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ミステリの祭典

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パメルさんの登録情報
平均点:6.12点 書評数:713件

プロフィール| 書評

No.73 6点 見えない精霊
林泰広
(2016/04/11 12:03登録)
空中に浮かぶ飛行船でそれも暗闇という舞台設定
幻想的な世界観を持ちながら密室での連続殺人が行われる
論理的に精霊の正体を暴こうとする主人公に対し
論理的に精霊以外の犯行は不可能であると証明する少女との
やりとりが読みどころ
トリックはご都合主義だが十分楽しめる


No.72 7点 眠れぬ夜の殺人
岡嶋二人
(2016/04/07 14:05登録)
一つの謎が解けると次から次へと謎が連鎖的に発生していく
一種のコンゲーム要素もあり最後まで展開が読めない複雑なプロット
警察という組織では使えない非常に危険で強引なやり方で解決する
サスペンスフルな痛快エンタメ小説


No.71 5点 頼子のために
法月綸太郎
(2016/04/04 18:36登録)
冒頭の手記の微妙な違和感から驚愕の真相にたどり着く
深刻な家庭の悲劇が暗鬱した雰囲気で描かれている
虚像に支配された人間が歪んだ論理のまま突き進んでいく
犯人の気持ちは全く理解できない
歪んだ愛の物語で読後感は悪い


No.70 5点 世界は密室でできている。
舞城王太郎
(2016/04/01 10:47登録)
密室ミステリの定型をぶっ壊した異端的な作品であることは間違いないでしょう
実現性希薄なトリックが次から次へと浪費される馬鹿らしさが魅力
中学生らしい?アホな会話や改行が少なく独特な文体を受け入れることが
出来れば楽しめると思います(暴力描写も少ないですし)
挿入されているイラストも味があって良い
ミステリというよりは主人公とルンババの成長物語


No.69 6点 新参者
東野圭吾
(2016/03/18 09:45登録)
誰もが見過ごしてしまうような事を徹底的に調べ
小さな手掛かりを掴んでいく
そして微笑ましいほどの登場人物への心遣い
加賀刑事の素晴らしい人間性を堪能できる
ミステリとしては薄味


No.68 6点 マジックミラー
有栖川有栖
(2016/03/16 00:58登録)
いわゆるアリバイ崩し物
事件の鍵は思いがけない場所につながっている
鉄道ミステリとしてのみならずそれをミスディレクションとして
相対化した謎解きミステリとしても楽しめる


No.67 5点 怪盗グリフィン、絶体絶命
法月綸太郎
(2016/03/07 13:59登録)
児童向けの冒険活劇小説
児童向けなので仕方ないのだが平仮名が多く
漢字にはすべてふり仮名がふってあり逆に読みにくい
内容的には小学生対象では少し難しいと思うし
かといって大人が楽しめるかというと疑問が残る


No.66 5点 64(ロクヨン)
横山秀夫
(2016/03/05 10:24登録)
昭和64年の誘拐事件が警察内部で隠蔽されそれを主人公が
暴いていく所が読みどころ
刑事部と警務部との確執そして自分の家庭問題に苦悩しながら
部下に気を配り権力に立ち向かっていく主人公
組織内の争いがくどいしストレスを感じる
また主人公の正義感を前面に押し出した感じがどうも好きになれない


No.65 6点 法月綸太郎の冒険
法月綸太郎
(2016/02/29 01:09登録)
収録されている七編は本格謎解き・安楽椅子探偵・図書館を
舞台にした軽パズラーなど多岐にわたっている
全体的に地味ではあるがトリッキーな論理展開が楽しめる
ただ図書館シリーズは自分には軽すぎました
巻頭に正統派パズラーそして後半に同一シリーズの
軽い短編を配置する構成となっている


No.64 8点 一の悲劇
法月綸太郎
(2016/02/22 19:05登録)
複雑な人間関係が絡み合う誘拐殺人事件
ほとんどの登場人物を一度は容疑者へと
浮かび上がらせるプロットはワクワクさせてくれる
秘密を抱えた男の視点で物語は語られ
終始張りつめられた緊張感に包まれている
展開も二転三転し明らかにされるトリックも衝撃的
不満な点はダイイングメッセージ
あの解釈は強引すぎるし普通誰も気づかないでしょう


No.63 7点 ナミヤ雑貨店の奇蹟
東野圭吾
(2016/02/18 12:34登録)
現代から過去の相談者へ現代から三十三年前の店主へ
この二重の奇妙なタイムスリップを介して
様々な相談者が話の中に登場する
一人一人のエピソードは絶妙に交差し
次第にある場所へと収束していく
その過程は張り巡らされた伏線が回収されながら
最終局面に向かっていく様は心を熱くする
ファンタジーな物語が好きな人にはおすすめ出来る


No.62 7点 法月綸太郎の功績
法月綸太郎
(2016/02/17 21:44登録)
人間関係を入れ替え置き換えて別のパターンを見出していく
謎を解決するというよりも事件の構図を
どんどん変形させていく過程の面白さが楽しめる短編集


No.61 8点 十角館の殺人
綾辻行人
(2016/02/17 12:01登録)
叙述トリックとミスリードの応酬で真実は
張り巡らされた伏線に隠れている
とにかく衝撃の一行
このただ一言で視界が開け明らかにされる真相は
強烈なインパクトがあった
ただ犯人の動機に深みがあればと思った


No.60 7点 オルファクトグラム
井上夢人
(2016/02/15 14:45登録)
匂いを見る事が出来るという特異な能力を受け入れ
犯人捜しをする主人公
この独創的な設定が素晴らしい
わずかに残る匂いをもとに誰がどのような行動を
とったのかを鮮やかに明らかにしていく
この特異な能力を見事に幻想的に描かれているSFミステリ


No.59 5点 最悪
奥田英朗
(2016/02/15 13:30登録)
全く関係の無い三人の人生がリンクし最悪な方向に
進んでいく犯罪小説
とにかくこの三人はそれぞれ運が悪すぎてやる事なす事
裏目裏目になってしまう
読んでて暗くなってくる
リアルな心理描写で読みやすい事は読みやすい
少しでもミステリ色があれば印象も変わったと思うのだが


No.58 6点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2016/02/15 13:10登録)
殺人の前には必ず人形が殺されるのは何故か?
これがこの作品の売りだと思うが
理由はなるほどと思ったと同時に大したことないとも思った
また理由付けが納得できるのは第二の殺人だけで
あとは曖昧なところが不満
怪奇色漂う雰囲気は好き


No.57 5点 探偵映画
我孫子武丸
(2016/02/12 01:25登録)
映画監督が撮影途中で失踪?
映画はとにかく完成させなければと映画スタッフとキャスト自身が
ああでもないこうでもないと議論するところが読みどころ
ミステリでありながら軽いというか軽すぎる
設定が全てのような作品
真相も驚きは無かったし何か物足りない感じ


No.56 4点 秘密
東野圭吾
(2016/02/10 21:16登録)
娘への愛・妻への愛・妻と娘への屈折した愛の
複雑な感情が赤裸々に描写されている
やるせなく切ない展開
共感できないし読後感も悪い


No.55 5点 カラスの親指
道尾秀介
(2016/02/10 14:16登録)
小さな謎と伏線を提示し徐々に違和感を感じさせ
予想を裏切る形で謎を解決
そして次の謎へと謎と解決を繰り返しつつ
大どんでん返しも用意されている
ただご都合主義的な箇所もあるしある人の過去のエピソードが
●●のための●●●というのはどうも納得できない
文体も好みから外れている


No.54 7点 OUT
桐野夏生
(2016/02/10 13:48登録)
主人公を含む四人の主婦たちはそれぞれが逃れられないしがらみや
女性一人では生きずらい社会の不自由さそして起こした事件や
自分の過去を引きずって絶望感を抱えて生きている
この圧倒的な陰鬱な閉塞感が見事に描かれたサスペンス
それでいて読後感は悪くない

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