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ミステリの祭典

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炎蛹 新宿鮫V
新宿鮫シリーズ

作家 大沢在昌
出版日1995年10月
平均点7.00点
書評数12人

No.12 7点 take5
(2025/05/10 16:42登録)
シリーズ第5弾、遅くなりましたが手元に。
カンチャンを引いて、さっそく読みました。

カットバックで3つの事件のうちの1つを
犯人の人称でえがく為、章の進みが速い事。

外国人抗争、時限放火、娼婦殺人が重なり、
最後にうまく繋がるのがいつもながら流石。

それにしても作者は新宿について、社会学者
といえるほどの理解があると思うのですが、
実地の取材が深いのでしょうか?もしかして
ノンフィクションを書いてもよいのではと。

No.11 7点 斎藤警部
(2025/05/06 00:22登録)
鮫は飲み物。 読破の瞬殺感ったらねえ。 本作特に。

"彼も彼女もおかまは大嫌いだ。 ホモも嫌いだ。"

深夜に三極ぶつかり合うオープニング最高。 キャラ立ち良い登場人物大量投入され、大分して◯つの犯罪(的)事象が並列で描かれるが、意外とスリルの相乗効果が見当たらない。 まして一つは国家規模の大惨事に直結する案件にも関わらず、なんとも緊迫感が無い。 そのくせ面白くて頁がスイスイ進む。 これはいったいどうしたことか! だいたい話が明る過ぎねえか?  善人側(?)の人と人との関わりが、わざわざこの手の小説で描くまでないほど平和で軽やかでないか? 甲屋さん(この人イイ)、やっと見つけた大事なアレを抱えておきながら、日本の近未来を賭けてまでそんな軽はずみ(?)な事するか!? 謎視点×2が間歇的に挿入される叙述ギミックは魅力あるが、最後に叙述トリックとして大爆発事故を起こしてくれたら更に良かった ・・・ だがしかしやはり、この見逃せない手放せない面白さは7点(6.5点以上7.5点未満)の一線を超えている。 一読読み捨ての価値は充分にある!

take5さん。 タイミングは偶然ですが、見つからずスキップされたという第5弾を私の方で読んでしまいました。 麻雀で言う「嵌張ズッポシ」みたいな感じです。

No.10 8点 クリスティ再読
(2017/11/25 23:42登録)
評者は90年代後半~00年代くらいミステリをほとんど読んでなかった。それでもなぜか鮫のダンナだけは継続的に読んでたなぁ。考えてみると、このシリーズ、ゲイ小説として読めるんだよね。そりゃシリーズが始まるのがハッテンサウナの場面だよ。「毒猿」とか「無間人形」を腐った視点で読むのもあながち間違ってないように感じるくらいだ。で、評者一番のお気に入りは本作。「あれ変わってるか?」と思わなくもなかったが、いろいろ書評を見てみると、少数だが本作が一番いい、とする意見は割と目につく。よかった。
何がいいか、というと本作は偶然の悪戯で、複数の事件が知恵の輪か箱根細工か、というくらいに複雑に絡み合あい噛み合ったさまを愛でる、という楽しみがあることだ。どうする鮫島、どうほぐす?というのが一番の興味。なので謎解きよりもそっちがまず優先。「複数の事件」というわけで、本作「孤高の刑事鮫島」であるにも関わらず、一種のモジュラー方式である。シリーズ設定と矛盾してる気がしなくもないが、放火事件なので消防庁と、検疫なので農水省と、外部機関からの協力要請ということで、複数事件が並立するモジュラーの説得力を出している。モジュラーで放火事件というと、どうしても「ギデオンと放火魔」を連想するわけだが、作者もきっと頭をかすめただろう。力業でしたいことを実現しちゃったわけだ。
一番凝った事件になるのが放火事件で、これがちょいとした謎解きもあって、最大のキー項目になる。これがなかなか冴えている。バランスのとり方が小説術としてうまいなぁ、と感じさせるところ。まあ本作、傷っていえば単にシリーズ全体の大きな鮫島ストーリーとほとんど関係のない単発のエピソードだという程度。なので代表作にはしづらいかもしれないが、トータルの完成度ではベストだと思う。

No.9 6点 TON2
(2012/11/05 20:41登録)
外国人の娼婦殺しに端を発して、チャイナマフィとイランマフィアの抗争が始まります。
読んでからもう10年も経過しますが、いまだに架空の稲の害虫「炎蛹=フラメウスブーパ」というのは覚えています。

No.8 7点 itokin
(2012/08/05 08:57登録)
スラスラ読めて飽きさせない展開、キャラクターのはっきりした登場人物さすが大沢と感じさせる作品でした。

No.7 7点 VOLKS
(2011/05/20 14:50登録)
鮫シリーズには違和感を感じさせてもおかしくない登場人物・防疫官、甲屋氏の出現が見事にはまっている気がした。
複数の事件が錯綜するため一歩間違えれば読者が混乱しかねないが、そこはうまく事件を時々振り返る場面も入っていて、読みやすかった。

No.6 8点 E-BANKER
(2009/09/26 23:49登録)
シリーズ第5作。シリーズの中でも好きな作品の一つです。
いつも単独で行動する鮫島ですが、今回はパートナーとともに捜査に当たります。
防疫官の甲屋は、私の好きなサブキャラクターで、ハードボイルドタッチの本シリーズにはないユーモアを感じさせます。
あと、あのオカマ・・・
いつもながら、刑事という職に対する鮫島の真摯な姿は読み手を熱くさせます。

No.5 5点 Tetchy
(2005/07/10 01:23登録)
シリーズ中、最も印象に残っていないのがこの作品です。
世評では今回パートナーを組む甲屋の造形が見事とされてますが、私はストーリーの進行を妨げる狂言回しとしか思えませんでした。
日本が飢餓状態に陥るという今までにない大きなスケールの設定でしたが、どうも好きになれません。

No.4 7点 ろん
(2003/09/22 10:53登録)
事件のネタはとても良いと思ったのですが、鮫島が他の誰かと行動を共にする事にとても違和感があった。鮫島のこれまでには見れなかった部分を表現しているとしたら○なんですが、個人的にはイメージを壊す事になってしまったような気がします。
しかし、やはり新宿鮫。面白かったです。

No.3 7点 もよもよ
(2001/07/06 13:20登録)
いくつもの事件が絡み合っているので、今までの中で一番面白かった。
消防や農水省の人の活躍もあり、真保裕一の作品(「連鎖」「取引」等)を思い出した。

No.2 8点 水母
(2001/05/23 13:54登録)
ここまでのシリーズを全部読んで、これが一番印象に残
った。文章もすらすら読めて読んでいるときはスゴク
面白いけど、読後に何も残らない。残らなくていいの
かもしれないけど。

No.1 7点 葛城タビト
(2001/05/20 16:46登録)
アイデアが面白い。このメインのネタはなかなか思いつけないと思う。

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