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ミステリの祭典

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退出ゲーム
〈ハルチカ〉シリーズ

作家 初野晴
出版日2008年10月
平均点5.62点
書評数8人

No.8 6点 パメル
(2023/11/26 19:08登録)
主人公の女子高生と幼馴染の男子高生が部活に関わる謎に挑んでいく4編からなる青春ミステリ。
「結晶泥棒」学園祭の開催が危ぶまれる事態が起きる。毒物を結晶化させたものが盗まれ、しかも脅迫状も送られてくるのだ。メインとなるべき盗難事件に関しては伏線の置き方が印象に残る。
「クロスキューブ」吹奏楽部存続のため、必要な人材をスカウトしようとする。入部の条件は、六面とも白色のルービックキューブの謎を解き明かすことだった。ルービックキューブに隠された謎の正体というよりむしろ、絵解きのシーンなどの個々の細かい描写が印象に残った。
「退出ゲーム」演劇部と吹奏楽部の二つの部が必要な人材を手に入れるために行った勝負は。作中人物にまで叙述トリックを仕掛けるという、叙述トリックという要素を考える上で興味深いものになっている。
「エレファンツ・ブレス」奇妙な枕に関するトラブルを解決する羽目になったのだが、だんだんと深刻なところに話が進んでいく。ひょうたんから駒ということわざがあるが、まさにその通り。

No.7 6点 青い車
(2016/09/10 23:14登録)
 一話目『結晶泥棒』はイントロダクションを兼ねた作品で、そこそこの面白さ。しかし、『クロスキューブ』の展開のすばらしさには驚かされました。残る表題作と『エレファンツ・ブレス』も良作で、青春小説の爽やかさとユーモアに、人間ドラマのほろ苦さが伴っています。ミステリーとしては高度ではないのでこの点数ですが、単なるラノベだと侮れない一冊です。

No.6 6点 HORNET
(2015/03/01 23:13登録)
ラノベテイストの甘酸っぱい設定、雰囲気だがミステリとしてしっかりしている。私は表題作より前の2作の方が好きだ。青春ミステリのカテゴリに入っているが、「日常の謎」の秀逸作とも言えるのでは。無理に長編にせずに仕掛けのサイズに合った中編にしているのも好ましい。

No.5 6点 yoshi
(2015/01/16 13:33登録)
表題作は確かにいいですね。これだけ単体なら8点くらい付けました。
エレファンツブレスは、トラウマで記憶喪失になるというお決まりのパターンが、少々安易に感じられました。そこで全体を平均するとこれくらい。
でも今後もこのシリーズが出たら必ず読むと思います。

No.4 6点 メルカトル
(2014/07/04 22:32登録)
部活に賭ける高校生たちを生き生きと描いた連作短編集。ジャンルとしては日常の謎の範疇に収まるのだと思うが、一般的に言えば青春ミステリか。
どの作品も平均して良く出来ているが、好みから言うと『クロスキューブ』が一番のお気に入り。これが最もスッキリまとまっていて好感が持てる。表題作もいいんだが、トリックがやや安易な気がする。さすがに騙されたけれど。まあしかし、演劇部対吹奏楽部の自由すぎる対決はなかなか読ませてくれる。
全体的に若干文章が読みづらい部分があった。勿論、難解な文章とかではなく、表現の仕方がやや気になるところがあった程度だが。ただ、チカの内面を描写する文章はユーモアが適度に効いていて面白かった。<吹奏楽。素敵だと思う>などのフレーズは短くても、どこか私の琴線に触れるものがあり、印象深い。
なので、主人公のチカにはかなり感情移入できるが、一方のハルタの人物像がどこか不透明な感じで、インパクトが足りない気がする。単純に格好いいだけのような存在で探偵役としては、アクの強さがなさすぎる。草壁先生への想いはどうなっているんだと、そればかり気になってしまう。
取り敢えず、青春物として合格点をあげてもよいのではないだろうか。

No.3 7点 まさむね
(2012/06/26 22:11登録)
 最初の作品「結晶泥棒」を読んだ時点での印象は「うーん…」。どうにも入り込めない感じだった訳です。
 しかし,その後の3作品で盛り返してくれました。特に,表題作「退出ゲーム」がずば抜けて面白い。即興劇対決という設定自体が興味深いし,捻りとラストへの収束も見事。短編として秀逸だと思います。
 全作品の平均を採れば6点なのですが,表題作に敬意を評して特別加点。

No.2 2点 ayulifeman
(2012/04/16 00:08登録)
シリーズ化されていているのでまずは最初の作品をということで。
基本的に学園もの、青春ものというのは好きな設定なのですがちょっとハマれませんでした。
登場人物のキャラクターについていけなかったんだと思います。年代のギャップですかね。
ですのでこれは読まないシリーズとします。

No.1 6点 江守森江
(2009/05/24 03:32登録)
ラノベミステリーで読者が自力で解決にたどり着けそうにはない。
でも、表題作の「退出ゲーム」の展開は評判通りに面白い。
キャラや部活の部分は主人公達が卒業まで続くであろう次作以降に期待。

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