灰夜 新宿鮫VII 新宿鮫シリーズ |
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作家 | 大沢在昌 |
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出版日 | 2001年02月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 8人 |
No.8 | 7点 | クリスティ再読 | |
(2021/05/23 20:53登録) 鮫の旦那も今回はアウェイ。いきなり拉致されてで始まり、アウェイだから本当に単身で事件に立ち向かう。巻き込まれ型といえばその通りで、普段の事件だと「孤高の刑事新宿鮫」でも意外なくらい周囲と組織に支えられているのを、逆に実感できる。 というかね、今回は警察小説とか冒険小説の味を外して、ハードボイルドに徹してみたいと作者は感じたのではないのだろうか。地方都市というとやはり「赤い収穫」とかね、あんなテイストを感じる。2つのヤクザ組織に、北朝鮮工作員やら悪徳警官やら入り乱れ、それぞれが思惑で動いて、最終的に誰も収拾をつけれなくなる話。そういえばチャンドラーが「事件も一定の範囲を越えて複雑になると、誰も全貌を把握しきれなくなる」なんてことを言っていたが、この件もそういう複雑怪奇で最後には.....でオチがつく。 関係者でほぼ唯一生き延びた鮫の旦那もキツネにつままれたよう。実際何もなかったことになりそうだ。でもストリップバーの支配人の今泉とかインテリヤクザの石崎、それにヘラヘラした田舎公安刑事の須貝とか、本作はチョイ役に印象的なキャラが多い。そこらもチャンドラー風味。 |
No.7 | 6点 | TON2 | |
(2012/11/05 21:40登録) 鹿児島が舞台で、登場人物も鮫島一人。北朝鮮からの麻薬密輸とその見返りとしてのミサイル部品にも使える工業製品の輸出。暴力団がからみ、公安にも追われ、鮫島一人の活躍が始まる。 自分の信念に生きるタフな鮫島が輝いて見えます。 |
No.6 | 7点 | itokin | |
(2012/10/22 11:13登録) 相変わらずの話の展開の上手さは読者を最後まで引き付ける。 最後の盛り上がりも十分だが、心に響くものが少ないのと、晶が出ていないが不満でこの点数。 |
No.5 | 7点 | あびびび | |
(2009/11/01 06:42登録) 鹿児島での話。一旦新宿に帰って物語が発展するのかと思ったが、最後まで(2,3日ですが)当地での物語。しかし毒猿が再度登場?したのかと思うほど最後までハラハラした。 女性陣も晶の存在を忘れるほど魅力的で、自分は今まで以上に楽しめた。 やはりこのシリーズは面白い。 |
No.4 | 8点 | E-BANKER | |
(2009/10/20 23:10登録) 「新宿鮫シリーズ」。 シリーズ中では異色の作品で、いつもの新宿ではなく、旅先である鹿児島が舞台になります。(だから「灰」夜です) いつもなら、桃井警部や藪、晶といったおなじみの登場人物が絡んできますが、今回はまさに一人です。地元の警察官までも敵に回して、それでも戦う鮫島はやはり”かっこいい”としか言いようがありません。 ラスト前の戦闘シーンも迫力満点。本シリーズ独特の緊張感漂う鮫島の心情が読み手にも十分伝わります。 たまには、新宿を飛び出してもいいのでは?と思える作品。 |
No.3 | 6点 | Tetchy | |
(2005/07/10 01:34登録) 公安がらみの事件になるとどうも私は思考が停止してしまうきらいがあるようで、本作も作者が意図した疾走感がその部分になるとノッキングを起こしてしましました。 ただタイトルは正にこれしかないという感じでしたね。 |
No.2 | 8点 | 由良小三郎 | |
(2002/01/14 21:04登録) 新宿鮫のスタイルは、これまでは、鮫島以外(犯人とかの)の視点の章が挿入されていたのですが、この作品ではそれもやめています。おなじみの登場人物たちをださなかったことと、スタイルを変えた狙いが、僕的には不満でシリーズのなかでは、平凡なところがあって少し評価低いかなと思いますが、それでも読みやすい作品です。 |
No.1 | 7点 | Nakatz | |
(2001/05/02 16:34登録) 恋人の晶をはじめとした、他のシリーズでは鮫島の周囲に いた人たちが、全然出てこない。孤独な鮫島・・・。 そのあたりが、新宿鮫のシリーズでは異色ではないかと。 |