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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1676件

プロフィール| 書評

No.1656 5点 バニー・レークは行方不明
イヴリン・パイパー
(2024/10/24 20:58登録)
娘が保育園から消えた。事故?誘拐?。話が進むにつれ、主人公の母親の妄想ではないかと思われるようなことが多く描かれる。猫が出てきたので、娘ではなく猫が行方不明という叙述もの?なんて思ったり(笑)。1956年の作品なので、まだ叙述はないか…。母親が精神的に追い詰められていく様子はうまく描かれています。ラストで超有名作の短篇をなぞり「決断しろ」には、思わずニヤリ。


No.1655 5点 四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング
早坂吝
(2024/10/18 06:50登録)
SFミステリーとしての新感覚さはあると思いますが、犯人の設定、館の構造など、ここまでくると何でもありになってしまう。肯定派が多いのかな?。私は受け付けない派タイプ。残念。


No.1654 7点 ギャルトン事件
ロス・マクドナルド
(2024/10/11 08:11登録)
首無しの白骨体発見(何故、首無し)と孫息子への疑惑(根拠の乏しい感?)が気になってしまいました。まあ、ハード・ボイルドなので軽く読み流せばよかったなと後悔(笑)。プロットはよく練られていると思います。ただ、ギャング仲間の関係は省略した方が、物語はわかりやすいとは思いました。


No.1653 6点 ロールスロイスに銀の銃
チェスター・ハイムズ
(2024/09/24 20:42登録)
「墓掘り」「棺桶」と呼ばれる二人の黒人刑事。上司の命令には従わないし、勝手に逮捕者を泳がしたりと好き放題。白人が黒人を殺害しても罪にならないとの文があり、「えっ?」と思ったがそんな時代を描かいた作品なのか?(発表は1965年)。アメリカンジョークがちりばめられていますが、イマイチ理解できない(苦笑)。だが、ラストは笑えます。


No.1652 5点 切断島の殺戮理論
森晶麿
(2024/09/09 15:09登録)
(ネタバレしています)



今、流行りの特殊設定もの。高評価の皆さま申し訳ございません。私には体質的に受けつけない作品でした。アレルギー源(3点セット)の揃い踏み(苦笑)。読み終わって3作品を思い出しました。「ダレカガナカニイル」井上夢人(人格もの~評価3点)「毒入りチョコレート事件」アントニイ・バークリー(多重解決もの~5点)「火刑法廷」ジョン・ディクスン・カー(オカルトの可否~5点)。本サイトのジャンルは「本格/新本格」(投票は1票のみ)です。もし「ホラー」「SF/ファンタジー」であれば、その心づもりで読むので、主人公の当初の人格への違和感は許容できたはず。しかし、本格ものと思っているので、どうやって説明するのか気になって気になって仕方ない(笑)。途中で「ああ、これは完全にSFもの」と判明。それはいいとして、ラストがなんとも?!。これを受け付けつけられない私は少数派だとは思うのですが・・・。


No.1651 5点 ずっとお城で暮らしてる
シャーリイ・ジャクスン
(2024/09/02 17:18登録)
「くじ」の書評は、「オチのない短篇集」。本編も同様な印象。よって、結論。ミステリーとして読んではいけない作家さんですね。少女の病んだ心を延々と読まされ、それで?・・・。一番、驚いたのは姉の年齢(苦笑)。肌に合わず残念。


No.1650 7点 血の咆哮
ウィリアム・ケント・クルーガー
(2024/08/29 22:21登録)
三部構成のハードボイルドタッチの小説。2007年の作品なので、主題の息子捜し(第一部)はインターネットの検索で、呆気ないほど簡単に見つかってしまう(苦笑)。第二部が青春、恋愛、冒険小説。愛し合った二人(メルーとマリア)はある事件で離ればなれとなる。その後、事件が起きるのだが、その情報を教えたのがマリアでは?と疑心暗鬼になるメルー。第三部はエンタメ系となるが、切ない大人の物語も挿入されている。


No.1649 7点 地雷グリコ
青崎有吾
(2024/08/21 11:23登録)
①地雷グリコ 5点 「すごろく」で考え付いたら10点ですけど、まあ無理か。これは単に3の倍数だからね
②坊主衰弱 5点 昔からある〇〇〇〇ネタ。〇が好きな人はすぐわかる
③自由律ジャンケン 7点 3種プラス2種でのジャンケン。2種類の形を間違えると「空手」となり負ける。ルールをうまく使ったアイデアは想定外で楽しめた。また本作全体の意図が見え始める点が良い。ということは①②は小手調べと言う位置づけで、各短編としての評価ではなく、長編での評価としなければならないのかな?
④だるまさんがかぞえた 6点 早口、早歩き禁止。鬼(標的)は50文字以内、子(暗殺者)は40歩程度で5セット行なう。各回、文字数と歩数を記入する。同じ数の場合、次の賭け金は10倍。主人公は不利な子(暗殺者)を選んだ。スカッとしたオチではない
⑤フォールーム・ポーカー 9点 短篇のオチとしては本作がベストでしょう。緊迫感もあったし。ただ、一人称は1人だけにして欲しかった。「私」が3人も出てきて、ルールより、こっちの方がこんがらがったりして(笑)


No.1648 5点 血染めの鍵
エドガー・ウォーレス
(2024/08/18 18:22登録)
古典の物理的密室の嚆矢?。ロマンスもあり、決して面白くないわけではない。ただ、重要人物が知っていた重要事項を、どんでん返しにもってくれば、全然違った評価となった。あゝ、何とも勿体ない!!と思う次第。


No.1647 6点 「本当の自分」殺人事件
水木三甫
(2024/08/07 15:57登録)
ロアルド・ダール氏や阿刀田高氏を読んで、同じようなものを書いてみたいと思い作家になった旨。好みが一緒なので手に取ってみました。
①のぞみの結末 6点 あなたの望みを叶えますという手紙・・・愛憎劇。阿刀田氏がよく扱うモチーフ
②時間にまつわる物語 4点 時間を拾う看護師・・・辞書の「時間」。オチが今一つ
③雲を描く男 6点 絵の才能のある少年が選んだ職業は・・・伏線。わかりやす過ぎる
④不運な殺人者 7点 「私は殺される」という手紙を受け取った主人公は、差出人を尋ねるが・・・犯人判明後。ブラックな味わい
⑤未来から来た男 5点 人は死んだ後、別世界に行く。別世界からやって来た自分そっくりな人物は・・・新興宗教。ありがちなパターン
⑥「本当の自分」殺人事件 5点 12人も同姓同名の人物が殺された・・・動機。サイコ系の方が良かったかな?

④がベスト。全体にパンチ不足と感じた。まあ、短篇の名手と言われる前記二人と比べてしまうからなあ・・・。


No.1646 6点 華氏451度
レイ・ブラッドベリ
(2024/08/02 23:29登録)
ディストピアを描いているが、やや物足りない感じがした。それは、国民が政府によって洗脳されているという視点・観点が弱いからだと思う。同じディストピアならば「一九八四年」(ジョージ・オーウェル・1949年)に軍配を上げたい。また、なぜ「本」が必要なのかも響いてこなかった。やはり「聖書」なのか?。「世間では過去の人の言葉を有り難がって、書物を大切にしているが、言いたい究極のものは、決して他人に言葉では伝達できないものである」(荘子)これを論破して欲しかった(笑)。まあ、本書は想像力や思考力の欠如を指摘しているので、論点が違うと言えば違うのですが・・・。


No.1645 7点 暗殺
柴田哲孝
(2024/07/26 09:58登録)
今月は、安倍元総理の三回忌、アメリカではトランプ元大統領の暗殺未遂事件が発生。歴代指導者で、日本の首相が7人、アメリカ大統領4人が暗殺されています。本作・帯より~「元総理が凶弾に倒れ、その場にいた一人の男が捕まった。日本の未来を奪った2発の弾丸。本当に“彼”が、元総理を撃ったのか?」~前半はノンフィクション風な展開で、中盤から一記者が事件を追います。巷で指摘されている(本作もその立場)「警察の現場検証は事件発生から5日後まで行われなかった。」は「現場検証」と「実況見分」との違いを明確にしていないので誤誘導の可能性が高いです(苦笑)。いづれにせよ謎が多すぎる事件。裁判が早期に開かれ、様々な疑問点を明らかにして欲しいと願うばかり。


No.1644 8点 13・67
陳浩基
(2024/07/14 19:13登録)
①黒と白のあいだの真実 8点 末期がんの名刑事・クワンは、病室で機械に繋がれていた。彼は「Yes」「No」の意思だけは伝えることができる。病室に、ロー警部と経営者殺害事件の関係者5人が集まった・・・SFチックだが、出足好調
②任侠のジレンマ 9点 ロー警部はマフィア左漢強の一掃作戦に失敗。そんな中、左漢強が経営する芸能事務所の女性歌手が殺害された・・・大がかりな罠
③クワンのいちばん長い日 6点 硫酸バラマキ事件と脱走事件・・・犯人はここまでするかなあ?
④テミスの天秤 7点 警官が取り囲むビル。指名手配犯は逃亡しようとした。内通者がいたのだ・・・市民を巻きこんだ銃撃戦の裏
⑤借りた場所に 5点 香港警察のイギリス調査員の息子が誘拐された・・・振り回される警察
⑥借りた時間に 9点 雑貨屋で働く貧乏人の「私」は、隣人が爆破テロを企てていることを知る。警察に協力し推理する・・・若き時代~構図の妙

(余談)当サイトの「ランキングから探す」(海外、10件以上)のベスト100を本作でコンプしました。なお、国内はまだ未読24作品もあります。長篇、肌の合わない作者等なので、気力的にもう無理、諦めます(笑)。


No.1643 5点 シャーロック・ホームズの帰還
アーサー・コナン・ドイル
(2024/07/01 13:03登録)
①空き家の冒険 4点 ホームズの復活。宿敵の部下との対決・・・シャーロキアンではないので悪しからず
②ノーウッドの建築業者 2点 富豪が焼死。遺産を受け取ることになった弁護士が逮捕される・・・この時代でもこのトリック(指紋ではない方)はダメでしょう
③踊る人形 7点 人文字の暗号に怯える夫人。夫が殺され・・・評価は密室と銃声。暗号は興味なし
④孤独な自転車乗り 4点 自転車に乗る美女。あとをつけ狙う男・・・恋してしまった
⑤プライアリ・スクール 5点 公爵の息子がスクールから誘拐され、教師が殺害された・・・公爵の先妻の面影
⑥ブラック・ピーター 5点 銛で串刺しにされた元船長・・・現場の違和感
⑦恐喝王ミルヴァートン 3点 令嬢が恐喝され・・・復讐者
⑧六つのナポレオン像 4点 胸像が盗まれ破壊された・・・予想通りの展開(苦笑)
⑨三人の学生 4点 奨学金試験がカンニングされた・・・粘土の塊
⑩金縁の鼻眼鏡 5点 現場にあった証拠品・・・評判ほどでもなかった
⑪スリー・クォーターの失踪 5点 大事な試合の前に選手が失踪・・・結婚と相続
⑫アビイ屋敷 6点 夫が殺害された。夫人は縛られ、強盗が入ったと証言・・・罪を問わず
⑬第二のしみ 6点 秘密文書が盗まれた。容疑者が殺された・・・構図は⑦と同じ。ラストのユーモア「外交上の秘密」


No.1642 7点 ブラウン神父の不信
G・K・チェスタトン
(2024/06/26 20:13登録)
なんとも読みにくい文章。原文が長文や小難しい言い回しであったとしても、短文や、平易な文章にして読み易く訳して欲しいものです。
①ブラウン神父の復活 5点 神父が暴漢に襲われた・・・宗教的なことはよくわかりません
②天の矢 6点 塔の上の部屋で矢の刺さった死体。窓は開いていた。被害者は連続殺人者に狙われていた・・・どこから矢を放ったのか
③犬のお告げ 6点 飼い主が東屋で刺殺された。飼い犬は悲しげに遠吠えをあげた・・・準密室
④ムーン・クレサントの奇跡 6点 高層階の部屋から男が消えた。窓は開いていた・・・クリスティ氏の某作品でトリックに無理があるという書評が多かったような。本編の方が実行は更に難しい(笑)
⑤金の十字架の呪い 5点 金の十字架を手に入れた教授が謎の人物狙われ・・・犯人の目的がわかりません
⑥翼ある剣 8点 三兄弟の二人が殺された。残った一人は家にこもり身を護るが・・・雪の足跡
⑦ダーナウェイ家の呪い 9点 旧家にやって来た婚約者は、呪われた古い肖像画にそっくりであった・・・これぞ「逆転の発想」
⑧ギデオン・ワイズの亡霊 8点 三人の富豪が殺され、その一人が幽霊となって・・・わかりやすいが、発表された時代を考慮して


No.1641 9点 恐怖の谷
アーサー・コナン・ドイル
(2024/06/18 11:17登録)
「緋色の研究」、「バスカヴィル家の犬」の両作品は東西ミステリーベスト100に入っていますが、読後感はイマイチであった。それにひきかえ本作にはビックリ。この時代に放された二大トリック。トリック好きにはたまらない(笑)。小難しい理屈は抜きで、楽しめる作品。よって9点献上します。


No.1640 7点 犯罪
フェルディナント・フォン・シーラッハ
(2024/06/05 19:56登録)
(東西ミステリーベスト100の52位)
①フェーナー氏 8点 医師フェーナーは結婚。妻は「あたしを捨てないと誓って!」と叫ぶ。彼は誓った。それから約50年、彼は最後まで約束を守ろうとした・・・ラストはどう表現したらいいのだろう
②タナタ氏の茶盌 5点 三人組が日本人の実業家の家に盗みに入り、家宝の茶碗を盗み出した・・・恐ろしき日本人(笑)
③チェロ 7点 父は姉弟を厳しく育てた。二十歳のパーティで姉はチェロを弾き、弟は楽譜をめくった。その後、弟は事故で記憶喪失となる・・・家族の運命
④ハリネズミ 7点 9人兄弟のうち8人が犯罪者で、カリムだけは勉強ができた。兄の一人が窃盗罪で逮捕された。カリムは無罪にするため偽証する・・・似ている兄弟
⑤幸運 6点 彼女は自分のアパートで売春。その相手が死亡した。そこへ同棲中の彼が帰宅。彼のとった行動は・・・愛ゆえ
⑥サマータイム 10点 援交していた娘がホテルで惨殺された。殺害時刻は十五時二十六分頃。援交相手である実業家が逮捕された。彼は十四時半に客室を出たという・・・題名によるミスリードにまんまと引っかかりました(笑)
⑦正当防衛 6点 男は二人の暴漢に襲われるも返り討ちにして殺害してしまう・・・過剰防衛?
⑧緑 5点 少年は羊を数頭殺していた。少年が駅まで送っていった少女が行方不明に・・・失調症
⑨棘 6点 博物館の警備員は彫像「棘を抜く少年」の棘の行方が気になって・・・精神が壊れてゆく
⑩愛情 6点 恋人の背中にナイフで切り傷をつけた青年は動機を語らず・・・サガワ・イッセイ登場
⑪エチオピアの男 9点 銀行強盗をして海外に逃亡した男の物語・・・再犯の理由 
全編に「リンゴ」が出てきます。解説にある画家マグリットもリンゴの絵をたくさん書いています。ビートルズに影響を与えたとか。


No.1639 7点 闇の性
笹沢左保
(2024/05/28 17:05登録)
登場人物も少なく、単純な構造のサスペンスものと思っていたら大間違い。途中での予想も裏切られ、ラストで!!!。結構複雑な真相でした。それにしても、主人公(プレーボーイ)に虐げられている奥さんが「愛しているから離婚はしない」の理由がどうしても理解できなかったのですが、ラストで納得。


No.1638 4点 こころ
夏目漱石
(2024/05/25 14:39登録)
「文豪たちの怪しい宴」(鯨統一郎氏)にて本作がミステリーっぽく取り上げられています。それによれば、『巷では私と先生が○○関係との説があるようだが、本作は百合小説であり、更にクライム小説だ』ということです。この説はかなり無理があるので、新解釈と言うより著者の創作といって良いでしょう。創作自体は面白かったですよ。さて、本作をミステリーとして、どう読むか?。まあ、プロバビリティの犯罪と解釈することは可能だと思いますが、かなり苦しい解釈(笑)。あとは心理ミステリー。これも苦しいかな。Kがそんなことで死ぬのか?と多くの方が考えると思いますが、現実にはありますね。余談ですが、先生の奥さんの名が「静」。子供にその名をと提案したら却下されたことを思い出しました。吉田拓郎さんの隠れた名曲「静(花酔曲)」から採ったんですが・・・


No.1637 5点 最後の審判の巨匠
レオ・ペルッツ
(2024/05/19 15:33登録)
「重要な先駆」とバウチャーが賞揚とありますが、前例とも言えないレベルですね。まず、ミステリーではないと著者が言っているわけですから、トリック云々の論議の対象となりません(苦笑)。谷崎潤一郎氏の某作も同様でしたが・・・。「僕は巻き込まれた悲惨な事件の一部始終を書き終えた。嘘は一言もない。省略も隠蔽もない。」から始まるのですが、途中、幻想やら、怪物が犯人だと探偵役が言い出したり、わけが分らなくなってきます。ミステリーとして期待したので、評価はこの程度。

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