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ミステリの祭典

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亡霊たちの真昼
ニュー・オーリンズ三部作

作家 ジョン・ディクスン・カー
出版日1983年01月
平均点4.00点
書評数3人

No.3 4点 nukkam
(2023/03/04 23:59登録)
(ネタバレなしです) 1969年発表のニュー・オーリンズ三部作の第2作の歴史本格派推理小説で、作中時代は1912年です。主人公のジム・ブレイクが特派員として下院議員候補のクレイ・ブレイク(ジムとの血縁関係はなし)を取材するためにニュー・オーリンズへ向かうという序盤がミステリーとしては盛り上がりを欠いています。政治スリラー要素を織り込もうとしたのならこの作者には合わないですね。何者かに尾行されたり列車内で人間消失があったりと強引に謎づくりしてはいますが、18章で明かされる前者の真相、10章で明かされる後者のトリック、共にがっかりレベルです。そして中盤に起きたメインの事件が一見自殺風ながら凶器が現場から消えており、しかし殺人なら凶器だけでなく犯人も消えたことになる不可能犯罪風なところがカーらしいですが、この真相がまた脱力ものでした。伏線の張り方に巧妙さを感じるところもありますが、この作者としては下位レベルの作品だと思います。

No.2 5点 レッドキング
(2022/02/14 00:37登録)
今は昔の前世紀初頭ニューオリンズ。議員候補・作家・編集者・上流婦人・謎の女・高級(なんじゃそれ)娼婦・警部補(なに補って)・老将軍入り乱れての醜聞脅迫騒動と、犯人と凶器消失の不可能射殺事件。少女売春ネタと人物正体ネタがもっと練り込まれてたらハードボイルドしてたかもしれんが・・とりあえず「密室」出て来たんで良しとしよう。

No.1 3点 Tetchy
(2008/12/24 23:55登録)
カーの晩年の作品は明らかに勢いが衰えており、もはや物語としての興趣すら湧いてこない。

2人のブレイクという名の男が出逢う物語でありながら、その設定を全く活かしきれていない。
とにかく物語に起伏がないのだ。

それでも最後の最後にちょこっとだけ救われるものがあった。
ほんのちょこっとだけだけどね。

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