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ミステリの祭典

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丹波家の殺人
黒星警部シリーズ 旧題『丹波家殺人事件』

作家 折原一
出版日1991年03月
平均点5.12点
書評数8人

No.8 7点 測量ボ-イ
(2022/01/22 16:17登録)
氏の作品と言えば、つい○○トリックと連想しますが、これは古式ゆかしい正統ミステリーですね。
この話しがもし閉鎖的な村なら、これはもう横溝の世界、十分楽しめました。
従い、採点も甘めで。

(少しネタバレ)
密室殺人めいたのが3つあります。
最初のトリックは僕には既視感がなく、かなり斬新。
2つめのは、雪の足跡トリック。海外の古典名作である、
○い○○の殺人に少し似てる?

No.7 6点 ミステリ初心者
(2020/05/21 18:30登録)
ネタバレをしています。

 光文社文庫の割と新しいのを購入しましたが、シリーズ④と書いてあります。wikiをみると黄色館の秘密よりも早く出版されているのですが、この順番で正しいのでしょうか(笑)。
 ちょっと間抜けでおもしろい黒星警部が魅力のシリーズで、本作もとても読みやすかったです。丹波家の人々が竜造の遺産を巡って争い、その中での連続殺人という、横溝作品のような良い雰囲気があります(笑)。こういう展開は何度読んでも飽きませんね。

 今回も密室が多数存在します。末子殺しの密室はなかなか考えてしまいました。私は神谷が犯人かと思い、ミスリードに引っかかってしまいました(笑)。千春と共犯や、リエの本当の父親なのかと妄想していました(整合性とかの検証は全くしてません(笑))。末子殺しの足跡のトリックは、他の作品で見ました。その作品は大好きなのですが、本作のほうが早く世に出ているということに驚きました! また、途中に挿入される殺人者の独白もよいヒントと伏線であったと思います。

 好みではなかった部分
・虹子が出ない(涙)。部下の竹内も悪くないのですが、やはり黒星警部とのコンビは虹子が一番です。探偵役は最終的にリエということになるのでしょうが、リエは丹波家であり、まじめな性格なので作風もまじめになってしまいました。個人的にこのシリーズにはユーモアも期待していたので、ここは残念です。
・密室事件は多かったが、末子殺し以外はあまり価値を感じませんでした。健太郎殺しについては、電気による外部からの犯行…という密室をたびたび見ますが、これって本当に殺せるものなのでしょうかね(笑)。まあ本作はいたずら程度だったようですし、それが犯人の独白で明らかになっているのですぐわかりましたが…。そして涼はただの自殺。

 この作品でシリーズ長編が出てない…ということは黒星警部シリーズはもう出ないのでしょうか(涙)。

No.6 4点 ボナンザ
(2019/05/06 20:31登録)
多分誰が犯人でも意外性がない。いつも通り真相の二転三転があるが、いつもいつもこれをやられると残りページ数から展開が読めてしまうのが残念。

No.5 6点 蟷螂の斧
(2013/11/13 14:34登録)
評価がそれほどでもないので、あまり期待はしていなかったのですが、予想以上に楽しめました。遺産相続に絡む人間模様の醜さ、何通かある遺言書の存在(中身の滑稽さ)、惨劇が最後には喜劇になってしまうあたりですね。雪密室を期待すると拍子抜けかもしれません(本作の方が1991年で先例ですが、1992年の「N」氏の作品を先に読んでいたため感動なし(苦笑))。密室より、大仕掛けなミスディレクションを楽しむほうがよいと思います。ラスト、二転三転するあたりは折原ワールドを楽しめました。特にエピローグ「ねえ、○○、何がおかしいの?」に思わずニヤリとしてしまいました。黒星警部の活躍はほとんどありません。「第一発見者、または使用人が犯人であってはならないルールがある」には笑えましたが・・・。

No.4 6点 nukkam
(2011/05/06 08:06登録)
(ネタバレなしです) 1991年発表の黒星警部シリーズ第3作ではありますが丹波家の人々の描写が中心で黒星の登場場面が少ないためかユーモアがほとんどないのが珍しいといえば珍しいです。ユーモア不足は通常なら弱点ではないのですけれど、このシリーズが好きな読者には物足りなく感じるかもしれません。もっとも丹波家の描写も意外とあっさりしていて、個性が記憶に残りません。その分すらすらと読めるのですから一長一短かもしれませんが。本格派推理小説としてはどんでん返しの謎解きが効果的で、密室トリックもややご都合主義的なところもあるけれど十分に合理的だと思います。

No.3 5点 makomako
(2010/05/19 10:58登録)
 折原一の凝った作品はマニア以外はなかなか読み難いと思うが、黒星警部シリーズは軽い内容で誰でも比較的読みやすい。しかしこの作品は残念ながらあまり軽くもなく本格としてそれほど凝った内容でもなく中途半端な感じがした。悪くも無いがよくもない。
 作者はしばしば作品名を改題するため、私などは新しい作品として買って読むと実が昔読んだ内容であったことが何度かある。この各品もそのひとつでどうも読んだことがあると思っていたらやっぱり改題したものであった。買う前にちょっと見ればすぐ分かるのではあるが。これもトリックの一種?

No.2 4点 E-BANKER
(2010/01/27 21:36登録)
黒星警部シリーズ。
これはまさにイマイチですねぇ。黒星警部シリーズ中でも面白くない部類でしょう。
巻頭、思わせぶりに家系図が挿んであり、さもドロドロした一家連続殺人事件を想起させますが、まともなトリックは1つもありません。(あえて言えば、いわゆる足跡のない殺人でのトリックですが・・・)
ラストもドンデン返しというほどではないので、あまり気合を入れて読んでいると、肩透かしを食うかもしれません。
動機もなぁ・・・弱いよなぁ・・・

No.1 3点 Tetchy
(2005/07/16 23:29登録)
内容は2時間サスペンスドラマの域を越えない陳腐なもの。
犯人、というか事件の黒幕的存在も途中で判ったし、それも戦慄を憶えさせるような余韻を残す内容ではない。
どんでん返しがどんでん返しになっておらず、ミステリに日頃触れない人たちならばある程度満足できたであろう内容だ。

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