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ミステリの祭典

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バードさんの登録情報
平均点:6.13点 書評数:321件

プロフィール| 書評

No.61 5点 点と線
松本清張
(2013/10/01 23:20登録)
推理小説界の一つの時代の境目となった作品というと大袈裟だがそういったポイントとなったものだと思うと感慨深い。流石に今のご時世ではこの程度のアリバイトリックでは通用しないが昔の作品としては上出来だと思う、小説としてはつまらなくはなかった。


No.60 5点 0の殺人
我孫子武丸
(2013/10/01 22:53登録)
最後の第三幕に入るまでに大まかの見当はつけられた、頭の作者の言葉にもほとんどの人はわかるだろうと書かれているとおり殺人者を当てる難易度は低めだと思う。(実はタイトルから推理し始めた。)
かなり短い話で最低必要部分以外の描写は少ないのでサクサク読めるのは好印象、しかし掛け合いの面白さは前作の方が切れてた気がする。

肝心の事件については全体的に警察が無能な気が・・・、最低でも第2の事件ではテープくらい見つけろと。あと爆弾魔はいったいなんだったのだろう?


No.59 9点 名探偵の掟
東野圭吾
(2013/09/28 13:25登録)
個人的にはこれだけ上手くミステリを皮肉ってる作品はほかに無いと思う、10点をあげたいところだがそれをやるのは流石に他の正統派本格物に失礼なので自重。

それぞれの話にテーマがあり上手く皮肉をきかせている、印象深い話が密室、ご都合主義、殺すなら今、私が犯人などいくつもあり天下一や大河原警部など登場人物のコミカルさも良かった。
ある程度ミステリを読んだ人ほど作者のメッセージが伝わると思うので読者の読むタイミングによっても楽しめるかどうかが変わると思う。


No.58 6点 火車
宮部みゆき
(2013/09/28 12:26登録)
序盤~中盤あたりまでの謎をばらまく段階は読んでて面白かった。登場人物の発言もなるほどと思わせるものもありうまく書かれていたと思う。しかし中盤以降は喬子の行動をなぞり返すだけの作業を見せられているだけな感じがして正直少し読むのに飽きてしまっていた。序盤のワクワク感を維持できればなおよかった作品。


No.57 8点 時計館の殺人
綾辻行人
(2013/09/24 22:57登録)
これまでの館シリーズのなかで最も大がかりな仕掛けで時刻を表にして確認ときはうまくかみ合ってるなぁと感心した。
作品の長さも長編としては読みごたえがありかつ長すぎることもなくちょうどよかった。

読んでいた時は特に不満はなかったけど後々考えてみると大量殺人の理由が少し厳しい気はした。終わり方は急展開だが館シリーズとしては珍しい終わり方だと思う。


No.56 5点 ダリの繭
有栖川有栖
(2013/09/24 22:23登録)
火村シリーズの平均的レベルの作品。読んでいて先が気にはなったが中盤あたりで怪しい人物の候補が大方絞れるので最後の驚きはあまり得られなかった。論理的な破たんはないにしても地味なイメージ。


No.55 7点 スウェーデン館の謎
有栖川有栖
(2013/09/21 09:29登録)
火村シリーズの中でも作風が好きな作品。登場人物のイメージが付きやすくどのような環境で事件が起きたかも想像しやすかった、自分も将来こういう家に静かに住みたいものだ。
トリックは中々簡単だと思うが読んだ当時まだ雪による密室に慣れてなくて推理がかすりもしなかった(笑)


No.54 5点 千葉千波の事件日記 夏休み編 試験に敗けない密室
高田崇史
(2013/09/21 09:19登録)
試験に出るパズルが面白かったのでこれも読んだ、悪くはなかったと思うが小説というよりパズル本なこのシリーズは短編集形式の方があってた気がする。まぁ、もう少し論理パズルがほしかったかな。


No.53 8点 殺戮にいたる病
我孫子武丸
(2013/09/17 21:50登録)
随分異常な奴が主人公で詳しく描写してたが共感もできないのでそんなに記憶に残らなさそう、というのが読んでる途中の感想だった。
だが読み終わった後の衝撃度はもしかしたら初めて読んだミステリである十角館に匹敵するものだったかもしれない。叙述トリックものだとは聞いていたにも関わらず最後まで分からなかった。(個人的にはちょっと情けない・・・)

話は特に評価するほどのものではないがトリック一本でこの点数、読後の印象は殊能さんのハサミ男に似ているがあれよりも更にトリックに特化されている作品という印象。


No.52 6点 アメリカ銃の秘密
エラリイ・クイーン
(2013/09/17 21:34登録)
話の展開としては分かりやすく難読な点は少なかったと思う。しかしマラ・ゲイやトミー・ブラックあたりの人物が持て余されてる感じもありやや不要な展開も多いように思える。

国名シリーズ最大の見どころであるクイーンの論理的な推理についてはキレキレで特に銃の角度による犯人の絞り込みと犯人が同時に二兆の拳銃を扱った事実が犯人=バック・ホーンの説を強めているというのが面白かった。
ただ今回の事件の肝である死体がホーンではないということは流石に警察が介入してることを考えれば無理があるトリックにしか思えない、このようにメインの仕掛けに不満があるので個人的に高得点は与えられない。

これは余談だがミラー=ホーンは分からなかったがミラー=犯人と銃の隠し方法は読者への挑戦の前で当てられたので引き分けくらいかな?


No.51 7点 千葉千波の事件日記 試験に出るパズル
高田崇史
(2013/09/10 11:01登録)
ぴぃ君が言うところの生粋変態パズラーなのでこの本はまさに自分好み、大好物だった。この本に関しては内容はパズルのおまけでしかないのでパズル嫌いが読もうものならさぞつまらんだろうと思う、そういった意味では人を選ぶのは間違いない。

内容については浪人生はもっと危機感を持とう(笑)


No.50 4点 我らが隣人の犯罪
宮部みゆき
(2013/09/10 10:48登録)
なんというか肩透かしな作品だった。短編は一つ一つの話に何か光るものが欲しいものだが全体的にそれが足りなかった印象。
読み物としては丁寧に書かれていて読みやすかったのは宮部さんらしいプラスなポイントだが長編と比べると格落ち感が否めなくて残念。


No.49 6点 殺人方程式
綾辻行人
(2013/09/07 08:26登録)
アンフェア気味な館シリーズとは毛色が違いよくできたミステリでしっかりトリックと犯人を当てられる構成なのは見事。ちょうど高校生の時に読んで似たような物理の問題を解きまくっていたのを思い出し苦笑い。
ただ個人的な好みで館シリーズのような雰囲気のほうが好きなので評価はまずまず。


No.48 8点 シャム双子の秘密
エラリイ・クイーン
(2013/09/07 07:58登録)
順番をがん無視して初の国名シリーズとして読んだ、個人的にはX,Y,Zに勝るとも劣らないロジックでクイーン凄いと思わせられた。特に死後硬直からダイイングメッセージの真偽を暴く理論は素晴らしく伏線とロジックは今の作家達が手本にしたがるのもうなずける。

火事のおかげで物語りに緊張感があったのも良かった。個人的に残念な点は中盤までは結構退屈な展開だったのと犯人の決め手となる指輪の盗難癖は唐突なうえに事件と独立してしまっていた2点、その2点分をマイナスさせてもらった。


No.47 5点 ブラジル蝶の謎
有栖川有栖
(2013/09/02 10:28登録)
つまらなくはなかった、ただ有栖川さんの国名シリーズでは一作目の「ロシア紅茶の謎」が一つの基準となりそれに比べると印象的な話が少なかった気がする。


No.46 8点 ハサミ男
殊能将之
(2013/09/02 10:12登録)
ハサミ男が名乗らないからそこに引っ掛けがあるのは確実と思って読み進めたのでハサミ男=日高とは考えなかった。が、ハサミ男の雰囲気については完全にさえない男だと思って読まされていたので見事に叙述トリックにかけられていた、正体がわかった後に前半の描写を振り返ると確かに納得のいく書き方をしていてすばらしい。

終盤まで8点か9点か悩む面白さだったが、ハサミ男が自身をデブと表現するのは少しミスリード狙いにしてもアンフェア気味なのと真犯人は他に怪しい人物がいなかったので予想どおりだったのが残念だったのでマイナス1点。


No.45 4点 8の殺人
我孫子武丸
(2013/08/27 11:40登録)
今まで触れてきた作品の中で最も早くメイントリックがわかってしまったもの。一応犯人はこのトリックは警察に見破られるのを前提としてやってるとはいえその理由もどうにも納得しかねるもので・・・。木下刑事との掛け合いがおもしろかった以外は特に評価すべきところは無かったかな。


No.44 8点 犬神家の一族
横溝正史
(2013/08/27 11:24登録)
獄門島に続き自分にとって二作目の金田一シリーズ、顔を隠しての入れ替わりは現代のミステリを読みなれている人にはばればれだが指紋や手形でなんとかミスリードできるとは思うので、大昔の作品としては十分。入れ替わりが見破れても話の全貌が見えるわけでもないので最後まで面白く読めた。

特に途中で金田一が提示する謎に対する解決部分での説明がきれいで丁寧な伏線とロジックで獄門島よりも好みだった。


No.43 10点 孤島パズル
有栖川有栖
(2013/08/24 17:32登録)
ちょっと甘いかもしれないがこの点数を。前作の「月光ゲーム」と比べると格段に読みやすくなっていてそこがまずプラス、今回先輩コンビはメインで出てこなかったがかわりにヒロインキャラが登場したのでシリーズ物的にも不満はない。内容に関してはやや地味だったかもしれない。

個人的に最も評価した点は犯人特定のロジックがこれまで読んできたミステリの中でも一番鮮やかであったことである。読者への挑戦が付いている作品はいくつも見てきたがここまで正々堂々とした挑戦状は見たことが無かった。当てさせる気のないミステリもある中犯人当てをさせる難易度としてはすばらしい調整と思えたので満点。


No.42 6点 魔球
東野圭吾
(2013/08/24 17:14登録)
細かいトリックや犯人当てを意識せずに一気に読んだ、続きが気になるようなストーリー展開は流石といったところ。長編のような満足感はないが真相については意外性もあり小粒ながら良かった。

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