怪盗グリフィン、絶体絶命 怪盗グリフィンシリーズ |
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作家 | 法月綸太郎 |
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出版日 | 2006年03月 |
平均点 | 6.67点 |
書評数 | 15人 |
No.15 | 6点 | 虫暮部 | |
(2023/09/07 13:09登録) 作品の基本設定として、国際的謀略がゲームのように冗談交じりで進行する、言ってみれば “楽しい騙し合い” の世界観が成立している。ナイス。 それだけに渦中で人死にが発生したのは痛恨事である。バタバタ死ねばそういう作品なんだなと切り替えられるが、一人だけと言うのがまた辛い。あれさえなければなぁ(ジュヴナイルだからってわけではなく)。 |
No.14 | 7点 | 名探偵ジャパン | |
(2023/07/08 21:07登録) ジュブナイルとしては、耳慣れない言葉が飛び交いすぎてませんか? と感じなくもないですが、往々にして子供という存在は背伸びをしたがるものですから、これもありかと思います。 怪盗ものとスパイもののいいとこ取りのような、騙し合いの展開は読んでいて飽きないですし、こういう知略の応酬はミステリ作家が書くスリラーっぽくて楽しめました。 |
No.13 | 6点 | zuso | |
(2022/03/14 22:44登録) 絵本のタンタンみたいな世界観のもとで行われるドタバタ私立探偵もの。二転三転する展開が論理的で作者らしい作品。 |
No.12 | 5点 | いいちこ | |
(2019/02/28 18:48登録) 二転三転するプロットに作者の苦労・工夫の跡が垣間見られるのだが、それがストレートに作品の面白さにつながっていない。 |
No.11 | 7点 | sophia | |
(2018/04/09 19:46登録) アルセーヌ・ルパンも全く読んでいないぐらいで普段手を出さない分野なのですが、なかなか楽しめました。ミステリーランドレーベルの作品ですが、子どもにはちょっと難しいかも。二転三転どころか四転ぐらいしていて、事の成り行きがどうだったのかを完璧に理解しようとするのはなかなか骨が折れます。特に「大統領のジレンマ」のあたりが難しいですね。あんまり深く考え過ぎない方がいいのかもしれません。 |
No.10 | 8点 | 青い車 | |
(2016/04/30 18:51登録) ポップでユーモア溢れる雰囲気というかタッチがとてもステキ。主人公グリフィンの小粋な語り口も魅力的で、僕の目から見てまさに理想的なヒーロー像です。最初から最後まで一貫して飽きさせない展開であり、まるで海外作家が書いたかのような洗練も感じます。 推理小説的にも、子供相手と手を抜いてないところが好感がもてます。小学生高学年くらいの子には難しいかもしれませんが、繰り返し読み込んで楽しめると捉えれば欠点ではないでしょう。この本がきっかけでミステリーにはまる子が出てくれることを願います。 |
No.9 | 5点 | パメル | |
(2016/03/07 13:59登録) 児童向けの冒険活劇小説 児童向けなので仕方ないのだが平仮名が多く 漢字にはすべてふり仮名がふってあり逆に読みにくい 内容的には小学生対象では少し難しいと思うし かといって大人が楽しめるかというと疑問が残る |
No.8 | 6点 | E-BANKER | |
(2014/10/12 12:30登録) 講談社ミステリーランドの一冊として出された作品。 法月らしからぬ(?)世界を股にかけた国際謀略小説。2006年発表。 ~「あるべきものをあるべき場所に」が信条の怪盗グリフィンに、ニューヨークのメトロポリタン美術館にある贋作のゴッホを本物とすり替えて欲しいという奇妙な依頼が・・・。しかし、それは巧妙な罠だった。グリフィンはつぎに国家の威信をかけた“盗み”を引き受けるハメになる・・・。どんでん返しが連続する痛快冒険活劇!~ 子供向けらしからぬスケールの大きい作品だった。 ミステリーランドという看板を掲げているものの、およそ子供向けとは思われない作品も見受けられた本シリーズ(島田荘司の「透明人間の納屋」とか)。 本作は小学校高学年から中学生程度をターゲットにしているなら、まずは狙いピッタリということになるだろう。 (政治的な絡みは理解しがたいかもしれないが・・・) 前座的な第一部を経て、第二部からが本番。 終章である第三部に入ると、ドンデン返しが何回も訪れ、正直訳がわからなくなってくる。 「裏の裏をかく」と見せかけて、「さらに裏をかく」のだから、もはや最初がどうだったのかという話だろう。 まぁ子供向けの主人公(ヒーロー)としては、訪れるピンチを乗り越え、最終的に勝利を得るという展開は必須ということだし、そういう意味ではしっかりしたプロットと言える。 でもまぁなぁ・・・決して面白くないわけではないのだが、満足できたかと言われると「満足」とは答えられない自分がいる。 作者に対しては、やはり硬派な本格ものを求めてしまうんだよなぁ・・・ 例えそれが時代錯誤だとしても、ロジックバカを貫いて欲しい。それがファン心理という奴だろう。 |
No.7 | 6点 | まさむね | |
(2012/10/13 10:10登録) 「へぇ~,法月さんって,こういうタッチもOKなんだ」という,個人的な発見が。ミステリーランドだからこその発見ですね。 反転の妙もあり,冒険スパイ小説として十分に楽しめました。 |
No.6 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2012/08/06 20:34登録) (ミステリーランド)大人も充分楽しめた。著者らしくない国際謀略小説となっています。ミステリーランドなので、お色気がないのは致し方ないところです。第一部のゴッホの贋作にまつわる事件(それだけでも面白い)はとっかかりに過ぎず、第二部へと移行します。第二部では、裏の裏をかくという心理作戦が見事です。子供には理解できるかな?と若干心配もしました。 |
No.5 | 7点 | 白い風 | |
(2012/03/13 00:03登録) 昨年から読んでいる”ミステリーランド”記念すべき10冊目。 怪盗の話も子供向けには良かったんじゃないかな? (大人の私も楽しめたしね(笑)) 人形の入れ替えの話も十分面白かったよ。 |
No.4 | 8点 | monya | |
(2010/11/02 18:59登録) 子供に読ませたくない本や子供を意識しすぎて駄作になってしまった本が多いミステリーランドにおいて、ちゃんと子供に視点を置いてそれに加えて大人も楽しめるように書かれた傑作。 倉知、有栖などはちゃんとそういうの書いてくれそうだなと予想はしていたのだが、法月はホント意外 子供に戻って、何度でも読み返したい作品 |
No.3 | 6点 | kanamori | |
(2010/08/25 18:11登録) ミステリー・ランド叢書の中には、これ本当に子供に読ませていいの?とトラウマを心配させる作品もあるように思いますが、本書はコンセプトどおり、大人も子供も楽しめる軽快な冒険スパイ小説でした。 正義の怪盗という主人公の造形や、テンポのいい二転三転するプロット、作者らしいロジカルな展開と、このタイプのミステリとしては過不足ない良作だと思います。 |
No.2 | 8点 | あるびれお | |
(2009/06/13 05:13登録) あとがきで著者が触れている「エルマーの冒険」はわたしも“お気に入り”だった。ホントにこれ、法月さんが書いたの?と言いたくなるくらい楽しいし突き抜けてるし、子供の頃に読んだら夢中になっていたんだろうな。 |
No.1 | 8点 | ロビン | |
(2008/09/26 22:36登録) ハードボイルド法月の傑作!というより、冒険スパイ小説というべきか。 どんでん返しの連続で、結末まで振り回されっぱなしでした。もちろん、お得意のロジックもあり。名探偵による謎解きの論理でなく、物語展開でここまでドキドキさせられたのは久しぶり。(ただ、途中で若干中だるみしたので減点) ミステリーとは、謎を解き、騙され、驚かされ、最後にカタルシスを迎えるエンタテインメントなのだと、子供たちにも認識してもらえる作品だと思います。 |