home

ミステリの祭典

login
時の鳥籠
THE ENDLESS RETURNING/安藤直樹シリーズ

作家 浦賀和宏
出版日1998年09月
平均点7.00点
書評数16人

No.16 5点 じきる
(2021/04/10 20:04登録)
静かな狂気とでも言えるだろうか、独特の世界観だ。

No.15 5点 レッドキング
(2019/02/08 19:59登録)
一時期、この作家の全小説を読破していこうと思ったこともあった。この作品位まではよく覚えているが、その後、突然に興味が失せてしまい、名前すら忘れていた。 

No.14 6点 メルカトル
(2019/01/23 22:33登録)
「この子は近い将来、自殺する」。初対面の少女の運命をなぜか私は知っていた。少女に出会った瞬間意識を失った私は、心肺停止から奇跡的に蘇生するが、見るのも聞くのも全て昔のものだ。もしかしたら私は未来から来た人間なのか。私は少女を自殺から救うべきなのか。時空の螺旋が絡み合う安藤シリーズ第二弾。
『BOOK』データベースより。

「安藤直樹シリーズ」第二弾と言うより、続編なのでしょうか。前作と対を成すストーリーなのですが、謎を完全に補完している訳ではありません。なんかまったりしています。そう、多分浦賀の感性を僅かでも多く感じ取ってしまえる者だけが、この作品を評価するのだと思います。
本作から読んでも訳が分からないということにはならないですが、やはり順序を踏んで第一作から読むのが本筋と感じます。同じ描写の繰り返しが多いとか、宮野のパートは正直いらいないのではないかとか思ってしまいますが、そうなると悪戯に枚数を増やして冗長さを助長している、みたいになります。で、必然的に退屈で詰まらない、まるで作者が自分だけの世界に浸り過ぎなのでは?という感想にもなりかねません。結局それが浦賀という人の一つの特徴でもあり、広く一般読者に受け入れられない要因になっているのかもしれませんね。

ただ平均得点がこれだけ高いのは、私には理解できません。デビュー作を凌いでいるかと問われれば、否と答えるしかないのが私個人の結論です。面白いかという観点で言えば面白くはないと思います。しかし、何故かどこかに惹かれるものを持っている、不思議な作品であるとは言えます。要するにフィーリングの問題、或いは相性の問題ですかね。とにかく難しい作家ですよ、難解なのではなく行間を読み取る繊細さが要求されると言ったらいいんですかね。

No.13 4点 くりからもんもん
(2010/03/15 22:46登録)
伏線らしき物も未消化だし、第一タイムトリップの謎が一切明かされていないのはストレスがたまる。
あのラストもどうなのかなと思う。

No.12 7点 深夜
(2008/03/08 01:49登録)
静かに静かに流れていくストーリー。読後も静かに衝撃を受けた。まさに森さんの紹介文通り。
こんなに長くする必要があったのかな?ということは思ったが、前作を読んでいればそれも面白さに変わる。たた宮野のくだりと「夜想曲」は結局何だったんだ?

No.11 8点 てぃぐれ
(2005/06/21 05:40登録)
まぎれもない名作です。しかしミステリーではないような(笑)。でも面白ければいいのです。

No.10 10点 ルルファー
(2005/03/29 18:23登録)
恐ろしい作家だな。

No.9 8点 なりね
(2004/02/22 00:56登録)
今読み終わりましたが・・・
はっきり言って、よく、分かりません。
ただ凄いです。もう一度読み直してみないと分かりませんが多分どんでん返しも凄いです。
狂気溢れる感じでは舞城王太郎に似ていますが、静かに語りかけてくる感じです。
ああ、本当に理解に苦しむ・・・。

No.8 10点 エイドリアン・アドニス
(2004/02/14 22:55登録)
浦賀の心に堆積した膿のような物を一気に吐き出したかのような迫力と不快感が同居する、異形の小説。
非常に現代的でもあり、あの「エヴァ」ブームに通じるところもある。だからこそ一般受けはしないんだろうけど。

No.7 5点 フリップ村上
(2002/11/26 20:36登録)
採点不能。ある意味10点満点。ある意味0点。間をとって5点という玉虫色の決着である。
ミステリなのか、SFなのかというジャンル分別以前に、おそらく作者の創作意図は、己の心中の《ある気持ち》を表現することにしかなく、そういう意味ではあらかじめ読者オリエンティッドなエンタテイメント性は放棄されていると割り切った方が良いか。
親子の関係性を扱いながら、決して家族を描かず、血の問題=己の出自のみに拘泥しているところからもわかるように、テーマとしては頭デッカチな青年の自意識過剰的自己言及に他ならないわけだが、そいつをここまで異形の物語に変質させた手腕には、唖然とするばかりだ。
不要な寄り道、饒舌、繰り返しが多すぎるという読物としての弱点も、本作品においてはマイナス要因ではなく、他人のユルい悪夢に無理やりつきあわされているような、収まりの悪い酩酊感を読者に与える唯一無二の武器ともいえる。よって評価基準には良い悪いではなく、好き嫌いしか入り込む余地がない。
いずれにせよ、多少の破綻があろうと、とにかく物凄くぶっとんだ話を読みたい方には大のオススメ。
ちなみに前作とは同じテーマの変奏曲のようなもので、両方合わせて興趣が倍増なことは事実だが、単独でも十分楽しめる。

No.6 8点 一千花
(2002/10/31 19:04登録)
いつまでも時の鳥籠にとらわれた少女と大人達の物語
この作者の書く女の子たちはあまり好きじゃないです
ミステリではなくて青春小説として読んでいました。
洋楽が聴きたくなります。
読了後はとても切なくなりました。
やっぱり「記憶の果て」から先に読んだほうが
良かったのかもしれない...と少し後悔。

No.5 7点 流破
(2002/07/05 13:44登録)
ミステリとしての評価は難しい。
純粋に読んでて面白かったのでいいかな。
ただ、自分の産んだ子供が○○って・・・

No.4 7点 由良小三郎
(2002/06/22 08:57登録)
ミステリ(か?)は展開や構成や描写で、読者を楽しましてくれたかどうかが第1段階の評価だと思うわけで、その点では、かなりうまいと思いました。それがうまいと次の段階で作者の思想というか、登場人物に対する作者の仕打ちの部分を批評したくなるわけで、そのへんが、自分にあわなかった。

No.3 2点 のり
(2002/05/24 22:49登録)
続編というより、前作をリアレンジして改めて「小説」として機能させたという印象。重複する部分がかなりあるので、読んでいて何度もクドいと思った。作品のテンポは前作よりかなり良くなっていると思うが、意外性の無い展開と、既視感ならぬ既読感には耐えがたいものがある。前作を読まず読んでいたら、もう少し楽しめたかもしれないが。

No.2 10点 けるる
(2002/05/03 14:17登録)
浦賀和宏作品ではこれが一番好き。巷間では「感情移入しにくい」ことで有名な作品が多い中、この作品に関してはそうは思わなかった。
文章はいまいちかもしれない。けれど、それを補ってあまりある感性には一見の価値アリ。執筆当時まだ19、20歳だった著者の才気にはめをみはるものがあった。動機=感情を描く物語が多い中、作者は全著作を通じて徹底的に理性の物語を描こうとしていると思う。

No.1 10点 しゃん
(2002/04/30 15:33登録)
私はこれがはじめてよむ浦賀作品。
一般浦賀作品は刊行順に読まないと面白くないといわれるが私に限ってはそんなことはなかった。
奇妙な構成。登場人物の狂気。滲み出る愛情。
それらがなんともいえない後味を残した。

16レコード表示中です 書評