home

ミステリの祭典

login
氷舞 新宿鮫VI
新宿鮫シリーズ

作家 大沢在昌
出版日1997年10月
平均点7.43点
書評数7人

No.7 6点 クリスティ再読
(2021/05/18 14:07登録)
鮫の旦那も後半戦。マルティン・ベックを併読していると、このシリーズ意外にマルティン・ベックの影響強いんだな、なんて思う。10冊区切りとかそうでしょう? で、主人公が警察組織に不信感を持っている「内部批判派」みたいなあたりもそうだしね。ベックの新上司マルムが政治寄りなのをベックは批判的に眺めているわけだが、鮫の旦那の「警察組織内の宿敵」は言うまでもなく公安セクション。で、今回はその公安を事実上の主敵に回しての話。

鮫島の恋人のロックシンガー晶はバンドが売れてきたこともあって、すれ違いも増える。だから気持ちも互いに...となりがちなところで登場するのが本書のヒロインの江見里。鮫島が江見里に恋をする...なんて話もあったりして、晶、どうなる?というのも興味。
のはずなんだけども、いやね、済まない。評者は鮫島と江見里の「直線同士が一瞬の交わる」宿命の恋にあまり萌えないんだ。う~ん、困る。このシリーズ、ヒネった話が多いのだが、今回かなり長いのにストレートな話。脇筋もあまりないし。で、真相がびっくりするようなものか、というとそうでもない。なので、やや期待外れ感が評者はある。ま、公安警察はロクでもない組織、というのは同感なんだが。

なんだけどね...評者の読みどころは、ホント済まない、鮫島×香田である。香田くん、ついにツンデレ化。こっちに萌えます。いやこのシリーズ、腐った視点の方がずっと楽しめると思うんだけどもね。

No.6 6点 TON2
(2012/11/05 21:10登録)
公安がらみの事件です。
この作品で、警察の中でも公安というのは極めて特殊なセクションだということを知りました。

No.5 7点 itokin
(2012/09/17 14:23登録)
物語の展開がが複雑で理解しにくく、また、犯人の行動、感情表現が少ないため最後の盛り上げのための犯人、鮫島への感情移入がしにくかった。ただ最後の1ページは秀逸。

No.4 7点 あびびび
(2009/08/12 05:45登録)
大沢在昌はなんとなく敬遠していたが、読みだすと止まらない。犯人当てではないが、ある種、刑事コロンボの痛快版のような趣があり、なかなか読ませる。

これはシリーズでもトップクラスの濃さがある。毒猿よりも現実味があり、ページをめくる手が止まらない。

No.3 9点 E-BANKER
(2009/08/07 22:29登録)
新宿鮫シリーズの6作目。
シリーズ中でも1,2を争う良作。緊張感ある展開にページをめくる手が震えさせられます。
~西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺害される。事件の鍵を握る組員に迫る鮫島。しかし、なぜか公安警察が立ち塞がる。その背後には、元公安秘密刑事・立花の影が・・・捜査の過程で鮫島は、美しくも孤独な女性・杉田との出会い、惹かれていく。杉田と事件の関わりが浮上するなか、鮫島は核心
に挑む~
説明不要な面白さ。特にラストは秀逸! 鮫島と杉田の悲しすぎるラブストーリー。シリーズファンであれば、「晶とはどうなるんだ?」という気持ちにもさせられますけど、杉田にどうしようもなく惹かれてしまう鮫島には”男”を感じてしまいます。
そして、もう1人本作の重要人物である、立花元公安刑事。悪役ですが、何とも言えないキャラクター。
とにかく作者の人物造形のスゴ腕を十二分に感じさせてくれます。
(これを読むと、余韻に浸りすぎて、しばらく呆然としてしまうんですよねぇ。それくらいすごい小説。)


No.2 7点 Tetchy
(2005/07/10 01:27登録)
鮫島の弱さが滲み出た作品ですね。
シリーズも6作目となり、作者も手練手管を駆使して読者を愉しませようと意図してますが、私としてはそれがために事件を複雑にしすぎたという印象が強く、理解するのに結構頭を使い、読書中、何度も立ち止まることが多かったです(単に私の頭が悪いだけなのかもしれませんが)。
女に惑わされる鮫島は正直見たくない姿でした。

No.1 10点 jyungin
(2001/09/21 21:47登録)
いやあ、良かった。なんかこのシリーズ最終地点まで行っちゃったかと思った。ショウとの関係が残念だが。

7レコード表示中です 書評