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ミステリの祭典

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四元館の殺人―探偵AIのリアル・ディープラーニング
探偵AI

作家 早坂吝
出版日2021年06月
平均点7.67点
書評数3人

No.3 7点 人並由真
(2022/02/22 05:37登録)
(ネタバレなし)
 驚愕の大ネタは、それなりに以前に刊行された某作品に、先例がアリ(汗)。
 ただし(早坂センセが、その前例を知っていたかどうかは不明だが)後出しの分、料理の仕方は今回のほうがこなれていると思う。何より本シリーズの作風には合っている。

 素で驚くことができていれば、十分に8点だったが、もしかしたら作者が先駆作を知らないでドヤ顔で書いてしまった可能性を踏まえて、この評点で。それでも自分なりにデリケートな採点のつもりです(笑・汗)

 とはいえ、その大ネタ以外の部分でも、いろいろ得点はしている作品ではある。それは認める。ある意味ではくだんの大ネタよりも、物語全体の事件の流れの方が気に入った。

 で、ちょっとだけ気になったのは、特異な血痕が残った経緯。そんなにうまく(中略)ものかな。
 いや、絶対にありえないこととはいえないから、いいのか?

 余計なことを書いちゃったりするとマズイので、今回はこの辺で(笑)。

No.2 8点 メルカトル
(2022/02/02 22:34登録)
今度の舞台は雪山の館。驚天動地の犯人、爆誕⁉
「犯罪オークションへようこそ! 」 犯人のAI・以相(いあ)が電脳空間で開催した闇オークション、落札したのは、従姉を何者かに殺され、復讐のための殺人を叶えたいというひとりの少女だった!?以相による殺意の連鎖を食い止めるべく、探偵のAI・相以(あい)と助手の輔(たすく)がわずかな手がかりを元に辿り着いたのは――雪山に佇む奇怪な館「四元館(よんげんかん)」だった。そこに住まう奇妙な四元(よつもと)一族と、次々巻き起こる不可思議な変死事件……人工知能の推理が解き明かす前代未聞の「犯人」とは!? 本格ミステリの奇才が“館ミステリ"の新たなる地平を鮮烈に切り開く、傑作長編。
Amazon内容紹介より。

雪の密室、奇矯な建築家が設計した、人里離れた山中の館、そこに住まう怪し過ぎる人々、そして連続殺人。如何にもな館ミステリの王道を往くのかと思いきや・・・。
古色蒼然とした本格物でありながら、新しい要素を取り入れることにより、これまでのミステリと一線を画す作品になっていると思います。本シリーズでは勿論お得意のエロは封印されており、真面目なミステリとしての、又新たな試みに挑戦し続ける作者の矜持の様なものがひしひしと感じられます。

そして究極のフーダニットとして私は評価したいと思います。伏線はそこここに張られており、決してアンフェアとは言えないでしょう。一人でも多くの人に読んで欲しいですね。でもくれぐれも壁に叩き付けない様にね。

No.1 8点 虫暮部
(2021/12/02 11:16登録)
 意外と古式ゆかしい館モノ、と騙されかかったが、探偵AIなんて基本設定がそれで済ます筈は無い。まだあった“意外な犯人”! 竹筒を使ったトリックは改良の余地がありそう。

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