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ミステリの祭典

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屋上物語

作家 北森鴻
出版日1999年04月
平均点6.20点
書評数5人

No.5 6点 makomako
(2010/04/19 21:32登録)
なかなか凝ったいかにも北森鴻らしい作品。文章も雰囲気もよいので後味はあまり悪くないような錯覚を受けてしまうが、結構救われない話や残酷な結末なのでしばらくしてちょっと待てよといった感じとなる。北森氏は好きな作家であるがこの作品はどちらかというと好きなほうではない。でも奇抜なアイデアで違った主人公の視点からこのような連作を作ってちゃんと読ませることが出来る作者の力量は相当なものだと感心する。

No.4 6点 こもと
(2010/01/09 02:31登録)
 良くも悪くも、あまりにも、北森作品らしい。 つまり、キャラの魅力はふんだんにあるが、謎解きに関しては、推理というには根拠が弱く、推測の域を出ない印象しか持てないということ。
 などと、手厳しいことを言いつつ、実は私は北森氏の大ファンなんですが。 だって、ミステリと言えども『小説』ですもの、こんなに人物が描ける作家を、嫌いなワケないじゃないですか(笑)
 正直、起こる事件の内容に関しては、救いようがない。 残忍というよりも、残酷なストーリーばかりだったけれど、3人のキャラ設定で救われた部分は、大いにある。
 以前、『数字錠』を読んだ時、事件を解決した探偵が御手洗潔で良かったと思ったものだが、この短編集も、探偵役がさくら婆ァであることに意味がある気がした。

No.3 5点 なの
(2004/10/02 20:03登録)
何と言うか・・・ユーモアミステリと思いきや、悪意が連なる陰鬱な物語です。
悪意が悪意を呼び、全ての人々がドンドン不幸になって行く・・・救い無し。
ラストに僅かな、ホンの僅かな希望と救いがあるのは、まるで『パンドラの箱』のようです。

No.2 9点 kuro
(2004/08/10 12:49登録)
うどんを食べに某デパ屋上へ行きました。

No.1 5点 由良小三郎
(2002/06/03 22:01登録)
宮部みゆきさんは犬の視点で小説を書いたのですが、この短編集はデパートの屋上の動けない物(観覧車だったり、地蔵だったり)の視点で書くという試みです。屋上から視点を動かしたくなかったのだろうと思いますが、やや擬人化に無理を感じます。キャラクタもいまいちだと思いました。

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