、生徒たちの前に次々とモンスターが現れる---------。 RPGに関する作者の趣味嗜好が全面的に出てきたものでしょうが、前2作とはかなりテイストが異なり、個人的には微妙な出来栄えと感じました。 クローズド・サークル内の足跡のない殺人という本格ミステリど真ん中の設定で幕を開けるものの、以降は、仮想現実空間のバトルゲームと魔王の正体探しが延々と続く展開で、個人的な嗜好からは大きく外れたものになってしまった。 終盤の"壊れた眼鏡"を巡る中身の濃いロジック展開による消去法推理は、それなりに読み応えはあるのですが、超能力の範囲がいまいち把握できないこともあり、なるほどと素直に納得出来ないものでした。 超能力、バトルゲーム、ロジカルなパズラーという異質な要素を一つの作品に詰め込んだ結果として、中途半端な内容になってしまったという印象を持ちました。 |
No.1 | 5点 | yoshi | |
(2015/08/11 02:58登録) 特殊能力バトルに、ミステリー成分を多少加えた感じ。 ミステリーを期待して読んだのでやや不満。 最大の弱点は、人が沢山死ぬものの、「ゲームが終わったら全員生き返る」と明言されているので緊張感がまるでないこと。ゲーム中にもばんばん蘇生するし。 4点くらいかなと思ったが、魔王の正体が面白かったので一点プラス。 |