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ミステリの祭典

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クルンバーの謎
東京創元社ドイル・コレクション

作家 アーサー・コナン・ドイル
出版日2007年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 レッドキング
(2022/06/11 20:13登録)
  「競売ナンバー二四九」 エジプトミイラのホラー話に、トリック暴露ミステリの解釈が並走して・・・
  「トトの指輪」 これまた、エジプトミイラSFとトリック暴露ミステリの二重解釈が可能で・・・
  「血の石の秘儀」 古代ケルト宗教の狂信者に生贄として拉致された女のサスペンス。
  「茶色い手」 まんまオバケもの。毎夜現れる右手の無い幽霊・・「手が違う~~」
  「クルンバーの謎」 荒涼とした海岸の旧館に住まう元少将。老軍人が怯える印度からの来訪者とは・・・
※ドイルには、チェスタトンの偏狭なキリスト教独善が感じられず、好感持てる・・ただ、あの鼻白むオカルト信仰が・・まあ、目つぶろうかな (採点は、第1・2・5編に。)

No.1 7点 Tetchy
(2008/07/12 20:14登録)
今回は初めて読む作品群だったせいもあったのか、結構面白く読めた。

今回の中短編にはアジアを中心とした諸国に古くから信仰されている古代宗教に伝わる呪術をモチーフにした怪異譚という一貫したテーマがある。
しかし、作品に使われているモチーフは21世紀のこの世においてもはや手垢のついたテーマ以外何物でもなく、新たなる驚き、衝撃が走るような物は1つも無かった。

だが、これら中短編群はドイルという作家の一側面を語るのに貴重である事は確かだ。

長くなるので詳しくは述べないが、アジア各国に伝わる呪術や宗教に関する記述は詳細を極め、単なる物語を編むための取材に終わっていない。ここにドイルが晩年、心霊研究科の権威として色んな活動を行っていた片鱗が窺える。

上に述べたように作品の内容に斬新さはないが、ドイルという人物の側面を知る上で、非常に有益な短編集であると云えるだろう。

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