天涯の砦 |
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作家 | 小川一水 |
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出版日 | 2006年08月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 6点 | 蟷螂の斧 | |
(2024/11/07 21:48登録) 宇宙ステーションの平面図等はあるが、構造がなかなか理解できなかった(苦笑)。前半はやや冗長であったが、後半は、ほろりとする場面や活劇もあり楽しめた。真空状態の様子は、良く描かれていると思います。また、単なる脱出ものではなく、異質な登場人物が複雑に絡みあっている物語性は評価したい。 |
No.1 | 8点 | 糸色女少 | |
(2024/08/24 21:52登録) 高軌道宇宙ステーション望天で起こった爆破事故によって、閉鎖環境下に閉じ込められてしまった十人のサバイバルを描き出す、ハードSF&サスペンス。 酸素は限られ、内部に生存者がいることさえも伝えられない極限状況下。その上、生存者は偏屈な医者、エゴイストの女、変わり者の制御環境科学者と癖のある者ばかりで、中には今回の事件の関係者と思われる人物もいる。 度重なる気密破戒によって環境は悪化し、一人また一人と死者が増える中、空気に食料、宇宙服をかき集め、通信手段を模索していった過程を、科学的にほぼ正確に描いていく。二十一世紀末が舞台で、未来の宇宙建造物や、月社会と地球社会の対立といった側面も書き込まれていて、サスペンスだけでなくSF的にも素晴らしい。 |