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ミステリの祭典

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Tetchyさんの登録情報
平均点:6.73点 書評数:1639件

プロフィール| 書評

No.239 7点 死国
坂東眞砂子
(2008/05/06 00:14登録)
栗原千明主演で映画にもなった土俗ホラー。

自分の住んでいる四国を舞台にこれほどまでの土俗ホラーが繰り広げられるのにまず驚いた。
四国に住んでいるのがちょっと怖くなった。
この作品のテーマになっている「逆打ち」ってホントにありそうだもの。

この「逆打ち」を軸にさまざまな人のドラマが絡んでくる手並みは見事。
文章も立つし、読んで損はない作品。


No.238 7点 廃流
斎藤肇
(2008/05/04 22:36登録)
得体の知れないアメーバがどんどん大きくなって、街を襲うというパニック小説。
このアメーバが大きくなっていく過程がそれぞれ短編小説のように面白く、○。

で、当然こういうパニック小説は最後の決着のつけ方が商店となるが、それがちょっと・・・ねぇ。

でもこの作家の作品の中で一番面白かった。


No.237 2点 思いがけないアンコール
斎藤肇
(2008/05/03 14:45登録)
この「思いシリーズ」(ネットで調べるとそういうらしい)はこの作家なりに本格ミステリの定型を打ち崩そうという努力が見れるのだが、なんとも技量不足の感が否めない。
本書においては全ページ数360ページ強のうち、なんと80ページ目で読者への挑戦状(作品内の言葉を借りれば宿題)が出てくる。

定型を破らんがためにあえてコード型推理小説の意匠を纏っているのだが、逆にそれが他の作家達(有栖川氏や法月氏ら)の作品よりも無味乾燥したパズル小説になっており、なんとも味気なかった。


No.236 4点 思い通りにエンドマーク
斎藤肇
(2008/05/03 00:22登録)
新本格ブームの最中、雨後の筍のようにデビューした作家の1人で、これがデビュー作。
もうあの頃のコード型本格ど真ん中で、舞台も断崖に建つ洞窟を利用した館で、お約束のように唯一の外部との連絡手段である吊り橋が切れ、密室殺人、連続殺人が発生します。

一応の解決の後、さらにどんでん返しが待っているが、定型を脱していないという印象。
でも本格に対する根源的な問い掛けを作中でしており、求道的な作品でもあると云えるが、文体といい、内容といい、その軽さがその作者の思いを減じているのは否めない。

ま、こういうのが好きな人はどうぞ。


No.235 3点 人でなしの恋
江戸川乱歩
(2008/05/01 21:36登録)
この短編集でも乱歩はどんでん返しにこだわり、苦心しているが、それが悪い方向に働いている。
はっきり云って蛇足なのだ。
二流の作品が三流作品になっているといっていいくらい、しょーもないオチをつけている。

この頃、本当に産みの苦しみの中でもがいていたのだろう。


No.234 3点 算盤が恋を語る話
江戸川乱歩
(2008/04/30 13:55登録)
短編作家としての乱歩は私の中では評価高かったのだが、これは明らかにアイデアの枯渇が否が応にも露呈している。
もうどうにかどんでん返しに持ってこようと無理が目立つ。
痛々しいなぁ・・・。


No.233 4点 信長殺すべし 異説本能寺
岩崎正吾
(2008/04/30 00:18登録)
主人公が病床で史料にあたり、歴史に隠された謎を繙くという『時の娘』の設定そのままのアームチェア・ディテクティヴなのだが、最後に至って、大反則技が待ってました・・・。

そこに至るまではけっこうよかったのに・・・。


No.232 4点 闇かがやく島へ
岩崎正吾
(2008/04/28 23:31登録)
非常にご都合主義な小説です。

まず発端からして、祖母には予知能力があるのだから、島に行けと云うのなら行こうという展開なのだから!

その後も殺人事件が4つ起きても警察が介入するのは最初に発覚した1件のみという不自然さ!

しかも主人公はなぜかやたらとモテる!(←単なるヒガミかも?)

最後のある登場人物のセリフは名探偵のパラドックスとしてニヤリとしましたが。


No.231 7点 探偵の夏あるいは悪魔の子守唄
岩崎正吾
(2008/04/27 14:10登録)
横溝正史の金田一シリーズの本歌取りの本書。
作中で出てくる色んなガジェットは金田一シリーズを読んだ者にはニヤリとするものばかり・・・らしい。
というのも私はまだこのシリーズ未読なので、雰囲気だけ掴めたような感じ。

当時読んだのはまだ推理小説初心者だったので、作中のトリックが解ったことが非常に嬉しかったのをよく覚えている。
多分今読むと7点もつけないだろう。


No.230 8点 幻の殺意
結城昌治
(2008/04/27 01:41登録)
殺人犯人の容疑者として逮捕された息子の無罪を晴らそうと父親が独力で真相を探る。
終戦20年後という高度経済成長期を舞台にした話で、あの頃にはこういう話がよくあったのだなぁと思われる。

250ページ弱の長編で、淡々と物語は進み、実際すぐに読み終わったが、読後じわじわと感じるものがあった。
ロスマク風家庭の悲劇を扱っているのも味わい深い。

最後の

「そして幸福は、あるいは愛は、無知の上のみ築かれていくのか」

この一文が痛い。


No.229 7点 生ける屍の死
山口雅也
(2008/04/25 23:33登録)
本ミステリで解き明かされる命題は「なぜ死者が甦る世界で、あえて殺人を犯す必然性とは何か?」という非常に難しい問題だ。
そしてその命題を解き明かすための材料として、本作では終始“死”に関する考察が語られる。“死”とは一体何なのか?では“生”とは?「肉体の死」と「精神の死」。“死”についてあらゆる角度から、西洋医学、東洋思想、キリスト教、仏教初め、世界各地の宗教における死生観、はたまた死学的見地から山口氏は“死”について考察の翼を伸ばす。
その他密室殺人、ビデオを利用した殺人犯の追究など、黄金時代の本格ミステリの復活を想起させるガジェットに溢れている。

そしてこれほどの期待値を持って明かされる上の命題に対する答えが、アレッ?って感じだった。
肝心の論理の帰結がこれなのかと期待値が高かっただけに落差も激しかった。

ごく最近読んだのだけど、ちょっと遅きに失したかなぁ。


No.228 5点 東京下町殺人暮色
宮部みゆき
(2008/04/24 23:32登録)
日常の風景にふと差し込む異常な風景といった感じで掴みはOKなんだけど、やっぱりみなさんと一緒で、結局フツーのミステリだったなという感じでした。


No.227 7点 レベル7
宮部みゆき
(2008/04/20 13:20登録)
印象的な題名と、文庫版裏表紙に書かれた紹介文

「レベル7になったら戻れない」

これが読者に先入観を与えてしまいますね。
私もその1人。
予想していた展開とは違ってましたので、読後はちょっとスケールダウンの感が否めません。
でも最後の1行が好きです。
十数年前に読んだ今でも覚えてます。


No.226 8点 魔術はささやく
宮部みゆき
(2008/04/19 22:36登録)
日本サスペンス大賞受賞作。
みなさんがおっしゃるように、この作品はかなり出来がいい。
そしてその後の活躍で知られるように、このレベルを軽々と超していくことからも、この作家が当時から並々ならぬ実力を持っていたことがわかる。

この作品は主人公の日下守少年に尽きる。
これほど魅力的な少年は現在まで、ほとんど数えるほどしか出てきていない。
それほど鮮烈だった。

あと新聞でほんの3行程度で語られる交通事故や自殺事件の裏側にはこんな真実が潜んでいたという着眼点も素晴らしい。

本格ミステリとして読んで・・・と述べている人がいるが、なぜ?
サスペンス大賞なんだからサスペンスでしょう?
単純に求める物が違っていただけだと思います。


No.225 6点 パーフェクト・ブルー
宮部みゆき
(2008/04/18 23:37登録)
いきなり犬の視点で語るという、デビューし立ての作家としてはいきなり高いハードルを設定している本書ですが、やはりムリが目立ちますね。
途中で三人称視点に切り替わってますし。

また文中に挿入される比喩とか描写とかも不自然さを感じさせます。特に比喩は大袈裟でチャンドラーを意識したのかと思いました。

内容はけっこう残酷だと思います。いきなり最初から焼死体ですからね。
このころ、私自身もミステリにこなれていなかったので、題名の設定に違和感を覚えました。
今読んでも、ちょっと納得しかねるでしょうけど。


No.224 7点 鳥人計画
東野圭吾
(2008/04/17 22:33登録)
本格スポーツミステリ『魔球』をさらに発展させたような内容。

この中に出てくる「サイバード・システム」を読んだとき、頭の中に映画『ロッキー4』が浮かんだ。

個人的にはこの中に出てくる天才ジャンパー楡井の造形が素晴らしいと思った。
実際、天才って云われる人たちってこんな感じなんだよね。
競技を離れると変に無邪気で、イメージ先行で物事を説明する。
だから凡人には理解できない。
こういうところが東野氏は上手いね。


No.223 10点 眠りの森
東野圭吾
(2008/04/16 13:58登録)
不意打ち食らいました。
ミステリとしては普通なんだけど、最後の方に出てくる

“君だけのために、俺はいくらでも語りかけるだろう―。”

この一文にガツーンと来ました。
ああ、なんて最近涙もろいのだろう。


No.222 7点 十字屋敷のピエロ
東野圭吾
(2008/04/13 14:42登録)
正直今回の内容は小粒だと思っていたが、ただでは終わりませんね、この作家。
ピエロの人形の一人称という奇抜な設定も、この企みがきちんと成功していると思う。


No.221 7点 浪花少年探偵団
東野圭吾
(2008/04/12 23:57登録)
大阪弁が軽快に飛び交うライトミステリだけど、扱われている事件はけっこう深刻な物もあるので、高校生以上になってから読む方がいいかも。
「しのぶセンセのクリスマス」が個人的にはベスト。
でも『浪花少年探偵団』といっても活躍する少年はせいぜい2人なんだよなぁ。


No.220 6点 香子の夢−コンパニオン殺人事件
東野圭吾
(2008/04/11 23:48登録)
軽めのミステリと思いながらも、密室殺人を扱っており、しかも犯行に至るプロセスはパズルのようなロジックで、しかも第2、第3の真相を用意しているのだから畏れ入る。
ただ題名がねぇ。
原題のコレもそうだけど、改題の『ウィンクに乾杯』もねぇ。
このセンスは如何なものか。

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