レッドキングさんの登録情報 | |
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平均点:5.28点 | 書評数:943件 |
No.583 | 3点 | ササッサ谷の怪―コナン・ドイル未紹介作品集1 アーサー・コナン・ドイル |
(2022/06/13 07:19登録) 「未紹介作品集」てことで、何か掘出し物あるか・・と僅かに期待したが・・「老兵の話」「幽霊選び」は面白かった。 「ササッサ谷の怪」 一つ目オバケ話から宝探し譚へ。 「アメリカ人の話」 葉ワタリ5m(メートル!)トゲ30cmの食虫植物怪獣の話。 「デカ骨」 豪州荒地の無骨な大男のお伽噺。 「我が家のダービー競馬」 19世紀英国牧草地の若き家族の浪漫話。 「老兵の話」 場末酒場の零落した老兵の戦場奇譚がツイストにエンド。まあ、面白い。 「紳士ジョー」 階級国家英国の労働者階級男のお伽噺。 「決勝の一発」 富裕階級の屋敷に入り込んだ半亡霊外国人の怪奇譚。 「スリル満点のクリスマスイヴ」 爆発物講義に誘拐された化学者のサスペンス。場所ネタ付いたら「技師の親指」 「幽霊選び」 旧屋敷に相応しい幽霊を求めた男に訪れた幽霊達の「営業プレゼン」 ・・面白いなあ。 |
No.582 | 5点 | クルンバーの謎 アーサー・コナン・ドイル |
(2022/06/11 20:13登録) 「競売ナンバー二四九」 エジプトミイラのホラー話に、トリック暴露ミステリの解釈が並走して・・・ 「トトの指輪」 これまた、エジプトミイラSFとトリック暴露ミステリの二重解釈が可能で・・・ 「血の石の秘儀」 古代ケルト宗教の狂信者に生贄として拉致された女のサスペンス。 「茶色い手」 まんまオバケもの。毎夜現れる右手の無い幽霊・・「手が違う~~」 「クルンバーの謎」 荒涼とした海岸の旧館に住まう元少将。老軍人が怯える印度からの来訪者とは・・・ ※ドイルには、チェスタトンの偏狭なキリスト教独善が感じられず、好感持てる・・ただ、あの鼻白むオカルト信仰が・・まあ、目つぶろうかな (採点は、第1・2・5編に。) |
No.581 | 7点 | ブラウン神父の不信 G・K・チェスタトン |
(2022/06/09 20:47登録) ブラウン神父第三短編集。 「ブラウン神父の復活」 神秘否定の為の「神秘」援護をする論敵に、神秘尊重の為の「神秘」トリック暴露で返し・3点 「天の矢」 真の神秘は、神秘化される事なく顕れ・・ミステリ(神秘)トリックが暴かれるが如く・・4点 「犬のお告げ」 完璧な・・94%完璧な・密室の殺人。耶蘇教神父の多神教・汎神論へのイチャモンつき。9点 「ムーンクレサントの奇跡」 高層部屋から消失した男。移動不可能な場所で絞殺体で発見され・・9点 「金の十字架の呪い」 呪いのトリック・入代りネタやよし。犯人の設定がイマイチ・・6点 「翼ある剣」 ん、雪密室の元祖? 死体消失と合わせて一本、見事! 作者の耶蘇教独尊チトうざく・・9点 「ダーナウェイ家の呪い」 カー風オカルト源流? 暗い宿命を破る自由の言葉は「殺人」・・耶蘇教、ちと深い。6点 「ギデオンワイズの亡霊」 7点。(これで、「真相・ホームズ最後の事件」てなパロディやったら・(*_*; ※第3・4・6編の三短編はミステリ史上の「何か」なんだと思う(多分)。 ※ミステリ(神秘)が、「神秘」トリックの暴露であるように、真の宗教も、似非「神秘」の否定・・うーん、ブラウンてかチェスタトン、言いたい事は解るが、耶蘇教宣伝チトうざいぞ、「カラマーゾフ」レベルには遠いし。 |
No.580 | 6点 | ブラウン神父の知恵 G・K・チェスタトン |
(2022/06/07 19:09登録) ブラウン神父第二短編集。 「ミスターグラスの不在」 言わば窮極の密室トリック、10点!・・「ミスったグラス」(^^) 「盗賊の楽園」 山間の花咲き満る「楽園」を舞台にした鮮やかなツイスト劇。7点 「イルシュ博士の決闘」 全ての様相が一つ残らず反対の二つというのは、結局のところ・・6点 「通路の男」 劇場楽屋の外通路で刺殺された女優。三人の目撃者が見た犯人像は全て異なり・・6点 「機器の誤り」 仮装と噓発見器に絡んだ人物誤認事件の顛末。5点 「カエサルの首」 必要とする人数は、自殺に一人、他殺には二人、では、恐喝には・・8点(これ、特許権かな) 「紫の鬘」 旧家「呪い」の暴露と「悪魔的な物」の氷解が、ミステリの解明に連動して・・7点 「ペンドラゴン一族の滅亡」 伝奇浪漫の伝誦と川孤島の奇塔の一族絶滅トリック。6点 「銅鑼の神」 殺人が見つからない真の状況とは、「誰もいない」場所ではなく・・5点(これも、まあ、プチ特許権) 「クレイ大佐のサラダ」 呪いの迷信と闘う男に仕掛けられたトリック。3点 「ジョンブルノワの奇妙な罪」 崇高にして自由な魂への劣等感を克服できなかった男の顛末。(採点対象外) 「ブラウン神父のお伽話」 頭と肩帯ニか所に弾跡を残し射殺された男。だが弾丸は1発だけで銃もなく・・6点 で、10+7+6+6+5+8+7+6+5+3+6=69÷11=6.272‥平均して、6点 |
No.579 | 7点 | invert 城塚翡翠倒叙集 相沢沙呼 |
(2022/06/03 18:01登録) ドジっ娘演出、霊媒演技をサブ武器に、犯人を追い詰める超ロジック探偵:城塚翡翠の中編三篇。 *「雲上の晴れ間」 ITネクラ男の水も漏らさぬ完全犯罪アリバイトリックの瑕疵を抉じ破るロジック。6点 *「泡沫の審判」 事故偽装・アリバイ vs 教室・軍手・スマホ・ハムスター・シャボン玉のロジック。6点 「ミステリは精緻なロジックを愉しむべきものよ。なのに「驚き」を求めるマニアばかり・・」って、おお、ヒスイちゃん 俺みたいな読者へのアンチ発言?・・て思わせといて、最終編、「驚きの驚き」で驚かしてくれた・・・m(__)m *「信用ならない目撃者」 証拠を残さない殺人者 vs 消せなかった証拠、目撃の反転ロジック・・・ というより何よりも、あのツィストエンドに驚いた・・ディーヴァーか。9点 ※ところで、最終編に出てくる女マジシャン、ひょっとして酉乃初の十年後? |
No.578 | 6点 | あやかし砂絵 都筑道夫 |
(2022/05/30 19:36登録) 江戸異形者ミステリ(魅筋点理!)、シリーズ第四弾。 ・「張形心中」 江戸のエロ秘具に絡めた偽装心中。殺しの顛末や如何に・・判じ絵解き付き。3点 ・「夜鷹ころし」 連続夜鷹殺人・・江戸の切り裂きジャック・・事件の「環」や如何に・・犯人消失付き。7点 ・「不動の滝」 密室状態の寺の滝壺から消失した商家の内儀。事件の顛末や如何に・・7点 ・「首提灯」 別々に棄てられた首と胴。遊び人殺しのホワット顛末や如何に・・6点 ・「人食い屏風」 自作の虎画に「喰い殺され」た二人の絵師。見せかけたのは誰? それは、何のために・・6点 ・「寝小便小町」 夜の小舟で殺された枕探し女と、餌食の道楽息子。事件顛末は・・犯人消失付き。6点 ・「あぶな絵もどき」 江戸の醜聞紙バラマキ事件と容疑者殺しの顛末は・・5点 (3+7+7+6+6+6+5)÷7=5.7142…、で、全体で6点。 |
No.577 | 7点 | 間違いの悲劇 エラリイ・クイーン |
(2022/05/27 15:07登録) エラリー・クイーン第七短編集。 て言っても、中編一とダネイがリーに送った長編プロットと、あとは・・おまけ 「動機」 小さな町で起こる連続殺人、文学少年ー酒場亭主ー権力老嬢・・被害者の「環」の構成が見事。8点 「結婚記念日」 毒殺のダイイングメッセージはポケットから取り出したダイヤだった・・3点 「オーストラリアから来たおじさん」 これ、もちっと真剣に考えれば分ったなあ!(>_<) 5点 「トナカイの手がかり」 そりゃ、その名まで来れば一目瞭然だが、そこまで至るわけないじゃん。1点 「三人に学生」 んなもん、知るか!(せいぜい、「すいへいりーべは~」にしてくれ)1点 「仲間外れ」 ん、odd? 「クリスティー」「クイーン」「カー」でならば、即座に四通りは出るぞ。 1点 「正直な詐欺師」 ん、5%? 今の我が国からみたら天文学的数字に見えるぞ・・3点 「間違いの悲劇」 愚者達を操るラスボス、利という近代的合理を超えた最古にして最新の動機。7点 あまりにもあんまりなので、全体点数は巻頭中編とラスト梗概に対してのみ。 |
No.576 | 6点 | マン島の黄金 アガサ・クリスティー |
(2022/05/25 06:01登録) アガサ・クリスティー第十四短編集。 死後出版の拾遺集といったところらしい。 「夢の家」 死に至る夢、神秘という病、狂気への狂喜が禍々しいまでに美しく ・・(採点対象外) 「女優」 恐喝男へのトラップが、読者へのトリックへと側転し・・6点 「崖縁」 嫉妬と自我理想、抑制と嗜虐、心の地獄の縁を超えてしまった女。(採点対象外) 「クリスマスの冒険」 プディングが付いていない分、あの中編よりもタイトに。4点 「孤独な神」 地味な神像・・日本ならお地蔵さんかな・・に魅せられた孤独な男女の童話。(採点対象外) 「マン島の黄金」 これまた「黄金虫」。このてのやつは・・好みの分かれるところかな・・2点 「壁の中」 画家の男を廻る二人の女。信じ難いまでの献身と、捨身に至る程の支配。(オマケして)7点。 「光がある間は」 このてのやつは・・どうでもいいや。(採点対象外) 「クィン氏のティーセット」 短編にちょっとした年代記ぶち込んで、あのトリックネタ付いて・・4点 「白木蓮の花」 不倫においても妻としての義務においても、嫋やかな倫理を貫いた女。(採点対象外) 「愛犬の死」 老犬と暮らす困窮極まった女のお伽話。(採点対象外) 大半が採点対象ミステリに「非ず」の作品集。 「夢の家」は「翼の呼ぶ声」に次ぐ程に素晴しい。オマケして全体で6点。 |
No.575 | 7点 | グラン・ギニョール ジョン・ディクスン・カー |
(2022/05/23 05:31登録) ジョン・ディクスン・カー第八短編集(とは、言えないか・・) ※ミステリ評論付きが嬉しい。 「グラン・ギニョール」 密室付き処女長編「夜歩く」の前バージョン。読者への挑戦状(世界初らしい)付き。7点 その他、「悪魔の銃」(ホラー)、「薄闇の女神」(歴史浪漫)、「ハーレム・スカーレム」(?)は、採点対象外。 ※カーのミステリ四戒・・①探偵・使用人、②疑わしい人、③複数人、が犯人てのはダメ。④多重解釈エンドなし。 て、言ってる舌の根も乾かぬ内に・「が、傑作と呼ばれる作品では、そのいずれも破られてる・」って・・(*^_^*) |
No.574 | 5点 | クリスマス・プディングの冒険 アガサ・クリスティー |
(2022/05/21 19:07登録) アガサ・クリスティー第十三短編(といっても半分は中編)集。 「クリスマスプディングの冒険」 いかにも、非カトリック的な英米的な、クリスマスちょっといい話ミステリ。4点 「スペイン櫃の秘密」 「バグダッド櫃」と同骨格どころか同プロット。多少、ヒロインにキャラ肉付け。6点 「負け犬」 無意識の証言からの犯人解明。タイトルまんまの真犯人、捻りの無い所がむしろ・・・5点 「二十四羽の黒つぐみ」 古時計の様な来店メニュー習慣を破って死んだ老人の謎。5点 「夢」 カー「妖魔の森の家」同様、名探偵をアリバイ利用する身の程知らずな犯行。5点 「グリーンショウ氏の阿房宮」 「バカ建物」相続を廻る弓矢殺人。逆密室トリック付きが嬉しい。7点 ※作者の前書きには異議あり、「グリーンショウ氏の~」がメインディッシュで、「スペイン櫃」はセミファイナル。 |
No.573 | 5点 | ブラウン神父の童心 G・K・チェスタトン |
(2022/05/18 17:00登録) "ホームズ冒険もブラウン童心も入ってないミステリベストテンなど、ダメなベストテンだ! "てな定評の短編集。 「青い十字架」 大怪盗と名探偵の追跡劇、そして統べて操る真探偵・・6点 「秘密の庭」 侵入不可能な庭に発生‥消失でなく‥した死体のトリック・・7点 「奇妙な足音」 「見えない男」複雑系を足音・・日本人にはピンと来ない・・だけで解明。5点 「飛ぶ星」 パントマイム劇に紛れ込んだ宝石消失事件と、大怪盗の浪漫的な改心劇。2点 「見えない男」 体操「ギンガー」「トカチェフ」等の如く、「チェスタトン」と名付けるべき。9点 (特許権付き) 「イズレイル・ガウの誉」 ダイヤ・嗅ぎ煙草・機器部品・蝋燭・髑髏・・・つなぐ「環」や如何に・・ 5点 「狂った形」 自殺した詩人の遺書は奇怪な形に切り取られ・・もう一工夫で密室物になれた、惜しい!4点 「サラディン公の罪」 中国兵法「二虎競食の計」+入代りトリックの合わせ技。4点 「神の鉄槌」 あれ命中させるの・・やはり、奇蹟(自然法則て言うが)レベルとしか・・4点 「アポロの眼」 カルト教団の大資産家女の転落死トリック・・・「異教徒」嫌悪が見え見えで・・5点 「折れた剣」 ”葉を隠すには森を生やす” 「チェスタトンβ(αでもよく)」とか名付けるべき。9点 (特許権付き) 「三つの凶器」 頭蓋骨粉砕の死体に三人の容疑者と三つの凶器、事件の顛末は・・3点 で、平均、5.25、5点。ホームズと違い、ブラウン神父には何の思入れもなく、点数にオマケ無し。ただし、 「見えない男」「折れた剣」には特許権、大いに加点。もし「神の鉄槌」等にも確認出来たら、後日、点数加点予定。 |
No.572 | 4点 | 教会で死んだ男 アガサ・クリスティー |
(2022/05/16 06:41登録) アガサ・クリスティー第十二短編集。 なんか、既視感あるネタが目立ってきて・・ 「戦勝記念舞踏会事件」 入れ代りアリバイトリック。ピエロ・ピエレット・アルルカン・・分かりづらい。4点。 「潜水艦の設計図」 また機密文書ネタ。卓上からの瞬時消失って、「信じがたい盗難」のまんまでなくね? 3点。 「クラブのキング」 ブルジョア邸宅に闖入した王族の愛人ダンサー。彼女の恐喝男は撲殺されていて・・3点。 「マーケットベイジングの謎」 これ、あの「密室自殺に見せかけた他殺・・に見せかけた・・」ネタのまんま・5点 「二重のてがかり」 金庫からの宝石盗難事件。手掛かりが二つも揃うと・ワザとらしく・・ 2点。 「呪われた相続人」 一族伝承の呪いに纏わる相続人連続死と怪事件・・ラスト一言の衝撃は・・イマイチ 4点。 「コーンウォールの謎」 夫の自分への毒殺意志を疑う女・・これまた既視感あるネタで・・4点。 「プリスマ行き急行列車」列車の座席下に押し込まれてた女の刺殺死体。まーた既視感溢れるトリックで・・5点。 「料理人の失踪」 瀟洒な住宅街の使用人女シェフの失踪。「赤毛組合」にチョビッと「樽」をぶち込んで・・6点。 「二重の罪」 おお、美術品売却でダブルに稼ぐって、んなクールでファンキーな手口あんのか・・5点。 「スズメ蜂の巣」 大量殺人後の「犯人は初めから分ってた」名探偵セリフに反発したか、殺人予防ポワロ。3点。 「洋裁店の人形」 ひんやりと ミステリアスだが ミステリでなく・・(採点対象外) 「教会で死んだ男」 宝石の如きステンドグランスの下で死んだ脱獄者。秘められた救済譚エンドがグッド。5点。 で、全体平均して、(4+3+3+5+2+4+4+5+6+5+3+5)÷12=4.0833…、4点。 |
No.571 | 5点 | 愛の探偵たち アガサ・クリスティー |
(2022/05/12 11:01登録) アガサ・クリスティー第十一短編集 「三匹の盲目のねずみ」雪中孤絶の宿の7人。犯人、ターゲットWho? 戯曲「ねずみとり」の前バージョン。3点。 「奇妙な冗談」 これもクリスティー版「黄金虫」。オチともかく、いんぐりっしゅ分らんと・・つまらん。2点。 「巻き尺殺人」 落ちていた針1本から、殺人容疑の噂を被る人物を救出するミス・マープルのロジック。5点。 「完璧なメイドの事件」 「家政婦のミタ」の如く完璧なメイドは、完璧な怪盗だった・・その正体は・・7点。 「管理人事件」 医師のミステリ原稿(クリスティー十八番トリックエッセンス)を解釈するミス・マープル。7点。 「四階のフラット」 ずいぶんと手の込んだ仕掛けの割には・・得られる驚き効果イマイチ。4点。 「ジョニーウェイバリーの冒険」名家の予告身代金誘拐・・情状酌量余地はあるが・・無罪放免て訳には・・4点。 「愛の探偵たち」 中世の絵に描いた様な互いの罪を庇いあう恋人たち・・からの・・6点。 で、全体を平均して、(3+2+5+7+7+4+4+6)÷8=4.75、5点。 |
No.570 | 5点 | ヘラクレスの冒険 アガサ・クリスティー |
(2022/05/09 19:25登録) アガサ・クリスティー第十短編集 ヘラクレス(=エルキュール)12の試練に擬え(チト無理あるが‥)た、12短編。 「ネメアのライオン」 愛犬の連続身代金誘拐事件の真相は・・5点。 「レルネーのヒドラ」 医師を追い詰める妻毒殺疑惑の噂の真相は・・4点。 「アルカディアの鹿」 アポロの如き美青年が一目惚れした運命の女神の正体は・・4点。 「エルマントスの猪」 アルプスのホテルに閉じ込められた10人から、ギャングボスを探し出す使命。6点。 「アウゲイアス王の大牛舎」下ネタは政談に勝り、汚し而して洗い、清めの反作用バツグン・(採点対象外) 「スチュムパロスの鳥」 東欧のホテルで窮地に陥る母娘と青年政治家。入代りトリック鮮やかに・・7点。 「クレタ島の雄牛」 狂気の血が己に流れていると思い込む男と、救いを求める女、背景や如何に・・6点。 「ディオメデスの馬」 痛風病み元将軍と4人の奔放娘。コカイン事件との曰くや如何に。4点。 「ヒッポリュテの帯」 名画盗難に、走行列車からの少女消失が絡んで・・8点。 「ゲリュオンの牛たち」 カルト教祖と教団に罠を仕掛けるべくポワロの手駒となる女。3点。 「ヘスペリス達の林檎」 毒殺に血塗られた宝飾酒杯の失踪を巡るちょっといい話・・2点。 「ケルベロスの捕獲」 ロシア貴婦人経営のクラブ"地獄"、展開する怪犬とコカインと宝石の豪華ドタバタ。5点 で、平均で、(5+4+4+6+7+6+4+8+3+2+5)÷11=4.9090‥5点。 |
No.569 | 6点 | 幻を追う男 ジョン・ディクスン・カー |
(2022/05/07 07:21登録) ジョン・ディクスン・カー第七短編(といっても中編)集。3作ともラジオシナリオ。 「誰がマシューコービンを殺した?」 「絞首人は待ってくれない」の二段階ほど進化系のヴァージョン。8点。 「あずやまの悪魔」 「黒い塔の恐怖」中の同名作品の別ヴァージョン。レベルは・・あまり変わらず。4点。 「幻を追う男」 追い求めた幻の女は、衆視の絞死刑から蘇った幽霊なのか・・歴史物不可能ミステリ。7点。 |
No.568 | 6点 | 黄色いアイリス アガサ・クリスティー |
(2022/05/05 13:04登録) アガサ・クリスティー第九短編集。 「レガッタの事件」 室内から完全消失したダイヤ(「レガッタ」あまり関係なかったなあ)・・7点。 「バグダッド大櫃の謎」 櫃の中で発見された刺殺死体のどんでん返しWhoHow。6点。 「あなたの庭はどんな庭?」 老婆毒殺巡って・・これまたマザーグース物と言えるのかな。3点。 「ポリェンサ湾の問題」 マザコン息子でなくサンコン母親の問題の解決如何に・・(採点対象外) 「黄色いアイリス」 四年越しに再現された毒殺事件。新事件の鮮やかな解決と旧事件の多重解釈の余韻。6点。 「ミス・マープルの思い出話」 あたう限り少数人物・小数頁の密室殺人トリック。8点。 「仄暗い鏡の中に」 殺意に至る嫉妬と改心のホラーファンタジー、素晴らしい!(採点対象外) 「船上の事件」 おお、「踊る一寸法師」展開?・・て思った通りの展開に、アリバイトリック付き。7点。 「二度目のゴング」 中編「死人の鏡」の前ヴァージョンか習作てとこやね。キャラ一人出てこんし。4点。 で、平均して、(7+6+3+6+8+7+4)÷7=5.8571… 6点。 |
No.567 | 7点 | 死人の鏡 アガサ・クリスティー |
(2022/05/02 18:41登録) アガサ・クリスティー第八短(中)編集。 意外に「拾い物」の傑作揃い。 「厩舎街の殺人」密室に銃を持った死体 → 「自殺だな」 「いや自殺に見せかけた射殺」「~と見せかけた・・」 ・7点 「信じがたい盗難」 クリスティーに時々出てくる国際スパイネタの機密書類盗難事件。3点。 「死人の鏡」 クリスティーには珍しや見取図付き密室殺人。絵に描いた様な本格中編。7点。 「ロードス島の三角形」 十八番の人間関係トリックと、四角形の二重三角形の鮮やかな要の移転。8点。 で、全体・・平均でなく・・で7点。 |
No.566 | 5点 | パーカー・パイン登場 アガサ・クリスティー |
(2022/04/29 17:40登録) アガサ・クリスティー第七短編集。 「良い喪黒福造」パーカー・パインが、"あなたの心の隙間を埋めます。"・・・ 「中年婦人の場合」 幻と分っていて、身の程もわきまえていて、それでも、なお、夢に陥る中年男女・2点。 「退屈な軍人の場合」 平穏な日常より、スリルとサスペンスとロマンを希求する男女に起こる「事件」。3点。 「困り果てた夫人の場合」 「模造ダイヤにすり替えた本物ダイヤの返還」依頼・・からの・・4点。 「不満な夫の場合」 クリスティー作品にしばしば顔出す、支配と被虐の男女のサガと壁・・3点。 「事務職員の場合」 平穏かつ忍従な勤め人に与えられる「ばーちゃる」な冒険と浪漫。2点。 「富豪女の場合」 有り余る富を得た苦労人女。失った価値と取り戻す黄金の日々・・「杜子春」みたい・・7点。 ※この後の六編は、"パーカー・パイン西アジア旅行ミステリー" てな 「あなたは望む物全てを得たか?」 走行列車からの宝石消失トリックと男女関係の機微・・7点。 「バグダッドの門」 砂漠を走る車内での殺人、容疑者10人のWhoHowWhy 5点。 「シーラーズの家」 ペルシア末裔の荒地の町で暮らす英国女の秘密。4点。 「高価な真珠」 砂漠の荒地を歩行探索する一行に起きる真珠盗難事件の顛末。3点。 「ナイルに死す」 ナイル航行の船内で毒殺される傲慢な中年女。夫・姪・若い男・看護婦・・犯人Who 5点。 「デルファイの神託」 身代宝石誘拐事件のHow・・からのツイスト・・じょじゅつトリックやねえ。6点。 で、平均して、(2+3+4+3+2+7+7+5+4+3+5+6)÷12=4.25、オマケして5点。 |
No.565 | 6点 | ヴァンパイアの塔 ジョン・ディクスン・カー |
(2022/04/27 20:49登録) ジョン・ディクスン・カー第六短編集。 ラジオドラマ台本9作+短編1作。 「暗黒の一瞬」 降霊会の手出し不可能状態での霊媒刺殺事件トリック。6点。 「悪魔の使徒」 そこで寝た人間は原因不明の死を遂げる古塔。事件の真相と恐怖エンド。6点。 「プールのなかの竜」 2年前の凶器消失事件の解明と、犯人処刑トリック・・痛え!・・6点 「死者の眠りは浅い」切断された電話から掛ける幽霊への通話。「あたし、今、あまり綺麗じゃないの・・」7点。 「死の四方位」 短編「銀色のカーテン」のシナリオ化。7点。 「ヴァンパイアの塔」 長編「五つの箱の死」と同じ毒殺トリック・・からの・・6点。 「悪魔の原稿」 「僕の(ホラー)原稿はキミを殺せる」・・作家の挑発と、それに乗る男。3点。 「白虎の通路」 新切り裂き魔の正体の手懸りは"M・D"・・該当者は数名・・2点。 「亡者の家」 屋敷内を移動して元の部屋に戻ったら、外の街が消え、森になっていた・・5点。 「刑事の休日」 宝石強盗の男女が、それぞれ衆視の中で消失し・・クリスマスちょびっとイイ話エンドへ。8点。 |
No.564 | 6点 | 黒い塔の恐怖 ジョン・ディクスン・カー |
(2022/04/25 12:40登録) ジョン・ディクスン・カー第五短編集 原書は「幽霊射手」と併せて一巻の後半。作品はラジオドラマ2作に短編3作。 「死を賭けるか?」 継父と、死と大金を賭けた契約を結んだ化学者。「死を賭けた」契約の顛末は・・5点。 「あずまやの悪魔」 レコードと銃声をいかにもなミスディレクションにした、射殺犯Who 4点。 「死んでいた男」 己の死亡記事を読んだ帰国男・・・ぼくは幽霊なのか・・4点。 「死への扉」 嵐の夜の森、幽霊旧邸の如き宿屋の密室に現れる「圧殺怪物」の正体は・・7点。 「黒い塔の恐怖」 旧館の塔の最上階密室に現れる「両眼を抉る妖怪」の正体や如何に・・7点。 で、平均、(5+4+4+7+7)÷5=5.4、が、作品以外にホームズパロディとミステリエッセイのオマケが付き、点数もオマケして6点。 |