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ミステリの祭典

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バードさんの登録情報
平均点:6.17点 書評数:333件

プロフィール| 書評

No.73 5点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2013/12/15 07:43登録)
湯川助教授初登場のこの作品、科学、物理的見地から事件をときほどくのが今作品のテーマだがそれをふまえてこの感想、科学とミステリはやはり相性が悪いと思う。

よく科学捜査が発展した昨今では探偵は活躍させづらいといのは聞くがこの本読んで痛感した。新しい挑戦ではあったかもしれないが短編集としては並程度か平均やや下くらいの満足度。


No.72 6点 ロートレック荘事件
筒井康隆
(2013/12/13 03:52登録)
約二ヶ月ぶりの読書だったのでリハビリ目的もかねてあまり贔屓にしてない作家のミステリを、ということで筒井さんのロートレック荘に白羽の矢がたった。だから実はそこまで期待はしていなかったのだが(失礼)面白かった、というより自分の好みのトリックで正直リハビリなんかに使って後悔した。ぜひ記憶をなくしてもう一度読みたくなった。

ただ自分の好みではあるがこのやり方はかなりアンフェアだと思うのと、こういうジャンルは騙された後自分で引っ掛け部分を探していくのも醍醐味なのだから解決部分の解説は正直蛇足。そこの点は減点させていただいた。何度も言うが個人的にはこういうのはかなり好き。


No.71 8点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2013/11/15 17:08登録)
今までのガリレオシリーズは小難しい物理トリックのよせ集めという感じで実はそれほど評価してなかった、しかしそれもあってかこの作品には完全にやられた。
メイントリックの種類をがらりと変えるというシリーズものとしてはある意味イレギュラーなやり方で、これまでの作品をよく読んでいた読者ほどびっくりさせられたと思う。

湯川の友人石神のキャラは素晴らしいかった、極端なキャラというものをしっかり堪能させていただいた。


No.70 8点 死者が飲む水
島田荘司
(2013/11/07 00:38登録)
御手洗シリーズを含む2つのシリーズに出てくる普段はわき役の男が奮闘したアリバイトリック、鮎川さんの「黒いトランク」がモデルなのは明らかだがこちらを先に読んだ。
自信満々の推理をするも犯人に論破されかけるあたりが御手洗のような超人キャラとの差で言葉につまりながらもなんとか解決に近づいていく様子は読者も探偵役と一体感を覚えられた。探偵役のキャラが凡人タイプなので雰囲気は渋いがそういった味以外にも実はアリバイトリックが堅実でかつ島田さんのオリジナル要素も組み込まれていてアリバイものとしてはかなりの良作といった印象。


No.69 5点 スタイルズ荘の怪事件
アガサ・クリスティー
(2013/10/28 13:09登録)
読んでから結構たってからの感想なのでざっくりと、クリスティの中では普通というかビックリ箱要素が低いというかで印象に残りにくい。というか比べられる作品が凄すぎる。


No.68 6点 暗黒館の殺人
綾辻行人
(2013/10/28 13:02登録)
まぁとにかく長い、読み終わって達成感にかられたのはこの作品が初めて。
その長さをもってどのような壮大なトリックが待っているのかと思いきや中身の事件は割りと地味、それよりも浦戸家のおどろおどろしさの方が気になった。(少し幻想小説の気がある。)謎の数はいくらでもあるのでどこかで驚くことはできると思う、個人的にはメイントリックと中也の正体が良かったかな。特にメインの仕掛けは注意深く読めば気づけるはず。


総評すると館シリーズファンなら確実に読むべき大作、ただし一つのミステリとしては長さに耐えうる人のみ読むことをお勧め。


No.67 6点 黒猫館の殺人
綾辻行人
(2013/10/16 21:30登録)
館シリーズの中で人形館と並ぶスーパー変化球。今読んだらどうなるかわからんが当時は微妙な相違点に全く気付かない迂闊な読者だった。(今は少しは成長したと信じたい。)
「こんなアホみたいなのありか!?」と突っ込みたい人も多いと思うが自分はこういうのこそ館シリーズに求めるものだと思っているので問題なし、手記内の事件ははっきりいって大したことはない。


No.66 5点 学生街の殺人
東野圭吾
(2013/10/16 21:10登録)
自分は好みは派手なトリックとよく練られたロジック、この作品に関しては前者は無い。真犯人自体は消去法でわかるかもしれないが実は真犯人が殺人犯を操作していたということの証明は中々よく筋の通った説明で好みだった。
話のラストはいい感じで読み物としての雰囲気は〇、ただし事件自体は何となく盛り上がりも無くそれゆえ中盤あたりまではわりと退屈、それに少し長いかなとも思った。


No.65 8点 ある閉ざされた雪の山荘で
東野圭吾
(2013/10/12 10:28登録)
よく「仮面山荘殺人事件」と同じしかけと言われ比較されているので自分もそのように感想を書くとする。
自分が思うに仮面に比べ叙述トリックのレベルが1ランク上がっていると思える、仮面ではあくまで主人公だけが蚊帳の外ということだけを隠していたトリックだったが今回はその視点に本当の仕掛けがあり高度に感じた。その一方で登場人物たちはどうにも感情移入しにくいタイプが多く仮面ほどの物語性はない。
個人的には読み物の仮面に対し技の今作といった印象、ということで点数は仮面と同じで。


No.64 4点 向日葵の咲かない夏
道尾秀介
(2013/10/12 10:09登録)
どんでん返し系の話というのは聞いていたがこれは悪い意味で期待を裏切られてしまった。読んだ後からいろいろと違和感の理由に気づけるがそれが伏線として機能するレベルではなくひっくり返り方が唐突すぎる。
終始一定のペースでサクサク読めたがそれだけ、暗すぎる話でどうにも好きになれない世界観でもある。

実は序盤からs君を殺した真犯人は主人公で基本的に今回の話は主人公の都合のいいような妄想である、という落ちを念頭に置いていた。もしそんなありがちな話だったら更にマイナス1点だったがそれは回避してくれてそこは良かった。


No.63 6点 絶叫城殺人事件
有栖川有栖
(2013/10/06 23:07登録)
どういう本か知らずに有栖川さんの本を読みたかったので買ったら短編集だった(ほんとは長編が読みたかった)
すべてが妙な建物にまつわる話で雰囲気が好み、好きな話を挙げるとしたら1、2、4話目といったところ。


No.62 5点 赤い館の秘密
A・A・ミルン
(2013/10/06 22:55登録)
全体的に元々ユーモアを書いてた作者の良さがでていて物語が明るい調子なのはよかった、こういうミステリも嫌いじゃない。

しかしミステリの核であるトリックには不満がある。やはりマークの死体をロバートと誤認させるのには現代人から見れば無理があるすり替えである。さらにキリンガムが真相を見破る理由が弱いというか薄いというかで読者からしてみれば唐突な印象がある(相当にホームズを意識しているようなのでその影響も大きかったのかもしれない)
と、このように気になる点はあるが探偵・ワトスン役共にいいキャラでミステリの一定の水準は満たしていると思えるので総合的には中々面白かった。


No.61 5点 点と線
松本清張
(2013/10/01 23:20登録)
推理小説界の一つの時代の境目となった作品というと大袈裟だがそういったポイントとなったものだと思うと感慨深い。流石に今のご時世ではこの程度のアリバイトリックでは通用しないが昔の作品としては上出来だと思う、小説としてはつまらなくはなかった。


No.60 5点 0の殺人
我孫子武丸
(2013/10/01 22:53登録)
最後の第三幕に入るまでに大まかの見当はつけられた、頭の作者の言葉にもほとんどの人はわかるだろうと書かれているとおり殺人者を当てる難易度は低めだと思う。(実はタイトルから推理し始めた。)
かなり短い話で最低必要部分以外の描写は少ないのでサクサク読めるのは好印象、しかし掛け合いの面白さは前作の方が切れてた気がする。

肝心の事件については全体的に警察が無能な気が・・・、最低でも第2の事件ではテープくらい見つけろと。あと爆弾魔はいったいなんだったのだろう?


No.59 9点 名探偵の掟
東野圭吾
(2013/09/28 13:25登録)
個人的にはこれだけ上手くミステリを皮肉ってる作品はほかに無いと思う、10点をあげたいところだがそれをやるのは流石に他の正統派本格物に失礼なので自重。

それぞれの話にテーマがあり上手く皮肉をきかせている、印象深い話が密室、ご都合主義、殺すなら今、私が犯人などいくつもあり天下一や大河原警部など登場人物のコミカルさも良かった。
ある程度ミステリを読んだ人ほど作者のメッセージが伝わると思うので読者の読むタイミングによっても楽しめるかどうかが変わると思う。


No.58 6点 火車
宮部みゆき
(2013/09/28 12:26登録)
序盤~中盤あたりまでの謎をばらまく段階は読んでて面白かった。登場人物の発言もなるほどと思わせるものもありうまく書かれていたと思う。しかし中盤以降は喬子の行動をなぞり返すだけの作業を見せられているだけな感じがして正直少し読むのに飽きてしまっていた。序盤のワクワク感を維持できればなおよかった作品。


No.57 8点 時計館の殺人
綾辻行人
(2013/09/24 22:57登録)
これまでの館シリーズのなかで最も大がかりな仕掛けで時刻を表にして確認ときはうまくかみ合ってるなぁと感心した。
作品の長さも長編としては読みごたえがありかつ長すぎることもなくちょうどよかった。

読んでいた時は特に不満はなかったけど後々考えてみると大量殺人の理由が少し厳しい気はした。終わり方は急展開だが館シリーズとしては珍しい終わり方だと思う。


No.56 5点 ダリの繭
有栖川有栖
(2013/09/24 22:23登録)
火村シリーズの平均的レベルの作品。読んでいて先が気にはなったが中盤あたりで怪しい人物の候補が大方絞れるので最後の驚きはあまり得られなかった。論理的な破たんはないにしても地味なイメージ。


No.55 7点 スウェーデン館の謎
有栖川有栖
(2013/09/21 09:29登録)
火村シリーズの中でも作風が好きな作品。登場人物のイメージが付きやすくどのような環境で事件が起きたかも想像しやすかった、自分も将来こういう家に静かに住みたいものだ。
トリックは中々簡単だと思うが読んだ当時まだ雪による密室に慣れてなくて推理がかすりもしなかった(笑)


No.54 5点 千葉千波の事件日記 夏休み編 試験に敗けない密室
高田崇史
(2013/09/21 09:19登録)
試験に出るパズルが面白かったのでこれも読んだ、悪くはなかったと思うが小説というよりパズル本なこのシリーズは短編集形式の方があってた気がする。まぁ、もう少し論理パズルがほしかったかな。

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