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ミステリの祭典

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のりさんの登録情報
平均点:5.30点 書評数:44件

プロフィール| 書評

No.44 3点 哲学者の密室
笠井潔
(2002/06/02 23:29登録)
個人的にですが、凄く読みにくい文章を書かれる人だな、と思いました。内容の方も、一見小難しそうなのですが、実は結構薄っぺらい印象。講釈と不必要な描写がやたらと多い。戦時下のナチスを設定に選んでいるのですが、舞台を日本にして、物議をかもす位の自説をぶつけたりした方が説得力あるような気がします。これでは、ミステリとしてのプロットがお粗末なのを誤魔化してるようにしか思えない。


No.43 2点 時の鳥籠
浦賀和宏
(2002/05/24 22:49登録)
続編というより、前作をリアレンジして改めて「小説」として機能させたという印象。重複する部分がかなりあるので、読んでいて何度もクドいと思った。作品のテンポは前作よりかなり良くなっていると思うが、意外性の無い展開と、既視感ならぬ既読感には耐えがたいものがある。前作を読まず読んでいたら、もう少し楽しめたかもしれないが。


No.42 1点 記憶の果て
浦賀和宏
(2002/05/23 23:04登録)
「モテない野島伸司、もしくは秋葉原系三島信奉者」的な世界から展開していくと思いきや、結局そのままダラダラと終わってしまった感じ。何度も読むのを止めようと思った。まず、推理小説としてどうかと思うし、違うジャンルの作品として見ても、共感や感動、意外性などは感じられない。歪んだキャラ設定も作者の狙いによるものと思っていたが、結構内面吐露に近いものがあるのかもしれない。そういうのは他でやってくれ。


No.41 6点 水晶のピラミッド
島田荘司
(2002/05/16 23:05登録)
解決編に破壊力が感じられないものの、個人的には結構楽しめた。トリックや推理ではなく、作品自体の長さや構成で読み手を煙に巻く手法は、この作品では比較的自然に活かされていたと思う。ただ、雨の中で自己憐憫に浸るレオナに、御手洗が救いの手を差し出すところや、臭い発つラストなど、俗物っぽい場面には違和感を感じざるを得ないが。


No.40 3点 長い家の殺人
歌野晶午
(2002/04/25 22:54登録)
本格モノの基本をおさえた、真っ当な作品だと思います。
しかし、バンドの描写はひどい。もう体中痒くなりそう。ハズカシー。発表されたのが80年代であったことを考慮に入れても、これはヒドい。どうして、小説のなかに描かれるロックってこんなに分かり易いんだろうか?オリジナル曲を話題に挙げておきながら、思いっきりコピーバンドだし、しかもスゴイ選曲。コードのトリックも有り勝ちだし・・・。


No.39 4点 漱石と倫敦ミイラ殺人事件
島田荘司
(2002/04/25 22:53登録)
期待していたほど、楽しめませんでした。もうヒトヤマ(ミスリード系のトリックとか)あると思ったがなかった。


No.38 4点 龍臥亭事件
島田荘司
(2002/04/24 03:26登録)
社会派路線、及びメッセージ性の高さが著者の魅力の一端を担っていることは分かるのですが、このシリーズはやはり娯楽路線に徹したほうがいいのでは。全体的に散漫な印象、トリックもスカッとしてない・・・。
あと、キャラがどんどん安易な方向に変わってきてるのが気になる(メインが出て来ないっていうもの意味不明だけど・・・タメてみたのか?)。


No.37 8点
麻耶雄嵩
(2002/04/18 23:10登録)
比較的直球勝負な展開は本来の持ち味とは少し違うのかもしれませんが、テンポが良くて読みやすいし、独特の重々しい空気感にも冒頭から引き込まれました。特に、鬼子のトリック(誰かの作品でも使われていましたが)は閉鎖的でモノトーン調の世界にうまくハマっていたと思います。力作。


No.36 3点 あいにくの雨で
麻耶雄嵩
(2002/04/16 22:52登録)
設定を「政界」じゃなくて、「生徒会」としてるところが独創的とも言えるけど、描き方が中途半端。もっとブっ飛んでても良かったのでは?
あと、こういう普通の結末にするなら、もっとドロドロした「人間」を中盤までに描くべきだと思うし…。でも、そういうのはこの作家に誰も求めてないんだよね、きっと。


No.35 4点 軽井沢マジック
二階堂黎人
(2002/04/13 02:19登録)
主人公の台詞もちょっと面白いし、相変わらず読みやすいのですが、後半はいつもにもまして矛盾点・疑問点だらけでした。ツッ込みたいけど本だからできない。イライラした。


No.34 4点 火刑都市
島田荘司
(2002/04/13 02:12登録)
島田作品には珍しく、意外性の無い展開だったと思う。ハードボイルドっぽいんだけど、それにしては動機や設定がなんか変だし、作品の裏に有るテーマも薄弱な印象を受けた。捜査の推移が火サスっぽいなあと思ってたら、実際ドラマ化されてたらしく(解説)なんとなく納得。
関係ないかもしれませんが、J・D・カーの類似タイトルとはあんまり接点が無いみたいです。


No.33 4点 生ける屍の死
山口雅也
(2002/04/06 01:11登録)
文庫版のオビには「NO.1」みたいな仰々しい宣伝文句がついていたが、その割に退屈な作品だった。何が評価されてるのか分からないけど、海外の作品を翻訳したような文体や表現もしっくりこないし、何よりもとても長く感じた。
 ただ、「バトルロワイヤル」にしろ「20世紀少年」にしろ、ロックなりパンクなり所謂アンチ系の音楽をバックグラウンドに持ってきてる作品が最近多く見られるが、ノスタルジックな演出の一端だったり、若さとか自由のシンボルだったり、わかり安すぎてウンザリさせられるものが多い。そんななかで、この作品ではそういう主人公の熱血な心理描写が過剰に成されることなく、うまく使われていたと思う。
 解説書いてる人が、何の恥じらいも無く堂々とストーンローゼズとか引用してる超ステキなセンスには首を傾げざるを得ないが・・(作中で引用された楽曲から察するに、作者が最も嫌悪する存在なんじゃないかな?台無し)。


No.32 8点 奇想、天を動かす
島田荘司
(2002/04/06 01:03登録)
とても痛い作品。これ以上情緒過多な脚色が成されていたら作品として楽しめなかったかもしれませんが、最後まで一気に読めました。


No.31 7点 暗闇坂の人喰いの木
島田荘司
(2002/03/30 01:22登録)
これ以降の御手洗シリーズにも見られるように、冒険小説的エッセンスがうまく絡んでいて、冒頭からどんどん惹き込まれました。すごい作品だと思うのですが、この解決編にはやはりちょっと落胆させられました。トリックやいつもはしてやられる犯人の告白文も今回はなんか予定調和で(本来そういうものなのかもしれませんが)、退屈な印象を持ってしまいました。


No.30 6点 御手洗潔のダンス
島田荘司
(2002/03/28 00:50登録)
長編であろうと短編であろうと魅力的な作家であることに変わりはないのですが、最後に収録された作品および解説の甘ったるさにはスゴイ拒絶反応を感じてしまいました。
こういう同人誌的なキモいことはもうやめてほしい。


No.29 6点 御手洗潔の挨拶
島田荘司
(2002/03/28 00:43登録)
短編と言うと、作品ごとに頭を切り替えるのが面倒で集中できなかったり、長編にする程でもない安いトリックオンパレード、という印象があるのですが、キャラ先行ということで読みやすかったし、長編とは違った遊び感覚にも惹かれました。個人的には宝くじの話、気に入ってます。


No.28 5点 星降り山荘の殺人
倉知淳
(2002/03/15 01:35登録)
「絶対最後なんかある」と思いながら読んでいたんですが、結局引っ掛かりました。
でも、中盤までは正直退屈しました。なんかスゴイ普通。まあ、それが伏線になってるとも言えるのですが。


No.27 7点
麻耶雄嵩
(2002/03/13 01:14登録)
あんまり期待しないで読んだ所為か、結構楽しめました。
(続編として捉えるなら)前作との相違点が最後まで全く言及されないし、矛盾だらけなのですが、個人的にこういう訳わかんない円環構造みたいなパターン結構好きなので、個人的には「あり」です。
あえて、既存の手法とは距離を置こうとしてるのがなんとなく好感。みんな同じじゃつまんないし。
 作品自体とは関係ないのですが、巻末の「解説」には全く納得いかない。
自分の作品でもないのに、何でこんなに必死になってバカみたいな「言い訳」してるんだろう?かなり不快。


No.26 7点 アトポス
島田荘司
(2002/03/13 00:52登録)
作品の規模に比例して、犯行の動機につながる犯人のバックグラウンドもなんか仰々しくなってて、なんかスゴイ。
でも、正直ちょっと長いと感じてしまったのが、マイナス。


No.25 8点 眩暈
島田荘司
(2002/03/10 13:24登録)
「そんなバカな・・・」的トリックもありましたが、久しぶりに読み終えるのが惜しくなった作品でした。

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