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ミステリの祭典

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Yの構図
吉敷竹史シリーズ

作家 島田荘司
出版日1986年12月
平均点5.94点
書評数16人

No.16 7点 みりん
(2023/08/19 19:22登録)
吉敷竹史シリーズ第6弾
いじめを苦に自殺した少年の亡霊、一つのホームの両側に到着した新幹線から服毒死体、死体には桔梗の花や蝶が…
相変わらず不可能状況を作り上げるのが上手い。
そして吉敷竹史モテすぎ。課長時代の島耕作かよってくらいモテる(シマコーよりは遥かに紳士だが)

No.15 5点 ボナンザ
(2020/04/14 23:30登録)
社会派に島田らしい奇想天外な結末を組み合わせた天下無敵の名作・・・には残念ながら感じられない。どっちもやや中途半端なイメージ。

No.14 5点 nukkam
(2015/09/20 16:15登録)
(ネタバレなしです) 1986年発表の吉敷竹史シリーズ第6作の本格派推理小説です。社会派推理小説としての要素も非常に濃く、いじめ問題についてかなり深堀しています。真相はそれなりの衝撃性を持つのですが、推理の経緯説明が十分でなく唐突感が強いのがちょっと残念。なまじシリアスな内容を突き詰めたばかりに、殺人を犯すだけの覚悟が本当に犯人にあったのか却って疑問を感じてしまいました。

No.13 7点 斎藤警部
(2015/07/01 18:39登録)
最後の「           」に唖然愕然騒然!! しかしどちらかと言うと肩透かしに近い、バカ結末の一種と言っても過言では無い。。のではなかろうかあ。。

アリバイ崩しのハード本格にハード社会派を継ぎ足し損ねた感はある。 作者の意気は買う。 言い遅れましたが、かなり面白い。

No.12 5点 seiryuu
(2010/09/13 13:39登録)
ラストは作者の主張が濃くなってしまったのが残念。

No.11 5点 spam-musubi
(2010/09/01 18:53登録)
吉敷シリーズのひたすら地味な捜査の面白さが(御手洗との対比として)
やっとわかるようになってきた。

この話については、「いじめ」とミステリーを無理やり結びつけて
本格と社会派の融合を図ろうという、「奇想天を動かす」に通ずる
ものを感じるのだが、それがうまくいると思えない。

吉敷に言わせている、受験といじめを絡めた言葉もいかにも表層的。
私自身が教育業界にいるせいもあるが、「あなた、いじめについて本当に
きちんと学んで書いていますか?」と言いたくなる。

No.10 5点 E-BANKER
(2009/11/23 14:47登録)
吉敷刑事シリーズ。
出版当時、社会的事件であった「いじめ」問題が取り上げられ、事件の重要なエッセンスになっています。
真犯人はやや意外性を感じますが(まぁ、「Yの…」とくれば、おのずと分かりますけど)、驚くような「仕掛け」もなく、島田氏としてはかなり地味な作品といっていいでしょう。
当時の大人が「いじめ事件」に対して受けた感想というのが、まさに吉敷の台詞や心情に表れていて興味深いです。
余談ですが、本作発表のきっかけとなった「中野○○○中学校」の近くに住んでいた時期があり、校舎を見て「ここがあの中学校かぁ・・・」と感慨に耽ったことがあります。

No.9 5点 りんちゃみ先輩
(2009/11/06 20:08登録)
結末に関して、それはないでしょう。またそれに対する事件処理、これも実際不味いんではないでしょうか。ただこの結末の内容までのプロセスはさすがに「島田荘司氏」はうまい、おもしろいのでこの点数です。

No.8 4点 simo10
(2009/09/07 23:12登録)
--ネタばれ含みます--

いじめ問題を取り上げた社会派小説。
いじめの首謀者、いじめに加担する先生に対する地元の評判が悪くないという意外な展開。
ひょっとしてこれは東野圭吾の「悪意」系の作品か?と期待したのですが‥
真相はまあ意表をつかれたと言えばつかれたけど。
「あの名作」との引き合いで題名から犯人が予想つく人もいるかも知れないけど、それを隠すための列車トリックなんですかねぇ、と不必要にケチをつけたくなってしまう。
「展望塔の殺人」に似ています。

No.7 5点 測量ボ-イ
(2009/05/19 20:33登録)
これも社会派色が強いですね。でもミステリとしての評価は
イマイチ。viviさんとほぼ同じ感想です。
これも20年くらい前の独身時代(つまり子供のいないとき)
に読んだので、今再読するとちょっと感想が違うかも。

No.6 6点 vivi
(2008/12/03 01:49登録)
いじめという社会的な問題を前面に取り上げた作品。
しかし、肝心のミステリの要素との絡みが不十分だったかな。
ミステリとしての構造が、ちょっと中途半端な気がしました。

愛増の感情と折り合いをつけながら日常生活を送るという、
人間の存在の辛さのようなものを作品世界から感じました。
犯人は、その術を知らないから罪を犯したのかも。

吉敷の思考の膠着状態には、少しイライラしましたね。
それはこの事件が、彼のフィールドである「理」では解けない、
「情」の事件だったことにも原因があるのかもしれないけれど。
そして最後に彼は「情」というものの奥深さを実感したのでしょうね。
その答えが、あの選択なわけです。

No.5 7点 Tetchy
(2005/08/22 23:02登録)
本作のメインとなる殺人事件は、実はさほど興味深いものではなく、真相もショッキングではありますが、私自身が予想していたそれとほぼ同じでした。しかし読後の余韻は漠然とした何かが残りました。菊池刑事の、木山法子が瀕死の重体であるにもかかわらず、傍にいられない無念さか、古川教諭の、生徒を思う心か、鳥越ゆかりの孤独か、それ以外かどうか判りません。それらは所謂ステレオタイプな設定だと思うからです。しかし、何かは確かにあります。やはり子供が人を殺したという事実への疎ましさかもしれません。

No.4 5点 sophia
(2005/07/21 16:57登録)
意外と中身のない話だなあというのが正直な感想です。
事件そのものの解決、それに数々の人間ドラマの収束がなおざりにされたまま唐突に終わった印象を受けました。
○○と○○が姉弟だという設定の必要性に疑問を感じました。
最後の方の吉敷の受験戦争に関する独白、あれを書きたいがために作った話なのでしょうか。

No.3 6点 如月雪也
(2005/06/05 06:43登録)
御手洗シリーズばかり読んでいるので、ちょっと違和感がありました。
他の作品でも社会に対する思いは結構伝わってくるけれど、これはわりとストレート?

No.2 9点 真由子
(2005/04/15 21:21登録)
子供の、親に対する見方の真実に、拍手です。
言ってはいけない事実を、子供の口から言わせているのは、素晴らしいです。
否定できないでいる様子も、良かったです。
もちろん、親の子供に対する感情はそれだけではありませんが、一面の真実です。
それを認めながら子育てをしてきたことに、
正しかったと、言われたようで、嬉しかったです。
ただ、まあ、推理小説なので、殺人事件は仕方ないとはいえ、
いきなり、刺してしまうのは、いただけません。
彼女は、当時真実に生きていたのに、
刺したときは、ただの大人であったのが残念です。
彼女なら、もっと違う人生であって欲しかったです。
もっとも、小学生の時に、親の真実を見抜いてしまった子供を、立派な大人にするわけにはいかなかったのでしょうが。

No.1 9点 キタさん
(2003/09/26 00:44登録)
いじめの問題について色々考えてしまった。島田氏が書く本編での子供の世界。今はどうなのだろうか?あまりに根深い問題に作者の当時の日本へのやるせない思いが感じられました。それが御手洗さんにつながるのかな?菊池刑事の木山法子への思いがせつなく胸に残り、また吉敷刑事と共に人間性が好きでした。

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