Tetchyさんの登録情報 | |
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平均点:6.73点 | 書評数:1631件 |
No.711 | 8点 | プラムアイランド ネルソン・デミル |
(2010/03/11 21:50登録) デミルの筆致は今回も絶好調で、その勢いはいささかも衰えも見せない。皮肉屋ジョン・コーリーの斜に構えた態度も『将軍の娘』のブレナーを髣髴とさせる好漢である。 ヒロイン、エマの造形が素晴らしい。このエマの登場で物語に活力が与えられ、彩りが加えられたように思う。 さて、筆致は申し分なく、物語の展開もスピーディーかつ起伏に富んでおり、しかもハリケーンの最中のボート・チェイスシーンもあり、アクションシーンも迫力があり、正に云うところなし、と云いたい所だが実は自分の中ではどうも納得しきれないものがある。 細菌兵器を作り出しているのではないかと噂される研究所プラムアイランドというモチーフを設け、そこに勤める研究所員の殺害で大量殺害できる細菌の国外流出を示唆し、FBI、CIAの介入による妨害もありながら、それらが物語の前半で解決し、後半の早々で実はキャプテン・キッドの宝にあるのだという事件の真相を明かすあたり、デミルの小説作法に疑問がある。 あくまでミステリ小説ではなくエンタテインメント小説の設定で物語を進めるのだ。 まあ、上の不満はデミルだからこその高い要求をしてしまうのだけれども。 |
No.710 | 5点 | 靴に棲む老婆 エラリイ・クイーン |
(2010/03/10 21:42登録) マザー・グースの歌に擬えた殺人事件。この童謡殺人というテーマは古今東西の作家によっていくつもの作品が書かれているが、クイーンも例外でなかった。 しかしクリスティの『そして誰もいなくなった』然り、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』然りと、他の作家たちのこのマザー・グースを扱った童謡殺人の作品が傑作で有名なのに対して、本書はクイーン作品の中ではさほど有名ではない。読了した今、それも仕方がないかなという感想だ。 真犯人の正体はなかなかに驚かされるものであったが、論理に論理を重ねていけばいくほど、創りすぎの感が否めないのが痛いところ。 ニッキー・ポッター誕生の作品と捉えればクイーンシリーズの世界に浸るためには避けるべきではない作品だろうけど。 |
No.709 | 10点 | 超音速漂流 ネルソン・デミル&トマス・ブロック |
(2010/03/09 21:56登録) 素直に傑作と認めたい。 ハリウッド映画好みの人物設定が眼前としてあるのは否めないし、また彼らがこういったパニックストーリーにそれぞれ有機的に機能するように計算された配置を成されているのも盤上の将棋の駒のような動きをしているような感じもするが、これほど読者を楽しませるのにあれやこれやと試練を畳み掛け、葛藤する人間ドラマを盛り込んでいるのは正直素晴らしい。亜宇宙空間での事故に関する良質なシミュレーション小説としても評価は高いだろう。 なんせ今回ほどストーリー紹介の不要な小説も珍しい。 最高水準のジャンボジェット機が空軍の訓練ミサイルのミスショットにより風穴を空けたまま、素人パイロットの操縦でサンフランシスコへの帰還を目指す。 このたった2行で十分だ。おそらく今後この小説のストーリーは忘れないだろう。久々ページを繰る手がもどかしい小説を読んだ。 |
No.708 | 6点 | スペンサーヴィル ネルソン・デミル |
(2010/03/08 22:03登録) 世間一般では「デミルのハーレクインノベル」と評されている一種の恋愛物。 退役軍人として故郷スペンサーヴィルに帰ったキースとかつての恋人アニーとの変わらぬ愛情とそれを陰湿な嫌がらせで阻む彼女の夫、狂気の悪徳警察署長バクスターとの戦い。今回は物語としては非常にシンプルである。 主人公キースは優秀な国家安全保障会議の一員まで務めた凄腕のくせに、一介の田舎悪徳警察署長に手玉に取られるのがなんともアンバランスだった。 最後のアニー奪還劇がなかったら、もっと点は低かった。 |
No.707 | 8点 | 将軍の娘 ネルソン・デミル |
(2010/03/07 14:31登録) デミルの作品がアメリカで受ける。これはよく考えたらすごいことだと思う。 自身ヴェトナム戦争を経験し、その時の軍隊経験を基に軍隊を舞台にしたミステリを物しているが、軍隊に向ける眼差しの厳しさは半端じゃない。 最後の結末の処理はデミルが最後に米軍に対して行う慈悲なのか、それとも彼自身、軍を最後まで貶めることが出来ない制約を課しているのか、もしくは呪縛があるのかは判らないが、これが不服である。よってこの点数にしておこう。 |
No.706 | 10点 | チャーム・スクール ネルソン・デミル |
(2010/03/07 00:57登録) タイトルの意味は「花嫁修業学校」。しかしこの穏やかなタイトルとは裏腹に内容は骨太の大傑作。ロシアという閉鎖的な大空間においてありとあらゆる人々の人生が錯綜し、壮大なる絵画を描く。 デミルは登場人物一人一人に哲学をしっかりと設定する。そして彼らがその己の規範に従い、時には呪縛を感じながらも行動する。一人一人が脈打つ実在の人間のようだ。この小説は単なるエスピオナージュ、スパイ小説ではない。人生讃歌である。誰一人として単なる主人公の引き立て役の駒で終わっていない。そういっても過言ではないだろう。特に最後に杓子定規な正義が成されなかった点。ここに人生を生きることの難しさとデミルのアイロニーを感じた。 |
No.705 | 8点 | 変身 東野圭吾 |
(2010/03/04 22:09登録) 切ない。なんとも切ない物語だ。 脳を移植された男が次第に移植された脳に支配され、性格を変貌させていく。 プロットを説明するとたったこの一行で済んでしまうシンプルさだ。しかしこのシンプルさが実に読ませる。この魅力的なワンアイデアの勝利もあるだろうが、やはり名手東野のストーリーテラーの巧さあっての面白さであろう。 確かに科学的根拠としてこんな事が起きるのかという疑問はあるだろう。出来すぎな漫画のようなプロットだと思うかもしれない。しかしそんな猜疑心を持たずに本書に当って欲しい。 自己のアイデンティティへの問い掛けから最後は人生について考えさせられる本書。物語の閉じられ方がそれまでの過程に比べ、拙速すぎた感が否めないが、ワンアイデアをここまで胸を打つ物語に結実させる東野の物語巧者ぶりに改めて畏れ入った。 |
No.704 | 8点 | 誓約 ネルソン・デミル |
(2010/03/03 22:33登録) 正直、読書中はあまりにも冗長すぎやしないかと何度も洩らした。それは読後の今でも変わらない。この真相に至るまでに果たしてここまでのプロセスが必要だったのか、これは今でも疑問である。世に蔓延る世評を見ると、重厚壮大だが読み苦しくないというのがほとんど感想として載っている。しかしやはり私には長いと感じた。 読んでいる最中は映画『戦火の勇気』が頭によぎった。タイスン中尉がベトナムの病院でどのような指示をしたがために大量虐殺に至ったのか、この事実についてあらゆる人が本で語り、軍事裁判にて証言し、そして主人公自身も語る。小隊の中の人間関係の歪みが生んだ大虐殺の事実はそのまま同じように歪められ、タイスンを追い詰める。 最後の最後でタイスンに下される裁定は、これ以上の結論は無いというべき見事な裁定である。この最後の救いで読者もまた救われた。恐らく元ベトナム従軍兵の彼らも。デミル、天晴れだ。 |
No.703 | 4点 | グルメ警部キュッパー フランク・シェッツィング |
(2010/03/02 22:13登録) どうもこの作家の文章は私には合わないようだ。 一番感じるのは、本書で作者が前作にも増して散りばめているウィットやユーモアがこちらに頭に浸透してこない事。そのため、各章の最後に書かれた締めの台詞が私にはビシッと決まらず、頭に「?」が浮かんだり、もしくは「ふ~ん」という程度で終ってしまう。 「グルメ警部」と謳われているように、主人公キュッパーは美味い物に目がないが、この手の作品にありがちな料理に関する薀蓄が展開されるわけでもないため、際立って美食家であるという印象は受けない。むしろ、普通に美味い物が好きで料理も出来る男が警部だったというのが正確だろう。 しかしこの作者はきちんとクライマックスシーンをアクションで見せるところに感心する。動物園を舞台に追跡劇とライオンの柵の中での攻防ありと、サービス満点だ。広告業界で働いた経歴を持つ作者だから、こういったお客に“魅せる”手法を常に意識しているのだろう。 |
No.702 | 4点 | 黒のトイフェル フランク・シェッツィング |
(2010/03/01 22:24登録) 13世紀のドイツ、ケルンを舞台にした貴族の陰謀に巻き込まれた盗人の物語。『オリヴァー・ツイスト』のような物語を想像したが、濃厚さに欠けるように感じた。 痛いのは物語の主役を務めるヤコプがさほど聡明ではなく、偶然の連鎖で身に降りかかる災難を避けているに過ぎないことだ。こういう物語ならばやはり社会の底辺でしたたかに生きてきた盗人が狡猾さと悪知恵で大いなる陰謀を乗越えていく姿を見たいものだ。 しかしあとがきによれば、本書は本国ドイツでベストセラーを記録したらしい。ドイツにはよほど面白いミステリ・エンタテインメント小説がないのだろう。まだ見ぬ傑作が山ほどあるドイツ国民はなんとも羨ましい限りだ。 |
No.701 | 5点 | 赤き死の炎馬 霞流一 |
(2010/02/28 02:57登録) 死体の周囲に足跡のない不可能犯罪、密室殺人に、袋小路で消え失せた犯人と、本格ミステリの王道を行くものばかりでしかもそれらは実に明確に解き明かされる。 その真相は島田の豪腕ぶりを彷彿させるような離れ技が多いのだが、霞氏のコメディに徹した文体が不可能犯罪の謎を薄味に変えているように感じてしまった。 キャラクターも設定がマンガ的に留まっており、個性的であるものの、読者の共感や憧れを抱くような血が通った者は皆無だった。 |
No.700 | 10点 | ゴールド・コースト ネルソン・デミル |
(2010/02/20 01:31登録) いやはや、デミル、貴方は上手い、上手過ぎる!!これぞ小説なのだと醍醐味をとことん味わわさせてくれました。最後の一文なんか、もうシビレまくりです!! 哀しいラストに一縷の希望を託す、非常に美しい最後だ。だから最後の最後まで俺の心の隙間にピースがカチッと嵌ったのだ。 人物がイメージとして湧き上がるほどの性格付け、また夢の中の世界として描かれる金持ちの敷地やリトル・イタリーのレストランの描写が非常に素晴らしく、小説を読みながら映像を思い浮かべることが出来た。特にこの小説は映画好きが読めば読むほど映像を喚起できると思う。 またサッターの独白で明かされるベラローサの、サッターを自身の弁護士として取り込む手練手管の精緻さ。これが何とも懐が深く、本当にマフィアならそうするだろうと思わせるほどのリアリティがある。こういった構成が結末の悲劇への十分な裏付となっている。 しかもプロットは堅固なのに人物が前述の通り、個性豊かで単なる駒として機能しているわけではない。これらの人物ならばそれぞれこのように行動するだろうと納得させるだけの筆力があるのだ。いやあ、神業ですよ、これは。デミルを読むと私も含め、作家を目指す人はしばらく創作意欲が無くなるのではないのだろうか。 豊穣なるワインを飲んだ心地ですな、特に読後の今は。 |
No.699 | 7点 | 片腕をなくした男 ブライアン・フリーマントル |
(2010/02/18 18:39登録) 騙し騙され、嵌め嵌められ。全く諜報活動の世界とは何が真実で何が虚構なのか全く予断を許さない。最後まで読んだ今はそんな思いでいっぱいだ。 しかし本当にこのシリーズは一流のエスピオナージュ小説でありながら世のサラリーマンの共感を得る、中間管理職の苦労を痛感させられる作りになっているのが面白い。 しかしこの大どんでん返しは読了直後ではあまりの急転直下の展開に創りすぎだという感慨が否めず全面的に首肯できない。 訳者あとがきによれば本作は新たな3部作の第1作目であるとのこと。 とにかくフリーマントルのライフワークとも云えるこのシリーズの恐らく掉尾を飾る三部作の最終作が訳出されるのを愉しみに待つことにしよう。 |
No.698 | 7点 | オッド・トーマスの受難 ディーン・クーンツ |
(2010/02/15 23:45登録) 今回オッドが対峙する敵はダチュラという名のテレフォンセックス業者。オッドを殺し、その血肉を得ることで自ら霊視能力者になるという妄想を抱いたダチュラは、なんだかコミック物の悪役そのものである。どうやらクーンツは初のシリーズでアメコミ物に挑戦しているように思える。 オッドが捜している人や物に引き寄せられるように目的へ達するシックス・センスを持っているのも大きな特徴だが、今回はその能力を逆手に取ってスリリングを増しているのが素晴らしい。 とにかく全編自虐的なまでのオッドの自戒の念に覆われている。それ故、最後に至ったオッドの選択はなかなかに興味深い。 |
No.697 | 10点 | オッド・トーマスの霊感 ディーン・クーンツ |
(2010/02/14 22:28登録) 死者が見えるという特殊能力を持った青年オッド・トーマスの物語。 よくよく考えるとクーンツ唯一のシリーズ物か。 最近のクーンツ作品に見られる主人公オッドの饒舌振りには辟易するものの、本書は非常に素晴らしい仕掛けと物語性に溢れている。 従来のクーンツ作品の定型を打ち崩したゆえの傑作となった作品だと云えるだろう。 あれこれ云うよりもここは単純に、オッド・トーマス、君に幸あれ。思わず読後、こう声を掛けたくなる作品だと一言云っておこう。 |
No.696 | 9点 | 善良な男 ディーン・クーンツ |
(2010/02/14 00:52登録) 真相は陳腐といえば陳腐だが、今回は悪役クライト含め、主人公、ヒロインのキャラが際立っていた。 それに加え、最後に明かされる主人公の秘密が『ウォッチャーズ』以来の感動を私に与えてくれた。 これについては多分他の人は、「それほどかぁ?」と思うだろうが、私には強烈に胸に響いてしまった。 昨今のクーンツ作品の中では快作だ。 |
No.695 | 7点 | チックタック ディーン・クーンツ |
(2010/02/13 00:54登録) とにかく今回の作品は、いきなりクライマックスから始まる。今までのクーンツ作品と違い、今回はなぜトミーの許に呪術を施されたような人形が送りつけられ、彼を襲うのか、その経緯がまったく解らないまま、最終章の前章まで逃亡劇・闘争劇が続く。 訳が解らない物ほど怖い物はないということだろうか、今回のテーマは。 そして下巻の最後の辺りで明かされる化け物の正体がなんとも腰砕けな内容だ。 昨今のクーンツ作品では、こういった地球外生命体や神の恩恵を受けた者といった、人智を超越した存在を登場人物に配している設定がやけに見られる。これはクーンツが現代社会に絶望を抱いており、もはやこの状況を打破するには救世主が必要だと訴えているのかもしれない。 ところで作中、日本人は毎日豆腐を食べるから前立腺癌の発症率が低いという叙述があるが、本当だろうか? |
No.694 | 7点 | 対決の刻 ディーン・クーンツ |
(2010/02/11 21:54登録) とにかく苦痛の強いられる読書だった。途中何度も投げ出そうと思った。プロットに比べその書き込みの量ゆえに物語の進行が途轍もなく遅い本書はクーンツ作品には珍しく疾走感を欠いている。 今回は『ドラゴン・ティアーズ』でサブテーマとして語られていた“狂気の90年代”という、本来抱くべき近親者への愛情が個人の欲望の強さに歪められ、異常な行動を起こす精神を病んだ人々が主題となっている。つまり本書で語られるのが全編胸の悪くなる異常な話ばかりだ。 上下巻1,130ページも費やして語られる物語は至極簡単な物で、70%は長ったらしい主張で埋められているかのようだ。しかも1つの物語は決着がつかないままだ。 こういう説教事で埋め尽くされた作品を読むと、今後のクーンツはどの方向に進むのか不安でならない。 |
No.693 | 7点 | ハズバンド ディーン・クーンツ |
(2010/02/10 22:34登録) いつもと変らぬ日が続くものと思っていた矢先の突然の異常事態。今回のクーンツは怪物が登場するわけでもない、超能力を持った人間が出るわけでもなく、妻の誘拐という日常を襲う突然の凶事をテーマにしているので、逆にいつも以上に逼迫感があった。 主人公ミッチェルはどんどんのっぴきならない状況に陥り、窮地に追い詰められながらも、常に物語はハッピーエンドに締めるのがクーンツの特徴なのだが、今回はその物語の収束の仕方があからさまに唐突だったのにビックリした。 そして今作品のタイトル『ハズバンド』に込められているのは、妻が愛の誓いを立てた者は夫のみなのだという思いだ。これは結婚式によくある誓いの言葉なのだが、これを単なる台詞でなく、主人公の行動の原動力としているところがすごい。あんな常套句を元にこういう物語を考えるのだから、それはそれでクーンツの非凡なところなんだろうけど。 とどのつまり、ひっくり返せば本作においては愛の名の下では、何をやっても許されるのだと開き直っている感じがしないでもない。だから最後に物語を剛腕でねじ伏せたのか。それともこれはクーンツが実の妻に宛てたラヴレターの一種なのか。う~ん、変に勘ぐってしまうなぁ。 |
No.692 | 8点 | ドラゴン・ティアーズ ディーン・クーンツ |
(2010/02/09 22:03登録) なんともまあ、クーンツはとんでもない恐怖を考え出したものだ。 最初は身長2メートルを超える巨大な浮浪者。そいつが忽然と現れ、抗いようの無い膂力で獲物を嬲り殺す。もちろん銃も効かない。 その後は無数の蛇の大群。どさどさっと部屋中を埋め尽くすその有様は、想像するだに恐ろしい。 そして手に汗握る<一時停止>のゲーム。時間の流れをものすごく緩慢にし、ハリーとコニーだけを獲物に命を賭けた鬼ごっこが始まるのである。 90年代以降のクーンツの作品に特徴的に見られるのがこの“時間”を使った能力者が出てくること。それは今回のように実際に時間を停めるだけでなく、催眠術を使って、時間を忘れさせる恐怖、次元の歪みに入り込んで、実世界の時間軸とは違う世界を出入りする能力など、ヴァリエーションは様々だ。 そして本作の影の主役が犬のウーファー。犬好きのクーンツがまさに犬の気持ちになって第一人称で語るそれは、なかなか面白い。一種、着地不可能と思われた本作がどうにか無事に着陸できたのも、このウーファーの御蔭だ。物語の設定としてはギリギリOKとしよう。 |