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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1696件

プロフィール| 書評

No.516 5点 千年岳の殺人鬼
黒田研二
(2013/11/30 19:49登録)
仕掛け(殺人方法)が犯人にとって危険すぎる(特に雪崩を誘引しかねない)。というよりリアリティに欠けるきらいがある。第1作と同様、○○像が好みでない。完結編の永遠の館殺人に期待。


No.515 6点 黄色館の秘密
折原一
(2013/11/26 22:33登録)
他サイトでは、好意的な書評が多いような気がしました。ドタバタ・オチャラケ系が好みな結果?。10冊に1冊は、ユーモア系が読みたくなります。そういう意味では、黒星警部シリーズは打ってつけかも。まともなパロディを期待してはいけません(笑)。おおいに笑ったのは、島荘氏の「暗闇坂」のパロディあたりですね。米探偵作家クラブ・アンケートでの一番好きな凶器では、骨付きラム肉(ロアルド・ダール)が第1位となっています。本作は、秘宝館が舞台だけに、それに劣らないような珍凶器が登場します。それに+1点(笑)。


No.514 5点 スモールボーン氏は不在
マイケル・ギルバート
(2013/11/26 13:32登録)
英米の各ベスト100ランクイン作品。物語の筋は面白いのですが、著者の作風なのでしょうか、淡々とし過ぎという印象です。また、主人公が新米弁護士・ブーンなのか、スコットランドヤードの警部なのか、よくわからない点が不満点として残ります。もっと、ブーン(頭脳明晰、不眠の男)の活躍を期待したのですが・・・(苦笑)。弁護士業界なので、不動産担保設定の話が取り扱われています。日英の法律の違いなのか、よく分かりませんが、日本では考えられないような杜撰な一件ですね。


No.513 6点
麻耶雄嵩
(2013/11/24 14:38登録)
プロローグの2月17日朝刊「26日遺体発見」が矛盾しているで、どういうトリックを使うのか?で頭を使ってしまいました。本文で26日は16日の単なる誤植だったことが判明(苦笑、この時点でかなり興ざめ)。女性の存在(目次には載っているのですが・・・)は、物語の流れ・雰囲気を変えてしまったように思え、第2弾の興ざめとなってしまいました。ただ、2つの叙述は面白い試みであると思いました。エピローグでの一人とは、2つの事件が相似形であることより、○名(所在地)より判断すると○○であり、かつ○人であると推測しましたが、さてどうでしょうか・・・。


No.512 7点 海を見ないで陸を見よう
梶龍雄
(2013/11/21 20:07登録)
終戦直後の青春群像を描いた秀作。ミステリー的には、伏線の妙のお手本。


No.511 4点 グラン・ギニョール城
芦辺拓
(2013/11/19 09:49登録)
アイデアは面白かったが、作中作が全然つまらない。3つの事件の伏線は弱いし、真相はかなり無理がある。叙述部分は、アンフェア、また犯人が欧米人に理解できる?といった感想。そんな内容なので、オチは本人と、ファンに対し、失礼に当たるのではと思ってしまいました。


No.510 7点 Killer X
クイーン兄弟
(2013/11/18 12:01登録)
黒田研二氏と二階堂黎人氏のお得意なところ(前者・叙述もの、後者・フェアな伏線の提示・回収)をマッチさせた佳作だと思います。真相は複雑な展開で、少し混乱しますが楽しめました。「口絵代わりの抜粋シーン」ということで、殺人事件?が最初に提示されます。その後、無関係と思われる突き落とし事件が時々挿入され、後半は事件が次から次へと起き、目まぐるしい展開となります。雪山山荘、サプライズの仕掛けなど好みで高評価なのですが、一つだけ駄目な点(○○像)がありマイナス1となりました。


No.509 6点 オイディプスの報酬
リチャード・ニーリィ
(2013/11/15 20:57登録)
サスペンスとしては楽しめましたが、「ニーリィ節」炸裂とまでは言い難い作品でした。刑事が登場し、真相が明らかになるのですが、本格物ではないので推測にしか過ぎない点(刑事も同様に発言)が物足りなさを感じてしまいます。しかし、どこか崩れた人間を描くのがうまい作家ですね。これで翻訳7作品を読了。


No.508 6点 丹波家の殺人
折原一
(2013/11/13 14:34登録)
評価がそれほどでもないので、あまり期待はしていなかったのですが、予想以上に楽しめました。遺産相続に絡む人間模様の醜さ、何通かある遺言書の存在(中身の滑稽さ)、惨劇が最後には喜劇になってしまうあたりですね。雪密室を期待すると拍子抜けかもしれません(本作の方が1991年で先例ですが、1992年の「N」氏の作品を先に読んでいたため感動なし(苦笑))。密室より、大仕掛けなミスディレクションを楽しむほうがよいと思います。ラスト、二転三転するあたりは折原ワールドを楽しめました。特にエピローグ「ねえ、○○、何がおかしいの?」に思わずニヤリとしてしまいました。黒星警部の活躍はほとんどありません。「第一発見者、または使用人が犯人であってはならないルールがある」には笑えましたが・・・。


No.507 6点 レアンダの英雄
アンドリュウ・ガーヴ
(2013/11/12 16:38登録)
原題は「A HERO FOR LEANDA」、邦題より原題の方がしっくりしています。サスペンスより、冒険色の方が色濃い作品でした。主人公マイク(ヨットマン)とレアンダ(独立運動の英雄カステラを崇拝する女性・・・マイクの妻役(偽装))との関係(心理)をもう少し描いてくれたら、もっと楽しめたかな?。


No.506 7点 緑のカプセルの謎
ジョン・ディクスン・カー
(2013/11/08 17:22登録)
「心理学的手法による純粋推理小説」と銘打った本作。物語の展開、心理実験、警部の恋心など申し分なし。容疑者も4人と少なく、アリバイがある。さて・・・といったところですが・・・。減点要因は、子供の犠牲者が出た毒入り事件のトリックと、心理実験のカラクリの一部に好きでない部分があったことです。心理試験は本当に盲点でした(苦笑)。


No.505 7点 天啓の殺意
中町信
(2013/11/07 15:45登録)
作中で、「アクロイド殺し」や「Yの悲劇」に触れていたことに納得。本作のプロットの妙については、折原一氏の作品群よりも年代的に先行している点で評価したいと思います。


No.504 6点 完全犯罪に猫は何匹必要か?
東川篤哉
(2013/11/06 10:48登録)
450Pはちょっと長かった。もう少しコンパクトにならなかったのか?という印象。トリック、凶器のアイデアは十分楽しめたのでOK。ユーモア(ドタバタ調)は前2作からみると控えめな感じ?。しかし、葬儀での滑稽場面が伏線になる辺りは、さすが氏の本領発揮といったところですね。


No.503 6点 殺人方程式
グレゴリー・マクドナルド
(2013/10/23 12:47登録)
MWAの新人賞受賞作品(1975)。同ベスト100の第29位。ユーモアミステリ部門の第1位。新聞記者のフレッチは、麻薬ルートの解明のため、ある海岸に張り込んでいた。その時、見知らぬ男が自分を殺して欲しい、報酬は2万ドルと言ってきた。依頼を承知したフレッチは、男の周辺を調査するのだが・・・。テンポもよく、楽しめました。ユーモアミステリに分類されているようですが、ドタバタ調ではありません。


No.502 9点 葬儀を終えて
アガサ・クリスティー
(2013/10/21 17:59登録)
解説は折原一氏。氏のクリスティ・ベスト1とのこと。読み終わった瞬間、「さすがクリスティ、うまい!」と思いました。一氏のベスト10の中にも未読の作品があり、今後の楽しみとします。



                                                            (以下ネタバレあり・注意)自宅の近隣の夫人とは顔見知りで、挨拶をする程度です。仕事上、ある会社を訪問した時、女性から「○○さん」と声をかけられました。見ず知らずの女性なので、きょとんとしていると「お隣ですよ」と言われましたが、その段階でもまだわからず「△△ですよ」と名前を言われ、初めて近隣の夫人とわかりました。普段着とは違い制服を着ており、化粧も違い、まさかその会社にいるとは思いもよらなかったことから大変失礼なことをしてしまいました。こんな経験があるものですから、本作のプロットは許容範囲ですね(笑)。なにしろ、フェルメールですから、今だったら値段は見当もつきませんね。                                                                     


No.501 6点 七つの棺
折原一
(2013/10/20 19:53登録)
あとがきにあるように「折原一の出発点」の作品。「懐かしい密室」は、その後の氏の作品(叙述ミステリー)への片鱗が覗えました。密室もののパロディですが、原作を知らなくとも楽しめました。不可能性密室では「天外消失」、推理過程を楽しめたのは「脇本陣殺人事件」、オチが良かったのは「ディクスン・カーを読んだ男たち」。初登場の黒星警部が、密室好きではあるが、まだまだおとなしい(ドタバタ調ではない)感じで描かれていました。


No.500 8点 シャーロック・ホームズの冒険
アーサー・コナン・ドイル
(2013/10/19 10:56登録)
東西ミステリーベストの第3位、米ベストの第1位、英ベストの第21位。古典の評価は難しいですね。その時代の読者になって読もうとする一方、現在の自分がいるわけですから頭の切り替えがなかなかできません(苦笑)。現在の視点で読めば、有名作品の「赤毛組合」や「まだらの紐」などの結末は、かなり前段階でわかってしまいますし・・・。よって、歴史的意義や現代ミステリーへの影響度などを評価すべきだと思います。「・・・事件簿」の評価でも触れましたが、その中の「S事件」がクリスティ氏や横溝正史氏の代表作へ多大なる影響を与えているというように・・・。短編は大の苦手でなかなか食指が動かなかったのですが、500冊目の書評ということで、世界的に愛されている本書を選んでみました。


No.499 7点 密室に向かって撃て!
東川篤哉
(2013/10/18 11:59登録)
刑事のコンビ、探偵のコンビ、プラス2人のマドンナ?が織りなす天然ボケが受けます。展開がスピーディで読みやすいですね。A・C氏の「N」、A・B氏の「D」作品がヒントになっているようですが、真相のアイデア(伏線の回収は見事)は独自のものでは?と思います。十条寺さくらの恋の行方が気になったのですが、シリーズ4弾「交換殺人には向かない夜」(既読)に登場していたのですね。やはり、シリーズものは順番に読まなくては・・・(笑)。


No.498 5点 書斎の死体
アガサ・クリスティー
(2013/10/15 20:49登録)
米ベスト100のジャンル別(本格)10位。アガサ作品では「そして・・」(1位)「アクロイド」(2位)「オリエント」(6位)「書斎の死体」(10位)とベスト4にランクされています。どこが評価されているのか、よくわかりませんでした。日米の気質の差やユーモア感の差?またはマープル好き?・・・。マープルものは、ほとんど読んでいないのですが、どうも相性が良くないようです。あまり苦労せず、あっさりと推理してしまうので、緊迫感がないような気がします。短編向きの探偵役かもしれませんね。


No.497 6点 消失!
中西智明
(2013/10/13 18:01登録)
発表年代(歌野晶午氏、折原一氏のデビュー後、間もない頃)を考慮すれば、アイデアは素晴らしいと思います。ただ、このトリックを見破られないようにするには、やはり文章表現に難しいものがあり、無理があると思いました。私的には、ミッシングリンクの真相の方が気に入っています。評価が分かれても致し方ない作品といった感じですね。

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