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ミステリの祭典

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殺人方程式
フレッチ/改題『フレッチ 殺人方程式』

作家 グレゴリー・マクドナルド
出版日1977年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 蟷螂の斧
(2013/10/23 12:47登録)
MWAの新人賞受賞作品(1975)。同ベスト100の第29位。ユーモアミステリ部門の第1位。新聞記者のフレッチは、麻薬ルートの解明のため、ある海岸に張り込んでいた。その時、見知らぬ男が自分を殺して欲しい、報酬は2万ドルと言ってきた。依頼を承知したフレッチは、男の周辺を調査するのだが・・・。テンポもよく、楽しめました。ユーモアミステリに分類されているようですが、ドタバタ調ではありません。

No.1 7点 mini
(2010/04/09 10:03登録)
ロス・マクドナルド、フィリップ・マクドナルド、ジョン・D・マクドナルド以外に第4のマクドナルドがグレゴリー・マクドナルドである

MWA賞にはペイパーバック賞という部門がある
出版社が気合を入れて発行する作品は、まずハードカバーで出して後にペイパーバック叢書で再度出版される
まあ要するに日本で言うところの文庫化だな
それに対して最初からペイパーバック書き下ろしとして出た作品に与えられるのがペイパーバック賞だ
つまりアメリカでは、後に文庫化しても最初はハードカバーで出た作品と、最初から文庫で出た作品とでは与える賞も違うのだ
過去のペイパーバック賞受賞作を概観すると、何となく作家の顔触れもB級っぽい
日本でも知られているところだとデアンドリアの「ホッグ」とか、キース・ピータースン「夏の稲妻」、L・A・モース、リザ・スコットライン、ハーラン・コーベン、ローラ・リップマンらの名前がある
デアンドリアのような二流作家が受賞しているのはなるほどペイパーバック賞らしい
デアンドリアは前年にマットコブもののデビュー作で新人賞にあたるMWA処女長編賞も受賞しているが、グレゴリー・マクドナルドも同じパターンなのである
フレッチシリーズの第1作で処女長編賞、翌年に第2作でペイパーバック賞受賞だ
しかしデアンドリアとは才能が違う
それはこのデビュー作を読めば一目瞭然で、巧妙なプロットといいベテラン作家かと思うほどだ
シリーズの主役フレッチは新聞記者で、キース・ピータースンのウェルズものを思わせるが、ウェルズもののような読んでて読者側が恥ずかしくなるようなクサい芝居みたいな感じはなく、もっとドライでお調子者で軽妙なのだ
それにしても角川文庫は邦訳題名の付け方の拙さには定評があるが、原題はシンプルにfletchだぜ、ダサくて余計な副題を追加しやがって

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