home

ミステリの祭典

login
飛鳥のガラスの靴
吉敷竹史シリーズ

作家 島田荘司
出版日1991年12月
平均点5.23点
書評数13人

No.13 5点 nukkam
(2023/10/16 08:49登録)
(ネタバレなしです) 1991年発表の吉敷竹史シリーズ第13作の本格派推理小説です。プロローグで俳優の家に彼のものと思われる右手首が送られる事件が紹介されますが、その後は語り手の女性の思い出話と吉敷と(別れた妻の)通子の痴話喧嘩風なやり取りが交互に描かれる、まるでミステリーらしくない展開がしばらく続きます。ようやく吉敷が冒頭の事件の捜査に乗り出してからも謎解きとしてはあまり盛り上がりません。中盤で吉敷が映画を鑑賞して、「ドラマにひき込まれる要素がないのだ。(中略)吉敷のような素人にも、画面に緊張がないのがよく判るのだ」と感想を語ってますが、これをそのまま本書の感想に置き換えてもいい気がします。

No.12 6点 みりん
(2023/08/29 22:11登録)
吉敷竹史シリーズ第14弾 宗肖之助氏による解説にはシリーズの第十作にあたると書かれているがこれ如何に?

『奇想、天を動かす』から始まった吉敷と主任との対立は深まるばかりです… 無事、犯人を突き止めるが、主任にギャフンと言わせるわけでもないので読者の溜飲は下がらん。が、あえてそうしているのでしょうね。根強く残る男性中心主義から徐々に性差が緩和される昭和から平成への移り変わり。その構造が犯罪動機を生み、悲劇をもたらすこともしばしば。日本という特殊な島国が内包するあらゆる問題について考えさせられる一冊です。

No.11 4点 ボナンザ
(2020/08/20 20:49登録)
まあ、このへんになると作者も吉敷も意地になってる感がありますね。ボリュームのわりに真相はあれなので、吉敷の刑事人生観にどこまで共感できるかでしょう。

No.10 7点 take5
(2015/01/06 12:53登録)
一連のシリーズを連続的に読んでこその作品です。
社会派な感じが私には好ましいです。
作中の天恵のきっかけなど突っ込みを入れたくなる所はありますが、そこは目をつぶってしまおうと思えるのが、ひとえに好みというものなのでしょう。

No.9 6点 yoneppi
(2013/02/15 20:28登録)
「六とん的地図」「誤植かよ」すべて含めて吉敷シリーズは好きだなあ。

No.8 6点 seiryuu
(2010/08/18 23:01登録)
先に「涙流れるままに」を読んで
道子つながりでこの本を読みました。

メイントリックと気づいたきっかけは強引で好きじゃない。
「女って、いつの時代も、小さな靴に苦しめられるのよ」
とラストの吉敷に言ったセリフがいい。

No.7 3点 simo10
(2010/03/16 00:34登録)
理由は分からないけど、どうもこの作品は絶版されているようなので、書店で探すのが大変でした(色々探し回ったあげく、近くの古本屋で発見)。
メインの謎としては島田氏らしく、飛鳥の土地にまつわる怪現象が序盤に手記の形で提示されます。しかし真相と言うか「飛鳥」の謎については、「んなもん知らなきゃ分からんだろ!」と思うし、分かったとしても全然面白くないと思う。
しかも物語の大半は吉敷刑事の単独行動が空振りに終わるというもので、終盤にようやく天の助けで面白くもない「飛鳥」の謎にたどり着くというもの。
雰囲気はまああるんだけど、この内容で430ページは長すぎると思う。
自分的には「羽衣伝説~」以降の吉敷と通子のその後の展開が少し描かれている程度しか価値がなかった。とりあえず「涙流れるままに」を我慢して読まずに、この作品(吉敷、通子情報)を読めて良かったといったところ。

No.6 4点 りんちゃみ先輩
(2010/02/04 20:06登録)
内の仲間には妬まれ、邪魔され、外の仲間には崇拝、慕われる「吉敷刑事」、今回も此までかと思ったところに南からの救いの神が・・・良かった、良かった。それにしても出来る男は大変だし、孤独ですね。もっと明るい彼女であれば良いんですがね。全体的に暗く、苛々するストーリーでした。

No.5 5点 E-BANKER
(2009/10/18 22:25登録)
吉敷シリーズの1作。
管轄外の未解決事件に吉敷が興味を持ち、またしても主任とのイザコザの末真相解明に乗り出す・・・という展開。
本作では、ある民話に関してある人物が残した手記が問題となるのですが、「飛鳥」についての謎はちょっと読者には解明不可能でしょうね。(そんなのありかよ的です)
本作では氏の作品中によく出てくる、「日本という国の風習、”日本的な考え方、日本人の思考”について、やや批判的な立ち位置からの持論」という部分が目立ち、純粋なミステリーとしてはどうかなぁという印象が残ります。(島田氏らしいと言えばらしいですけど)
「羽衣伝説・・・」後の吉敷と通子についても触れていますので、そっちの方では後の展開が気になりました。(「涙流れるままに」を読んでスッキリしましたが・・・)


No.4 6点 Tetchy
(2005/08/28 23:29登録)
これも冒頭の通子とのやりとりについては『涙流れるままに』で明らかになるのでしょうからそれだけでも読む価値があると思います。
今回は『飛鳥』のトリックにやられました。
しかし、一応のタイムリミット物にもなっていますがもう少しその状況作りが良ければサスペンス性が増したように思えるのですが。

No.3 6点 コウ
(2004/03/08 21:01登録)
手軽に楽しめますが、やはり吉敷シリーズの流れを知っている人しか楽しめないかな。

No.2 4点 wataru
(2001/10/08 02:14登録)
なんか全体的に暗くて、好きになれない。僕には、イマイチでした。

No.1 6点 Nakatz
(2001/08/28 00:51登録)
「飛鳥」の正体がどうもなあ……という感じでした。
ストーリーそのものは、決して悪いものではありませんが。
ただ、「奇想、天を動かす」と繋がっている部分(吉敷の警察内での立場)があるので、
本作を読むにあたっては、そのことに留意された方が良いかと思います。

13レコード表示中です 書評