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ミステリの祭典

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Nakatzさんの登録情報
平均点:7.20点 書評数:30件

プロフィール| 書評

No.30 7点 ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾
(2001/08/31 00:50登録)
雪中の山荘で起こる殺人「劇」という設定は、「名探偵の掟」や「超・殺人事件」と
同じく、典型的なミステリ像に一つの提言をしている、と言っていいかも知れません。
もちろん、前掲2作のように「毒」はないけれど。(笑)
きっちりと「ミステリ」を理解していればこそ書ける、という作品でしょう。


No.29 8点 未完成
古処誠二
(2001/08/31 00:43登録)
これまでの古処作品より、格段に「満足」出来た作品。探偵役の朝香二尉の推理に
派手さはないが、彼の地道な捜査ぶりは、読み応えのある「本格」の名作たちを
彷彿とさせます。
小規模な事件から、思わぬ真相へと繋がっていく様も鮮やか。


No.28 9点 涙流れるままに
島田荘司
(2001/08/28 00:57登録)
間違いなく、吉敷シリーズの集大成。同シリーズをある程度読んでおくと、十二分に楽しめる
ことと思います(僕はあまり読んでいないけれど、それでもなかなか楽しめました)。
社会派推理の性格が強く、読み応えは充分。また、終盤には目頭が熱くなります。


No.27 6点 飛鳥のガラスの靴
島田荘司
(2001/08/28 00:51登録)
「飛鳥」の正体がどうもなあ……という感じでした。
ストーリーそのものは、決して悪いものではありませんが。
ただ、「奇想、天を動かす」と繋がっている部分(吉敷の警察内での立場)があるので、
本作を読むにあたっては、そのことに留意された方が良いかと思います。


No.26 9点 生ける屍の死
山口雅也
(2001/08/12 00:11登録)
この作品がなかったら、西澤保彦もまたなかったでしょう。まあ、それはさておき……

死体が起こす殺人事件を、死体が推理する。この超常的な設定が、作品に大いに
生かされている。ミステリとして一級品だし、またSFミステリ(西澤曰く)の
泰斗的な作品。ただ、何となく読んでいると「誰が本当に死んでいるのか?」が
分からなくなるので(笑)、本作を読もうと思われている方は、腰を据えてじっくりと
かかってください。


No.25 5点 工学部・水柿助教授の日常
森博嗣
(2001/08/12 00:04登録)
ミステリではないです。(笑)
森博嗣自身を水柿助教授なる架空の人物になぞらえた、エッセイ的な作品。
森作品が好きな人なら楽しめるかとは思いますが、ミステリとして期待すると
間違いなく裏切られるので、要注意。


No.24 4点 黄泉津比良坂、暗夜行路
藤木稟
(2001/08/12 00:01登録)
確か本作の帯には、「読むドラッグ」とあったような……。でも確かに、
その通りの作品でした。読んでいるうちに、物語世界の幻想と現実とが混沌と
してきたし。なお、僕はバッドトリップをしてしまったので、上のように
低い評点をつけてしまいました。(笑)


No.23 6点 最後のディナー
島田荘司
(2001/08/11 23:54登録)
龍臥亭と同様に、ここでも御手洗は不在(ちょっとだけ登場しますが)。御手洗ファンに
とってはそれが残念。事件も、これまでのシリーズに比べてシンプル過ぎる印象を
受けました。ただ、さくっと読むにはちょうど良い短編集と言えましょう。


No.22 7点 少年たちの密室
古処誠二
(2001/08/11 23:50登録)
「これが真相か?」と一瞬思った時点で、ふと残りページ数を確認したら、まだかなりの
量があった。徒にスマートにするのは問題があるけれど、ただここまでページ数があると、
それだけで「もっと深い真相があるな?」と簡単に予想出来てしまう。その点が残念。
けれども、広義の「密室」内で繰り広げられる登場人物たちのドラマは、丹念な描写で
綴られており、かなり読み応えがありました。


No.21 6点 UNKNOWN
古処誠二
(2001/08/11 23:45登録)
すいすいと読める感覚はよかったです。けれども、密室に用いられたトリックが地味では
ないかと。いわゆる「コロンブスの卵」的な発想であることは確かだけれど、僕にとっては
少々インパクト不足でした。


No.20 8点 星降り山荘の殺人
倉知淳
(2001/08/11 23:37登録)
純粋に「騙される」快感を得られる作品。ミステリとしての面に重きをおけば、
驚天動地のトリックが用いられているわけでもなく、また「あっ!」と驚く事件も
登場していないから、あまり高い評価は出来ません。けれども、最後の最後で読み手を
ものの見事に騙す手際は鮮やか。


No.19 9点 青い密室 名探偵星影龍三全集(2)
鮎川哲也
(2001/07/19 00:41登録)
「白い密室」、「薔薇荘殺人事件」、「朱の絶筆」……と、これでもか! と言わんばかりの
名作揃い。本格の精髄は、全てここにあります。


No.18 8点 赤い密室 名探偵星影龍三全集(1)
鮎川哲也
(2001/07/19 00:38登録)
「呪縛再現」は、名作「りら荘事件」の原型。星影派には少々がっくりするところもある
けれど、それでも読んで損はない作品。
この中での一押しは、「赤い密室」。正当な密室ものです。
でも、「消えた奇術師」のスピーディな展開も良い。


No.17 9点 りら荘事件
鮎川哲也
(2001/07/19 00:33登録)
派手さはないが、本格としての完成度は極めて高い。
やはり、日本のミステリにおける不落の金字塔と言っても過言ではないでしょう。


No.16 6点 怪人対名探偵
芦辺拓
(2001/06/26 10:01登録)
古き良き時代の「探偵小説」の雰囲気をもった作品。タイトル通り「怪人」が登場したり、
探偵に少年助手がついていたりと・・・。
本編とは関係ないけれど、喜国雅彦氏の扉絵がなかなか秀逸ですね。


No.15 7点 十三番目の陪審員
芦辺拓
(2001/06/26 09:57登録)
冤罪を証明するという、「逆本格」のミステリ。
ただ、物語の後半で「冤罪になっても駄目、有罪はむろん駄目」という難問に
直面しますが、これを実にアクロバティックな手法で解決しています。
これは「さすが!」という感じでした。


No.14 8点 朝霧
北村薫
(2001/06/20 09:49登録)
ミステリ的な謎解きがはっきりと感じられるのは、表題作くらい。けれども、卒業〜社会人と
自らを取り巻く環境が移り変わった《私》の心情は、とても瑞々しくて心地よい。


No.13 8点 盤上の敵
北村薫
(2001/06/20 09:47登録)
北村作品の中では異色。「美しさ」もあるけれど、それはとても壊れやすく、儚さを孕んだもの。
ラストは「救い」としての1つの形ではあるけれど、悲しい「救い」です。


No.12 8点 スキップ
北村薫
(2001/06/20 09:43登録)
最後には「希望」を感じられるが、そこに至るまでの主人公の心の軌跡が痛い。切なくなる。
「異邦人」としての自分を捨てられずにいる姿には、目頭が熱くなります。


No.11 5点 木製の王子
麻耶雄嵩
(2001/05/18 10:28登録)
他の作家ならそれなりに満足できるであろう作品。
しかし、「麻耶雄嵩の」という前置きをして考えると、今ひとつ・・・という感じ。

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