| みりんさんの登録情報 | |
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| 平均点:6.66点 | 書評数:518件 |
| No.238 | 6点 | 螢草 連城三紀彦 |
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(2024/03/30 12:14登録) 「螢草」「微笑みの秋」「カイン」「選ばれた女」「翼だけの鳥たち」の5編。いずれもミステリー要素が薄く、恋愛色の強い内容です。 螢草は単子葉類で、調べたところ花弁は2枚。なので、絹も言っていたように昭次の刺青に掘られている花とは別。5枚の花弁を持つ紫の花で検索するとヒットしたのは『ツルニチソウ』。花言葉は「優しい」「楽しい思い出」「優しい追憶」「幼なじみ」など、少し物語にそぐわないので見当違いか。うーん。 ちなみに蛍草(ツユクサ)の花言葉は「僅かの楽しみ」「ひとときの幸せ」「密かな恋」で、四つ辻までの僅かな距離が夫婦の道である昭二とふみにピッタリです。 『微笑みの秋』『翼だけの鳥たち』は三角関係を含む恋愛ドラマ。『カイン』は同著者『ため息の時間』と同じような超複雑BLストーリー。『選ばれた女』はホラーテイストの脱出劇で、最後は連城らしい反転も。 |
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| No.237 | 7点 | 人喰い 笹沢左保 |
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(2024/03/28 20:08登録) 「犯人がとある謀略のために、徐々に時間をかけて構築した既成事実」は予想だにしていませんでしたが、これとほとんど同じものが扱われている作品を読んだことがある(私の記憶が正しければ…!)ので、衝撃というほどではありませんでした。 しかし、姉の遺書から始まって色々な事件が起こり、ずっと目を離せない展開だったので夢中になって読み進められました(3時間一気読み!)。この1960年代の経営者側の絶対的優位性や身分による自由恋愛の阻害などなど、主題の本格サスペンスの影に隠れて、興味深い要素も色々ありました。 この時代に本格ミステリを描くうえで、この世の真理みたいなものを少し混ぜるのはご愛嬌ですかね 評点は「かなり楽しめた」ということで7点の最上位 |
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| No.236 | 8点 | 湖底のまつり 泡坂妻夫 |
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(2024/03/27 15:12登録) 「乱れからくり」「11枚のとらんぷ」「しあわせの書」などと比べて退屈な部分がなく、これは泡坂妻夫の中でも屈指のお気に入り作品になりそうです。密室等の不可能犯罪さえあれば9点以上は確実だったと思います。 ものの見事に騙されました。アレは意味のある描写だったのですね。 これは自虐風自慢ですが、「途中でトリックが分かってしまった」系の書評が多い作品ですら、自力で気付けた試しがありません(笑) ミステリ好きとして幸せな脳細胞です。 ※関係ない余談 この2重トリックの方向性で2000年代の某作品が思い浮かびました。この作品が元ネタかなあ?と思ってその作者のX(旧Twitter)で「泡坂」でキーワード抽出を行うと、なかなか心酔しておられるようで… こじつけるには少し遠いような気もしますが、もしかしたらこの作品から着想を得たのかな…? |
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| No.235 | 7点 | ABC殺人事件 アガサ・クリスティー |
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(2024/03/26 00:11登録) クリスティ四天王の中でも最弱と噂の『ABC殺人事件』 四天王は全てネタが分かった状態で読んだが、本作が1番楽しめたかな。ABC>そし誰>アクロイド>オリエント急行の順。まあ、いずれも衝撃が薄れた状態での評価のため、あてにならないけど。(ちなみに私の42件目の書評で、これらの作品が書評数でもTOP4に^ ^) この手のトリックに最初に出会った時は甚く感動したなあ。某推理漫画の劇場版の作品。こうした先行作を読むことで後発作品への当時の感動が薄れてしまう現象、あるあるですよね。後発作品が先行作品を完全に凌駕していた場合には、逆の現象が起こるんですけどね。 あと、法月綸太郎の解説が良い。解説ってこのくらいの平易さがベストなんだよ、もっと担当してくれ。ABCパターンという雛形を作った功績だけでなく、本作の他の魅力についても分かりやすく述べられている。解説で触れられているABCパターンの後発作品についても(E.Q,マクロイ,ディヴァイン等)もこれからゆっくり読んでいきたいところ。 |
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| No.234 | 6点 | 告白 湊かなえ |
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(2024/03/24 04:46登録) 売れっ子作家特有の抜群リーダビリティで約2時間で読み終わります。謎解き要素はほとんどありませんが面白かったです。 【以下結末を仄めかすような内容があるので未読の方は注意】 登場人物は嫌な奴しか出てこないけど、結末はイヤミスどころかスカミス(スカッとミステリ)ですね。 というか、本当に読了後に嫌な気持ちになるミステリだとしたらこんなヒットしないと思う。 追記:これを読んでスカッとするの、道徳的に人としてあまり良くないな… でも心情的には晴れやかになってしまったのだから仕方ない… |
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| No.233 | 5点 | 人間レコード 夢野久作怪奇暗黒傑作選 夢野久作 |
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(2024/03/24 04:30登録) 近代日本の暗黒部分に焦点を当てた5編がセレクトされた短編集。 全て未読だったのが嬉しい 【直接的なネタバレはないが、未読の方は読まない方が良い】 笑う唖女 7点 月光が照らし出す大粒の涙にそれを見て笑う唖女。場面が容易に想像できて、恐ろしい。キキキキキキ……… 人間レコード 5点 タイトル通り、記録媒体に人間を用いるというSFです。あまり話の起伏がなく、夢野久作の反共産主義思想がメイン(解説によると、ただそれだけではないらしい)。さすが右翼の大物と評されるだけあります。 「ホントの共産主義は要するに『他人のものは我が物。わが物は他人のもの』」 「ところが支那人のは違うんだ。『他人のものは我が物。我が物は我が物』と言うんだから」 これ『ドラえもん』に全く同じこと言う奴いましたね。あの台詞も実は偽共産主義への皮肉だったんでしょうか。そんなわけないか。 衝突心理 3点 これは何がテーマなのかよくわからない。ただの勘違いユーモアネタか? 巡査辞職 5点 珍しく王道探偵小説という感じで、舞台や動機は横溝風味です。 超人髭野博士 4点 珍しく100p超えの中編だが、ミステリとしてレベルは低い。 しかし、ワルである主人公(吾輩)の言動がやたら面白く、見ものである "貴婦人と普通の女の違いは、債権に当たった奴と当たらない奴だけの違いじゃないか" 解説は朝宮運河という怪奇幻想ライターの方。 同じ作品を読んだはずなのに、読み取れる情報量にここまで差が出るものなのかと自分が不甲斐なくなるくらい良い解説。このサイトで他の方の書評を読んでも同じことを感じていますが笑 |
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| No.232 | 8点 | 六人の嘘つきな大学生 浅倉秋成 |
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(2024/03/20 13:21登録) 私にとって、心の底から素晴らしいと思えた作品に出会えました。 就職活動がほぼ終わったので、ようやく本作品を楽しめる心理状態になりました。普段はこういう"社会への警鐘系"の説教くさい作品が全く刺さらない私ですが、当事者として大変共感が得られる作品でした。 大学院に入学したのも束の間、就活の超早期化により5月から就活は始まります。 毎日大学に通い、研究活動に力を入れたものが損をする。就職活動のために大学に一切来ず、研究活動を疎かにする学生ほど内定を得る。私の周りではありふれた光景です。果たして企業は学生の何を見ているのか甚だ疑問と言わざるを得ません。 そんな就活に対する私の1年間の鬱憤を晴らすような秀作でした。なんて、まだ社会を知らない私の青臭い意見だと温かい目で見守ってください。 【ネタバレがあります】 こんなのは就活で拗らせた私だけだと思いますが、この犯人の動機は10000000%理解できます。今年出会った犯人の中で、最も納得のいく動機でした(笑) ただそれだけに、最後の実はみ〜んな○○奴でした路線はあまり好ましくないのです。しかし、これは私の考えと作品のテーマが最後の最後に微妙にズレてしまったというだけであって、エンターテイメントとして優れた作品であることは間違い無いです。映画が楽しみですね。 上記の理由から、ミステリとしてというよりは就活への警鐘の部分の方が楽しめたので、私もこの作品は社会派に投票します。 |
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| No.231 | 8点 | オリエント急行の殺人 アガサ・クリスティー |
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(2024/03/20 13:15登録) 人生で初めて読んだミステリ長編は『Yの悲劇』で短編はホームズ。でも、人生初のミステリー(映像作品)はこの『オリエント急行殺人事件』なので思い入れのある作品。まあ、1974年の本国の映画の方ではなく、松嶋菜々子が主演の邦ドラの方なんですけどね… 最近ポアロシリーズを読んでいて、既読だからと飛ばせなかった本作。前は山本やよいの訳で読んだので、今回は中村能三の翻訳で再読。 本作の弱点は論理性の欠如と物語の奥行きの狭さ。しかし、国籍の異なる13人の容疑者を巧みに書き分け、読者を見事に欺いたこの斬新な趣向と悪魔に相応しい結末は現代でもきっと光り輝いている。これを機にたくさんのミステリと出会えたことに感謝して8点。 |
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| No.230 | 9点 | 球形の荒野 松本清張 |
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(2024/03/20 13:14登録) 年末に松本清張が大好きな祖母と話す機会があった。祖母の選ぶ清張ベスト3は 1位『球形の荒野』 2位『張込み』 3位『ゼロの焦点』である 2位と3位はたびたび他作品と入れ変わるそうだが、1位はずっと不動だと言っていた。 ということで3作品を祖母から借りて読んでみた。(『球形の荒野』は知人に貸したまま戻ってこないらしくて、借りられなかったが笑) お得意の人間ドラマだけでなく、サスペンスとしても優秀で、退屈しません。多少の瑕疵を吹き飛ばすほどのラストシーンは余韻がすごいです。名作とはこうあってほしいなという思いを強くしたところです。 作品のテーマなどは他の方の書評をご覧になると良いと思います。私には書けません(笑) 祖母への感謝を込めて+1点 【以下ネタバレ感想】 下巻の半分あたりからは怒涛の勢いで読み進まさせられた。とある人物Aが芦村亮一との長いやりとりの中で久美子への心情を吐露するシーンが印象に残っています。果たして元妻孝子はこのまま一生報われないのか。そこだけが心残りです。 ドラマがあるそうで、ぜひ見てみたいですね。京都が舞台ならなおさら… |
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| No.229 | 6点 | 張込み 松本清張 |
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(2024/03/20 13:12登録) 【直接的なネタバレはないが、未読の方は読まない方が良い】 張込み 5点 犯人の男の方ではなく、張込みを通して浮かび上がってくる女の内面が主題。こういうのをあまり読んだことがないので新鮮。 顔 7点 面白い。とにかく読ませる。「片方がうまくいくと、もう片方の悪事が露呈するかもしれない」みたいなジレンマ、規模は違えど、誰しも一度は経験ありますよね(たぶん)。 声 4点 珍しくトリック的中。 地方紙を買う女 7点 地方紙を買っただけなのに・・・ イイなあこれ 最後の手紙もgood 鬼畜 6点 非常に匂わせる…とにかく匂わせつつ、何も明かされないまま終わる。 他の方の書評によると映画では"その後"も描かれているらしい。気になる。 一年半待て 8点 女性の悲劇的な半生からどんでん返し2捻りまでが無駄なく凝縮されたお話。これぞ短編のお手本とも呼べる一作。 投影 4点 1番トリックらしいトリックが出てくる。題材にあまり興味を持てなかったので… カルネアデスの舟板 7点 あまりにも身勝手すぎる男。「カルネアデスの舟板」になぞらえる資格はないだろうと突っ込みたくなるほど、殺人の合理性が一切ない。でも不条理の絡み合いらしいので仕方がない。 |
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| No.228 | 7点 | ゼロの焦点 松本清張 |
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(2024/03/20 13:11登録) 一物語として面白いです。リアリティを出すための添物として社会の有様を描いているだけで、問題提起が主題にある他の社会派小説とは似て非なるモノだと思いました。 というか自分が全然知らないだけで"社会派"って本来はこちらのタイプの方が多いのかな。だとしたら社会派って誤解を生むカテゴリ分けだなあと…(いや勝手に誤解をしていたのは私の方ですが) とにかく、一時代を築いた作家の力量を見せつけられたのでした。 社会派推理小説? ああ、アレね。「日本社会に警鐘を鳴らさないと…」って謎の脅迫観念に駆られた作者が、ソレを意識した"お誂え向きな設定"と作者の主張を代弁させるための"説教臭いキャラ"が出てくる小説でしょ? と知ったかぶっている私のようなヤツに本作品を読ませましょう。他に存在するかは分かりませんが |
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| No.227 | 9点 | エレファントヘッド 白井智之 |
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(2024/02/12 01:30登録) 年末に本サイトの「みんな教えて」機能にて、よんさん主催の「このミス予想」というとても楽しい企画がありましたね。私はそこで参加者9人のなかで単独最下位を取ってしまいました( ; ; ) そんな私でも読む前から明らかに異彩を放っていた『エレファントヘッド』は的中させましたよ。ドヤ 【ネタバレあります】 白井智之作品は謎解き以外の無駄が一切なく(ほんとか?)、純粋なパズラーとしての密度が尋常じゃないくらい高い。それ+特殊設定のせいで読んでいる間は疲れるけれど、そんな疲れを吹き飛ばすカタルシスがある。今回でいえば最後に明かされるアレがそう。 白井作品史上最高のトリックなだけでなく、特殊設定ミステリ史上最高にして最恐のトリックと言っても過言ではない(はず!)。 ただ、エンタメとしての面白さももちろん保証するが、こんなことを思いつく作者への畏怖が勝ってしまうなあ。シスマ打って読む前に戻りてぇ… でもハウとホワイのバランスを考えると『名探偵のいけにえ』の方が好みかな。白井作品制覇記念に10点満点にしておこう。 |
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| No.226 | 8点 | おやすみ人面瘡 白井智之 |
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(2024/02/09 03:01登録) うーん面白い。これ3作目なんだねぇ… 3作品続けてこんなに面白いと、作家に対する信頼みたいなものを感じはじめる頃だろうか。本作品まで読まずとも、『人間の顔は食べづらい』『東京結合人間』あたりで既にとんでもない作家が来たと期待感に溢れている当時のレビューを読むとニヤニヤしてしまう。本サイトの楽しみ方の1つ。 【ネタバレあります】 まず、人面瘡の設定は発症した"人間"の生涯を思うと精神的に辛くなるなあ。フィクションだけど、これだけで色々妄想してしまう… この設定が今回の謎解きにどう関わってくるのかはずっと不思議だった。 中学生パートは友情・青春・辛酸。キャラクターが中学生でも、この作者は容赦のない仕打ちを用意します。また、中学生4人が容疑者となって開かれた推理合戦では、意外な探偵役が場を引っ掻き回し、二転三転する真相。一見どれも筋が通っているように見えるのがこの作者の凄いところ。 意外な犯人と救われない結末に+2点 |
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| No.225 | 6点 | ミステリー・オーバードーズ 白井智之 |
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(2024/02/05 23:32登録) 「俺、普通にグロイのいけるんだよね」という厨二病的なイキリをしたくなるところだが、『ちびまんとジャンボ』がちょっと本当に読んでてキツい。トラウマレベルの気持ち悪さ。 虫が苦手な方はやめておいた方がいいでしょう。 【ネタバレあります】 『グルメ探偵が消えた』 6点 珍しく外国舞台 「目には目を 歯には歯を」の精神大事ですね。真相がややずるい気も。 『げろがげり、げりがげろ』 8点 中盤の衝撃のタイトル回収に爆笑。いやーさすがですねぇ、しっかり騙されましたよ。すこーしだけ(色んな意味で)感動するラスト。 『隣の部屋の女』 5点 なんか普通。いや騙されたけど。あまり白井作品らしくないサスペンス寄り(?)の作風。なんか似たような真相の作品を読んだことある気がするなあ。連城か? 『ちびまんとジャンボ』 5点 読むのキツかった。ふつうにフナムシ過剰摂取で死なないの?って思った。 『ディティクティブ・オーバードーズ』8点 「完全幻惑」「事実幻惑」「虚偽幻惑」を分類し、消去法で犯人を特定する発明的ロジック。難解すぎて一部諦めたが『東京結合人間』のドミノ倒しロジックと同じく、よく思いつくなと感心です。 |
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| No.224 | 8点 | 死体の汁を啜れ 白井智之 |
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(2024/02/04 19:14登録) おーっとこれは白井智之ベスト短編集に間違いなさそうですよ。うろ覚えだが「お前の彼女は二階で茹で死に」「名探偵のはらわた」よりトリック重視で、その辺が気に入ったのかも。 【ネタバレがあります】 中でも「死体の中の死体」がベストオブベスト。なぜこんなアイデアが思いつくのか?もしかして作者5人くらいいる? 次点で「膨れた死体と萎んだ死体」「何もない死体」も短編とは思えない満足度。平均だと6〜7点だが、傑出している作品を大きく評価して8点付けます。 オチの勘違いも良い。珍しく使いまわせそうなコンビが出てきたので続編どうでしょうか? |
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| No.223 | 7点 | 好きです、死んでください 中村あき |
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(2024/01/26 12:08登録) こういうのにあと何度自分は騙されるのでしょうかねぇ… 現代チックの読みやすい文章に密室+首無死体+恋愛リアリティーショー 当然エンタメ性◎ 巻頭の「恋愛と殺人においてのみ、人は今も誠実である」 この作品にピッタリな言葉ですね。 *ちょいネタバレ* ちと砂飲み込みすぎじゃない? |
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| No.222 | 6点 | そして誰も死ななかった 白井智之 |
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(2023/12/22 15:07登録) 「死者が蘇る世界で謎解き」ってのを最初に考案した作家は誰なんでしょうね。七回死んだ男か生ける屍の死か?それとも海外作家が遥か前から書いていたのか気になるところ。 話が逸れましたが、この作者の割には普通寄りの特殊設定(どういうこと?)ではあるが、相変わらずよくこんな多重推理のアイデアが泉の如く湧き出てくるなと感心する。特に時計と血と亀裂のロジックは分かりやすいしユニークだし面白い。ただ、多重解決ものは最後に明かされる真相が1番ぶっ飛んでいてほしいという願いもあり、トリックも動機も衝撃が薄れてしまった感も否めない。 【ネタバレあり】 「私たちははじめから一度死んでいたのだ」ってヤツ、妙に既視感があるのに何の作品か思い出せない。モヤモヤする。 |
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| No.221 | 7点 | コンビニ人間 村田沙耶香 |
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(2023/11/26 13:26登録) 中編くらいのボリュームなので1時間半ほどで読み終わります。 【ネタバレします】 「現代社会は縄文時代のまま変わっていない」「社会というムラにおいて役割を果たさないものは忌み嫌われ、排除される」 コンビニというムラでは自らの役割を全うする働き者の主人公。コンビニの声を聞くために生まれてきたのだと断言し、"普通"の人間から求められる将来・"正常"な社会と決別するラストはもはやホラー。ミステリーではないが面白かった。非ミステリには5点つけることが多いけど、軽く衝撃だったので7点に変更。 |
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| No.220 | 7点 | 名探偵のはらわた 白井智之 |
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(2023/10/28 22:54登録) 津山30人殺しをモチーフにしたミステリはこれで3つ目ですが、どれも当たりですね。 【ネタバレがあります】 今まで読んできた白井作品は根っからの悪人が語り手であることが多かったのでこんなに真っ当なヤツは初めてな気がする。あと『名探偵のいけにえ』と話が繋がっているとかいないとか聞いていたんですが、いけにえの方をだいぶ前に読んだせいでどこが繋がってたんだ?って思い出せなくてモヤモヤしてます。読み直すか… 神哭寺事件 6点 心理アリバイトリック+オカルト特殊設定の導入。いつもより鬼畜猟奇趣味は控えめではある。 八重定事件 8点 だと思っていると、やって来ましたよ 受け渡しのシーンの絵面を思い浮かべるとシュールすぎる。 農薬コーラ事件 7点 少々ズルいミスリードと人間消失。子供の頃、親から外に放置されてる飲み物を飲むなと執拗に忠告されたのはこの事件のせいだったのか。 津ヶ山事件 7点 どこまで元の事件から改変を加えているのかは寡聞にして知らないが、こういう実際の事件に新たな解釈を施す試みは面白い。 ところで表紙の武装した女キャラはいったい誰やねん… |
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| No.219 | 6点 | 笑え、シャイロック 中山七里 |
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(2023/10/26 20:43登録) 不良債権の回収を務める渉外部の銀行員が中心のお話。横山秀夫『クライマーズ・ハイ』とか池井戸潤と同じように"プロフェッショナル-仕事の流儀-"系。 【ネタバレがあります】 回収担当として辣腕を振るう上司山賀からその志を受け継いだ主人公結城が如何にして理不尽な不良債権を回収するのか楽しめます。主人公と相対する債権者も画家や技術職社長、新興宗教、ヤクザと幅広く、銀行事情について非常にタメになるし面白い。 ミステリとしては一応殺人事件は起こるが少々無理やりのフーダニット。ミステリ要素は無理に入れなくても、ずっと山賀と結城の2人コンビでやっていっても良かったんじゃないかなあと。エピローグの締め方は素晴らしい。 仕事の流儀系では今のところ一番好きかも。 |
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