home

ミステリの祭典

login
世界は密室でできている。

作家 舞城王太郎
出版日2002年04月
平均点6.55点
書評数31人

No.31 5点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2022/07/01 13:19登録)
奈津川家シリーズにも顔を出す探偵メンバーの十二歳から十九歳までを描いた青春ミステリ。
「密室」だけど、もう一つのテーマはタイトルが示す通り、「世界」であって密室で出来上がっているこの窮屈な世界システムから決死の覚悟で逃れようとする子供の真摯な闘いを、この小説は描かんとしている。
それを記述する文体にはリズムがあり、スピードがあり、個性がある。

No.30 2点 レッドキング
(2019/02/08 19:41登録)
この作家が、カーや島荘なみのトリックを考案し、なおその上で自作品をパロディの様な物と化すことができたのならば さぞや素晴らしかったろう。

No.29 7点 メルカトル
(2017/12/10 22:15登録)
評判の悪かった『密室本』の中でもなかなかの逸品というか、珍品だと思います。デビュー作の『煙か土か食い物』が肌に合わなかったため、敬遠していました(多分一生読まないだろうと思っていた)が、これは読んで正解でした。おそらく評価や好き嫌いがはっきり分かれる小説だと思いますが、クセのある文体も慣れればそれなりに楽しめますし、突っ込みどころ満載ではありますが、バカミスを超えた馬鹿馬鹿しさも広い心で受け止めることができれば、十分ミステリとして成り立っていることが解ってきます。
次々に密室事件が起こりますが、正直その真相に対しては拍子抜けの感が否めません。しかし、その発想の突飛ぶりが際立って、なるほどと読者を力づくで納得させます。特に最後の密室は目を見張るものがあり、よくもこれだけのものを考えたと拍手を送りたくなりました。

また青春小説としても見るべきものがあり、友情、ほのかな恋心、お互い慰め合ったり励まし合ったりの人間関係など、主人公の友紀夫とルンババ、エノキの年相応の青臭さが胸に沁みます。
締めくくりも暖かな余韻を残す印象深いものとなっています。
こんなことなら食わず嫌いはやめて、せめて『九十九十九』だけでも読んでおけばよかったと今さらながら思います。現在絶版で入手困難なんですよね、残念です。

No.28 9点 文生
(2017/11/01 17:38登録)
2002年に講談社ノベルス20周年を記念して刊行された密室本シリーズの1冊。だが、その実態はまともな密室トリックを期待して読むと激怒必至のキング・オブ・バカミス。次々と起こる不可能犯罪に対して矢継ぎ早に提示される脱力系のトリックの数々。しかし、その独特の疾走感が心地よい。しかも、それが切ない青春ストリートとコントラストを成し、忘れがたい味わいを形成している。舞城王太郎ならではの青春ミステリーの傑作です。

No.27 5点 響の字改
(2017/05/30 22:10登録)
全体の出来はどうでもいいとして(良くないけど)
タイトルに偽り有り、と感じたのでやや低評価。

「タイトルはコレだけど"密室が語られてない"」ぞ王太郎。

先ず密室のメソッドに先人が挑んできたリスペクトが足りない。
密室は自由だ、と言わんばかりの作中論はともかくとして
ストーリーの本筋と密室の持つ魅力がイマイチ噛み合って無いのがどーなのよと。

スピード感のあるエンタメとしてはアリなのかなぁ、と思ってしまうのは
良くも悪くも舞城王太郎だからか(;゚Д゚)

No.26 5点 パメル
(2016/04/01 10:47登録)
密室ミステリの定型をぶっ壊した異端的な作品であることは間違いないでしょう
実現性希薄なトリックが次から次へと浪費される馬鹿らしさが魅力
中学生らしい?アホな会話や改行が少なく独特な文体を受け入れることが
出来れば楽しめると思います(暴力描写も少ないですし)
挿入されているイラストも味があって良い
ミステリというよりは主人公とルンババの成長物語

No.25 7点 風桜青紫
(2016/01/16 01:57登録)
乱れうちのように放たれた伏線が次から次へ流れるようにさっさと回収されていく有り様は圧巻。作品のバランスは『煙か土か食い物』より上じゃないだろうか。プロットはハチャメチャに見せかけながらも、しっかりと裏打ちされた計算が垣間見える。印象的なエピソードひとつひとつをしっかりルンババとゆきおの関係(友情?)に結びつかせる手腕は見事。ゆきおがルンババ親父をぶん殴るころには、すっかり読むほうもルンババの味方になってしまっていることに気づかされる。舞城っていえばルンババのイメージだけど、主役なのはこの作品ぐらいなのがね……。もう他に書きようがないだろうけど。

No.24 5点 ボナンザ
(2014/09/17 22:04登録)
ある意味すごい。次々と謎をちぎっては投げを繰り返す様は圧巻。

No.23 5点 ayulifeman
(2014/06/30 16:55登録)
戸惑うけど癖になる感じでしょうか。好きではないけど気になっちゃいます。
にゅるーっと入って行って「は?」って思いながらも飛ばすことなくちゃんと最後まで読みました。
死体を使って再現ビデオ撮っちゃったり、4コマ漫画を作ったり、、、すごーい。

No.22 2点 ムラ
(2010/12/31 15:19登録)
文章もキャラも嫌いじゃないんですけど、トリックの内容とプロットが丸投げな感じがちょっと不満でした。

No.21 6点 isurrender
(2009/07/22 01:44登録)
面白かったには面白かったけど、そういうバカさは好きじゃない
合う合わないで評価は分かれる作品だなと読んでる最中に感じるような作品

No.20 7点 dei
(2008/04/13 19:14登録)
面白かったけど煙か土か食い物を読んでなかったらどうかな・・・とは思う

No.19 5点 深夜
(2008/04/11 00:39登録)
文章は、中盤までずっと慣れなかったが、終盤は読めるようになってきた。正直序盤はかなり戸惑った。

ストーリーがあまり合わなかったので、この点数です。所々は面白かったんだけどね。

No.18 9点 VOLKS
(2008/04/01 22:29登録)
この、ちょっと癖のある作者の文章が、個人的にピッタリはまってしまった。プラス、ミステリィだけに終わらない、その背景にある人間模様が面白おかしく表現されていて、とにかく「読ませる」。いいなぁ、友達って。

No.17 9点 ぷねうま
(2007/09/19 23:22登録)
冒頭のとことか普通に声出して笑うてもうた。
ラストも素晴らしい。

No.16 6点 名無し
(2005/07/24 11:10登録)
いわゆる推理小説的青春アンソロジーっていうか・・・
奈津川サーガの勢いで読んだので楽しめたけど、これ単発だとパンチが弱いかもしれん。

No.15 2点 はせ
(2005/05/07 17:15登録)
無理。こういうのホント無理。私の本の読み方に対して真っ向から勝負を挑まれた感じ。自然体すぎる。

No.14 4点 とも
(2005/05/03 11:09登録)
「煙か土か・・・」を想像以上に楽しめたので、二冊目として読みました・・・が、こっちは、う〜ん。最初と最後は、好きなんだけどそれ以外の部分が頭に入ってきませんでした。

No.13 6点 ままちゃん
(2004/09/07 13:07登録)
私にはこれはダメだなー。最初と最後は読ませるんだけど真ん中がタルんでませんか?ミステリの部分が取って付けたようで残念です。ルンババが飛ぶシーンは泣いちゃいましたけど。

No.12 8点 バファックス
(2004/07/03 00:37登録)
ええはなしやなあ、と動物園にでも行きたい読後の心境。
私はキャッチャーが嫌いなんですけど、これは嫌じゃなかった。すきなの。ということは、キャッチャーのストーリーじゃなくて、主役と彼のしゃべりが嫌いだったのね。
それはさておき、密室本?

31中の書評を表示しています 1 - 20