home

ミステリの祭典

login
赤き死の炎馬
奇蹟鑑定人シリーズ

作家 霞流一
出版日1998年06月
平均点4.67点
書評数3人

No.3 5点 メルカトル
(2023/11/25 22:34登録)
奇蹟や怪奇現象が真実であるか否かを鑑定する「奇蹟鑑定人」魚間岳士のもとへ、ある依頼がきた。「はぐれ平家と首のない馬」という不気味な伝説の残された岡山県のとある田舎町の旅館で、テレポーテーション(瞬間移動)としか考えられない怪異現象が起きたのだ。ところが調査をつづける彼は、不可思議な連続殺人に巻き込まれてしまう。密室のポルターガイスト現象、足跡のない全裸死体…。
『BOOK』データベースより。

相変わらず読み難い。相性が悪いのか文章が下手なのか分かりませんが、油断すると内容が全く頭に入ってこない現象が度々起こりました。冒頭のテレポーテーションの謎は結構いい感じでしたし、その後の展開に期待が持てるなとは思いました。結局その期待は儚く消えましたが。

リアリティのなさはバカミスの特徴でしょう。しかし、本作は余りにツッコミどころが多すぎて本当に馬鹿馬鹿しくなりました。発想としてはアリかも知れませんが、どうしてもそんな訳ないだろうと思えてきます。度が過ぎたバカトリックは白けるだけで、苦笑しか生まれません。そんな作品ながら、事件の背後には色んな裏事情が絡み合っており、その辺りの因果関係はよく描かれていると思います。その点を考慮して若干の評価がアップした私の心情を察していただきたい。

No.2 4点 kanamori
(2010/07/16 23:10登録)
奇蹟鑑定人・魚間岳士シリーズ第1作。
柄刀一の同様シリーズの日本版のような設定の不可能トリックものですが、もちろんテイストは全く違います。
毎回、ギャグとウンチク話の中に伏線を張る手法が同じなので、真相が透けて見えます。

No.1 5点 Tetchy
(2010/02/28 02:57登録)
死体の周囲に足跡のない不可能犯罪、密室殺人に、袋小路で消え失せた犯人と、本格ミステリの王道を行くものばかりでしかもそれらは実に明確に解き明かされる。
その真相は島田の豪腕ぶりを彷彿させるような離れ技が多いのだが、霞氏のコメディに徹した文体が不可能犯罪の謎を薄味に変えているように感じてしまった。
キャラクターも設定がマンガ的に留まっており、個性的であるものの、読者の共感や憧れを抱くような血が通った者は皆無だった。

3レコード表示中です 書評