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ミステリの祭典

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真夜中のマリオネット

作家 知念実希人
出版日2021年12月
平均点6.75点
書評数4人

No.4 8点 蟷螂の斧
(2024/10/27 17:44登録)
いかに落とし前をつけるかが勝負のストーリー。最後の一行、サイコ系、アリバイ、フェイクなどプロットはよく練られている。新宿の裏びれたビルに住む住人。薬漬けの家出少女、DV被害者、店から逃げ出した風俗嬢など。美貌の少年は自分の身体を売った金で、彼女らを援助している。成程。うまい!。

No.3 6点 文生
(2022/06/09 10:59登録)
いかにもライトユーザー向けで、マニアックな面白さに満ちていた『硝子の塔の殺人』と比べるとものたりません。しかし、テンポ良く起伏のある展開、読者の興味を持続させるためのサスペンス、終盤の二転三転といった具合にそつのない作りはさすがです。
暇つぶしには最適な、売れっ子作家のお手本のような作品。

No.2 8点 sophia
(2022/03/16 01:12登録)
ネタバレあり

「私が救ったのは天使か悪魔か」という大きな柱を崩しちゃった割には真犯人の意外性に乏しい。これは完全に「悪魔」のパターンでしょ、とんだ竜頭蛇尾だと思っていたらエピローグ・・・。「硝子の塔の殺人」のヒットで脂の乗り切った知念実希人という作家を見くびっていました。すみません。世間でも賛否がはっきり分かれているようですが、まあよく出来ている作品だと思いますよ。映画「セブン」並みに後味が悪いです。しかしここまで行くと逆に清々しいのです(笑)

No.1 5点 HORNET
(2022/02/23 23:47登録)
 半年前に婚約者を殺された救急救命医、小松秋穂。彼を殺したのは、世間を騒がせる連続殺人鬼「真夜中の解体魔」だった。失意から前を向こうと勤務に復帰した秋穂のもとに、ある晩救急搬送で少年が運ばれてきた。必死の治療で少年の一命をとりとめる秋穂。ところが少年は、警察が追っている「真夜中の解体魔」の容疑者だった―。秋穂に冤罪を訴える少年。やがて秋穂は少年の無実を信じ、真相解明に乗り出す―

 よく言えば読み進めやすく、悪く言えばややチープな印象。真犯人なのか、冤罪なのか?定かではない状況でありながら、次第に美少年に籠絡されていく主人公の様はあまり気持ちよくはなかった。
 J.ディーヴァーばりに2度のどんでん返しがあるが、どちらも予想の範疇で、「まぁ、やっぱりそうか」が素直な感想。決して悪くはないが、氏の作品の中では埋没しそう。

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