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ミステリの祭典

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ことはさんの登録情報
平均点:6.28点 書評数:254件

プロフィール| 書評

No.14 7点 皇帝のかぎ煙草入れ
ジョン・ディクスン・カー
(2019/02/15 00:58登録)
新訳で再読。
うん、やっばりこれはよくできている。だれることもなく一気読み。誰にでもお勧めしやすい。
でもね、この平均点はできすぎでしょ。ミステリ史に残る傑作のような点数だけと、そこまでではないよなぁ。
カーにはもっと面白い作品がいくつもある。これは一発ネタという感じで、インパクトが薄い。
カーの傑作はいろいろアイディアをてんこ盛りして、サービス満点なのがいいんでしょ!(そのかわり整理ができてないところがあるけど、それはお愛嬌)
ということでこの点数。私の好みでは、カーの中では中の上。


No.13 6点 サムスン島の謎
アンドリュウ・ガーヴ
(2019/02/10 11:08登録)
去年からガーヴをたくさん読んでいますが、本書は平均点の出来です。
観光地が舞台の2時間サスペンスのようなプロットです。
テレビのサスペンスより、品がいいのがガーヴの良さでしょう。
福島正実訳好きとしては、ガーヴに福島正実訳が多いのがうれしいです。本書も福島正実訳です。
ちなみに、舞台は実在の場所で、Wikiに航空写真があります。
本書の冒頭に地図が掲載されていますが、航空写真と比べても、かなり正確に書かれています。
私は航空写真をカラー印刷して、参照しながら読んだので、情景イメージが湧きやすかったのか、観光地の空気感を楽しめました。


No.12 10点 十角館の殺人
綾辻行人
(2019/02/09 13:50登録)
みなさんの書評をみて、否定的意見にも「そうだよね」と理性では納得しますが、リアルタイムで読んで「こういうのが読みたかったんだ!」と興奮した大学生のころの感情を優先して満点にします。
単発作品と思っていたのに、書店の新刊で「水車館」のノベルスをみて、「館つながりでシリーズにするのかー」とワクワクしたあの頃が懐かしい!


No.11 6点 千年図書館
北山猛邦
(2019/02/05 19:15登録)
「私たちが星座を盗んだ理由」と同一タッチの短編集という帯。
それはその通りでしたが、「私たち……」よりはインパクトが薄いです。
でも全体的に良質な話でした。
【お願い】最後の話、ラストにああなった理由がわかりませんでした。誰か教えてください。


No.10 7点 私たちが星座を盗んだ理由
北山猛邦
(2019/02/04 23:57登録)
「嘘つき紳士」は平凡な感じだけど、他4作「恋煩い」「妖精の学校」「終の童話」「私たちが星座を盗んだ理由」はなかなかよい。
「終の童話」はとくに好み。これだけなら8点だけど、総合では7点。


No.9 10点 鋼鉄都市
アイザック・アシモフ
(2019/02/02 17:42登録)
SFとしては、世界設定が好み(地球人は広場恐怖症でスペーサーと対立している構図etc)
謎解きとしては、仮説の構築/崩壊を繰り返す展開が好み。
物語としてはバディ(相棒)ものとして楽しい。
アシモフは大好きな作家で、ミステリファンに読んでほしい作家です。
基本的にアシモフ作品は「謎と解決」型の作りなので(ファウンデーション・シリーズだって、思い返せば「謎と解決」型でしょ?)、多くのミステリファンが楽しめるはず。
若い頃によんで、思い入れがあるので最高点で!


No.8 7点 エラリー・クイーンの新冒険
エラリイ・クイーン
(2019/02/02 17:27登録)
「神の灯火」は、よくできていると思うけど、世評ほどは評価しません。
エラリーの「気付き」とタイトルは、クイーンのセンスを感じさせてくれて好きだけど。
「冒険」よりはかなり落ちる印象。


No.7 9点 エラリー・クイーンの冒険
エラリイ・クイーン
(2019/02/01 12:29登録)
平均点はいまひとつですね。やはり短編集は高得点は難しいのか。
友人にすすめたら「教科書みたい」といっていましたが、謎解きミステリの典型を体現しているからだと思います。
「シャーロック・ホームズの冒険」と並んで、謎解きミステリ短編集の基本図書ということで、この点。


No.6 6点 レーン最後の事件
エラリイ・クイーン
(2019/02/01 12:22登録)
ラスト以外は読みどころがないと思うけど、やっぱりラストの構想はいいので、6点で。
角川の新訳で再読したので追記。
後半に出てくる2つの推理は、かなり魅力的な推理なのだが、前半3分の2は、あまりにも冗長で偶然が多い。これで全体の印象が悪かったのだなぁと再確認できた。後半の事件だけで中編にまとめていたら、「神の灯」以上の傑作になっていたかもと思う。


No.5 7点 Zの悲劇
エラリイ・クイーン
(2019/02/01 12:20登録)
やはり、X,Yと比べると色々落ちる。雰囲気も変わってしまっていて、原因はこのころのクイーンの量産体制と邪推。
それでも最後の推理シーンはいいので、少しおまけで7点


No.4 10点 夏への扉
ロバート・A・ハインライン
(2019/01/31 20:58登録)
高2の夏休みに読みました。
読み始めたのは、午後4時位。読み終わったのは、午後6時半くらい。
夏の夕暮れで、いつもと違う世界にいる感じがして……。(あれ? 世界はこんな感じだったっけ?)
それは多分、深く深く作品世界に入っていたため、感覚器官がおかしくなっていたからでしょう。
思い出の作品なので、10点。
また、訳がいいんだよね。
「かくいう僕も、夏への扉を探していた」なんて……。
「かくいう僕も」というリズム感は、福島正実だなぁと思う。福島正実の口調は大好き。多分、福島正実の訳で評価は3割増。


No.3 9点 Yの悲劇
エラリイ・クイーン
(2019/01/31 18:53登録)
バニラの匂い、マンドリンが凶器など、そそられるガジェットが満載で、クイーンの生涯のテーマ「操り」の初出とか、注目点が盛りだくさん。
推理部分は今ひとつと思うけど、やっぱりこれは傑作。8点と迷うけど、9点で。


No.2 10点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2019/01/31 18:35登録)
小5のときに、初めて読んだ大人向けの本。
そのときはなんとか読みおえるのが精一杯。読めたことに満足していただけでした。
その後、中1で読み直したとき(ほとんど忘れていたこともあって)、舞台裏解説で、今まで見えていた風景がパタパタと変わっていくことに、とても興奮したものです。
あのときの快感を求めて、今もミステリを読んでいる感じなので、文句なく10点で。


No.1 7点 赤い博物館
大山誠一郎
(2019/01/31 01:42登録)
私もベストは最終話「死に到る問い」
みなさん、動機で評価が低いようですが、私はそこがよかった。
「普通はそんなことしないよ」ともちろん思いますが、だって普通じゃなくなってるよね。作者は間違いなく狂気を書こうとしていると思う。最後の犯人の表情なんて、ぞくっとしてしまいましたよ。
復讐日記の手記もいいし、この人は謎解きにこだわらなければもっと小説として面白いものがかけると思うんだけど、謎解きはゆずれないのでしょう。

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