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ミステリの祭典

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バニー・レークは行方不明

作家 イヴリン・パイパー
出版日2003年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 蟷螂の斧
(2024/10/24 20:58登録)
娘が保育園から消えた。事故?誘拐?。話が進むにつれ、主人公の母親の妄想ではないかと思われるようなことが多く描かれる。猫が出てきたので、娘ではなく猫が行方不明という叙述もの?なんて思ったり(笑)。1956年の作品なので、まだ叙述はないか…。母親が精神的に追い詰められていく様子はうまく描かれています。ラストで超有名作の短篇をなぞり「決断しろ」には、思わずニヤリ。

No.1 7点 こう
(2008/09/03 00:08登録)
 幻の女の幼女版の珍品です。
 シングルマザーのブランチが保育園に娘バニーを預け、仕事場に向かう。仕事場から迎えにゆくと娘はおらず誰も娘を見ていない。警察に駆け込むが、逆に狂人の妄想扱いされて、というストーリーです。
 母親の狂気がよく描かれ、本当にいなくなったのか、あるいは妄想なのかも読者にはっきりわからない書かれ方をされております。
 真相、というか落ちは個人的にはなくてもよいといえるほど「前半名作」な出来だと思います。真相は個人的には1957年作とは言えそううまくいくはずがない、と思える出来でしたが前半部分だけでも収穫でした。
 ポケミスですが現在でも新書で簡単に手に入ります。但し珍品なためそのうち絶版になると思いますので一読をお薦めします。
 尚パリ万博での失踪話「消えた貴婦人」のネタばれが作中でされています。

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