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ミステリの祭典

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みりんさんの登録情報
平均点:6.66点 書評数:385件

プロフィール| 書評

No.105 9点 名探偵に甘美なる死を
方丈貴恵
(2023/06/02 17:45登録)
「時空旅行者の砂時計」「孤島の来訪者」に続く竜泉家の一族シリーズ第三弾。今作に限っては絶対に前2作品を読んでからにしましょう。

毎度作者の発想力には驚愕してしまう。今回も魅力的なキャラクターであるマイスター・ホラの挑戦状が付いていますが、「いや、こんなの当てられるわけないだろう」と同時に「逆にこんなのどうやったら思いつくの?」というトリック×2で大満足でした。

【ネタバレ】




ラストの犯人の改心があまりに唐突で少しガッカリしていたら、なんとエピローグでとんでもない事実が明かされる。「孤島の来訪者」では果たしてシリーズ物にする意味があるのだろうかと書いてしまったが撤回したい。竜泉家の一族シリーズの4作目が出たら発売日に購入するだろうなあというくらいに楽しみなシリーズになってしまった。


No.104 7点 造花の蜜
連城三紀彦
(2023/06/01 00:32登録)
蠱惑的な体と仕草で蜜蜂を簡単に魅了してしまう女王蜂。生まれつきその造花の蜜のような体質を持った女が企てた誘拐は2重3重の意味を持つ正に前代未聞のトリック。
最終章の"造花の蜜"は少し欲張りすぎたか…

短編の神様である連城三紀彦は長編でも決して劣ることのないクオリティでした。


No.103 8点 彼方のアストラ
篠原健太
(2023/05/31 11:27登録)
ネタバレなし

ミステリー好きに是非読んでもらいたい!と思って登録してみました。全5巻で1日で読み終わるSF&ミステリ漫画なのでオススメです。

〜あらすじ〜
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!! (Amazonより)

そう、これは萩尾望都先生の「11人いる!」にインスパイアされた作品です。(こちらの作品も本サイトに登録されているそうで驚きました。) 元ネタとほぼ同じシーンもあったり…
笑いあり涙ありそして魅力的な謎があり、ラストの怒涛の展開と作者の緻密なプロットには驚くばかり。フィクションに求めるものがわずか5巻に全て詰まっている作品です。ただ、懸念点はギャグが少しくどいのと、ミステリジャンキーの方々には犯人が丸わかりらしい笑


No.102 7点 贖罪の奏鳴曲
中山七里
(2023/05/29 22:21登録)
音楽ミステリかと思って読むと法廷ミステリだった。なぜかリーガル・ハイを思い出したなあ。
結構長い演奏シーンは要らないといえば要らないんだけど、「熱情」よりも「月光」を聴きながら読むと没入感あって良いですよ。

"贖罪"というテーマ、難しいけれど少年院の描写のおかげで御子柴の親子への献身の動機も理解しやすい。後味は悪いが、確実に読んで良かった作品。


No.101 7点 魍魎の匣
京極夏彦
(2023/05/28 11:56登録)
姑獲鳥の夏が合わなかったのと分厚いのでなかなか食指が動かなかった。が、読み始めると1000ページもあるのに、作者の筆致に酔いながら2日で読み終わった。

【ネタバレあります】



すごい作品であることは間違いない。ラストの匣の中でのやりとりは心を揺さぶられた。魍魎の意味、そして"向こう側"はおそらく京極夏彦以外が書くと陳腐になっただろう。
読後感は悪いけれど、雨宮の救済的エンドは嬉しい。


No.100 4点 一九八四年
ジョージ・オーウェル
(2023/05/25 20:42登録)
たぶんこれは高評価しないと恥ずかしいレベルの名著なんだけど、楽しめなかった。確かにこれぞディストピアって感じ(というか元祖?)で1984年に影響を受けたであろう作品(特に漫画)がいくつも思いついた。しかし、世界の不条理さの説明や思想に関する問答が大半で、話の展開が冗長で退屈。文学的素養がないとこの作品のテーマを深くまで読み解くことはできず、あまり楽しめないのだと思う。

主人公が協力者や恋人を得てディトピアに抗うストーリーなのかと期待していたらそんなどっかに転がってるような甘い話ではなかった。そして、クリスティ再読様の書評を読んでこの作品の楽しみ方を学べた気がする。


No.99 8点 ブルーローズは眠らない
市川憂人
(2023/05/22 21:26登録)
「ジェリーフィッシュは凍らない」に続くシリーズ第二弾(シリーズの名称あるのかな?)
前回と違って遺伝子工学がメイン。理系ミステリィの系譜嬉しい。
今回も前作と同様にミステリとしては相当練られていて満足度が高かった。

このシリーズもっと読みたいのですが、今後タイトルの制約に縛られないか不安です。


No.98 6点 秘密
東野圭吾
(2023/05/20 17:36登録)
東野圭吾作品は毎度読み始めると読む手が止まらない 作者の素晴らしいストーリーテリングの力を認識させられます。しかしミステリーかと言われると・・・


No.97 6点 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)
鮎川哲也
(2023/05/19 03:14登録)
呪縛再現 5点
赤い密室 8点
黄色い悪魔 6点
消えた奇術師 4点
妖塔記 5点
道化師の鑑  4点

読み始めると何か見覚えのあるキャラの名前に話の展開も既視感の塊…それもそのはずで「りら荘事件」の元ネタの中編。さすがにりら荘事件の方が面白いけれど、普段うざったい星影龍三の情けない姿が見られるのでこれも良し。

短編の中では表題作の「赤い密室」のトリックが良く出来ている。「黄色い悪魔」のタイトル回収も見事。


No.96 8点 ヨモツイクサ
知念実希人
(2023/05/18 00:15登録)
相変わらず医療シーンで筆が乗っているのが伝わってくる…が今回のメインはバイオホラーらしいのでジャンルもホラーに入れておきました。
映像化されたら目を背けてしまうであろうシーンばかりで戦慄の連続とそれに相反する生物の神秘が上手い具合に調和している。
「残りページどれくらいかな〜」なんてペラペラ後ろの方をめくるのは要注意と言っておきます。

ここからネタバレ




正直途中まで「この作者はいつも真犯人分かりやすすぎるのがあまり良くないな〜」「結局愛の力か〜ご都合主義だなあ」と思っていたが…見事に予想を裏切ってくれた。青年漫画の「ベルセルク」を思い起こさせるダークファンタジーのようなラストが好きだ。映像化されたら目を背けてしまうといったけれど是非とも映像でも見てみたい。
追記:とある理由から-1


No.95 8点 霧越邸殺人事件
綾辻行人
(2023/05/18 00:04登録)
骨格は本格ミステリだが、水車館のラストで魅せられた幻想的な雰囲気が終始漂うので怪奇幻想小説の側面も強い。というか実は綾辻行人はこちらの方が得意なのかな…


No.94 7点 ベーシックインカム
井上真偽
(2023/05/18 00:00登録)
近未来が題材の短編集
SFミステリでありながら本格好きが喜ぶ要素も多かった。

「技術は革新されても人間の情は変わらない。驚くほどエモーショナルなミステリだ」──大森望
と表紙で評されているが嘘偽りのないこの言葉をお借りしたい。


No.93 6点 アクロイド殺し
アガサ・クリスティー
(2023/05/17 23:57登録)
御多分に洩れず、この超有名作は既にトリック・真犯人共にネタバレされている状態で読みました。
ミステリはそれだけで魅力半減…かと思いきや一周目から作者の仕掛けにニヤニヤするのも悪くないなと。
やはりクリスティのアイデアは革新的 

追記
と思っていたら日本人の純文学作家が『アクロイド殺し』より前にほぼ同じトリックを書いていたみたいですね。読んでみようかな。


No.92 9点 硝子の塔の殺人
知念実希人
(2023/05/17 23:55登録)
本格への愛無くしては思いつけない悪魔的な発想です。


No.91 8点 方舟
夕木春央
(2023/05/17 23:53登録)
"本格ミステリが生き残るための《たったひとつの冴えたやりかた》がここにある。 ──法月倫太郎
帯コメより引用

どうでもいい余談
何を読ませても「こりゃつまらん!面白いの待ってこい」と罵る親に『方舟』を読ませると「これこれこういうのがイイ」との評価を頂いた。


No.90 6点 かがみの孤城
辻村深月
(2023/05/05 18:10登録)
タイトルから勝手にハイなのを想像していたが意外にもローファンタジー
映画を見るのが楽しみです。


No.89 5点 幻の女
ウィリアム・アイリッシュ
(2023/05/04 22:56登録)
海外古典の傑作と名高い「幻の女」 
最初から魅力的な謎が提示され、全体に漂う雰囲気も素晴らしいので最後まで一気に読ませる力がある。
しかし個人的にはイマイチハマりきれなかった。真相が明らかになった時、帯に書かれていたどんでん返しが期待していたほどの衝撃はなく、この作品の一般的な世評と少し乖離している印象を受けたせいかもしれない。
ただ、翻訳されてもこれほど魅力的な文章であるから原文はもっとカッコ良さそう…英語が読めて、海外文化の教養がもっとあればこの作品の評価が変わるのだろう。


No.88 7点 medium 霊媒探偵城塚翡翠
相沢沙呼
(2023/05/04 00:31登録)
ミステリ大賞5冠。帯に絶賛の数々。
期待大で読み始める。ここまで気持ちよく騙されると清々しいですね。


No.87 9点 監獄島
加賀美雅之
(2023/05/02 01:18登録)
シャルル・ベルトランシリーズの第二弾。読破に17時間ほど要した超大作。レッドキング様の書評がこの作品を的確で端的に評している感じがして良いですね。

シャルル・ベルトランシリーズ第3弾の「風果つる館の殺人」が絶版希少本ということで困り中


No.86 8点 虚無への供物
中井英夫
(2023/04/24 11:26登録)
こんなカッコいいタイトル、厨二病にはたまりませんよ。そして自分が100%楽しむには少し読む時期が早すぎた気がする。少なくともガストンルルーの「黄色い部屋の謎」を読んでから挑戦すべきだったと後悔。
三大奇書の中では読みやすいと聞いていたが、読破に12時間半かかった。ドグラマグラと黒死館は読破に何時間かかるのだろう。

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