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ミステリの祭典

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対決の刻

作家 ディーン・クーンツ
出版日2008年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 Tetchy
(2010/02/11 21:54登録)
とにかく苦痛の強いられる読書だった。途中何度も投げ出そうと思った。プロットに比べその書き込みの量ゆえに物語の進行が途轍もなく遅い本書はクーンツ作品には珍しく疾走感を欠いている。

今回は『ドラゴン・ティアーズ』でサブテーマとして語られていた“狂気の90年代”という、本来抱くべき近親者への愛情が個人の欲望の強さに歪められ、異常な行動を起こす精神を病んだ人々が主題となっている。つまり本書で語られるのが全編胸の悪くなる異常な話ばかりだ。

上下巻1,130ページも費やして語られる物語は至極簡単な物で、70%は長ったらしい主張で埋められているかのようだ。しかも1つの物語は決着がつかないままだ。

こういう説教事で埋め尽くされた作品を読むと、今後のクーンツはどの方向に進むのか不安でならない。

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