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ミステリの祭典

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Tetchyさんの登録情報
平均点:6.73点 書評数:1631件

プロフィール| 書評

No.31 6点 灰夜 新宿鮫VII
大沢在昌
(2005/07/10 01:34登録)
公安がらみの事件になるとどうも私は思考が停止してしまうきらいがあるようで、本作も作者が意図した疾走感がその部分になるとノッキングを起こしてしましました。
ただタイトルは正にこれしかないという感じでしたね。


No.30 10点 風化水脈 新宿鮫VIII
大沢在昌
(2005/07/10 01:31登録)
新宿鮫シリーズの到達点というべき作品です。
『屍蘭』では物語の静かさが仇になった感がありましたが、これは逆に成熟したワインのような芳醇感をもたらしました。
読書の愉悦を心ゆくまで味わった次第です。


No.29 7点 氷舞 新宿鮫VI
大沢在昌
(2005/07/10 01:27登録)
鮫島の弱さが滲み出た作品ですね。
シリーズも6作目となり、作者も手練手管を駆使して読者を愉しませようと意図してますが、私としてはそれがために事件を複雑にしすぎたという印象が強く、理解するのに結構頭を使い、読書中、何度も立ち止まることが多かったです(単に私の頭が悪いだけなのかもしれませんが)。
女に惑わされる鮫島は正直見たくない姿でした。


No.28 5点 炎蛹 新宿鮫V
大沢在昌
(2005/07/10 01:23登録)
シリーズ中、最も印象に残っていないのがこの作品です。
世評では今回パートナーを組む甲屋の造形が見事とされてますが、私はストーリーの進行を妨げる狂言回しとしか思えませんでした。
日本が飢餓状態に陥るという今までにない大きなスケールの設定でしたが、どうも好きになれません。


No.27 9点 無間人形 新宿鮫IV
大沢在昌
(2005/07/10 01:20登録)
これは結構好きです。
直木賞受賞は全く関係なく、晶を事件に巻き込み窮地に陥れたテクニックを買います。
シリーズキャラクターで恐らく愛読者が晶に親近感を持っている段階でのこの仕掛けに作者としての力量を素直に感じました。
悪役の兄弟もキャラクターが立ってました。


No.26 6点 屍蘭 新宿鮫III
大沢在昌
(2005/07/10 01:14登録)
第1,2作が「動」ならばこちらは「静」といった感じの作品でした。
確かに鮫島の刑事生命の進退を賭けたタイムリミットサスペンス要素もありますが、恐らくこれはあまりに静か過ぎる物語に作者が危惧して持ち込んだ設定のような違和感があります。
小説としての水準はクリアしていると思いますが『毒猿』を読んだ後では厳しいものがありますね。


No.25 10点 毒猿 新宿鮫II
大沢在昌
(2005/07/10 01:10登録)
通常好評をもって迎えられたシリーズの2作目というものは「〜のジンクス」という方程式めいた呪縛があってエネルギーが失速するのですが、これは逆にジェットエンジンを搭載したかのような加速をもたらしました。
素直に作者の剛腕に恐れ入った次第です。
自信を持って他人に薦められる1冊ですね。


No.24 9点 新宿鮫
大沢在昌
(2005/07/10 01:07登録)
警察小説の金字塔といっても過言ではないでしょう。
登場人物、舞台設定、事件など全てにおいて周到に練られているなぁと思いました。
文体は海外作品のハードボイルドと違い、意外にあっさりしているのが印象的でした。


No.23 6点 死体を買う男
歌野晶午
(2005/07/06 21:22登録)
当時、あの佐野洋氏が高く評価した1作。
しかしそれほどの物とは思いませんでした。
乱歩に親しんだ方々にはノスタルジイ感じるところがあるのでしょうが、私もかつての乱歩作読者なのですが、雰囲気は愉しめるものの、内容にインパクトをあまり感じませんでした。
ついでに僕もタイトルの意味、解りませ〜ん。


No.22 5点 ガラス張りの誘拐
歌野晶午
(2005/07/06 21:17登録)
これって師匠島田荘司の傑作『網走発遥かなり』へのオマージュでしょ?
しかしこれは作家としての力量の違いを見せつけられる結果になっちゃいましたね。
確かにすっと読める分、全く印象に残らないッス。


No.21 8点 動く家の殺人
歌野晶午
(2005/07/06 21:14登録)
私にとってこの本はミステリ云々というよりも洋楽好きの心をくすぐる内容で評価しているようなものです。
劇団「マスターストローク」はQueenの歌の題名からだし(しかもマイナーな歌なのがすごい)、The Policeの“Every Breath You Take”を評価しているだけでもう作者と握手したくなりました(書評ぢゃないね、これ)。


No.20 5点 白い家の殺人
歌野晶午
(2005/07/06 21:05登録)
実にオーソドックスな本格だったという印象が残ってます。
しかし第1作が「長い家」でこれがトリックに有機的に関わっていたのに対し、今回の「白い家」がトリックに関与していないのが気になりました。


No.19 4点 長い家の殺人
歌野晶午
(2005/07/06 21:02登録)
だいたい皆さんの感想にあるようなことを感じました。
・タイトルでトリックが解る
・第2の殺人の真相はちょっと・・・
第1の殺人のトリックも部屋の名前のつけ方で6〜8割解ってしまうのでは。
信濃譲二はキャラクターとしては印象付けるために創りすぎている感が否めませんでした。


No.18 10点 ダレカガナカニイル・・・
井上夢人
(2005/06/25 23:35登録)
当時書評家の誰かが「この作品を読んで涙を流さない人とはお友達になりたくない」なんてコメントしてました。
その是非は別として、結末にはやはりじ〜んとせざるを得ませんでした。
私はオウム真理教の例の事件のあとに読んだので、全てがあの事件に結びつくような感じがしていましたが、発表は事件前なんですね。
あまりのリアリティにびっくりし、予言の書みたいな畏怖を抱きました。


No.17 3点 ダリの繭
有栖川有栖
(2005/06/20 00:25登録)
当時カドカワ・ミステリ・コンテスト(通称「ミスコン」)というイベントで文庫書下ろしで発表された作品。読者に10作品ほどの書き下ろし作品のうち、優れた作品を選んでもらうといった内容だったと記憶しているが、この作品で勝負するとはちょっと無謀すぎるかも(結局この「ミスコン」でどの作品が1位に選ばれたのか寡聞にして知らない)。
この繭にたとえられるカプセル・バスが欲しいと思った以外、特筆するところはないなぁ。


No.16 6点 マジックミラー
有栖川有栖
(2005/06/20 00:17登録)
作者独特のペシミズムがこういう佳作にも加味されているのが○。飛行機をアリバイトリックに使うのは止めた方がいいかも。遅れるのが当たり前の乗り物なので。


No.15 10点 時計館の殺人
綾辻行人
(2005/06/13 23:53登録)
学生の頃、行き着いた一つの真理がありました。それは「我々は時間に支配されている」という事。
その真理をトリックに結びつけるという荒業を成しえた綾辻氏は私にとって驚異的な頭脳の持ち主だと思いました。
時間を支配する人がいる!!これは純粋に驚きでした。
だからこの作品は私にとって至高の存在です。
どうして高価な時計を次々に壊すのか(もったいねぇ!!)?扉を開けてこれほどまでに驚くことって何!?これらの疑問を重力落とさずに応えてくれた作者に畏敬の念を抱きました。


No.14 8点 霧越邸殺人事件
綾辻行人
(2005/06/13 23:43登録)
全てが論理的に解明される本格ミステリにおいて説明できない何かを残した本作。作者の好きなロジックと怪奇との見事な融合でしょう。
ただブランドオタクのごとく、骨董趣味をこれでもかこれでもかと押し付けてくる内容が玉に瑕。


No.13 4点 暗闇の囁き
綾辻行人
(2005/06/13 23:36登録)
皆さん、評価が高いですね〜。
私は記憶が奥底から蘇ってくるのを字組で上手く表現したなぁというくらいしか記憶に残ってません。
もう一回、読み直してみよっかな。


No.12 5点 殺人方程式
綾辻行人
(2005/06/13 23:34登録)
あの何気ない地の文が驚愕の結末に繋がるのには驚かされました。
しかし綾辻作品からケレン味が無くなると非常にあっさりしますね。なんか別の作家の作品みたいです。
私はこの双子探偵はあまり好きではありません。なんで名前が一緒なの(確かそうだったですよね)?

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