home

ミステリの祭典

login
蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1691件

プロフィール| 書評

No.1351 6点 告訴せず
松本清張
(2020/08/01 13:44登録)
主人公と温泉旅館の女中・お篠との出会いは、「飢餓海峡」(1963年水上勉氏)を彷彿させます。また「赤いダイヤ」(1962年梶山 季之氏)を意識してか?前半はかなり「小豆相場」にページを割いています。株やFXなど相場に興味のある方は楽しめるかも。しかし、その結果、後半のエピソードや解決篇がやや大雑把になってしまった印象を受けました。そういえば、昔、金融機関では偽名預金もOKだったんですね。


【ネタバレ】記憶喪失のエピソードはトリックとしても面白かったので、もう少し騙し合いの場面を見てみたかった(笑)。


No.1350 6点 ポオ小説全集2
エドガー・アラン・ポー
(2020/07/29 19:46登録)
ポオ小説全集4冊の再読完了。結構時間がかかりました。やはり全体的には難解なものが多かったという印象です。
①ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語 7点 冒険譚で楽しめましたが終わり方に?マーク
②沈黙 5点 岩に書かれた文字が変わる? 理解力不足でよくわかりません(苦笑)。余談~沼地の睡蓮(スイレン)とありますが蓮(ハス)の誤りだと思います。
③ジューリアス・ロドマンの日記 5点 本作は中編ですが、プロットが似ている冒険譚(短篇)がありましたね。
④群集の人 6点 何ということがないストーリーなのですが、不気味。これも難解。
⑤煙に巻く 6点 ユーモア系 マニアほど騙しやすい?
⑥チビのフランス人は、なぜ手に吊繃帯をしているのか? 6点 コント風 題名の理由が笑えます。


No.1349 7点 幻の彼女
酒本歩
(2020/07/24 20:31登録)
「BOOK」データベースより~『ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。』~

トリックは近未来を見据えた新機軸と言っていいでしょう。重いテーマですけれど、さらっとした文章で読み易いですね。読み終わったあとで、表紙をじっくりと見ると、”ああ成程なあ”と思うのであります(笑)。


No.1348 6点 ふたたび嗤う淑女
中山七里
(2020/07/23 10:38登録)
「BOOK」データベースより~『類い稀な話術で唆し、餌食となった者の人生を狂わせる―「蒲生美智留」が世間を震撼させた凶悪事件から三年。「野々宮恭子」と名乗る美貌の投資アドバイザーが現れた。国会議員・柳井耕一郎の資金団体で事務局長を務める藤沢優美は恭子の指南を受け、資金の不正運用に手を染めるが…史上最恐、完全無欠の悪女ミステリー!』~

野々宮恭子が議員の柳井を狙う目的は金銭や復讐ではないのか???。このあたりが不気味ではあった。どんでん返しは、まったく考えてもいないことだったが、第一作よりは小粒。まあ、ある人物の活躍が目立ってはいたのだが・・・(笑)


No.1347 7点 嗤う淑女
中山七里
(2020/07/23 10:32登録)
小説なんぞ、それぞれの専門分野の方が読めば、穴があるのは承知の上。そういう意味では第2章などは穴だらけ(笑)。しかしエンタメ系に関しては細かいことは全く気にしない。楽しめるかどうかの問題。といっても第1章は嫌悪感のある性的虐待を扱っており、読者を選ぶ題材であることには違いない。まあ、ヒロインがエンタメ系らしい悪女で魅力的、そしてどんでん返しが・・・といったところ。


No.1346 7点 黄金の13/現代篇
アンソロジー(海外編集者)
(2020/07/17 17:26登録)
①「戦士の星」マンリイ・ウェイド・ウェルマン 6点 民族の歌を得ようと、3人の歌手に近づき殺された艶女。インディアンの風習が決め手?
②「名探偵、合衆国大統領」H・F・ハード 8点 北極の氷が溶け、領土が狭くなることを懸念する大統領。彼のとった戦略は?SF的であるが発想が面白い。
③「裁きに数字なし」アルフレッド・セグレ 4点 賭け事と首なし死体の取り合わせだが意味不明の小説。これが年間のベスト?
④「幸福なるかな、柔和なる者」ジョルジュ・シムノン 8点 懸賞金付き殺人事件。主人公は犯人を知るが、証拠を示せないので焦るのだが。
⑤「パリから来た紳士」ジョン・ディクスン・カー 6点 遺言状の隠し場所をのん兵衛が推理する。
⑥「敵」シャーロット・アームストロング 7点 子供たちが犬が毒殺されたと騒いでいる。その顛末は?
⑦「アデスタを吹く冷たい風」トマス・フラナガン 5点 別途書評済み
⑧「追うものと追われるもの」スティーヴ・フレイジー 5点 森へ逃げ込んだ脱獄囚を捜索隊が追う。捜査隊の一人は囚人を狩ることしか頭にない男。
⑨「二重像」ロイ・ヴィガーズ 8点 夫とそっくりな人物が現れた。夫は双子であるが、片方は死んでいるという・・・。
⑩「決断の時」スタンリイ・エリン 9点 自信家ヒューの前に引退した奇術師が現れる。ヒューは彼に挑戦状(賭け)を突きつける・・・。リドル・ストーリー。表面上は負け、実質は勝ちという結末を大発見(笑)
⑪「黒い小猫」A・H・Z・カー 6点 愛娘が飼っている猫を誤って殺してしまったやもめの牧師の心情。ミステリーか?
⑫「物は証言できない」エイヴラム・デイヴイッドスン 5点 奴隷に証言を求めるが・・・。
⑬「一滴の血」コーネル・ウールリッチ 9点 本短篇集のマイベスト。完全犯罪のはずが・・・。短篇「砂時計の伝言」(法月綸太郎)は本作のオマージュ。


No.1345 6点 死が最後にやってくる
アガサ・クリスティー
(2020/07/10 20:33登録)
ロマンスの行方は予想できましたが、犯人は分からずじまい。古代エジプトが舞台なので、犯人にはそんなに悪知恵はないだろうとの思い込みが敗因でした(笑)。ラストはほのぼの感に満たされています。こういうのに弱いんです。なお、裏表紙にある重要事件がすぐ起きるものと思ったら、全頁の五分の二まで起こりませんでした。よって、かなり無神経なネタバレであると思います。


No.1344 7点 愛国殺人
アガサ・クリスティー
(2020/07/05 17:40登録)
本書は江戸川乱歩が選んだクリスティ作品ベスト8の一冊。「惜しげもなく大胆なトリックをいくつも織り込んだ、よく考えられた複雑な筋」と絶賛しています。何気なく読むと、大したトリックでもないような気がしますが、実は一点一点よく見ていくと本当に手の込んだトリックと分かります。

ベスト8(マイ評価・本サイト平均点)
「そして誰もいなくなった」(10点 8.67点)
「白昼の悪魔」(7点 7.08点)
「三幕の殺人」(5点 6.27点)
「愛国殺人」(7点 5.67点)
「アクロイド殺し」(10点 7.83点)
「ゼロ時間へ」(8点 6.38点)
「シタフォードの秘密」(6点 5.20点)
「予告殺人」(5点 5.74点)


【ネタバレ】
邦題は米国版「The Patriotic Murders」より。ダブルミーニングで大変良いと思います。


No.1343 6点 赤い部屋異聞
法月綸太郎
(2020/07/02 19:09登録)
「赤い部屋異聞」・・・7点 オチは面白いが、説明がややクドいかな。「赤い部屋」(江戸川乱歩)
「砂時計の伝言」・・・6点 わかるはずのないダイイングメッセージだが警察のお手柄で。「一滴の血」(コーネル・ウールリッチ)
「続・夢判断」・・・・7点 思わず笑ってしまうブラックユーモア。「夢判断」(ジョン・コリア)
「対位法」・・・・・・5点 作中の人物が・・・メタミステリー。「続いている公園」(フリオ・コルタサル)
「まよい猫」・・・・・5点 前半の描き方がうまくないのでラストの効果が半減。「元犬」(落語)
「葬式がえり」・・・・5点 人気があるようですが、あまりインパクトがなかった(苦笑)。「小豆とぎ橋?」(ハーン?)
「最後の一撃」・・・・6点 クイーン好きにはお勧め?「馬をのみこんだ男」(クレイグ・ライス)
「だまし舟」・・・・・7点 恐ろしくて半分までしか読めない本?「阿蘭陀すてれん」(都筑道夫)
「迷探偵誕生」・・・・6点 悪魔との契約で最終的に望むものは?「洋梨形の男」(ジョージ・マーティン)


No.1342 5点 アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
フィリップ・K・ディック
(2020/06/29 23:05登録)
映画「ブレードランナー」は、SF映画ベスト100(情報誌Time Outロンドン版2014年)の第2位、史上最高の映画500(エンパイア誌2008年)の第20位と名作なのですが、主人公がレプリカント(小説はアンドロイド)に惚れてしまう物語という程度の記憶しか残っていません(苦笑)。本作は映画の原作というより、「原案」と言った方がよいのかも。アンドロイドは殺人を犯し地球にやってきたのですが、どうして殺人を犯してしまったのか説明がされていません。単純に奴隷からのがれるためだけでは短絡的過ぎませんか?。よって、残念ながらアンドロイドに感情移入できませんでした。殺人が出来ないようにプログラムすればいいだけの話なのに、まだ殺人ができる次世代のアンドロイドを製作中というのです。この辺がよく分かりませんでした。映画の方がアンドロイドを愛してしまう人間性を描いているという点では上回っているような気がしました。

(参考)SF映画ベスト100の上位10作品(*は2008年、英国「エンパイア」の映画ベスト500)
1位「2001年宇宙の旅」(1968)(*16位)
2位「ブレードランナー」(1982)(*20位)
3位「エイリアン」(1979)(*33位)
4位「未知との遭遇」(1977)(*59位)
5位「エイリアン2」(1986)(*30位)
6位「スター・ウォーズ」(1977)(*22位)
7位「未来世紀ブラジル」(1985)(*83位)
8位「メトロポリス(1926)(*-)
9位「ターミネーター」(1984)(*308位)
10位「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」(1980)(*3位)


No.1341 3点 湘南アイデンティティ
西村京太郎
(2020/06/26 20:30登録)
裏表紙より~『小田原に住み、湘南ライナーで新橋の経済研究所に通勤する武藤の前に現れた美女・小早川恵。彼女は武藤に、週に一度、平塚にある自分のマンションで一夜をともにしてほしい、ただしセックスは抜きで、と持ちかける。恵はこうして、川上、大杉、岸川、仲という湘南に住む五人の三十代エリートに声をかけ、それぞれ月曜日から金曜日まで「一夜同棲契約」を結ぶ。岸川の美人秘書が殺され、捜査に乗り出した十津川警部の元に、恵と男たちの奇妙な関係を記した報告書が届く。一方、恵の魅力に翻弄された岸川は、他の男たちに恵をレイプしようと持ちかける。 』~

折原一氏の小説(天井裏の散歩者、奇術者あたり)を読んでいるような気になりました。彼女の争奪戦です。もちろん叙述ものではありません。ところが十津川警部登場にもかかわらず、肝心の推理も捜査も何にもないのです(苦笑)。謎といえば誰が興信所へ調査を依頼したか程度。これも見え見えで・・・。残念至極。


No.1340 8点 猿の惑星
ピエール・ブール
(2020/06/24 11:53登録)
映画のラストはインパクトがありました。SF映画マイベストの第4位です。しかし、当時そのラストは何か釈然としないものがありました。それは今の推理小説における叙述に出会ったような感じといえます。今では叙述大好き人間ですが、当時は何か騙されたという印象がありました(笑)。その点、小説は論理的にも納得性充分で満足です。もし、映画を観ていなければ、もっと高評価だったかも?。
SF映画マイベスト8 
1位 2001年宇宙の旅(1968)(*16位)
2位 エイリアン2(1986)(*30位)
3位 遊星からの物体X(1982)(*289位)
4位 猿の惑星(1968)(*350位) 
5位 スター・ウォーズ(1977)(*22位) 
6位 ターミネーター(1984)(*308位) 
7位 バック・トゥ・ザ・フューチャー(1985)(*23位) 
8位 インデペンデンス・デイ(1996)(-)
(*順位は2008年、英国「エンパイア」の映画ベスト500による)


No.1339 7点 2001年宇宙の旅
アーサー・C・クラーク
(2020/06/21 20:37登録)
裏表紙より~『三百万年前の地球に出現した謎の石板は、原始的な道具も知らないヒトザルたちに何をしたのか。月面で発見された同種の石板は、人類に何を意味しているのか。宇宙船ディスカバリー号のコンピュータ、ハル9000はなぜ人類に反乱を起こしたのか。唯一の生存者ボーマンはどこに行き、何に出会い、何に変貌したのか…。』~
不朽の名作であるSF映画(スタンリー・キューンブリック監督1968年)の原作。映画は難解でした。原作により、ある程度、不明だった謎は理解することはできましたが、やはりラストは理解できませんでした(苦笑)。著者は「もしだれかが『2001年宇宙の旅』を完全に理解したら、私達は失敗したことになる。」と言っているのでOKみたいです(笑)。映画との相違点~地球の石板(モノリス)は透明(映画は黒)宇宙船ディスカバリー号は土星(映画は木星)を目指す。映画では、透明な石板と土星の環を製作するのが難しかったらしい(CGがまだない時代)。なお、映画はSF映画のマイベストNO.1です。


No.1338 6点 影が行く
ジョン・W・キャンベル
(2020/06/18 16:09登録)
B級映画と揶揄されながらも、絶大な人気のあるSF映画の傑作「遊星からの物体X」(1982年ジョン・カーペンター監督)の原作です。内容は南極基地の氷の下に宇宙船と宇宙生物を発見するとものですが、SFというより人間の心理描写を主体にした物語です。短篇なので若干物足りなさを感じました。映画の方がスリルがあり、SF映画マイベスト5に入っています。これまで「遊星よりの物体X」(1951)、「遊星からの物体X ファーストコンタクト」(2011)と3度にわたり映画化されています。2018年に著者の未発表の原稿が見つかり、本作「影が行く」は壮大な物語のほんの一部であることが分かったそうです。その映画化も企画されているようなので楽しみです。


No.1337 7点 裏窓
ウィリアム・アイリッシュ
(2020/06/16 17:33登録)
①「裏窓」8点 別途書評済み
②「死体をかつぐ若者」8点 父親が浮気妻を殺害してしまった息子の行動。スリルと反転が見事。
③「踊り子探偵」6点 踊り子が刑事に恋心を抱くが・・・ほのぼの感が何とも。
④「殺しの翌朝」6点 青年刑事は他の刑事が驚くほど早く凶器を発見するが・・・
⑤「いつかきた道」8点 先祖にそっくりになった青年の行動。ポーを彷彿させる幻想的な結末。
⑥「じっと見ている目」8点 全身麻痺でしゃべれない老女は殺人計画を知ってしまう・・・
⑦「帽子」6点 ただ帽子を間違えただけなのに・・・
⑧「だれかが電話をかけている」7点 ショートショート。5回鳴って、もう一回鳴る不気味な電話・・・
⑨「ただならぬ部屋」6点 ホテルの913号室で4人の飛び降り事件。警察は自殺と処理するが・・・密室もの。

(参考)2020年版:史上最高の映画ベスト50(批評集計サイトに基づくランキング~ビジネスインサイダーによる)が発表され「裏窓」(1954年ヒッチコック監督)がランクインしています。以下、原作のあるミステリー系の順位。
2位 ゴッドファーザー
3位 裏窓
7位 めまい(死者の中から)
14位 黒い罠
19位 羅生門(藪の中)
24位 第三の男
28位 サイコ
37位 ローズマリーの赤ちゃん
38位 マルタの鷹


No.1336 6点 D機関情報
西村京太郎
(2020/06/10 20:13登録)
007ではないので女性陣との絡みがない?少しは恋愛感情が起きても良かったかなとも思う(笑)。まあ、若き軍人で真面目一方という性格が、作品的には最後の一行に通じるのかな・・・。著者の一番の思い入れのある作品のようで、そのことは伝わってきました。
 著者自薦の5冊の評価は「D機関情報」6点「殺しの双曲線」5点「寝台特急殺人事件」6点「華麗なる誘拐」7点「消えたタンカー」7点となりました。


No.1335 6点 メインテーマは殺人
アンソニー・ホロヴィッツ
(2020/06/07 22:51登録)
元刑事ホーソーンと作家ホロヴィッツのコンビが楽しい。ホーソーンがいい味を出しています。ホーソーンは得体の知れない人物なのですが、万一読書をするならダン・ブラウンか?などは個人的には大受けでした。小説の本筋はいいのですが(8点くらい)、鰊をぶら下げ遠回りし過ぎた感じがしますので6点どまりとしました。なお、シリーズ化されているようです。楽しみです。


No.1334 7点 世紀の犯罪
アンソニー・アボット
(2020/06/02 10:23登録)
「BOOK」データベースより~『ボート上で発見された男女の遺体。事件の真相を追及するべく、NY市警察本部長のサッチャー・コルトが捜査にのりだす!金田一耕助探偵譚「貸しボート十三号」の原型とされる作品の完訳!』~
 長谷川史親氏は『探偵小説談林』の中で「貸しボート十三号」には原型の作品があると指摘していました。昨年、本作が翻訳されその原案であることが紹介されました。本作ではコテージの番号が13号でした(笑)。
 1931年の作品で、現在では警察小説に分類されると思います。捜査の様子がどちらかと言うとドキュメンタリータッチで紹介されています。ボートに残された木の葉から犯行現場を突き止めていくというような感じで進んでいきます。殺害された二人は浮気している仲なのですが、双方の家族はそれを認めません。どんな背景があるのか?。殺害されたのが牧師なので、その真相は当時としてはかなりインパクトがあったのではないかと思います。


No.1333 6点 対訳コリンズ
ウィルキー・コリンズ
(2020/05/24 17:21登録)
「家庭の秘密」6点 姉が死亡した日、叔父が失踪。そのわけは?・・・
「まぼろしの女(夢の女)」6点 誕生日に自分を殺そうとする女の夢を見た。予知夢?・・・
「死人の手」6点 混雑するホテルで相部屋となる。隣のベッドの人物が死んでいる?・・・
「おそろしく不思議な寝台(恐怖のベッド)」 7点 賭博場で大勝ち。ベッドに横たわると壁の絵が徐々に消えてゆく?・・・
1850年代の短篇なので、現在ミステリーのようなオチがあるというわけではない。でも、ストーリー・テラーの著者らしい作品で楽しめた。ポーより読み易い。


No.1332 7点 モンゴルの残光
豊田有恒
(2020/05/21 18:21登録)
(再読)~モンゴル帝国が世界を制覇し、黄色人種が白人を支配している。主人公シグルト(白人の青年奴隷)はタイムマシンを盗み14世紀初頭にタイムスリップし歴史を変えようと企てる。~
SFはほとんど読みませんが、若しころ友人に勧められた一冊。壮大なスケールで歴史の勉強にもなった(笑)。かなり、メッセージ性の強い作品ですが、それを抜きにしても楽しめると思います。ちなみに著者はアニメーションの脚本家として「エイトマン」「鉄腕アトム」「ジャングル大帝」などを手がけ、日本SF作家クラブ会長も務めたとのことです。

1691中の書評を表示しています 341 - 360