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ミステリの祭典

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けるるさんの登録情報
平均点:7.26点 書評数:19件

プロフィール| 書評

No.19 7点 魔神の遊戯
島田荘司
(2002/09/06 02:25登録)
力作、という感じではありましたが、切れ味はそんなに鋭くないと思う。作者は文芸春秋のページの本格ミステリマスターズ特集に「書き足りない」ようなことを書いていたが、むしろ冗長な部分もあった。解決はあっさりしていたけど。まあ、21世紀の御手洗潔が何をしているのか解って良かったかなとは思う。
 なんにしろ、島田荘司の、この人にしか書けない本格ミステリだ。この叢書の趣旨には当て嵌まるのだろう。


No.18 5点 クリスマス・テロル invisible×inventor
佐藤友哉
(2002/08/26 04:02登録)
正直、何点にすればいいのかが難点。
10と1の間くらいということでこの点数。
ほんとなのかなあ。やめんのかなあ。
そのうち、凄い傑作を生み出しそうな人として注目してはいたんだけどなあ。
途中から、もしかしてもしかしてとは感じたけれど、ホントにそんな結末だとは思わなかった。
やめないでほしいなあ。


No.17 7点 彼女は存在しない
浦賀和宏
(2002/08/23 01:08登録)
まあ、普通ですね。浦賀和宏にしては、浦賀和宏らしさがうまく活かされていない気がしました。基本的に感情移入しづらすぎますしね、この人の作品は。


No.16 7点 殉教カテリナ車輪
飛鳥部勝則
(2002/07/17 00:52登録)
純粋にトリックだけを抽出してみるとたいしたことはないけれど、作品全体として完成度の高い本格ミステリをなしていると思う。図像学に関しても意外と解り易く説明がなされていたし、その薀蓄がしっかり作品に絡んでいるし。
だた難をいうとすれば、試みと試みとの繋がりがちょっと綺麗でないところか。


No.15 6点 メビウス・レター
北森鴻
(2002/06/26 20:26登録)
きれいにまとまっています。普通の長編です。
オリジナリティを感じるところもあんまりない。
かといってつまらないわけじゃない。
楽しめるでしょう。
堅実な作家ですね。


No.14 6点 puzzle
恩田陸
(2002/06/26 20:22登録)
まあ、「あり」だとは思いますが。400円文庫ですからもちろん短い。しかも終わり方もあっさり。400円ですからね。短くて盛り上がりに欠けてもしょうがない。雰囲気でてましたから。「あり」でしょう。


No.13 6点 光の帝国 常野物語
恩田陸
(2002/06/26 20:20登録)
途中少し中弛んだ雰囲気は否めないものの、恩田陸独特の世界観があふれている作品。淡々と、ごく淡々と描かれる不思議な人間たちが、美しい物語を形作る。


No.12 7点 六番目の小夜子
恩田陸
(2002/06/26 20:16登録)
ミステリかと問われれば、「ミステリだ」と大見得きっていうことは出来ません。デヴュー作から、恩田陸という作家は独自のジャンル(1作家1ジャンル)の典型例でしょう。ホラーでもあり、ミステリでもあり、その他のジャンルをも包含した、味わい深い作品。


No.11 6点 樒/榁
殊能将之
(2002/06/16 18:17登録)
うーん。
前作のネタばれしてる。いいのかなあ。
本格ミステリに対する皮肉?めいた作品です。少なくともミステリ初心者に紹介できるものではございません。
しかし、うす過ぎやしないか?700円なのに。


No.10 5点 ナイフが町に降ってくる
西澤保彦
(2002/05/28 22:46登録)
まあ、語り口は面白いんです。いつものとおり、西澤調でストーリーは進んでいくのですが・・・。
なぜだろう、期待しすぎて読んでいたのかな。幕切れが物足りない。仮説は沢山出てくるけれど、最後の答えも仮説に感じてしまいました。


No.9 9点 花の下にて春死なむ
北森鴻
(2002/05/28 22:41登録)
きっと、ミステリでなくとも高い評価を得ると思う。
非常に綺麗にまとまっていて、文章力も高く、ストーリーもじっくり練りこまれている。
『傑作』というよりも、『秀作』と呼ぶにふさわしい作品。


No.8 9点 世界は密室でできている。
舞城王太郎
(2002/05/14 23:15登録)
いいです、舞城王太郎。最高にハイな物語です。
今回もジャンルは特定できない作品ですが、既成の枠(文章にしろ、プロットにしろ)をぶち破る爽快感があります。この爽快感が楽しめるところが、この人の作品を読んだときに一番感じることではないでしょうか?


No.7 7点 浦賀和宏殺人事件
浦賀和宏
(2002/05/14 23:03登録)
すごいです。帯文句が「ミステリでここまでやるのは果たして許されるのか!?」。実験的過ぎるくらいに実験的。許されるのでしょうか?この小説は・・・。
面白かったですけれど。YMOの話が沢山出てくんだけど。YMOについてはまったく詳しくなれませんでした。


No.6 8点 殺戮にいたる病
我孫子武丸
(2002/05/08 23:15登録)
この本を読んだときの印象は忘れません。単純なトリック一本でこのレヴェルの本格ミステリにしてしまったのは圧巻。個人的には7点なんだけれど、文庫版の笠井潔による解説にも点をあげたいため8点と言うことで。


No.5 8点 暗闇の中で子供
舞城王太郎
(2002/05/03 14:40登録)
はたしてこの作品はミステリなんでしょうか?
いや、一応謎はあります。ちょっとした論理もでてきます。解答だらけでもあります。
でも・・・。
要素を満たしても遺伝子配列から組み換えるととんでもないことになるのですね。
もうこの人の作品はニュータイプのものとして受け入れないと、既存の枠組みでは計りきれません。話の内容もぶっ飛んでるし、文章もぶっ飛んでます。でも、下手ではない。圧倒的なのです。個人的には前作の方がよかった。
初見のインパクトの問題か。


No.4 8点 QED 六歌仙の暗号
高田崇史
(2002/05/03 14:30登録)
うまいです。きれいです。本格してます。
思わず「なるほど!」と膝を打ちたくなる作品。
でもこういった歴史検証もののミステリが苦手な人には、
あの漢字やら短歌やらの羅列には辟易するでしょう。


No.3 8点 QED 式の密室
高田崇史
(2002/05/03 14:26登録)
密室本の一つとして刊行されて結果的によかったと思う。
なにが?って長さが。短くてまとまりがある。QEDシリーズの本領発揮はこのくらいの中編が一番善いのでは?
阿倍晴明が脚光を浴びてそれが下火になってきた頃に刊行されたけど、果たしてブームに乗っかろうとしたのかなあ。作品自体はいつものテイストで、そこらの晴明本よりは格段に面白いとは思うけど。


No.2 10点 時の鳥籠
浦賀和宏
(2002/05/03 14:17登録)
浦賀和宏作品ではこれが一番好き。巷間では「感情移入しにくい」ことで有名な作品が多い中、この作品に関してはそうは思わなかった。
文章はいまいちかもしれない。けれど、それを補ってあまりある感性には一見の価値アリ。執筆当時まだ19、20歳だった著者の才気にはめをみはるものがあった。動機=感情を描く物語が多い中、作者は全著作を通じて徹底的に理性の物語を描こうとしていると思う。


No.1 9点 鏡の中は日曜日
殊能将之
(2002/04/26 22:56登録)
この作者のやっていることは全部確信犯なので、凄いと思う。本格ミステリをとても善く知っていて、だからこそこういうことになるんだなあ、と。参考文献にアヤツジ館シリーズが記載されているし。一人の作家が違った手法でも同じトリックを用いるのはとても勇気がいることでしょう。それができるのは、「善く知っている」作家だから。とても批評的な作風だと思う。周囲の情報を遮蔽して単純に読み物として読んだら、きっとこの点数にはならないけど。読者を選ぶ作風ですね。

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