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ミステリの祭典

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ねずみとり
戯曲

作家 アガサ・クリスティー
出版日1980年09月
平均点4.83点
書評数6人

No.6 4点 レッドキング
(2022/07/05 20:20登録)
クリスティー戯曲のト書きの、なんという詳細さ執拗さ。台詞外の役者アクトにまで指示の支配を広げまくって。
戯曲家 vs 演出家・役者だけでなく、指揮者・演奏者に対する作曲家にも、いろんなタイプがあるだろうな・・とあまり関係ないことまで連想してしまった。ところで、この戯曲、中編「三匹の盲目のねずみ」と評価は変わらなかった・・が、舞台ロングラン記録に敬意を表し、点数オマケ付けちゃう。

No.5 6点 蟷螂の斧
(2017/10/30 20:48登録)
裏表紙より~『若夫婦の山荘に、大雪をついて五人の泊り客、そして一人の刑事がやってきた。折しも、ラジオからは凄惨な殺人事件のニュースが流れはじめる。やがて、不気味なほどの緊張感がたかまり、舞台は暗転した!マザー・グースのしらべにのって展開する、スリリングな罠。演劇史上類をみないロングランを誇るミステリ劇。』~1幕、2幕とも同じ舞台で演じられます。こういうスチエーションがなぜか好みなんです。ある犯人像を著者が書かないわけがないと思っていたので、やっと出会った感じ(笑)。

No.4 6点 クリスティ再読
(2017/03/05 22:40登録)
「愛の探偵たち」に所収の本作の原型の小説「三匹の盲目のねずみ」も一緒に論じる。
まあ皆さん「何でこれが?」というご意見が多いようだ。そう言いたいのはわかるけど、小説「三匹の~」を読んでいてさえ、「これ芝居だよね?」という雰囲気が濃厚なのである。人の出し入れとか実に演劇的なのだ。まあ本当はさらに原型のラジオドラマ版があるようで、順番的には、
ラジオドラマ -> 小説 -> 戯曲
となるわけだ。なのでたぶん小説の構成もラジオドラマから大きく変わっているものではなかろう。
で戯曲は小説にさらにキャラを一人追加しており、小説ではできても舞台ではやりづらいモリーの心理描写を助ける役割がある。本作のポイントは「人物をよくわかっている、と思っている身近なひとでも本当にその人を分かっているの?」という不安なんだよね。クリスティっていうと旅先みたいな「出会う人すべて身元が?」な環境をよくテーマにして、人間関係の逆転劇を仕込むわけだし、このテーマを突き詰めた「春にして君を離れ」みたいな傑作もあるわけで、「見知らぬ身近な人」というのはクリスティの固有テーマの一つである。それをうまくサスペンス劇に仕込んだのがこの「ねずみとり」のわけだ。クライマックスに犯行再現をもってくるとか、サスペンス劇としては実にソツなくできている。舞台効果をクリスティ、よく分かって書いてるから上演したのを見たら面白いだろうね。っていうか、パズラーを芝居でやろうなんて、そういうムリなことをクリスティ考えもしていないだろうよ....
評者に言わせると、クリスティだからって何でもかんでもパズラーで読んでやろう、というのが無理筋だと思うよ。馬は馬なり、人は人なり、っていうじゃない?
(あ、あと口笛を吹く犯人って元ネタはフリッツ・ラングの「M」だな)

No.3 5点 あびびび
(2014/09/16 16:03登録)
時の首相、チャーチル夫妻も観劇したという。軽く1万回を超えるロングランらしいが、やはりお国柄と言うものがあるのだろう。自分としては「検察側の証人」の方が意外性があり、強烈な感じがする。

犯人についてはほとんど『この人しか考えられない!』という感じだった。

No.2 4点 STAR
(2010/09/10 11:25登録)
劇で人気とのことですが、劇で観るとおもしろいのかしら?本だとお決まりの展開・・・で、あまりおもしろさは感じられません。
短いので、すぐに読めるます。

No.1 4点 ElderMizuho
(2008/05/24 13:00登録)
演劇は見たことがないのでなんとも言えないが・・なぜそんなに人気があるのか正直理解しかねる作品。
設定からしてあまりにもベタベタだし、展開もベタベタな上にオチも捻りに乏しい割にベタベタとミステリ中級者ともなればすでに面白みのない作品のような気がします。

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