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ミステリの祭典

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善良な男

作家 ディーン・クーンツ
出版日2008年06月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 5点 人並由真
(2017/08/09 17:09登録)
(ネタバレなし)
面白かったけど、良くも悪くもフツーに面白いだけだった(汗)。

個人的にクーンツは最後の観念の一押しがポイントで、その意味ではクライマックスに主人公の切ないあのー一言が用意された『バッド・プレース』か、すべての構図が見えてからなんとも言えない壮大な展望が心に染みてくる『ストレンジャーズ』が今のところのマイベスト。
主人公の過去に関しては蟷螂の斧さんの言うとおり、最後までヒロインや読者に秘匿しないでもいいのではないかと思う。そりゃ当人が自分から述懐するのもアレだが、相棒の刑事ピートあたりがその辛い昔日を主人公本人にかわって語ってやっても良かったのじゃないかと。
まあ最後の最後の勧善懲悪の大技は、良い意味のホラ話めいて悪くはない。

No.2 5点 蟷螂の斧
(2015/04/11 16:02登録)
(タイトル男15)裏表紙より~『「ここに半分ある。残りは女がいなくなってからだ」なじみのバーで、レンガ職人のティムは見知らぬ男から奇妙な言葉とともに封筒を渡された。封筒には札束と、名前と住所を記した女性の写真が入っていた。ティムは人違いで殺人を依頼されたことに気づくが、男は去っていた。彼は標的の女性を探し出して警告するが、早くも二人に不気味な殺し屋の魔手が迫ってきた。強烈なサスペンスが貫く逃亡と追跡のサバイバル・ゲーム。』
ウィットに富んだ会話、追いつ追われつの逃走劇は楽しめました。ただ、追われる謎(理由)と主人公ティムの謎(過去)がメインであると思いますが、今一つ納得性がなかったのが残念な点です。前者は動機が弱すぎる。後者はあえて謎とする必要性がない(感動的な話ではあるが・・・)。それよりもヒロイン・リンダの過去の話の方が、本編を食ってしまうほどインパクトがあった。

No.1 9点 Tetchy
(2010/02/14 00:52登録)
真相は陳腐といえば陳腐だが、今回は悪役クライト含め、主人公、ヒロインのキャラが際立っていた。
それに加え、最後に明かされる主人公の秘密が『ウォッチャーズ』以来の感動を私に与えてくれた。
これについては多分他の人は、「それほどかぁ?」と思うだろうが、私には強烈に胸に響いてしまった。
昨今のクーンツ作品の中では快作だ。

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