| みりんさんの登録情報 | |
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| 平均点:6.66点 | 書評数:519件 |
| No.219 | 6点 | 笑え、シャイロック 中山七里 |
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(2023/10/26 20:43登録) 不良債権の回収を務める渉外部の銀行員が中心のお話。横山秀夫『クライマーズ・ハイ』とか池井戸潤と同じように"プロフェッショナル-仕事の流儀-"系。 【ネタバレがあります】 回収担当として辣腕を振るう上司山賀からその志を受け継いだ主人公結城が如何にして理不尽な不良債権を回収するのか楽しめます。主人公と相対する債権者も画家や技術職社長、新興宗教、ヤクザと幅広く、銀行事情について非常にタメになるし面白い。 ミステリとしては一応殺人事件は起こるが少々無理やりのフーダニット。ミステリ要素は無理に入れなくても、ずっと山賀と結城の2人コンビでやっていっても良かったんじゃないかなあと。エピローグの締め方は素晴らしい。 仕事の流儀系では今のところ一番好きかも。 |
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| No.218 | 7点 | お前の彼女は二階で茹で死に 白井智之 |
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(2023/10/22 01:48登録) 正直いうと短編集ってあんまり心踊らないんだよねぇ。でもこの作品の密度は異常です。短編でも多重解決を徹底するのってふつうに頭おかしいと思うんだけど、どうなってんのこの著者。今最も脳内を覗き見したい作家ランキング堂々の第1位。 いつもの謎比喩と全編にわたる"ゲロキモロジック"に加えて、やたら記憶に残るネーミングセンス(大耳蝸牛、ヒコボシ、まほまほ…etc)が楽しめる。 【ネタバレがあります】 『ミミズ人間はタンクで共食い』『アブラ人間は樹海で生捕り』の2つはノエルが○したのがどちらかという前提条件で推理がガラリと変わるのすごいね。よう思いつくわこんなん。 『トカゲ人間は旅館で首無し』では純密室+雪密室。そして何の思い入れもなさそうに惜しみなくコロされてしまうあのキャラ。もっと見たかったよミミズ女探偵。 『水腫れの猿は皆殺し』はおもしろトリックと連作短編だからこそできる少々強引なサプライズ。ですが今まで相棒も探偵も容赦なくコロしてきたお話だからこそ生きる仕掛けだと思います。 『後始末』では『ミミズ人間はタンクで共食い』という原点に戻る綺麗な幕引き。お見事。 ヒコボシが最後にナンカイイヤツ感を出すのとお咎めなしなのがちょっと不満だったかな。 |
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| No.217 | 8点 | adabana -徒花- NON |
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(2023/10/19 01:31登録) 雪積もる小さな町で、猟奇的な殺人事件が起こる――。身体を切断された被害者は女子高生・五十嵐真子。そして、犯人として警察に自首して来たのは、同級生の藍川美月。犯行を供述する美月だが、そこにはある違和感が…!? 闇に抗う2人の少女の“秘密”をめぐる、リアル・サスペンス!! (Amazonより) (上)(中)(下)3巻構成の漫画です。本当に読むのが辛いですよこの作品。 どこかリアリティのある物語と絵の力が相まって、ラスト12ページを読んだ時の感情は私の言語力では伝えきれません。あまりのやるせなさに数日は引き摺る物語でした。ミステリ的サプライズは乏しいですが、小説では味わえない漫画の良さを最大限に引き出した傑作だと思います。 『蝶の墓標』を読んで真っ先にこの作品を思い出したので登録しておきました。 高校生藍川美月が親友だった五十嵐真子を惨殺したと自首するシーンから始まるサスペンス漫画であり、ドキュメンタリー映画のような作品でもあります。NON先生は表情を描くのがとても上手く、回想シーンで真子が容赦なく追い込まれ、段々とやつれていく過程は何度読んでも辛くなります…… 美月は何を考えているのか分からず、百面相のように表情が変わる。その不気味さに引っ張られて読み進めると、(下)で全ての意図が明かされた時にあの時の表情の意味に気付くのです。ストーリー構成の無駄のなさ、そしてわずか3巻にまとめたのも高評価です。 |
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| No.216 | 6点 | 蝶の墓標 弥生小夜子 |
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(2023/10/18 23:50登録) 苛烈ないじめを受けて夭逝した少年はなぜ最期に微笑んだのか? 自己保身に走る大人の汚さと善悪の境界が曖昧な少年少女の残酷さが生む悲劇。このやるせない気持ちが込み上げる復讐物語は漫画『adabana-徒花-』を思い出します。 蘇芳色の痣を持つ夏野とまだら模様の羽を持つ蝶。果たして羽化して良かったのか… 夫婦において小さな齟齬は骸骨に成長する。その骸骨にお互い気づかないフリをして地下深くに埋めていく結婚生活の危うさがシングルマザー視点から語られたり、女性作家ならではの描写が素敵です。 人間ドラマを求める方にオススメですよ。ミステリ的サプライズはやはりダイイングメッセージの意外性ですかね。 ※ジャンルをどれに投票したら良いか分からなかったので、詳しい方いたらお願いします |
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| No.215 | 7点 | 少女を殺す100の方法 白井智之 |
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(2023/10/17 19:27登録) 外で読むときはブックカバー必須の物騒なタイトルですね。周りに引かれないように気をつけましょう。 どうやら傑作『名探偵のいけにえ』は著者の抑えきれない猟奇趣味をなんとか封印して、生み出された奇跡の作品だったようです。今作もあまりに容赦のないグロ描写と+α少女趣味が炸裂しています。が、そんなことは減点材料にならないほど白井先生のアイデアの豊富さに圧倒されます。 【ネタバレがあります】 少女教室 7点 挨拶代わりに20人の少女を亡き者にし、見事な消去法ロジックからの倒叙ミステリ。そして意外なwhyと意外な名探偵。一番作者らしい短編かな? 少女ミキサー 9点 理不尽脱出デスゲームの中に本格の香り。今後忘れられない短編になりますねぇこれは。 腸の強度ってこんなにあるの?? 少女殺人事件 6点 余りにも斬新な犯人特定ロジック。唯一のメタミステリで1番笑えます。 少女ビデオ 7点 これは読んでて気持ち悪くなるくらいグロい。しかし耐えてでも読む価値あるどんでん返し。 ところで、腸の強度って・・・(以下略) 少女が町に降ってくる 8点 横溝&三津田先生の香り+荒唐無稽すぎる特殊設定。 犯人が○○を殺すために、大変回りくどい方法をとるのですが、「アイデアに酔ってたのよ」の一言で解決です。作者の自白が聞こえてきたような気がして笑いました。 |
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| No.214 | 8点 | 東京結合人間 白井智之 |
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(2023/10/15 17:06登録) 「白井智之、二十四歳。末恐ろしい書き手である」と綾辻せんせーが帯で賞賛しているが、なんか妙に腑に落ちる。こういうの好きそう。 【ネタバレあります】 プロローグから挨拶代わりの痛覚刺激型グロ描写。読んでるこっちもあそこがいてぇ。 ノーマルマンが2人だという前提から導かれるドミノ倒しロジックは発明的じゃないか?まあ… 大多数の作家がトリックのために特殊設定を作っているのに対して、白井智之は更なるグロを描写するために特殊設定を作ってるんじゃねぇかと疑っていた。が、著者の猟奇趣味で包み隠された奇想極まるトリック。まさに鬼畜設定パズラーにふさわしい。正直なんでこんなに評点が低いのか分からんくらい凄かった。まあ例によって私は1ミリも気付けませんでしたが、ミステリを読み慣れている方にはバレバレっぽいのが減点要素なのかな?乱歩の『孤島の鬼』のような不気味さもあって大変気に入りましたね。 結合人間のビジュアルに想像力を掻き立てられるが、文庫本表紙みたいに横に並んでいるのかな?だとすると身長が伸びるのはどういうことなんやろね。 |
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| No.213 | 7点 | 甲賀忍法帖 山田風太郎 |
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(2023/10/14 20:20登録) 『甲賀忍法帖』と聞いて思い浮かべるのはあの名曲の方。「下弦の月が♪朧に揺れる♪」という歌詞から始まるが、今回初めて原作を読んでまさにこの作品の主題じゃないかと妙に納得できた。 俺なんてキッズだから"異能力バトル"の先駆けって『ジョジョの奇妙な冒険』だとずっと思ってたよ。1959年にここまで下地が完成していたなんて驚いた。これより前の"異能バトルもの"ってあるんですか…? 心は少年のままなんで、甲賀10人vs伊賀10人が秘術を尽くして命懸けの集団戦をするなんて設定を聞くだけでワクワクしてしまう。少年漫画ではなかなかお目にかかれない能力もあったりして新鮮です。 この作品は本来時代ものとして評価すべきなんだろうけど、その風流を感じ取れないアホな私は異能バトルとして評価する(苦笑) そうするとやはり後発の『ジョジョ』や『ハンターハンター』を読んでいる身としては、(小説と漫画を比べるなんて馬鹿かって話だが)知略を巡らす攻防がなく戦いが単調であり、少々物足りないという評価になる。しかし、異能バトルの先駆けとして大変偉大な作品であることに間違いはなく、山田風太郎に感服です。 |
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| No.212 | 7点 | レーエンデ国物語 多崎礼 |
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(2023/10/14 00:12登録) これまた登録していいか微妙な所ですが『十二国記』が登録されてるしまあ良いよね…? 読んだ感想としては"子供にも見せられる『ゲーム・オブ・スローンズ』"でした。漫画だといっぱい読んできたけど、小説でここまでのハイファンタジーは新鮮。ハイファンタジーゆえに固有名詞が大変多く、読んでる途中のメモも過去最長クラス。小説界で話題沸騰なだけあってちゃんと面白いんだなこれが(ミステリ読みに刺さるかは怪しいですが・・・) ディティールに拘った世界観の構築とセリフの力強さが素敵だなあと。ここまで練られていると作者が1章では書ききれずに隠した設定は数多そうなので、続編にも期待が高まる一方です。 想い人であり同胞であるユリアとトリスタン 恋敵から永遠の親友同士になったユリアとリリス この二組の関係が特に好きでキャラクター小説としても楽しめると思います。 以下いいなと思ったセリフ p382より 「レーエンデに来なければ私は自由の意味を知ることもなく、世継ぎを産む道具として消費されていたでしょう。人を愛する喜びも、人を愛する苦しみも知らないまま、絶望の中で朽ち果てていたでしょう。ですからたとえ、時を戻せたとしても私は同じことをします。恐ろしい災禍に巻き込んでしまうとわかっていても、このレーエンデにきてトリスタンと出会い、彼を愛さずにはいられないでしょう」 |
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| No.211 | 7点 | 麦の海に沈む果実 恩田陸 |
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(2023/10/10 17:55登録) 学園サスペンス+ファンタジー。 【ネタバレあります】 主人公が魔女と呼ばれたり、背後で蠢く巨大な陰謀やホラー要素など『緋色の囁き』やダリオアルジェント監督『サスペリア』と似た舞台設定です。シリーズ前作の『三月は深き紅の淵を』の4章は今作の予告編のような作りになっていたのですね。 ここまで魅力的な世界観を映像的に表現できる著者の手腕に素直に感服しました。過去を顧みない凛とした主人公の選択にはほろ苦い青春小説としても心に深く残ります。リドル・ストーリーではなく最も大きな謎対しては明確な答えを示しますが、細部ははっきりと描かれません(特に学園関係)。 もっとこの不思議に包まれた学園に閉じ込められたい。キャラクター達のその後を見せてほしい。と引き摺らせる読後感。これが恩田ワールドでしょうか。 |
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| No.210 | 8点 | ルルとミミ(乙女の本棚) 夢野久作 |
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(2023/10/09 02:47登録) 図書館で予約して受け取りに行くとまさかまさかの児童文学。少し恥ずかしい思いをした。こんなに救いのない物語を児童に読ませるのは果たしてどうなのか…トラウマになるんじゃないか(笑) この著者はそこそこ読んできたが、今までに見たことのない童話のような語り口です。 『瓶詰の地獄』といい夢Qは「兄妹」に何かフェティシズムでもあるんでしょうかね。いや〜子供には刺激が強すぎるぞこれ。ラストはサプライズと言えばサプライズであり、メリーバッドエンドと言えるかもしれない。最後の見開きは絵の効果も相まって儚く美しい。 ねこ助という方の絵が素敵でこの幻想的な作風に大変マッチしています(+1点) |
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| No.209 | 5点 | 三月は深き紅の淵を 恩田陸 |
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(2023/10/08 22:20登録) 不思議な魅力のある作品です。 ミステリとしては1章『待っている人々』、人間ドラマとしては3章の『虹と雲と鳥と』が良いと思いました。4章は恩田先生が執筆の際に感じたことを思うままに書いている私小説ですかね。曰く付きの全寮制学校に途中入学した主人公が背後で蠢く陰謀と戦う学園サスペンスは個人的に興味をそそる設定(最近見たダリオ・アルジェント作『サスペリア』っぽい)で大変気になっていたのに、細部はあまり明かされないまま終わってしまった。考えるな感じろって事ですかね…4章はふつうに奇書です。 |
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| No.208 | 6点 | 暗色コメディ 連城三紀彦 |
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(2023/10/07 17:57登録) 連城作品で、ここまで論理的で高度な謎解きには正直ビックリです。 |
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| No.207 | 7点 | 人間の顔は食べづらい 白井智之 |
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(2023/10/06 17:49登録) 白井智之のデビュー作。これほどの作品が最終候補作止まりって恐ろしい世界ですねミステリ界は。 【ネタバレがあります】 病気で家畜が死滅した世界で非自然人であるクローン人間を食すこと(食人法)が許される世界。そのSF的世界観をベースに複数の怪奇事件と多重推理をたっぷり楽しめる本格ミステリ。そして最終的には物理の檻と人間社会の檻の2つを超える物語だったのですね。素晴らしい作品だと思います。 新型コロナウィルスという言葉が出てきた時にはこの作品の刊行年度が2014年であることに疑問符がつきましたが、そういえば元々あるウィルスだったんだな。わざわざ新型って付くんだから当然か… |
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| No.206 | 7点 | あやかしの鼓―夢野久作怪奇幻想傑作選 夢野久作 |
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(2023/10/04 02:11登録) 夢野久作の傑作選にはとりあえず『死後の恋』『瓶詰の地獄』は入れておけという風潮があるほどには両者とも傑作だと思います。『死後の恋 夢野久作傑作選』とだいぶ選出がカブっているのもあって、今回未読作だったのは『難船小僧』『幽霊と推進器』『あやかしの鼓』の3つのみ。いや〜でも『死後の恋』は見かけるとつい読んでしまいます(^^) 『難船小僧』 6点 伊那一郎が乗り込んだ舟は必ず沈没してしまう。科学的にはそんな事はありえないという理由で実験的にその少年を同伴させた船長とその事に阿鼻叫喚の船員達が描かれる。 たぶん「難船小僧のナンセンス」っていう親父ギャグが言いたかっただけだと思うけど、登場人物の冷淡さもなかなか強烈。 『幽霊と推進機』 5点 これまた『難船小僧』と同じ怪奇海洋奇譚。船という閉鎖空間にやな奴ばかり出てくるのも似通っている。だがこのオチはだめだろうw 『あやかしの鼓』 7点 音を聞くと呪われるという「あやかしの鼓」 夢野久作処女作の短編という事で1番楽しみにしていましたが、期待を裏切りませんでした。 特に100年越しの『あやかしの鼓』演奏描写。愛する人に裏切られた時の憎悪。生きながらにして死んでいた男が鼓に込めた情念。鼓が奏でた音の怨みの響き。小説という媒体ではやむを得ず音を文字に変換する必要があるが、ここまで鼓が奏でる音の呪いに説得力を持たせる作者の筆には鳥肌が立ちます。 あと初読時は普通だと感じた『白菊』の持つ妖しい魅力に気づき、再評価路線。 |
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| No.205 | 6点 | アヒルと鴨のコインロッカー 伊坂幸太郎 |
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(2023/10/03 02:40登録) 大御所の方ってリーダビリティの高さが異常ですね。360ページ一気読みです。 魅力溢れるキャラクターと軽快な会話から生まれるユーモアで終始心地良く読書に浸れます。まあ青春ミステリというジャンルの割に大変シリアスなのですが…(笑) 本筋以外の要素だけである程度どの作品も面白さは保証されてそうな作家さんだなという印象を受けました。他の作品も気になるところです。 |
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| No.204 | 8点 | 厳冬之棺 孫沁文 |
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(2023/10/01 19:27登録) お二方の書評で気になり、普段読まない翻訳物を購入。5時間の楽しい読書体験でした。 トリックを重視する方・不可能犯罪に興奮を覚える方・実現可能性を気にしない方・島田荘司が好きな方 ぜひ1200円を握りしめて書店に向かいましょう。 【ネタバレあります】 密室殺人×3に見立て殺人に首無死体となんとサービス精神旺盛なミステリでしょう。 トリックはいつも通りちっとも見当がつかないのですが、私途中で確信を持って犯人が分かってしまいました。何作品ぶりの快挙かと喜びを噛み締めていると、「密室の王」はそこまで甘くなかったです。 ハウダニットとフーダニットどちらも高い次元で楽しめるでしょう。 不満点を挙げるとすると作中の謎が100%明かされないこと(続編匂わせか?)。あとタイトルの『厳冬之棺』と装丁から想像していた荘厳で幻想的な雰囲気が欲しかったことでしょうか。 |
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| No.203 | 6点 | 私雨邸の殺人に関する各人の視点 渡辺優 |
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(2023/10/01 04:16登録) 探偵役以外にあまり真新しさはないのですが、ロジックがよく練り込まれている作品だと思いました。フーダニットが好きな方におすすめできます。 改名前のツイッターという言葉が出てくるのには時代を感じさせますよね、今年の作品なのに笑 ある人がある人を犯人だと気付いた理由もいかにも現代らしくて良いです。 うわ〜読む前に人並由真さんの書評を読んでおけば良かったですね〜 クリスティのおそらく有名作(?)に関してネタバレの如き仄めかすものをくらいました。実は私、今年の新刊でもう一つクリスティの超超有名作のネタバレをされているのでまたか〜と少し消沈。まあこちらは流石に読んでない私が悪いと思うのですが、クリスティは必修という共通認識があるんですかねぇ… 国内作品に逃げずに海外古典も読めよというメッセージだと前向きに受け取っておきます。 |
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| No.202 | 6点 | 死後の恋 夢野久作 |
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(2023/09/30 15:10登録) アレを読んでから毎日1度は夢野久作のあの荘厳な尊顔を思い浮かべる時がくる。これが『死後の恋』か… という冗談はさておき収録作は『死後の恋』『瓶詰の地獄』『悪魔祈祷書』『人の顔』『支那米の袋』『白菊』『いなか、の、じけん』『怪夢』『木魂』『あやかしの鼓』 私が読んだのは新潮文庫の「夢野久作傑作選」なのでどうやら前の方が読んだ作品集とは違うようですがここに書評します。 【ネタバレあります】 『死後の恋』9点 『瓶詰の地獄』9点 この二つはどの作品集にも収録されていますね。『死後の恋』の猟奇と耽美の融合、臓器と宝石の対比がホントに好きで、まだそれほど読んでないのに夢Q中短編の最高作だろうと勝手に思ってます。 『悪魔祈祷書』 6点 タイトルを見るからに著者らしい作品かと思いきや予想外の方向へ。こういうのも書くんだね。 『人の顔』6点 『支那米の袋』7点 既に読んでいましたね。『瓶詰の地獄』で感想書いたのでソチラで 『白菊』5点 幻想的な雰囲気に誘い出される犯罪者と世にも美しい少女。んんん…つまりどういうこと? 『いなか、の、じけん』3点 いなかで起こる少し奇妙な事件が無数に載っているショートショート。吝嗇家なおばさんが窒息する話以外はあまり記憶に残らず 『怪夢』4点 これまた怪しい夢に関するショートショート。『病院』では精神病患者=主人公が発狂すると同時に研究が完成するという研究者が登場するが、これまさにドグマグの原形ですね。ずっと前から構想を練っていたのが伺えます。 『木魂』6点 妻と子を無くし、どこからともなく声が聞こえるという狂人。異常な現象を数学で解釈する部分はユニークです。終始陰鬱、暗澹たる雰囲気が続く中、ラストは一筋の光明が差した…のかどうか 『あやかしの鼓』はどうせならこれがタイトルになってる作品集で読もうと決意。デビュー作の中編、楽しみですな 未読作で刺さったのが少なくてこの評価に。相変わらず「狂人」「夢」「ロシア」が好きなんですね |
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| No.201 | 5点 | 夜は短し歩けよ乙女 森見登美彦 |
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(2023/09/29 00:20登録) 京都府民なので作中で巡る場所を「あ〜あそこね〜イイよね〜」と脳内で思い浮かべながら楽しく読めた。こんなふうに少し不思議で情緒溢れるオシャレな青春大学生活憧れますねぇ… ※アオハルの祭典なら10点満点です |
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| No.200 | 5点 | 夜のピクニック 恩田陸 |
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(2023/09/26 21:54登録) ただ本当に友達と歩くだけで、物語に起伏はない。でも高校の頃って友達とくだらない話をするのが1番楽しくて、あれこそが黄金の日々なんですよね。清涼感100%、ノスタルジーにたっぷり浸れる青春小説。ああ…たまにはこういう非ミステリ作品も良いな ※『アオハルの祭典』なら10点満点です |
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