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ミステリの祭典

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トワイライト・アイズ

作家 ディーン・クーンツ
出版日1996年08月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 5点 YMY
(2023/06/11 22:20登録)
悲哀と郷愁に満ちた見世物小屋幻想が心地よい第一部から一転、桃太郎の鬼退治のモダンホラーバージョンとでも呼べそうな第二部に到るや、人間の皮をかぶった悪鬼の存在を「超古代文明の遺物」と説明づけて、テロリスト集団と大差ない現実的で恐怖のレベルに引き下げてしまうところが、良くも悪くも作者らしい。

No.1 2点 Tetchy
(2010/02/06 23:26登録)
物語はゴブリンを見分ける特殊な眼を持つ主人公スリムの一人称で語られるのだが、これが17歳の言葉とは思えないほど、格式張っており、しかも回りくどい表現が多くて、かなり疲れた。作者としてはイメージ喚起を促したつもりだろうが、読み手の方としては感情移入を許さない文体だなと思うことしばしばで、なかなかのめりこめなかった。

そしてやっぱりやってくれたよ、クーンツは。
上下巻合わせて770ページあまりを費やして最終的に物語を放り出してしまった。
色々散りばめたキャラクターたちは絡むことなく、放りっぱなし。
しかもあれほどゴブリンを全滅させるのにこだわった主人公がなにか吹っ切れたかのようにゴブリン退治を諦めるのだ。この180度転換した意趣変更は正直面食らった。作者は炭坑で繰り広げられる洞窟探検譚に似た襲撃場面に筆とエネルギーを費やしすぎて燃え尽きてしまったのだろう。

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