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ミステリの祭典

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sophiaさんの登録情報
平均点:6.94点 書評数:370件

プロフィール| 書評

No.50 7点 灰の迷宮
島田荘司
(2005/07/31 18:41登録)
桜島の火山灰を無理に事件に絡ませて旅情を演出した感が否めません。
それでも「北の夕鶴」以来吉敷シリーズは凡作が続いていましたので、このくらいのクオリティであれば十分楽しめました。


No.49 5点 Yの構図
島田荘司
(2005/07/21 16:57登録)
意外と中身のない話だなあというのが正直な感想です。
事件そのものの解決、それに数々の人間ドラマの収束がなおざりにされたまま唐突に終わった印象を受けました。
○○と○○が姉弟だという設定の必要性に疑問を感じました。
最後の方の吉敷の受験戦争に関する独白、あれを書きたいがために作った話なのでしょうか。


No.48 7点 天使の囀り
貴志祐介
(2005/07/17 15:18登録)
サイドストーリーが本筋に合流していく様がすばらしい。
メインテーマ以外にも、官僚機構の体質、終末医療のあり方等、読むべき点がある。
色々考えさせられる、という意味では「黒い家」を上回る傑作。
ただ、薀蓄が随所に散りばめられているので、ストレスなく読もうと思ったら飛ばし読みの技術が必要になる。


No.47 4点 倒錯のロンド
折原一
(2005/07/17 15:01登録)
こういう頭の中だけでこねくり回したような作品は好きではありません。


No.46 4点 クリスマス・イヴ
岡嶋二人
(2005/07/10 01:15登録)
とりあえずこんなのも書いてみました、という程度のB級ホラー。あまりにも普通。しかもサスペンス的な怖さもスプラッタ的な怖さもあまり感じられませんでした。ホラーを書くのには向いていないのではないでしょうか。


No.45 7点 オルファクトグラム
井上夢人
(2005/06/24 02:13登録)
嗅覚を主題とした世界観は斬新で大変良かったが、そっちが第一義となってストーリーが負けてしまう。
終盤のサスペンスも盛り上がりに欠ける。
あとミッキー失踪時の謎が解明されないままだし、やっぱり主人公の姉に対する感情が薄い。


No.44 8点 黒い家
貴志祐介
(2005/05/31 14:45登録)
みんなほとんど「怖い」としか言ってないですね。
まあ確かに「怖い」の一言に尽きるんですが。
展開は読めるものの、描写力でカバーできています。
終盤のビル内の攻防はハラハラしっ放しでした。
あのおばさん強すぎでしょう。
綾辻行人氏の「殺人鬼」を彷彿させてくれました。
追記 映画も観ましたが、どうして名作ミステリーの映画化作品って酷い物ばかりなのでしょうか・・・


No.43 8点 アヒルと鴨のコインロッカー
伊坂幸太郎
(2005/05/23 19:33登録)
タイトルからは想像もできないほど重い話ですね・・・・・・
それを独特のユーモアで軽く描くのが著者の魅力なのでしょう。
「三人の物語の終わりに巻き込まれた」という設定は秀逸です。
映画化して欲しいんですが、叙述トリックの件で無理か。


No.42 6点 重力ピエロ
伊坂幸太郎
(2005/05/16 02:18登録)
殺人の件に関しては目を瞑ろう。
だが放火は許容できません。
善良な市民の財産や生命を脅かすのは許しがたい。
博物的には勉強になるし、メッセージ性も強い作品だが、上記の点だけが不満。


No.41 9点 クライマーズ・ハイ
横山秀夫
(2005/05/09 16:18登録)
これが横山秀夫の最高傑作でしょう。
元新聞記者じゃないと書けない作品ですね。


No.40 10点 双頭の悪魔
有栖川有栖
(2005/04/13 15:15登録)
舞台設定やギミックの派手さと緻密な論理が並存する傑作。EMCメンバー初の揃い踏みで、それぞれの個性もよく描かれています。この作品のあら捜しをしようと思えばいくつも出来るので(狭いコミュニティの中での××殺人はあまり有効ではない、○○はマリアがしたように夜中に居間の電話を使えば直接△△と連絡を取れたのではないか等)悩んだのですが、やはりすごい作品なので満点を差し上げます。


No.39 7点 孤島パズル
有栖川有栖
(2005/03/23 04:24登録)
第二の事件で犯人が○○で犯行現場に行った可能性については、もっと早い時点で論じられるべきだったと思います。
犯人の移動手段としてあまりに自転車にばかりこだわっているので、○○で行けるような感じではないのだと思い込んでいましたよ。
可能性を匂わすぐらいはしておいた方がよかったのではないでしょうか。
もちろんそう書くとトリックがバレバレになるんですけどね。
それがこの作品の苦しいところでしょうか。


No.38 5点 陽気なギャングが地球を回す
伊坂幸太郎
(2005/03/13 03:55登録)
あまりに何でもアリすぎで白けますし、主人公たちの会話に出てくる瀟洒な言い回しも若干鼻につきます。
自閉症児の扱いも好きではありません。
そもそもこういう軽いノリの犯罪小説というのが合わないのかも。


No.37 7点 犯人に告ぐ
雫井脩介
(2005/03/07 01:19登録)
最初は面白かったのですが、中盤以降は主人公が警察署とテレビ局を往復するだけであまりストーリー展開に刺激がなく退屈しました。それに犯人との対決よりも、植草との対決の方にウエイトが置かれてしまっているのが不本意。肝心の事件の解決も犯人の奇跡的なミステイクに助けられただけですし、受け身ではなくもっと能動的な捜査で犯人を追い詰めて欲しかった。終わり方も中途半端に感じました。


No.36 8点 ラッシュライフ
伊坂幸太郎
(2005/02/24 17:20登録)
5つのストーリーの時系列がどうなっているのかという疑問、それがこの作品を読み進める原動力となりました。
「拳銃の音」「ボブ・ディランのCD」「トイレに行くふりをして一仕事」等、ミスディレクションもなかなか豊富で手こずりました。
ただパズル的要素が強いあまりか、作品の持つメッセージ性は若干希薄に感じられました。


No.35 8点 プラスティック
井上夢人
(2005/02/22 00:00登録)
自分的に井上夢人のベスト。ひと昔前の文明の利器、フロッピー・ディスクを使った演出を最大限に生かした作品です。特殊な構成の作品ですが、このような構成を採った意味がラストの54番目のファイルで明らかになります。そしてタイトル「プラスティック」の意味も。


No.34 7点 月光ゲーム
有栖川有栖
(2005/02/20 02:36登録)
登場人物が多い上に書き分けがあまり出来ていないので、読むのが少々きつかったです。
憶測だけで他人を公然と犯人扱いする人物の多さに辟易しました。
最終的な江神部長の推理は、全部状況証拠ですね。
話が淡々と進みすぎで、極限状態に追い詰められている面々という雰囲気があまり感じられませんでした。
ラストに理代がアリスにマッチを投げるのが意味不明なんですが・・・


No.33 7点 魔球
東野圭吾
(2005/02/19 17:51登録)
初期の東野作品の中では高い完成度だと思う。
ただ犯人の身勝手さがどうしても気になる。
犯人の関心事は自分の家族のことだけで、死を選んだのも真相を闇に葬るため。
被害者や遺族に対する謝罪の気持ちが微塵も感じられない。
それを「家族を守った」という美談のように仕上げるのはどうかと思いました。


No.32 6点 オーデュボンの祈り
伊坂幸太郎
(2005/02/15 04:12登録)
ちょっと大人向けの童話(?)みたいな話でしょうか。
すごく含蓄のある作品のような気もしますが、ミステリとして評価するのは難しいです。


No.31 8点 第三の時効
横山秀夫
(2005/02/11 03:52登録)
最初の話の冒頭に穏やかならぬ文章が。これは嫌でも引き込まれてしまいます。どの話も読んでしばらくすると話の内容を忘れてしまいますが、再読するとやはり面白い。これは連城三紀彦の作品に通じるものがあります。三つの班の班長たちがこの連作短編の軸になっているわけですが、朽木と村瀬に比べると楠見の出番がちょっと少ないですかね。それで起訴できるのかなと思う事件もいくつかありますが、この連作短編で描きたいのは刑事たちの人間ドラマだということで目を瞑りましょう。

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