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ミステリの祭典

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レッドキングさんの登録情報
平均点:5.31点 書評数:1048件

プロフィール| 書評

No.548 5点 エラリー・クイーンの新冒険
エラリイ・クイーン
(2022/03/16 19:36登録)
エラリー・クイーン第二短編集
 「神の灯」 一夜にして完全消失した堅固な黒い館。二重の入代りトリックと解明の「灯」・・8点。
 「宝捜しの冒険」 崖と海に囲まれた地での首飾り盗難。隠し場所と犯人炙り出しや如何に・・3点。
 「空洞の竜の冒険」 竜柄置物の解釈(神秘的-功利的-機能的)が変遷して。日本人「カギワジト(!)」 4点
 「暗黒の家の冒険」 暗闇アトラクション館での正確射撃Howに、あの識別トリックが付いて・・6点。
 「血をふく肖像画の冒険」 島暮らし画家と極美背中の女とストーカーと、血の肖像画のWhat・・4点。
 「人が犬を噛む」 野球場の毒殺トリック。因果は廻り、己に還り・・5点。
 「大穴」 競走馬が標的の射撃トリック。タイトル「Long shot=遠打ち-大穴」ダブルミーニング・・3点。
 「正気にかえる」 ボクサー刺殺事件。血は付いてないはずの犯人、不要のコート着用は何故・・4点。
 「トロイの木馬」 誰にも見つからず己に還るはずの宝石隠し場所。ただしアメフト試合に勝てたら・・5点
※これも第一篇が(中編だが)白眉。で、全体で(8+3+4+6+4+5+3+4+5)÷9=4.6666…おまけして5点。


No.547 6点 エラリー・クイーンの冒険
エラリイ・クイーン
(2022/03/13 06:51登録)
エラリー・クイーン第一短編集。各タイトル「~の冒険」は略。
 「アフリカ旅商人」 クイーン教授による3人の学生への犯人当てロジック現場実習講義。8点。
 「首吊アクロバット」 絞殺された女曲芸師。便利な諸凶器差し置いて、何故に手のかかる殺し方を・・6点。
 「1ペニー黒切手」 高額奇貨切手の盗難事件。ホームズ「青いルビー」をダミーにしたツイスト真相。6点。
 「ひげのある女」 模写油絵の夫人肖像にヒゲが・・のダイイングメッセージ、この意味は如何に・・4点。
 「三人の跛の男」 跛の男が三人も揃った誘拐団。「完全に同じサインは偽造」て長編ネタ思い出す。5点。
 「見えない恋人」 誰もその恋心に気づかなかった恋する殺人者のトリック。6点。
 「チークタバコ入れ」 連続殺人を犯してまでしてタバコ入れを盗む目的は何・・4点。
 「双頭の犬」 カー風味に「黒猫」「まだら紐」「バスカヴィル」調味料加わり(でも犯人殺さなくたって・・) 7点。
 「ガラスドーム付き時計」 宝石と時計のダイイングメッセージ・に見せかけた・・4点。
 「七匹の黒猫」 次々と黒猫を購入した猫嫌いの老女。踏み込んだ屋敷には黒猫の惨殺屍骸が・・6点。
 「いかれたお茶会」 何故その闇夜に夜光塗料時計は鏡に映らなかったのか(アリス擬えが楽しく)・・7点。
※第一篇が白眉。で、全体で(8+6+6+4+5+6+4+7+4+6+7)÷11=5.7272…、おまけして6点。


No.546 5点 卵の中の刺殺体 世界最小の密室
門前典之
(2022/03/09 22:26登録)
門前典之第七弾。「龍の卵」内の不可能刺殺死体、同部屋2年連続密室殺人、4体の猟奇屍体オブジェ・・色々出てきて楽しいが、看板の「卵」トリックがつまらない。メインの密室連続殺人と猟奇オブジェ事件の連結もいまいち。でも、「かつてないアイデアの密室トリック」てな探偵の豪語信じて、特許権1点のオマケ付けちゃう。どんどん書いてくれ。


No.545 7点 エンデンジャード・トリック
門前典之
(2022/03/06 20:52登録)
門前典之第六弾。密室建築トリックここに極まれり! 数枚の見取り図の建築士的説得力と無駄のないミステリ使用。嗚呼!なんという超島荘(眩暈・アトポス超えている)
犯人オチでずっこけて・・クマ(サル・ヘビ応用ね)オチだったら、8点行った(かな)。


No.544 6点 首なし男と踊る生首
門前典之
(2022/03/03 20:03登録)
門前典之第五作。密室の廃屋に、斧を手にした首無し男と切断された生首が・・この手のトリック好物よ。
地面に転がってた生首が四日後に4m上空の竹にハヤニエ状態で・・のバカミストリック、もっと好きよ。


No.543 7点 灰王家の怪人
門前典之
(2022/02/28 19:09登録)
門前典之第四弾。前二作の建築ネタを離れ、今回は廃温泉館が舞台のバラバラ殺人密室もの。「孤島の鬼」「シャム双生児の謎」(両方とも好物よ) に「ドグラマグラ」「姑獲鳥の夏」混ぜて煮込んだミステリシチュー。密室からの犯人消失より「被害者なぜ出られなかったか」がユニーク。グロ風味は悪くないが、人面瘡展開はちとくどすぎ。もう一つ薄味の解離性人格云々でまとめた方が美味しかったかな。
※第一人称叙述「~」で虚偽を記せばミステリとしてアウトだが、叙述者が「~」を確信している場合そうとも言えず、京極「姑獲鳥」は傑作と思うが、その塩梅は難しく。
※見取り図に鏡あるんだから「三つの棺」ネタもほしく・・思ってたら最後にチョビッと・・。


No.542 5点 浮遊封館
門前典之
(2022/02/26 19:33登録)
「屍の命題」面白い!「建築屍材」つまらん!ですっかり忘れてた門前典之。その後も頑張ってたんだね。墜落した航空機から130人分の死体が消え、カルト教団「密室」施設から日々信者達が半滅して行く・・そして、雪密室の殺人。トリック志向よいが、作者、建築士でもあるせいか、作風が半端にアポロン的。もっとディオニュソス成分がほしく。伊坂幸太郎道尾秀介より、この人や小島正樹みたいなのを応援したいんだが、もちっと何とかならんのか、小説力。


No.541 5点 血に飢えた悪鬼
ジョン・ディクスン・カー
(2022/02/25 06:40登録)
「妻は俺を熱愛しており、俺も妻を愛している。が、一緒に暮らしてるあの女は・・妻ではないんだよ・・」カー最後の小説はハロウィンの密室殺人未遂事件。この作のネタ、現代ならばもっとずっと下世話な描写も可能かな、その方が説得力あるし。探偵役コリンズ(月長石作家)は語る「作者は謎解きに必要なデータを全て提示しておく必要がある。が、単純に全てを語ってはならない。読者の先手を打ち意外な展開に・・さらに高級読者の立場で・・」ヴァンダイン同様に言ってることは至極もっともで「ミステリ」を「サスペンス」「ハードボイルド」等その他ジャンルから厳密に分けて評価することもやぶさかではない。でも、なかなかそうもいかないんだよな、「ミステリ小説」はまた「小説」でもあるからねえ。

てことで、ディクスン・カー(カーター・ディクスン除く)全長編46作の採点修了したんで、私的カー長編ベスト10(12)
    第一位:「三つの棺」
    第二位:「囁く影」
    第三位:「曲った蝶番」
    第四位:「火刑法廷」
    第五位:「死者のノック」
    第六位:「引き潮の魔女」
    第七位:「死が二人をわかつまで」
    第八位:「疑惑の影」
    第九位:「仮面劇場の惨劇」
    第十位:「連続殺人事件」
    同十位:「皇帝のかぎ煙草入れ」
    同十位:「眠れるスフィンクス」

※結論、何と言ってもミステリは、カーとディクスンにとどめを刺す。


No.540 5点 亡霊たちの真昼
ジョン・ディクスン・カー
(2022/02/14 00:37登録)
今は昔の前世紀初頭ニューオリンズ。議員候補・作家・編集者・上流婦人・謎の女・高級(なんじゃそれ)娼婦・警部補(なに補って)・老将軍入り乱れての醜聞脅迫騒動と、犯人と凶器消失の不可能射殺事件。少女売春ネタと人物正体ネタがもっと練り込まれてたらハードボイルドしてたかもしれんが・・とりあえず「密室」出て来たんで良しとしよう。


No.539 6点 深夜の密使
ジョン・ディクスン・カー
(2022/02/08 17:37登録)
今より二世紀(カー執筆時から数えて一世紀)前の19世紀に、齢九十老人が物語る、更にそこから遡る事150年前17世紀英国のお話。王党派・清教徒派・カトリックが複雑に絡む内憂と、プロテスタント・カトリック諸国間で複雑に揉める外患の最中、対仏国際陰謀に己の地位保全を模索する亡命帰国王チャールズ2世。国王と使わされた密使達と妨害者達、それぞれの思惑と裏切りが錯綜する冒険サスペンス&ラスボスWho及びHowツイストミステリ。ロマンスも少しつく。
SF異世界なみの時代考証描写が魅力的で、これまた点数オマケ付き。


No.538 5点 喉切り隊長
ジョン・ディクスン・カー
(2022/02/06 13:22登録)
皇帝ナポレオンの下、対英戦争に布陣した仏軍内部を脅かす、姿なき連続殺人鬼「喉切り隊長」のWhoWhyHowミステリ。と同時に、仏革命の怪物フーシェ・・ロペスピエールとナポレオンに仕えた・それだけで凄いが・のみならず、ジロンドからジャコバン、共和政府から帝国政府の権力中枢を寝返り歩き警察組織を築き上げた、まさに怪物・・そんなフーシェを黒幕とした複数男女の英仏スパイ合戦。姿なき不思議刺殺者Howはチャチだが、WhoWhyが凄い。いかにもなフーシェの上を行くあの英雄出しちゃうんだもん、そりゃ・・スゴいさ。


No.537 6点 ロンドン橋が落ちる
ジョン・ディクスン・カー
(2022/02/02 00:08登録)
18世紀英国、ダークなお伽の街を上に乗せたロンドン橋。電気はおろかガス灯もない蝋燭と松明の時代、マザーグースかグリム童話、はたまたSF異世界の如き、ファンタジックでグロテスクかつドタバタなミステリ。
仕掛け人梅安トリック付き。


No.536 7点 死が二人をわかつまで
ジョン・ディクスン・カー
(2022/01/29 07:51登録)
「完全なる密室」毒殺事件の、あまりにも基本的なトリックAを成り立たせるためのトリックB、
「『Aを容疑者にするためのトリック』を仕掛けるB」を偽装する真犯人X・・・この手の「複雑系」好きよ。
褐色の髪と瞳の女Aと、金髪青眼の女B、二人の美女のうちどちらかが虚偽を述べている・・犯人は?
Till Death Do Us Part(死が二人を別つまで)・・結婚宣誓の表題が、最後の一行に適合して、まるで落し噺みたい。


No.535 6点 ヴードゥーの悪魔
ジョン・ディクスン・カー
(2022/01/27 07:34登録)
米国南部・・黒人奴隷、ラテン混血、カトリック+呪術のヴードゥー信仰・・非WASP光景に彩られる世界、エドガー・アラン・ポー没後にしてリンカーン南北戦争前という不思議な時代が舞台。フォークナーや映画「エンゼル・ハート」の匂いたつ南部臭はないが、消失トリックと墜落殺人トリックと呪術幻影が・・両トリックに関連性なく幻影効果も薄味なのが残念だが・・付いている。


No.534 5点 火よ燃えろ!
ジョン・ディクスン・カー
(2022/01/25 19:15登録)
これまた活劇シーン絶品で点数オマケ。カーには「燃えよ炎!」てなカッコ良い土方歳三トリップ物を希望したい。
< 以下、露骨なネタバレ >
「座頭市」仕込み杖進化系の仕込み銃トリック。(「コブラ」のサイコガンて「百鬼丸」仕込み義手の進化系だよね。)


No.533 6点 ビロードの悪魔
ジョン・ディクスン・カー
(2022/01/20 20:46登録)
王党派・清教徒派・カトリックが三つ巴に絡み、やがてトーリー党(保守)vsホイッグ党(ややリベラル)二大政党制が形作られる近代英国。とかく「保守=悪玉」vs「ホイッグ=善玉」風な進歩史観に反し、カーは明らかに王党派系びいき。
悪魔との契約で、泥とホコリと下水悪臭まみれで、入浴と歯磨き習慣が無い(それキツイ)17世紀ロンドンへタイムスリップした主人公。美貌の妻と愛人、同志と使用人達と政敵を巻き込んだ歴史サスペンスがワクワク展開したあげくに、驚きのミステリエンドへ。エロとチャンバラ(実はカーが一番精彩放つのって、この類では)と毒入トリックと、おまけに17世紀英国グルメ(!)描写までもが豊富な、魅惑の一篇。


No.532 2点 霧の国
アーサー・コナン・ドイル
(2022/01/16 18:43登録)
ひねたジャリだった頃、幼稚園の友達に向かって「サンタなんていないんだぞ」とケイモウした。
怪獣マニアだったガキの頃、「怪獣なんていないんだ」としたり顔した叔父を、「あたり前じゃん」と内心軽蔑した。
高校生の夏合宿の夜、「コックリさん」始めた連中を茶化したら、「おい!そういう態度は恐ろしい現象を招くぞ!」とやられ、「え! こ、こいつらマジだ・・」って内心驚愕した。


No.531 3点 毒ガス帯
アーサー・コナン・ドイル
(2022/01/15 17:15登録)
チャレンジャー教授シリーズ第2~4弾。
 「毒ガス帯」 有毒エーテル通過による全生物絶滅・・からのどんでん返し。
 「地球の悲鳴」 地球巨大ウニ(!)説。これ元ネタに膨大な大ぶろしきSF展開ができるんじゃない?
 「分解機」 これ元ネタに「ハエ男」展開が可能なんだな・・・
何かSFらしくなっちゃって「失われた世界」お伽噺感が薄まっちゃったな。いずれにしても、「実はとんでもトリックによる幻影だった」ならばミステリだったんだけどね。


No.530 6点 失われた世界
アーサー・コナン・ドイル
(2022/01/14 00:26登録)
今は亡きネバーランド・・断崖によって外界から隔絶された世界・・の素晴らしきお伽噺。ミステリではない・・ちょびっと記号地図トリックもある・・が、面白かったから、これまた点数大オマケ。
※ただ、「進撃の巨人」て少年漫画もそうだが、壁等によって隔絶された世界観に飛行手段が描かれてしまうと、少し緊張感が弛緩してしまう。それが飛行船であれ翼手竜であれ。(だって外界に出られるじゃん、プテロダクティルス)


No.529 6点 北極星号の船長
アーサー・コナン・ドイル
(2022/01/09 22:56登録)
怪獣・怪奇・ファンタジー・サスペンス・・「ウルトラQ」「怪奇大作戦」元祖筋。ミステリではない・・半ミステリどころかアンチミステリとさえ言える・・怪獣ものはポー「スフィンクス」解決でこそミステリとなる・・が、面白いからいいや。あと、怪獣出てこない「寄生体」とかのホラーサスペンス具合もなかなかで、点数、おおまけにオマケ。

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