幻の彼女 |
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作家 | 酒本歩 |
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出版日 | 2019年03月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | メルカトル | |
(2025/04/02 22:46登録) ドッグシッターの風太に、元カノ・美咲の訃報が届く。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた……。心が揺さぶられる「21世紀本格」の新機軸‼ Amazon内容紹介より。 第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作品。終盤までとその後の落差が凄いです。最後の二段オチも成程と深く頷かないではいられません。ただ、主人公風太の元カノ三人の影が薄いというか、あまり印象に残らない感は否めません。その辺りは島田荘司の選評にあるように、意地の悪いミステリマニアにとっては枚数的に物足りなさを感じるのではないかとの危惧を覚えますね。 かく言う私もその一人で、特に前半はもっとサスペンスを効かせても良かったのではないかと思いました。余りにも不可思議な出来事の筈なのに、それを読者にアピールし切れているかと問われると否と答えるしかありません。そこをもう少し工夫すれば更なる傑作に仕上がったと思います。 それでも、前半からは考えられない展開には眩暈がする思いでした。意外過ぎる結末とエピローグの美しさが心に残ります。 |
No.1 | 7点 | 蟷螂の斧 | |
(2020/07/24 20:31登録) 「BOOK」データベースより~『ドッグシッターの風太に一通の喪中はがきが届く。以前交際していた美咲の訃報だった。まだ32歳なのにと驚く風太。ほかの別れた恋人、蘭、エミリのことも思い出し連絡を取ろうとするが、消息がつかめない。彼女たちの友人、住んでいた家、通っていた学校…三人はまるで存在しなかったかのように、一切の痕跡が消えてしまっていた。友人の雪枝、裕一郎とともに謎を追う風太。辿り着いた驚愕の真相とは…前代未聞、必涙のラスト!!第11回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞作。』~ トリックは近未来を見据えた新機軸と言っていいでしょう。重いテーマですけれど、さらっとした文章で読み易いですね。読み終わったあとで、表紙をじっくりと見ると、”ああ成程なあ”と思うのであります(笑)。 |