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ミステリの祭典

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暗闇の囁き
囁きシリーズ

作家 綾辻行人
出版日1989年09月
平均点6.24点
書評数29人

No.29 7点 パメル
(2024/03/15 18:26登録)
森の奥の洋館に住む不思議で謎めいた美しい兄弟。その兄弟のまわりで、美しくも悲しい残酷な物語が展開される。
思い出せそうで出せない遠い記憶が事件の重要な鍵となっている。子供の頃に誰もが経験したであろう空想の遊び。そんな遊びが純真な子供の将来を狂わせてしまう悲劇。忘れた頃に、過去に蒔いた不幸の種が花開いてしまう皮肉。
前作「緋色の囁き」よりは、謎解き要素がありサスペンス色も強まっている。手掛かりや伏線もしっかりしていて、フーダニットやホワイダニットを読者が推理することが可能となっており、個人的には前作よりも好み。
とはいえ、「囁き」シリーズは謎解きよりも心理的恐怖を煽る独特な描写と、丁寧に構築された世界観の中で儚くも美しく描き出される登場人物たちの心理の移り変わりを味わうのが醍醐味でしょう。記憶へのこだわりや、無自覚であるが故の狂気、脆さが恐怖を増大させる特徴的な心理描写に、謎解き小説の魅力が絶妙なバランスで混ざり合っており読み応えがあった。

No.28 7点 みりん
(2023/08/06 13:18登録)
囁きシリーズ第二弾 
人形館〜霧越邸を描いた頃の綾辻先生、抜群に雰囲気がイイ。人形館と霧越邸好きなんです。ミステリというよりもオカルトホラー・幻想小説って感じで。で、この人形館と霧越邸の中間みたいな感じの作品が『暗闇の囁き』ですかね。
ずっと足場が不安定で眩暈のするような別世界にいる少年達。主人公との邂逅で交錯した異世界が一つの真実に収束する。そんな幻想的で救いのないお話でした。

個人的には舞台設定も含めて『緋色の囁き』の方がやや上かな。

No.27 6点 風桜青紫
(2015/12/21 07:23登録)
亜希のキャラ造形がなかなかいいのよね。こういう罪悪感をじわじわとかきたてるような存在。罪悪感が嫌悪感に変わって、それが異物のような恐怖感に変わっていくって感じの。救いがあるようなないような後味の悪さも印象深い。

No.26 7点 斎藤警部
(2015/12/10 00:22登録)
思いのほかシンプルな構図のサイコサスペンス。 好きですよ。
綾パンの囁きシリーズはどんなにグロテスクな心理物語でも
不思議ときれいな空気感が保たれていて、素敵だね。

誰か書いてた ’美しく怖く、読みやすく、記憶に残らない、それが良い’ みたいな書評。 本当にその通り。 きれいな水の流れを読むようだ。。

ただね、ネタバレに触れる事を言うと、某主人公が、さしたるトラウマも無さそうなのに大事な事を色々忘れ過ぎじゃないかって。まそれはどうでもいいや。

No.25 5点 ボナンザ
(2014/04/24 17:24登録)
雰囲気は前作よりもいいが、読み終わった後の納得感は前作に劣る気がした。

No.24 6点 メルカトル
(2014/03/10 22:28登録)
再読です。
うーん、悪くはないんだが普通だね。どこをとっても普通。これと言って突出した部分もなければ、特別アラも見当たらない。まあ雰囲気はそれなりのものを出している気はするけど。
亜希以外の兄弟は、そんなに異様な感じもしないし、不気味な存在感を醸し出しているふうでもない。その点、亜希はどこか不透明で、その生死さえ不明なので、最後までホラー作品としての一翼を担っていると思う。彼の存在がなければ、かなり平凡な作品になっていただろう。
途中、死体の髪が切られていたり、片方の眼球がくり抜かれたりして、内心「おっ」と思ったが、その真相にはやや脱力感が漂う。肩透かしを食らった感じである。
色々なジャンルを含有しているのもいいが、どうも中途半端に終わっているようで、やや消化不良気味の出来になってしまっていると思われるのは、少々残念である。

No.23 3点 touko
(2011/04/04 22:41登録)
ありがちな手垢のついた設定を紙に書いてばらまいて、適当に拾い上げたものをつなげれば、こんな話になるんじゃないかっていうくらい、平凡で驚きのない作品。
何かしら作者ならではのオリジナル要素や、モダンなセンスを感じられればまだしも、とても80年代末に書かれた作品とは思えませんでした。。

No.22 6点 kanamori
(2011/01/03 21:31登録)
囁きシリーズの2作目。
トライオンの「悪を呼ぶ少年」を意識して書いたというとおり、別荘地を舞台にしたある少年がキーとなるホラー・サスペンス。
前作同様に幻想的雰囲気創りに長けた佳作だと思う。

No.21 4点 ムラ
(2010/12/15 23:19登録)
囁きシリーズ独特の幻想的な雰囲気が今回も詰まってました。
さいごのシーンはなかなか切ないなぁ。
謎解きとかそういうのは無いですが、霧越邸が好きな人なら楽しめると思います。
あとこれって殺人鬼に繋がるんですね。そういう作品ごとに世界観の繋がっているのはけっこう好み

No.20 5点 simo10
(2010/10/15 23:23登録)
久々に再読しました。
この作品はミステリ性があまりなく、謎解きの観点ではあまり楽しめないです。
雰囲気はかなり幻想的に描かれているので霧越邸が好きな人は楽しめると思います。(私は人形館のようなオドロオドロ系が好きなので少々肌に合いませんでした。)
美しい双子や事件性など、設定が暗闇館にかなり近いように思えます。(雰囲気は逆ですが)
非常に読み易いのですが、登場人物が双子以外は印象が薄く(ドラ息子はなかなか良かったが)、全体的にインパクトの弱い作品でした。

No.19 5点 星屑の仔
(2009/12/08 00:11登録)
綾辻さんの「囁き」シリーズ第二作。

率直な感想を述べるとするなら「これはミステリーか?」です。
謎は提示されるものの、その謎に対する明確な答えが無い。そもそも謎そのものが曖昧模糊な印象を受ける。
おそらく作者もそう云った意図を狙って作られているのだろうが、どうもこちらはしっくりした感じを受けない。

ただその雰囲気と言うか、幻想性はぴか一なので、ミステリではなくホラーとして読むならなかなかではないかな。

No.18 6点 dei
(2008/01/13 22:32登録)
ミステリとホラーの間ですこし中途半端。
もっとホラー色を出してもよかったと思う。

No.17 6点 マニア
(2007/12/30 13:18登録)
『緋色の囁き』よりは地味な気がした。

2人の謎めいた少年を軸にして鬱々しい物語が進んでいく流れは個人的に好みだった。それらと童話っぽい話の展開がミステリに上手く絡まっていることは面白い!

雰囲気は良し!

No.16 6点 ぷねうま
(2007/09/19 21:56登録)
囁きシリーズでは一番好きな作品。暗い話ではあるのにいつも感じる陰鬱的な感じが少なかったのが読みやすかった原因か。

No.15 6点 VOLKS
(2007/09/09 17:52登録)
数時間でサクサク読める作品。「あっちゃん」の存在は途中でよめてしまったが、最後まで楽しんで読み終えることが出来た。美しいハーフの母親とクォーターの美少年兄弟という設定がストーリーを華やかにしており、おどろおどろ感があまりない。

No.14 7点 jaws
(2007/07/16 23:14登録)
トリックや伏線にしっかりとした整合性があり、よくまとまっている。読後感が良いのは、主人公の男女の関係が良く描けているからだけではなく、やはりあまり人が死なないからかも(綾辻作品にしては)

No.13 3点 留吉
(2005/07/28 23:15登録)
児童心理を巧みに練り込み、ミステリアスな童話風に仕立ててはあるが・・・

この作者にしては薄味という印象。
どうせなら、もっと「おどろおどろしく」して欲しかった・・・ていうか、この人にはそれを期待しているのだから・・・
家庭内にもっと深い事情が潜んでいるのかとも思ったが、結局、子供達のちょっとしたネタ以外は何もなく、ストーリーはシンプルそのもの。

話の展開上、○○が死ななければならなかったのは、あまりにも不憫。

No.12 4点 Tetchy
(2005/06/13 23:36登録)
皆さん、評価が高いですね〜。
私は記憶が奥底から蘇ってくるのを字組で上手く表現したなぁというくらいしか記憶に残ってません。
もう一回、読み直してみよっかな。

No.11 6点 如月雪也
(2005/06/05 01:13登録)
囁きシリーズで一番好きな作品です。
でも、ネタ本を読んで一気に冷めました。
(これは反則だと思うな〜。)

No.10 2点 tori
(2004/11/09 15:46登録)
印象に残らない。

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