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ミステリの祭典

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蜘蛛の巣
戯曲

作家 アガサ・クリスティー
出版日1980年10月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 6点 レッドキング
(2022/07/03 18:04登録)
才色兼備で機知溢れるヒロインと、外交官の夫・傷心少女・貴族叔父・判事・秘書・警部・奇矯な中年女庭師が、殺人屍体隠蔽を巡るドタバタサスペンスを展開し、外交ドラマ・秘密文書謎解きまで巻き込んで、Whoダニットミステリ舞台がツイストし、鮮やかに収束する、面白い。

No.2 6点 蟷螂の斧
(2018/08/06 09:46登録)
第一印象は、読書より劇を見た方が笑えるだろうな・・・でした。主人公・クラリサのノー天気さが良い。夫とその招待予定客が途中で登場して、もっとドタバタ劇になればなあ、とないものねだり(笑)。ミステリー的には、意外な真相と犯人といったところでした。

No.1 7点 クリスティ再読
(2017/08/16 22:42登録)
クリスティもホント残りわずかになって、消化試合気分だったんだけど...いや、さすがはクリスティ、やってくれます。本作面白い。大好き!
本作は名探偵は出ないし、サスペンス中心でもないけども、上出来のクライム・コメディ戯曲、それも既存小説作品を下敷きにしない戯曲オリジナルの作品である。「書斎の死体」のテーマで、「予告殺人」のノンキでコージィなノリを前面に出したようなゴキゲンな雰囲気。本作の皮肉な陽気さが評者、本当にツボ。

(発見者は変死体を動かしてはいけないと)推理小説にはみんなそう書いてありますもの。でも、これは現実のことですから...だって、小説と現実はまるで違いますわ。

突如書斎に転がった死体を、メタに洒落のめすヒロインのカッコよさよ!マンガ的な猛女ピークさんが即物的な笑いを取る一方で、アリバイ工作、消える死体、あぶり出しの暗号と秘密の隠し場所...そして真犯人の指摘と意外な背景。ジェットコースター的な面白さにあふれた芝居である。本作はクリスティ戯曲の中でも「ねずみとり」に次ぐロングランを記録したという。たぶん見ていても「ねずみとり」より面白いんじゃないかな。

人間って嘘をつく時は割と真剣になるものでしょ。それでかえってほんとうらしく聞こえるものなのよ。

....創作ってほんと、そういうことだよね。納得。

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