home

ミステリの祭典

login
由良小三郎さんの登録情報
平均点:6.62点 書評数:199件

プロフィール| 書評

No.119 8点 ねむりねずみ
近藤史恵
(2002/06/26 20:17登録)
結局、俳優のゴウの話になってしまうのは、よくあるので・・・。
探偵役の一人の小菊さん(女形役者)の個性が強すぎて、メインの探偵の印象がうすいなどと不満はあるのですが、十分に切なさが伝わってきます。


No.118 8点 殺人!ザ・東京ドーム
岡嶋二人
(2002/06/26 20:02登録)
岡嶋二人の片割れの井上夢人さんの書かれた岡嶋二人盛衰記によれば、この小説は印刷屋をまたせておいて、12日間で書き上げて、出稿後10日で本になった記録的な作品だそうです。評価高いのも作者にとって複雑な気持ちになるかもしれません。勢いみたいなのと、伏線の少なさはそんなところからかとも思います。連続殺人物は苦手ですが、十分に楽しめました。


No.117 4点 修羅の終わり
貫井徳郎
(2002/06/24 20:03登録)
3つの物語が、交互に進んでいくという構成です。3つとも救いの少ないイヤな話です。メインは記憶を失った青年が自分の過去を探す話が後の2つの話と、最後にどうつながるかというあたりが見せ所なんですが、この結末はどうなんでしょうか。ありがちを嫌って、破綻したと思います。


No.116 7点 時の鳥籠
浦賀和宏
(2002/06/22 08:57登録)
ミステリ(か?)は展開や構成や描写で、読者を楽しましてくれたかどうかが第1段階の評価だと思うわけで、その点では、かなりうまいと思いました。それがうまいと次の段階で作者の思想というか、登場人物に対する作者の仕打ちの部分を批評したくなるわけで、そのへんが、自分にあわなかった。


No.115 8点 狐罠
北森鴻
(2002/06/18 22:43登録)
分野としては、高橋克彦さんの世界にかぶるし、新保さんの「奪取」と比較されそうな贋作の話なんですが、「奪取」がおもしろかった僕には楽しめました。刑事のキャラもいいですしバランスいいと思いました。


No.114 5点 共犯マジック
北森鴻
(2002/06/17 20:29登録)
昭和史のなかで、さまざまな出来事が起る、「白夜行」みたいな構成の連作短編集ですが、後半のつじつまあわせといいますか、まとめに失敗して、いい作品にならなかったような気がします。


No.113 7点 バイバイ、エンジェル
笠井潔
(2002/06/16 14:50登録)
矢吹駆が登場する最初の作品なので、このシリーズの登場人物たちの書き込みがされているので、読みやすいほうだとおもいました。
探偵としての矢吹は魅力的かというと、僕としては、人間としては、嫌ですね。生き方というか、こういう人物を小説に登場させる作家も嫌です。


No.112 4点 メビウス・レター
北森鴻
(2002/06/15 17:58登録)
平凡なできで、よくあるパターンの長編です。そう思うようになってきた自分が、すこし悪ずれしてきいるのが問題ですが、あまりほめるところを思い付きません。


No.111 5点 ひらけ!勝鬨橋
島田荘司
(2002/06/15 17:46登録)
たぶんすでに死語で、年寄りしか分からないたとえになるんですが、昭和30〜40年代、日活アクション映画ののりです。安手で、チンケなカーチェイスもあって、元不良の老人たちの活躍する、まあ郷愁ものだとぼくはおもいました。今時点ではどうかなと思います。


No.110 6点 凍える島
近藤史恵
(2002/06/09 13:32登録)
この作品は、僕の好きな近藤さんの世界ではありませんでした。孤島の別荘、連続殺人という本格ミステリの道具立ては、綾辻さんのを読んでるみたいでした。デビュー作ですが他の作品を読んでファンになってから読むほうがいいと思います。


No.109 6点 11文字の殺人
東野圭吾
(2002/06/08 19:39登録)
東野作品の平凡なできの小説の一つだと思います。東野さんのいい作品との違いは文学性がない点でしょうか。


No.108 5点 パンドラ’Sボックス
北森鴻
(2002/06/05 20:57登録)
えらそうに批評するなら、いろいろな所に発表したいろいろなジャンルの短編をあつめて出版するのに、統一性のなさをゴマカスために、作家の内幕を告白するエッセイを間に挟むという姑息な手段をとったというところです。
告白本の部分は 森 雅裕 「推理小説常習犯」には毒の強さでまけていますし、その手を読んでるとまあ特別新しさは感じません。ただ現代の出版システムが、作家は食えなくて編集者がいい暮らしができるのはどんなもんでしょうかというところですが、別段作家志望ではありません。
個別の短編のできは、いうほどヤッツケ仕事でなくて楽しめました。


No.107 5点 屋上物語
北森鴻
(2002/06/03 22:01登録)
宮部みゆきさんは犬の視点で小説を書いたのですが、この短編集はデパートの屋上の動けない物(観覧車だったり、地蔵だったり)の視点で書くという試みです。屋上から視点を動かしたくなかったのだろうと思いますが、やや擬人化に無理を感じます。キャラクタもいまいちだと思いました。


No.106 5点 死のある風景
鮎川哲也
(2002/06/01 17:29登録)
1960年台のたぶんオーソドックスなアリバイくずしの推理小説なんですが鬼貫警部ものといいながら、1章だけの謎解き担当という構成で、3つの事件のそれぞれは所轄の警察の刑事が謎を追求し、データ集めるという造りです。
当時の推理小説のお約束というのがリアリズム優先なのかと思うのですが、(鮎川さんあまり読んでいないので、よくわからないのですが)犯人、探偵ともにあまり書き込んでなくて、小説として平凡な印象です。


No.105 7点 人形はライブハウスで推理する
我孫子武丸
(2002/06/01 17:13登録)
瀬尾睦月さんの弟が登場する短編で、ちょっと怪しげな方言でしゃべるんですが、どこの出身なのか気になりました。シリーズのファンとしては、最高とはいえないけれどそれなりに楽しめました。
とりあえず結婚式で、事件がおこるという長編までは、書かれるだろうと予想していますが・・・。


No.104 7点 カナリヤは眠れない
近藤史恵
(2002/05/30 21:05登録)
このシリーズが好きです(まだ2冊しかありません)。「茨姫」のほうがよかったのですが、やはり第1作なので読んでおく必要があります。不安とどう闘うかあたりについての話です。


No.103 7点 いちばん初めにあった海
加納朋子
(2002/05/30 20:38登録)
非常に(異常に)傷付きやすい性格の女性を主人公にすると、たしかにきれいな物語ができあがるわけです。雰囲気は非常にいいです。僕としては、この主人公に近藤史恵さんの主人公の合田師に「喝」をいれてほしいと思いました。サブ主人公の女性はいいキャラです。


No.102 5点 顔のない男
北森鴻
(2002/05/29 18:41登録)
得意の連作ものですが、あまりよくありませんでした。事件が多すぎて、それが解決したのかしないのか、最後のまとめもやや強引です。


No.101 7点 メイン・ディッシュ
北森鴻
(2002/05/27 19:01登録)
過去を消した人物というのがこの作家の得意の設定のようです。連作の縦の糸にあたる、大学の同窓生たちの思い出はややぎくしゃくしているような気がします。劇団の女優など主人公たちのキャラクタは魅力的です。


No.100 8点 花の下にて春死なむ
北森鴻
(2002/05/27 18:53登録)
安楽椅子探偵物です。酒場の主人が店に持ち込まれる日常の謎を解いてみせるという極めてオーソドックスな造りですが、最初と最後に1人の人のわざと埋もれた悲しい人生をおくなど格調の高い秀作だと思いました。

199中の書評を表示しています 81 - 100