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ミステリの祭典

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時計館の殺人
館シリーズ

作家 綾辻行人
出版日1991年08月
平均点7.82点
書評数124人

No.124 10点 hsiyehmeipo
(2024/04/14 22:21登録)
解決編の伏線回収と表がすごい

No.123 10点 ひとこと
(2023/06/03 22:23登録)
シリーズ物なのにキャラクターの魅力はゼロ。なのにこんなにも面白い。

No.122 10点 密室とアリバイ
(2023/05/01 20:42登録)
バックグラウンドを考慮するとあまりに美しいトリック… 私の読んだクローズドサークルの中で最高傑作

No.121 10点 みりん
(2022/12/17 02:00登録)
【ネタバレあります】



緊張感のあるクローズドサークル・中盤のサスペンスホラー・大胆で斬新なトリック・そのトリックの大掛かりさにも納得できる動機
何を取っても完成度が高くまさに新本格ミステリのお手本。わたしの1番好きな作品です。
親の歪んだ愛情は時空までも歪めてしまう。その時空の法則に気付いたものは殺されていく。ラストの館の崩壊シーンにはある種のカタルシスと美しさを感じます。勘の良い人はトリックに気づいてしまうそうなのでそこだけ玉に瑕ですね。時計の針をズラす程度しか思いつきませんでした。
何かしらの媒体で映像化されないかなと常々思ってます。

No.120 7点 ALFA
(2022/02/16 17:32登録)
まずは壮大なトリックを楽しむ作品。仕掛けが過去の因縁とつながっているのもいい。
犯人と動機はオーソドックスで無理はないので丁寧に読んでいけば比較的早くわかる。文体も読みやすい。
ただ、舞台装置が大仕掛けなわりに人物の造形が浅いため、よくできたゲームCGみたいに感じてしまう。
背景やトリックは申し分ないのだから、もっと陰影豊かな人間ドラマを味わいたかった。
本編のエンディングは壮麗なゴシック風味があってとてもいい。

No.119 8点 じきる
(2020/08/23 19:13登録)
私にしては珍しく犯人とトリックをズバリと当ててしまったんだけど、そのくらいの理由じゃ低い評価には出来ない作品だよね。
凄まじい大トリック……世評の高さも頷けます。

No.118 10点 雪の日
(2020/04/09 14:18登録)
館シリーズ最高傑作

No.117 10点 mediocrity
(2019/08/11 03:26登録)
新装改訂版、上下2巻。1週間くらいかけて少しずつ読もうと思っていたが、ページをめくる手が止まらず半日で読了。

<以下ネタバレあり>
これは文句なしの満点。針のない時計塔などから、時間錯誤トリックだとは思っていたが、まさかあんな手があったとは。真実を示された時のカタルシスは過去最高レベル。それまでモヤモヤしていたものが一気に晴れあがった。最後も何か起こるとは思っていたが、予想以上の展開で驚き。あそこまでやりますか。
あとは文章が非常に読みやすい。下手なのに妙に技巧を凝らして更に読みにくくなっている作家が時々いるけど、こういうシンプルな文章で書いてくれればいいのにと思う。
一つだけ文句を言うなら、メイントリック、2割はちょっとやりすぎじゃないかなあ。

No.116 5点 レッドキング
(2019/04/04 08:51登録)
他人が「リアリティがない、人間が描かれてない」云々と本格ミステリを批判するの見ると、「お前には向いてないんだからミステリ読まなくていいよ」って毒づきたくなるのだが、綾辻行人を読むと、逆に「リアリズム」=「生活の臭い」ってのが懐かしくなる。
こんな仰々しい大邸宅ではなく、砂時計サラサラみたいなラストシーンで飾ってくれていたら、もっと好きになれてたかもしれない。

No.115 8点 hades
(2018/05/29 11:14登録)
館シリーズの最高傑作だと思う
他に類を見ない大胆で大掛かりなトリックが使われていて、複線も上手く入れている
ただ探偵役にあまり魅力が感じられなかったことは残念

No.114 9点 虫暮部
(2017/11/08 13:08登録)
 館シリーズの中では一番好き。
 敢て挙げるなら、撲殺という手段が気になる。実際にやったことは無いのでなんとも言えないが、どのくらい殴れば相手が死ぬのかはなかなかイメージしづらい。腕力も必要だし。作中で一応の説明は施されているものの、それに関して他の選択肢が無いとは思えず強引である。加害者が“殴る”と言う肉体性の強い行為に宗教的な苦行の如き熱狂を覚えていたとか解釈するしかない。時計の針を刺したケースはあるが、最初からナイフを併用するくらいの設定の方が自然な気はする。

 ところで、谷山浩子のアルバム『歪んだ王国』に於て、綾辻行人が「時計館の殺人」「気づかれてはいけない」の2曲の作詞をしています。また「王国」では歌声を披露しています。ファン必聴、と言う程ではないけど……。

No.113 8点 ねここねこ男爵
(2017/11/03 01:55登録)
館シリーズ最高傑作。
館シリーズにおける建造物のご都合主義的構造(隠し部屋隠し通路)はフェアな描写をされていながらあんまり好きではなかったが、本作はそういうこともなく派手な仕掛けを楽しめる。
発表当時のインパクトは十角館の方が上だったのだろうが、ミステリとしては本作の方がよく出来ている。

No.112 10点 邪魅
(2017/02/27 02:20登録)
これは凄まじいなあ、と
読んでいて凄いなあと思いました

作品のキモはアリバイ崩し、である訳でして
そこに永遠の自殺をした理由が絡んでくる
凄いとしか言いようが無かったです

ラストシーンの美しさもさることながら

No.111 9点 ミステリーオタク
(2016/12/17 14:57登録)
これは凄いね
十角館の四次元版か

No.110 10点 名探偵ジャパン
(2016/10/10 21:26登録)
レジェンドシリーズ書評として「十角館」から再読してきた「館シリーズ」も時計館に到達しました。
初読のときは、ダイナミックなメイントリックに「本格ミステリ、ここまで来たか」と、本を閉じてしばらく部屋の天井を仰いだものでした。
再読において、「こんなに厚かったっけ?」と(文庫改訂板にて約600ページ)思い、「数日に分けて読むか」と考えていたのですが、いざ、ページを捲り始めると、ほぼ一日で読んでしまいました。やはり優れたミステリには中断を許さない引力があります。

本作の凄さは、メインである前代未聞の超アリバイトリックにあることは言うまでもありませんが、そのトリックを補完する枝葉の設定の練り込みも見逃せません。
綾辻以降、多くの作家が様々な「館」と、それにまつわるトリックをこしらえてきましたが、綾辻の成功におんぶにだっこして、「館ものだから、ちょっとくらいのご都合主義は許されるだろう」という甘えを意識したような作品が少なくないと思うのは、私だけでしょうか。
綾辻は徹頭徹尾、設定にこだわります。「そこは『お約束』でいいでしょ」と流してもよいところにまで手を抜きません。かくも細かに手を入れられた末、「時計館の殺人」は完成したのです。まるで実際に「時計館」という建物を設計する建築士のようです。
本家綾辻がここまでやっているのですから、フォロワー作品を書く作家には、「そこには触れないのがお約束でしょ」などと逃げずに、真剣に、実際に「○○館」を建築する心づもりで作品作りに当たってほしいと願います。

このメイントリックは、本作以外では決して使われようがないオンリーワントリックのため、綾辻はこれでもかと、このトリックに対して考え得る設定、ヒントを盛り込みました。カップ麺、レコード、カメラ、時計塔の針。読後、これらが意味していたことについて、「そういうことだったのか」と分かったときの納得感といったら、数あるミステリの中でも群を抜いているのではないでしょうか。

本作で数少ない不満点を上げるとするなら、犯人に対する、探偵島田の態度でしょうか。大いに同情すべき点はあるとはいえ、この犯人は、本来の復讐対象ではない人物も、トリックの露見を阻止するためという理由で殺しています。この手の殺人を犯した時点で犯人はただの殺人鬼に墜ち果ててしまうのですから、島田にはもっと厳しく犯人を糾弾してほしかったのです。
ただ、この「トリックが露見してしまう状況」というのが、このトリックをさらに際立たせるワイダニットのため(あの人物が秘密の通路を抜けて見た景色。どんなにか驚いたことでしょう)、綾辻はどうしても犯人にこの殺人を犯させたかったのでしょう。

数ある「館もの」(綾辻の「館シリーズ」だけでなく、フォロワー作品も含めて)の中で、私が知る限りの最高傑作と自信を持ってお勧めできます。

No.109 9点 パメル
(2016/08/24 11:35登録)
ミステリに注ぎ込もうとする作者の美意識そして目指している世界観の構築が
高いレベルで描かれている作品
フーダニットとしてもホワイダニットとしても十分楽しめる
メイントリックも壮大且つ独創的で素晴らしい

No.108 6点 中戸瑠璃
(2016/07/01 15:50登録)
「十角館の殺人」で衝撃を受けて一気に館シリーズを読んできたが、正直十角館を超える衝撃がなく……。名作と名高いこの「時計館の殺人」も少し期待外れだった。物語序盤であらかたトリックと犯人の予想がついてしまったからか……。これだけの大量殺人を犯しておきながら、動機も少し弱い気が。「人形館」読了直後に読んだこともあり、もう少し犯人の心情も知りたかったところ。ただ、詩的な表現やクライマックスの情景は美しく、「ミステリー」というより「物語」自体を楽しむことができた。館が「時計館」でなければ成り立たなかったという点も良かった。「迷路館」で、これ別に迷路の意味無くない?!と思ってしまったので(笑)さあ次は黒猫館だ〜〜!

No.107 10点 青い車
(2016/02/07 23:54登録)
大トリック一発勝負の大作にして、質的にもまさに力作です。タイトルからして時間が鍵となるトリックであることは明白ですが、この発想は殆どの読者の予想を上回るものでしょう。また、その本来ならかなり無理のある奇想のディテールを、数々の伏線によって支え説得力を持たせているのもさすがで、特にレコードとインスタント麺の手がかりのさりげなさに感心しました。他にも綿密に練り上げられたプロット、劇的な結末など見るべきものは多く、間違いなく館シリーズのトップです。

No.106 7点 風桜青紫
(2015/12/21 03:38登録)
一番館シリーズっぽい作品といえばやっぱこれ。先行きを気にさせる大量殺戮、つっこみどころ満載(仮面ってなんやねん!)の怪人物たち、バカらしいがなんだか納得してしまう大トリック。まさしく十角館の冒頭でエラリイが求めていたような遊び心に満ちた作品。同じバカバカしいジャンルでも、新本格第一期の作品がメフィスト系作品より好感が持てるのは、「道具」よりも「仕掛け」に重点を置くところなのよ。まあ、館シリーズは、「館」って「道具」の魅力で売ってるところもあるから、後追い作家がここを使いたがる気持ちもわからんでもない。アーヤもこのあたりから道具重視にシフトしてくしね。

No.105 10点 ロマン
(2015/10/20 13:21登録)
館シリーズ五作目。 緻密に計算された<時>を題材にした本格ミステリである。先ずは巧妙に練り上げられたトリックを、物語の引き立て役として使い捨てる氏の大胆さに驚愕するだろう。そして、結末を予測した読者を困惑させる、あまりにも普通過ぎる結果にたどり着いた瞬間に、物語の初めから終わりまで流れ続ける<時>が文字通り音を立てて崩れていくのである。

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