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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1728件

プロフィール| 書評

No.548 7点 十二人の手紙
井上ひさし
(2014/01/31 14:40登録)
騙しのテクニック・・・『葬送歌』ある高名な作家に送られてきた下手くそな戯曲、その意図は?『ペンフレンド』ペンフレンドを募集したところ、返信が。その相手は囚人なのか?『鍵』山へこもった画家へ、妻から自宅で殺人事件が起こったので至急帰れとの手紙。画家のとった行動は?『里親』有名作家のアシスタントとその恋人。先生に自分の作品が盗作されたのではと疑い『泥と雪』高校時代の片思いへの女性(今は人妻)へのラブレターとプレゼント攻勢、その結果は。サイコ系・・・『隣からの声』新婚早々の夫が海外出張。妻は隣家の異変に気付く。『シンデレラの死』演劇学校に通う娘がオーディションに合格し、主役を獲得するが・・・以上、おもわずニヤリとしてしまいました。6点か7点か迷いましたが、全体のアイデアに敬意を表しました。


No.547 5点 エッシャー宇宙の殺人
荒巻義雄
(2014/01/29 18:57登録)
裏表紙より『物見の塔、無窮の滝、版画画廊、球形住宅…天才画家エッシャーの描き出した超建築の街カストロバルバの不可解な連続殺人、幻想の都市を訪れた夢探偵万治陀羅男はこの白日夢的世界に事件の謎を追うが。』モチーフの原画が挿入されていれば、もっと楽しめたかも。著作権の問題で無理であったのか?。現在ではネットで調べられるので、確認できますが・・・。ミステリー部分は、やや反則的なところや、古典のネタバレなどがあります。エッシャーの作り出した世界(夢の集合体ということらしい)での殺人事件ですが、事件そのものや解決篇は、荒唐無稽なところはありません。不思議な世界を楽しむ作品だと思います。


No.546 5点 六人目の少女
ドナート・カッリージ
(2014/01/28 17:09登録)
裏表紙より~『森のなかで見つかった六本の左腕。それは、世間を騒がせる連続少女誘拐事件の被害者たちのものだと判明する。しかし、誘拐された少女は五人だった。六人目の被害者は誰なのか。失踪人捜索のエキスパートであるミーラ・ヴァスケス捜査官は、高名な犯罪学者ゴラン・ガヴィラとともに特別捜査班に加わることになる。だが、警察の懸命の捜査を嘲笑うかのように、犯人は少女の遺体を次々と発見させて…。フランス国鉄ミステリ大賞、バンカレッラ賞など数々のミステリ賞を受賞した息もつかせぬ傑作サイコサスペンス。』~
イタリア版「羊たちの沈黙」と称されている旨(訳者あとがきより)。ラストで判明する犯人の動機(目的)は、初物ではないかと思い、この点は大いに評価します。ただし、不確定要素は多分にありますが・・・。物語の構成上やむを得ないが、登場人物の行動に納得できない部分が二点ほどありました。全体的には長く、事件に関連はあるのですが、脇道へそれているきらがあり、散漫な印象を受けました。サービス精神がおおせい?、もっとコンパクトであればとの感想です。


No.545 5点 Zの悲劇
エラリイ・クイーン
(2014/01/26 12:48登録)
サスペンス的な観点からは物語は楽しめました。本格的には今一つといった印象です。物足りない点は以下の通り。アリバイ・動機にほとんど触れていない。○○の伏線は弱すぎる(読者は推理不可?)。右手・左手は納得性がない(陪審員と同様)。消去法の推理(この部分は高評価)がメインとなるので致し方ないのか?


No.544 5点 ひまわりの祝祭
藤原伊織
(2014/01/24 17:08登録)
ストーリーの展開はスピード感もあり、また純文学的な香りも漂い結構楽しめました。しかし、ミステリー要素の2つの主題に疑問符がつき、後味はあまりよくありません。一つは妻の自殺の原因~いまひとつ妻の心情(必然性)が理解できないこと、また究明場面も曖昧のままですっきりしない。あえてそのようにしているのか?・・・。二つ目はラストシーン~大いに疑問です。美術に関する価値観が相違していると言われればそれまでですが・・・。


No.543 8点 俳優パズル
パトリック・クェンティン
(2014/01/23 09:55登録)
主人公はアル中依存症を克服し、プロデューサーとしての復活を目指す。離婚歴があるアル中気味?の主演女優、事故の後遺症に悩む主演男優等の問題を抱えながらもリハーサルが開始される。しかし、そこには悪意が存在した。果たして興行の初日を迎えられるのか?というストーリー自体に魅せられました。舞台裏や人物像も丁寧に描かれており、好感が持てます。ラストの幕切れは劇的であり、まさに劇場ミステリーですね。主人公ピーターとアイリスの恋が同時進行しますので、前作「迷走パズル」を先に読んだ方が楽しめると思います。なお、解説は法月綸太郎氏です。


No.542 5点 このミステリーがすごい!2014年版
雑誌、年間ベスト、定期刊行物
(2014/01/22 10:27登録)
国内ベスト10に投票者の誰が最も的中しているのかを見てみました。68名の投票者中、第1位は、筑波大学ミステリー研究会の5冊(6冊投票中)以下、京都大学推理小説研究会4冊、ワセダミステリクラブ4冊、個人では3冊が最大、0冊が15名との結果。海外篇では、第1位が、立命館大学ミステリー研究会の5冊、個人では最大4冊との結果。大学サークル(部員の投票結果?)が強いのは、やはり多数決の原理が働くという証明?(笑)。復刊希望・幻の名作では、「炎に絵を」(陳舜臣)「オイディプスの刃」(赤江瀑)「私という名の変奏曲」(連城三紀彦)「龍神池の小さな死体」(梶龍雄)「冷蔵庫より愛をこめて」(阿刀田高)「心ひき裂かれて」(R・二ーリィ)等々、好みの1冊が投票されていてうれしくなりました。未読分では、「コンピュータの身代金」「エッシャー宇宙の殺人」「十二人の手紙」に興味を惹かれ、今後のリストに入れます。


No.541 5点 ひとたび人を殺さば
ルース・レンデル
(2014/01/19 17:33登録)
療養休暇中の警部による地道な聞き取り調査が淡々と続きます。途中での仮説・推論の方が、真相より面白くインパクトがあるという皮肉な結果でした。「ロウフィールド館」もそうでしたが、どうも相性はよくないようです。


No.540 5点 だれもがポオを愛していた
平石貴樹
(2014/01/16 18:02登録)
トンビが油揚げをさらったような印象です。プロット自体があまり好みではありませんでした。ポオを読んでいれば、もう少し楽しめたのかもしれませんが・・・。伏線の回収がロジック的とのことですが、重要なダイイングメッセージ「ユーラルーム」も解決篇を読んでもよくわかりませんでした(苦笑)。動機をあえて排除し、物証のみでの推理・展開なので、物語としての深みを感じることができませんでした。残念。


No.539 5点 砂漠の薔薇
飛鳥部勝則
(2014/01/14 21:28登録)
言動が一筋縄ではいかない登場人物ばかりです。会話がかみ合わないのは、変人奇人ばかりなのかと思わせられますが、ラスト(伏線の回収)でその意味が分かります。まともな人物は一人であったと・・・。この点は評価できます。しかし、首切りの動機が最大のテーマだと思いますが、その点はあまり評価できませんでした。多重解決や、古典的どんでん返しもあります。


No.538 8点 翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件
麻耶雄嵩
(2014/01/12 21:21登録)
アンチミステリーの問題作(初心者向けではない)という書評があり、手を付けていない1冊でした。バカミス・メタミステリー・アンチミステリー等々にようやく免疫?(笑)ができてきましたので拝読。予想以上に楽しめました。メルカトルがいい味を出していました。最後はちょっと複雑にし過ぎた感もありますが・・・。


No.537 6点 交渉人・籠城
五十嵐貴久
(2014/01/12 10:08登録)
喫茶店の店主が客を監禁・籠城する事件が発生した。交渉人に任命された遠野麻衣子に、籠城犯は「テレビカメラを駐車場に入れ、事件を中継しろ」と要求する。少年法は、「誰のため、何のためにあるのか」がテーマでした。


No.536 6点 迷走パズル
パトリック・クェンティン
(2014/01/10 21:50登録)
精神病院での殺人劇に、アルコール依存症で入院した主人公が、にわか探偵として活躍します。ハウダニットについては、年代(発表1936)を感じてしまいますが、フーダニットは結構楽しめました。伏線はかなりちりばめられていましたね。精神病院が舞台なので、変わった雰囲気を味わえました。最後の博士の告白には、ニヤリとしてしまいます。翻訳も読みやすいです。


No.535 7点 黒き舞楽
泡坂妻夫
(2014/01/07 18:33登録)
(ネタバレあり)裏表紙「謎と官能に彩られた男女の異形の愛を描き出した禁断の恋愛ミステリー」とありますが、異形の愛というより、異形の性の印象が強かったですね。小学生時代の出来事が、うまい伏線になっていました。浄瑠璃人形の因縁がうまく絡み合っていると思います。


No.534 4点 黒衣の女
折原一
(2014/01/06 19:19登録)
「死の変奏曲」(1991)の改題。叙述をこねくり回してしまった印象です。犯人らしい人物をもっとミスリードしてもらえば、サスペンス感も盛りあがったような気がします。


No.533 6点 首断ち六地蔵
霞流一
(2014/01/06 09:01登録)
連作短編、見立て殺人、多重解決とあまり好みでない分野でした。フィクションなので、物語全体が荒唐無稽なのは良いのですが、細部にはリアリティ(納得性)があってほしいと願う者の一人です。その点で、やや突っ込みどころが多いような気がします。ラストの反転は古典的ではありますが、構成はよく考えられていると思いますのでやや甘めの採点となりました。


No.532 4点 牙王城の殺劇
霞流一
(2014/01/05 14:22登録)
ヤングアダルト向きです。雪密室、UFO、ゾンビ等々謎の提示はてんこ盛りなのですが、突っ込みどころもかなりありますね。まあ、バカミスっぽい?ので許容範囲となるのでしょう(苦笑)。次は、氏の「本格」を追求したとする「首断ち六地蔵」を読みたいと思います。


No.531 4点 壺中の天国
倉知淳
(2014/01/04 11:15登録)
副題に「家庭諧謔探偵小説」とあり、日常のユーモア?を描きつつという趣旨なのか?。ミステリー的要素(特にミッシング・リンク)は弱い感じがしました。第1回本格ミステリー大賞とのことですが、選出理由がよくわかりませんでした。何しろ長過ぎますね・・・。


No.530 7点 妖女のねむり
泡坂妻夫
(2013/12/31 09:59登録)
”わたしたちは結ばれることなく死んでいった恋人たちの生まれかわりよ。十五世紀のフィレンツェで巡りあったジュリアーノとシモネッタは悲恋に終わり、西原牧湖だった二十二年前のわたしは、平吹貢一郎だったあなたを殺してしまったの。今度こそ幸せになりましょう…。初対面のはずが深いところで響き合う真一と麻芸。前世をたどる二人が解き明かしていく秘められた事実とは。”・・・輪廻転生という幻想的な恋物語でもあるが、物語全体に仕掛けられた罠を評価したい。心中事件や殺人事件にかかるトリックは、二次的要素に過ぎないのではないかと思う。このような物語をよく思いついたものと感心する。作中に登場する作品「春」(ボッティチェリ~作中ではボッティチェルリ)は好きな絵の一つで服部まゆみ氏の「この闇と光」にも登場する。作品「シモネッタ」(当時の絶世の美女?~ダビンチも描いている)がヒロイン麻芸に似ていることから物語は始まる。シモネッタが「春」の女神フローラであるという説を作者は取っているが、諸説紛々である。この辺もミステリアスであります。


No.529 4点 不気味で素朴な囲われた世界
西尾維新
(2013/12/29 19:46登録)
この題名の世界は、ちょっとついていけない世界でした(苦笑)。「クビキリサイクル」が良かったので、引き続き読んでみたのですが・・・。アンチミステリー的な雰囲気か?。

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